遅い遅いと言う前に
どうしてこんな簡単なことがわからないのだろうか、かえって不思議なくらいです。
れいわ新撰組の山本氏や共産党の小池氏などは口を開けば遅い遅いと叫んで、とうとう能登にまで押しかけました。
遅くさせているのはあんたらのせいだろう。
お調子者の共産党の小池氏はこうツイートしています。
まったく迷惑な話です。
救援でごったがえす現地に来なくても、東京でできることはたくさんあります。
たとえば災害救助法の枠内では、その主体は県という自治体です。
自衛隊に災害出動を要請するのも、救援を政府に要請するのも主体は県です。
すべてが県が政府とうまく連携して動けるという暗黙の性善説に立っています。
しかしこれがれいわ新撰組や共産党が首長の県だったらどうしますか。
静岡県知事や沖縄県知事のように、妙な政治的独自性を発揮して抵抗するかもしれません。
すると救援は滞ることになります。
こういったことに対しての法改正は、現地に来なくてもできるし、いまやるときでもありません。
また緊急事態に際しては、政府が現地で足りていないヘリなどを全国から一時的に操縦士ごと借り受けて集中して現地に投入できるような緊急事態法のようなものができないでしょうか。
大量のヘリがあれば、高齢者や身障者の被災者を安全な地域に移送可能です。
こういう法制度改革は東京でないとできません。
これも今はもう遅いので、政治家はそのための議論をするべきなのです。
といってもこのおふたりさんはダンコ反対でしょうがね。
こういう今の救援のあり方の法的枠組みを議論できないから、ケチつけに政府や石川県がボランティアも立ち入りを制限をかけている現地に行きたがるのでしょう。
困った人たちです。
政治家の皆さん、行く前にいま能登や珠洲周辺で政府はなにに力を入れているのか、ちっとはかんがえたらいいのです。
救援はいま、どの段階なのでしょうか。
仮に大規模火災が起きたとします。
しかし火災現場に行く道が壊れていて通れない、としたらどうします。
消火弾を投下する?、消防署員を落下傘で落とす?
いや、消火弾の威力はたかがしれていますし、市街地で使われたことは日本ではありません。
落下傘なんて見たこともない消防署員を火元に落としてどうするんですか。
水や化学消化剤をたっぷり備えた消防車や指令車などという主力を投入せねば鎮火できません。
では、そのためにはどこから手をつけたらいいのでしょう。
わかりきったことですが、火災現場へのアクセスの復旧です。
そのために道を啓開せねばなりませんから、瓦礫をどかし、道を直し、重量車両が通過しても大丈夫な状態に戻さねばなりません。
一見迂遠ですが、モノには手順というものがあるのです。
日経
いま、能登市や珠洲市でやっているのはこの作業なのです。
能登半島はかつては辺境とまでいわれた山がちの土地で、とくに珠洲などはアクセス道が限定されています。
下図の赤点が通行止めの箇所で、こんなにあります。
とくに最北端の珠洲に輪島側から行く国道249は7カ所もの崩落があります。
「今回の地震は1日の発生以降、道路インフラの損壊が徐々に明らかになった。
国土交通省や石川県などによると、発生7日目の7日時点で「能登半島の大動脈」とされる国道249号は少なくとも25カ所で土砂崩れや道路陥没などで寸断された。県内全体で通行止めとなった道路は4日時点で最大41路線93カ所となり、7日になっても35路線83カ所が復旧されていない。
不通となった道路は緊急道も多く含まれていた。被害が大きい輪島市や珠洲市、能登町の中心部につながる道路で大型車両が通行できるようになったのは生存率が大幅に低下する「発生72時間」を間近に控えた4日午後。緊急道が使えなかったことで救助活動が困難になり、支援物資の輸送が遅れた」
(日経1月5日)
能登半島地震で道路寸断、救助・支援阻む 孤立2300人超 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
珠洲への道路はいたるところで崩落した土砂、地割れ、瓦礫で埋められています。
【能登半島地震・上空ルポ】「72時間」迫る中で懸命の救出活動 山崩れが行く手を阻む:北陸中日新聞Web (chunichi.co.jp)
大災害においては、まずせねばならないのは人命の救助です。
アクセスする道路が限られていようと人命のタイムリミットといわれる72時間のうちに救助隊を投入できねばなりません。
この救助隊の緊急車両が通るための最低限の道路を確保しせねばなりません。
