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2024年3月 1日 (金)

自国の自動車産業を潰すためにEV革命をしてしまったEUの悲喜劇

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ニッポン人の7割は自国が衰退していて未来はないと思っておるぞよ、という声がメディアから聞こえます。
ほんと、メディアは民草にペシミズムを配給するのが仕事だと思っているようで、こんな調子です。

「世論調査会社イプソスは2月28日、「ポピュリズムに関するグローバル調査2024」の結果を発表した。調査は2023年11〜12月に、日本を含む世界28か国2万630人を対象に実施した。
そのなかで「自国は衰退している」と思うかと質問。すると日本人の68%が「そう思う」と答え、世界各国と比較すると28か国中5番目に高い割合であることがわかった。
2016年からの経年変化を見ると世界各国平均ではほぼ変わっていない。にもかかわらず、日本人の場合は1.7倍にまで増加したのだ」
日本人の68%「自国は衰退」|ニフティニュース (nifty.com)

貧困と社会的不平等、そして経済の没落、そして朝日にいわせると、いまやわが国は世界の誰もがふりむきもしない「田舎の終着駅」になってしまったそうです。
この日本人のペシミズムの原因は、34年間も続いた経済のデフレ冷血症がもたらしたことは明らかですが、昨今はこれにEVが加わっています。
EV革命が起きたぞよ、EV後進国のニッポン自動車産業は壊滅だぁ、トヨタこけて日本経済全滅だぁ、とメディアはなぜかひどく嬉しそう。

「現在、ICE(内燃機関)自動車からEVへのシフトが世界で急速に進んでいる。そんな状況でも、反EV勢も多い自動車大国の日本は世界に差を付けられる「お寒い」状況が続く。基幹産業である自動車製造が衰退すれば、現在500万人以上とされる自動車関連産業の就業者は路頭に迷い、日本経済の壊滅も懸念されるだろう」
(Seizo Trend  2023年11月30日)

EVシフトで先進国“最低”のお寒い「日本」、世界との差は“ヤバい”が明るい兆しも? Seizo Trendキーパーソンインタビュー|Seizo Trend (sbbit.jp)

たしかにEUは一時期EV熱が加熱して、軒並みガソリン車とディーゼルを販売禁止にしようとしました。
「ドイツ連邦参議院を通過。ドイツの規制はEUやUNECEの規制に影響を与える 2017/9/24の選挙を前にメルケル首相は雑誌SUPERilluのインタビューに答え、ガソリン車・ディーゼル車の販売禁止を指示。具体的な時期として2040年を示唆」
各国のガソリン車禁止・ディーゼル車販売禁止の状況 - EVsmartブログ
しかしわずか6年で、EUはガソリン車販売禁止政策を撤回しています。
「3月25日、EU(欧州連合)の行政府である欧州委員会とドイツ政府が、水素とCO2で作る合成燃料「e‐Fuel(イーフューエル)」の利用に限り、2035年以降も内燃機関の新車販売を認めることで合意しました」
週プレ2023年5月2日)
EUが「2035年までにエンジン車の全面販売禁止」を撤回したワケ - クルマ - ニュース|週プレNEWS (shueisha.co.jp)
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週プレ
そして今やトヨタのハイブリッドは過去最高利益です。
「欧米、中国、日本を含む主要14カ国のハイブリッド車(HV)の販売台数が2023年、前の年から30%増えて電気自動車(EV)などの伸び(28%)を上回った。トヨタ自動車のHV販売台数も過去最高を更新した。品ぞろえの豊富さや使い勝手の良さが支持されたもようで、拡大を続けてきたEVの成長ペースが踊り場を迎えている」
(日経2024年2月19日)
ハイブリッド車世界販売3割増でEV逆転 23年、トヨタは過去最高 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
おかしいではありませんか。「世界に差をつけけられて」壊滅寸前のはずの日本自動車産業のほうが伸びてしまうなんて。
ノルウェーは世界一のEV(電気自動車)普及国ですが、この国のEV自動車の普及率です。
全体の新車販売の半分がEVです。