このために、崩落した土砂や瓦礫を撤去するために大量の重機が必要です。
この重機を大量に持っているのは、自衛隊の施設科と地元の民間土建業者です。
崩落した道路の撤去作業の映像を見ると、黄色の土建業者が奮闘しているようです。
かつては、「コンクリートから人へ」などという倒錯したスローガンで公共事業を切りまくった民主党政権の影響で、地方の土建業界が崩壊しかけ、復旧工事に当たる主力がいなくなってしまいました。
緊縮財政は、地方の公共インフラを膳弱化させ、災害時の復旧主力を衰弱させるのです。
話を戻します。
この災害現場へのアクセス復旧があって初めて救助隊が現地に辿りつけるので、この後に食糧や水、毛布などの支援物資がを積んだ車両が入るのです。
なぜ災害ボランティアが入れないのだという声があるようですが、すでに後方の支援物資の仕分けには参加しているようですが、まだ現地に行ける状況ではありません。
とくに現地に行くべきでないのは政治家たちです。
首相や知事さえも行くべきではありません。
VIPが視察するだけで、地元警察に警備の手間をかけさせ、自治体の対応に大きな負担をかけてしまいます。
かつてカンというクレージーな首相が東日本大震災と同時に起きた福島第1事故で、フクイチにヘリで「視察」に押しかけて吉田所長から何をしに来たんだと言われました。
首相や知事は、つまるところ責任を取るためだけにいることを忘れないで下さい。
安全な後方で統括的な立場で情報を統括し、調整するだけでよいのです。
指揮官先頭などとまちがっても思わないように。
岸田氏はいままでの段階でうまくやっています。
初動は見事でしたし、優先順位をつけて①倒壊建物等からの救命・救助活動、②孤立集落の解消、③被災者の当面の生活を支えるための避難所等へのプッシュ型物資支援、④その前提となる道路啓開作業を精力的に遂行しています。
馳知事も、皇室行事のため東京にいたために現地にはいませんでしたが、逆に地震からわずか34分後の16時45分に知事本人が首相官邸で自衛隊の災害派遣要請を行っています。
「自衛隊は、兵庫県に伊丹、姫路、福知山の三個連隊がありますが、特に伊丹の陸上自衛隊の駐屯地は、被災地のすぐそばです。 阪神淡路大震災が起こったのは朝の5時46分のことでした。自衛隊は6時30分には緊急勤務態勢にうつり、災害派遣を予想して出動準備にかかりました。
しかし、災害派遣要請はなかなか出ませんでした。首相官邸は何もせず、兵庫県は規則に縛られて動きがとれなくなっていたからです。
ようやく要請がでたのは午前10時のことで、伊丹、姫路、福知山の三個連隊をはじめとした自衛隊の部隊が、神戸に向かって出発しました。救助に向かうのに3時間半ロストしています」
阪神・淡路大震災から23年経過 (nishino-law.com)
ましてや野党の政治家など、来られるだけで迷惑です。
彼らは地震対応の専門家でもなく、なんの権限もない悪質な野次馬でしかありません。
ともかくテレビの前でパーフォーマンスをしたいだけで、現場で対応したり、警備をつけねばならないだけジャマです。
といっても、既に押しかけて来てしまいましたが。
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まだ救助・救援及び医療支援の段階で政治家なんかに来られても本当に迷惑なだけ。
どこぞの目立ちたがりで逮捕歴のあるユーチューバーとやってることがなんら変わりありませんね。
余震がとてつもない頻度で続いているし、雪もあります。むしろ平年並みの大雪だったらはるかに被害が拡大していたかと。
ボランティアなら正式に受け付けセンターができてから参加しましょう。他に今出来ることは「募金」位でしょう。
あとは食事・排泄・燃料に睡眠場所まで自己完結できる自衛隊に任せるしかありません。
投稿: 山形 | 2024年1月 9日 (火) 04時22分
管理人様や山形様の意見に完全同意!!
やった気になっているのを見ると「邪魔をするな!!」と言いたい。
公金で飯を食っている議員が被災地に立ち入るのは、役に立たないどころか自治体職員や救助・救命、道路やインフラ復旧を行っている人たちにとって「邪魔」以外ありません。
また、報道関係が何社も現地入りして、道路等の復旧に当たっている車両や関係者の邪魔をしているのも気になります。(渋滞に拍車をかける)
報道も各自治体に1社ずつ割り当てて、取材や放送を共同で行うなんて出来ないのでしょうか?