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日経

「【フランクフルト=深尾幸生】ノルウェーの2020年の新車販売(乗用車)で電気自動車(EV)が初めて全体の半分を上回った。ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)が5日発表した同年のEV販売台数は19年比27%増の7万6804台で、シェアは54%と12ポイント上昇した。単月では過半に達していたが通年で超えるのは初めてだ」
(日経2021年1月6日)
ノルウェー、EVシェア通年でも過半に 20年54%: 日本経済新聞 (nikkei.com)

販売車の半分がEVで、プラグを差して充電するプラグインハイブリッド車(PHV)のシェア20%を加えると7割以上がEVです。
EU全体でもEV化が進んでいます。

「欧州においては官民一体でのEVシフトは急激に進んでいる。先月2021年11月のドイツのEV(純電気自動車:BEV、プラグインハイブリッド車:PHEV)のシェアは34%を超えてガソリン車を超えた。これは北欧などの小国を除くと初めてのことだと思う。またその他英国やフランスのEVのシェアも20%を大きく超えてきている」
(黒木照弘2021年12月28日)
欧州、特にドイツにおける電気自動車の急激な普及 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

ちなみにわが国は、ハイブリッド車が37%であるに対して、EV普及率はわずか0.4~1.2%でまったく低調で、いま日本で電気自動車は意識高い系しか乗りません。
脱炭素を言うならハイブリッドで充分で、まだろくな急速充電インフラもないEVなど買う必要がないからです。

EVは実は大変なカネ喰い虫です。だってそうでしょう、急速充電施設を全国に張りめぐらすだけで気が遠くなるような数が必要です。
EVはこの充電施設がないかぎりただの鉄の箱となってしまいますし、航続距離が短いので今のガソリンスタンド以上に全国津々浦々に作らないと、EVは普及しません。
この無理を押して普及させようというのですから、国策としての優遇策を取りました。

「だがこの背景を探ると、その強引さが目立つ。石油には重い税を掛ける一方で、電気自動車は税の減免を受けている。EVは駐車料金や高速料金も割引されており、バスレーンの利用などの優遇措置も手厚い」
(キャノングローバル研究所・杉山大志氏『「EV先進国」ノルウェーを支えているのは"北海油田"という矛盾』20022年2月22日)
「EV先進国」ノルウェーを支えているのは"北海油田"という矛盾 | キヤノングローバル戦略研究所 (cigs.canon)

EVは取得減税、駐車料金は割引、高速道路を走ってもタダ同然、バスレーンも走りたい放題ですか、スゴイね。                                          ここまでしても、ノルウェイという人口500万人ていどの小国ですら肝心要の急速充電装置が足りないのです。
不足が特に露になるのが、人口が多い都市部です。

「人口が多いノルウェー南部では、EVシフトの悲惨な現実が浮き彫りになっています。ノルウェーの高速道路には多い所で20基以上の急速充電設備が設置されていますが、それでもお盆や正月は、交通量が増えて大規模な充電渋滞が起こります。
充電設備の数はおおよそ日本の20倍ほど設置されていますが、これだけ整備されても一切のストレスなくBEVを使うには不足する様子。充電渋滞は同じくEV先進国である中国でも問題になっています」
「EVシフトは綺麗事ばかり」電気自動車先進国の「悲惨な現状」とは | MOBY [モビー] (car-moby.jp) 

こうまでせねばEVは拡大できなかったのです。
そしてその結果がどうなったかといえば、失笑することには、いまや欧米市場のEVはメイドインチャイナのEVに乗っ取られ、EU製は片隅に追いやられつつあります。
なんだ自分の国の自動車産業を潰して、中国のためにEV化したようなもんじゃないですか。
事実、いまや中国は自動車生産台数で世界3位です。
このEV攻勢が続けば、近々ドイツを抜いて中国は自動車生産量で世界2位になるでしょう。