首相が一早く「激甚災害指定」を決めたのは、被災地の自治体には朗報でしょう。
私も3年前被災された能登半島を一周してきました。風光明媚、食べ物は美味しいし、昔ながらの家屋があり、とても穏やかな時間が流れているのを感じてきました。(昔ながらの家=今回の被害が大きくなったとも言えるが)
20年前の「十勝沖地震」で色々と被害を受けた身として、とても他人事とは思えませんし、当時マスコミ対応を余儀なくされた事が脳裏に浮かびます。
投稿: 北海道 | 2024年1月 9日 (火) 08時45分
迷惑系ユーチューバーをもじってこの手の政治家を指して迷惑系国会議員と呼ぶそう。代表的なところを挙げれば、日夜SNSでデマを拡散し続けているグーグル原口こと原口一博、元総理でありながら素っ頓狂な言を吐き続けて、ついには自分の倅に諭されてしまうという無様な姿を晒してしまった鳩山由紀夫などなど。ずっと小者にはなりますが、同様の振る舞いを続ける輩として杉尾秀哉、蓮舫などこちらも掃いて捨てるほどおります。(すべて敬称略)
その中でも白眉と呼べるのが(馬良さんゴメン)れいわの山本太郎でしょう。今回も被災地に松葉杖をつきながら赴いたのだそうで、どんだけナルシストなんだよと。はっきり言ってこの時期にまともに歩けもしない人間が行くのは迷惑以外の何ものでもないはず。しかしながら信者から見れば、自らのハンデキャップも顧みず被災地に赴くヒーローと映るのだからつける薬もない状態です。まさしくカルト以外の何ものでもありません。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2024年1月 9日 (火) 08時50分
もともと開けた平地が少ない地理条件あり、隆起が多く発生し、海保の皆さんが測量をやり切ってからでないと船舶が近づけない港ありで、もどかしくても踏んでいく段取りを注視するほかありませんね。
何やら、境界知能と言われてキレ散らかしながら所謂「くそリプ」を連打して、自ら積極的に「境界」であることを証明している人たちがあります。
自分の言説や行動に反論や批判を受けたら誰しも気分悪いものですが、そこで「何が何故良くなかったのかな」と考えることもできる人ばかりではなく、「私が批判されるのは私が正しいからだ」などと思い込んでしまう人がいます。
いつも手放せない薄い板に仕事をさせれば多角的に情報を得られる時代ですが、検索ひとつにもワード設定する能力やセンスは必要で、それ次第では極めて不十分なまま「私は真実を知っている!」状態から抜け出せなくなることがあります。
ヒトに実力の格差がある厳しい現実は、変えようがありません。
では、最も多い層というものはどうだろうかと考えてみますと。
110番通報で「テレビが映らない」「タクシーが予約できない」などの「不要不急と思われる」例が40万件、昨年の年間通報件数の2割ある、というニュースを知って、「なんでそんな馬鹿なことを」「頭大丈夫なのか」と考える人々、山本太郎や被災地押しかけYouTuberの行為への批判も不同意も当然と考える人々、そのような層は我々社会でいちばん数が多いであろうことは、知能指数が正規分布である事実からも、想像に難くはないです。
極端なことをやらかしてくれている限り分かり易いですから、大多数が、あのような人たちに力を持たせることは無いでしょうけれど、支持率1%未満から一桁台前半を維持している政党の中の人や支持者が、そのことを悩んでいるように見受けられないのは面白いです。
ただ、最も数が多い(我々)凡人が専門性の高い話、テクニカルな話について考える時、己が考えつくような方法はとっくに専門家が考えていて、理由があってそれが採用なり却下なりされているのでは、という出発点は忘れないようにしたいものです。
投稿: 宜野湾より | 2024年1月 9日 (火) 16時48分
阪神淡路大震災の時、私は隣接自治体の職員でした。
兵庫県からの応援要請で私が属していた自治体からも多数の職員が兵庫県に派遣され、応援復旧業務に携わりました。
ただ、最初のアクセスは、各道路が倒壊家屋や瓦礫で寸断されているのと、通行できた国道2号、43号は復旧車両以外に一般車両が混じっていたため動きが取れなかったので、西宮から、宝塚・名塩経由で、六甲の北側を西に大きく迂回し、須磨方面から神戸市に入りました。
その後、微力ながらも応援業務をしていたとき、上司から「今度○○大臣(当時の総理と同じ政党の方)が現地の視察に来られる。兵庫県は忙しすぎて対応できないので、□□□に協力要請があった。このため、大臣視察の準備をするように」との指示がありました。
視察の当日は、朝から現地に入り、現場で大臣が歩きやすいように通行の妨げになる物の片付けや、説明用機材の準備を行い到着を待ちました。現場に来られたのは午後になってからで、15分程度の視察のあと、次の現場の視察に向かわれました。
大臣はご高齢のためか足取りも不安そうで、ゆっくり歩いていらっしゃいました。
結局その後、我々は現地の片付けを行った後、夕方に戻ったのですが、大臣の対応にすごく気を使って大変疲れました。
私はそのとき、大臣が所属していた政党には選挙で絶対投票しないと、堅く誓いました。
投稿: らんです | 2024年1月 9日 (火) 20時52分
とにかく民主党政権でなくて本当に良かった。
投稿: クラッシャー | 2024年1月 9日 (火) 22時27分