「中国EVの欧州急進出により欧州自動車企業は地元でシェアを奪われるリスクが高まっている。中国市場で高成長を謳歌してきたVWなどの欧州自動車メーカーは、今や攻守所を変えて、守る側に立たされつつあるのである。
2023年上期の中国自動車輸出台数は214万台(前年比76%増)のとなり、日本を抜き世界一となった。けん引役は、EVおよび民主主義国が禁輸している対ロシア向け輸出である。中国車のロシアでのシェアは2021年9%から22年37%、23年にはシェア50%を超え100万台に迫ると見られている」
(武者リサーチ 2023年10月3日)
窮地か?ドイツ企業の対中戦略検討とEU | 武者リサーチ (musha.co.jp)

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(EVsmartブログ
「中国EVメーカーからは今年、世界中に商品の波が押し寄せました。CAAMによると、中国は9月に昨年同月の倍となる5万台のNEVを輸出し、通年ではNEVの輸出台数が38万9,000台に達して昨年比で3ケタ台の成長率を見せました。
゛中国税関総局の最新データによると、中国は8月に11万2,000台のNEVを輸出し、8月までで輸出量の多かった国トップ3はベルギー、英国、タイでした。今のペースで行くと、中国は2022年に50万台以上のNEVを輸出することになります。また中国は9月までに昨年同期比で55.5%増の合計212万台の自動車を輸出しており、世界2位の自動車輸出量を誇るドイツを抜いて日本の下に着きました」
(EVsmartブログ 2022年11月1日)
中国勢のEV競争は新しいフェーズへ〜世界市場進出への急展開 - EVsmartブログ

そして中国のEVメーカー比亜迪(BYD)は今年、世界の頂点に立つ見通しです。
国際市場は中国製EVに制圧され尽くすでしょう。
BYDは2023年10-12月期のEV販売台数でテスラを上回り、世界首位となった。国内ではすでに昨年、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)を抜き首位となっています。
さらに中国はバッテリー市場などのサプライチェーンもしっかりと支配しています。
「中国のCATL、Gotion、EVE、CALB、BYDなどのバッテリー大手は中国の外で生産を拡大しており、Gotionはミシガンでのプロジェクトに23億6,000万ドル(約3544億1,064万円)の投資をすることを最近発表し、CATLもメキシコで生産設備の投資をすることになっています」
EVsmartブログ
つまり、EVは完成車だけではなくバッテリーにいたるまで中国が支配してしまったのです。
これがメルケルの脱炭素の結果です。
ちなみにバッテリー生産は有害物質を出しまくるので有名な商品ですが、環境規制が甘い中国はどうやって作っているのやら。
しかし中国製バッテリーがないともはやEVは動かないのです。
このような中国の世界制圧に対して、ささやかな抵抗がEUでも始まっています。
中国がEU市場に進出できた秘密は輸出補助金であることに着目したのです。
[上海/ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は、欧州の電気自動車(EV)メーカーを保護するため関税措置を課すべきか調査する一環で、数週間内に中国の自動車メーカーに対する査察を実施する。関係者3人が明らかにした。
査察対象は比亜迪(BYD)と吉利汽車、上海汽車工業集団(SAIC)米テスラやフランスのルノー、ドイツのBMWなど、非中国ブランドのEVを現地生産している会社は対象外となる。
欧州委の調査は昨年10月に始まり、1年1カ月続く予定。価格が安い中国製EVが国から不当な補助金支援を受けていないかどうか判断する。中国はこの調査を保護主義的だと主張しており、EUとの緊張が高まっている。
欧州委は査察を実施することを認めた。通商担当スポークスマンは「中国とEUのメーカーを代表サンプルに選定した。既に質問票に回答している」と説明し、1─2月に検証を実施すると述べた。
欧州委、中国EVメーカーを査察へ 補助金の有無調査=関係筋 | ロイター (reuters.com)
中国が輸出するEVに補助金をつけるという不公正な方法を使ってまで欧米市場を制圧したことに気がついたEUや米国では、急速にEV熱が醒めてきています。
遅いよ、もっと早く気がつけよと思いますが、自分の言っていたキレイゴトに自分でたぶらかされていたのです。

次回は米国を見ます。

 


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コメント

 欧州のEV普及キャンペーンは所詮日本に対するレイシズムに起因してますからね。ガソリンやハイブリッドカーで水をあけられてるのが彼にとって悔しかったから露骨に日本を標的にした後2車に対する規制を強化したのですが、肝心のEVが中国に先を越されてしまい、またEVの致命的欠陥が明らかになったので慌てて原点回帰すると言う醜態を晒しました。あれだけEV推しを煽っておいて都合が悪くなると掌返しをすると言う、白人の十八番とも言えるご都合主義ですな。そんなレイシストの戯言を真に受けて自国をディスってきた我が国のマスゴミもこの一件を「無かった事」にするのでしょうね。

中国でも今年の寒波でEVが路上に大量に放棄される事案が発生しています。
メルケルは中国市場が欲しくてVWを真っ先に進出させましたけど···現地生産するのはあのサンタナかよ(笑)と。
日本では80年代に日産で販売してましたが、ガチで故障ばかりの不良品。次の初代パサートも酷いものでした。だって自分の15年落ちサニーを定期点検に行くといつもピットにいる!
その後はゴルフ他はかなりブツが良くなったようで、扱いはトヨタに。

製造大国だったドイツは日本メーカーが憎らしくて堪らなかったようで、トヨタがアメリカでプリウス事故の魔女裁判やらされていた頃に「小型ディーゼルターボ」の素晴らしさと新概念のCO2排出で有利だとか言い出して···はい、ディーゼルゲート事件。
じゃあ次は全部EVだあ、HVはもう古い!と何も無かったように言い出したら、「電池が無い」「素材も含めて中国頼り」という有り様。
あの国は太陽光発電推進した途端に真っ先に自国パネルメーカーが中国の安物に駆逐されたばかりだというのに勉強しねえな。いつもは必要以上に理詰めなことをするドイツ人なのに。

ノルウェーは、まあ特殊ですね。少ない人口に豊富な地下資源、電欠したらお隣のスウェーデンから買える。
そういえば水素燃焼仕様のマツダRX-8を100台政府購入したのもノルウェーでした。ロータリエンジンはかなり悪食ですから、トランクにボンベを積んで配管とエンジンプログラム変更程度でコンバートできます。但しパワーは半分程度に落ちます。水素とガソリンの比熱比が全く違いますからしょうがないです。

トヨタはHV·PHEV·水素燃料電池·水素燃焼エンジン全部やってるし、今やマツダも実質グループ化してますから凄いです。最近日野·ダイハツ·トヨタ自動織機といった系列会社の不祥事(型式認定すり抜け)が続いてるのは残念ですけど。

ちなみにトヨタのシステムより遥かに簡単なシリーズハイブリッドの日産ノート(e-4WD仕様)を12月の雪の日に代車で2日ほど借りたので、遠出しちゃいましたけど、あれイイな!全て文句無し。燃費は雪道含めてブン回したので22キロ/lていどだったけど。。

結局自家用車なんていろんな条件下で使用されることを要求されるツールにEVのような運用ハードルが高い規格が主流になるわけがない。
水素はもっとハードルが高いので実現できたとしても鉄道がいいところのような気がします。
とはいえ電車に比べて「架線がいらない」くらいしかメリットがないので積極的な導入が進むかは微妙なところです。

結局人間が数年ジタバタしたところで火山噴火一発でチャラになるくらい削減効果しかありませんから欺瞞もいいところですね。

 北海道や東北、北陸みたいな雪国でEVを買うのは、車輪付きの棺桶を買うのと同義語ですからね。

 移民問題の時もそうですが、欧州は極端過ぎます。
人間の出す二酸化炭素が気温上昇の原因なのか?そもそも温暖化そのものが疑わしいのではないか? そこから立ち返って再検証すべきだと思います。
それはそれとして、EVがそれらに対処できる道具でもない事は明らか。

メルケルさんは旧東ドイツ出身なんで、おそらく中国も民主化すると本気で考えていたんで、中国全振りの政策になったんだと思いますわ。専制国家らしい無能皇帝が出て来て、全てブチ壊しになってしまい、ご愁傷様ですわ。

ドイツはここんとこ左巻き政権なんで、理想希望ファ-ストで現実というものが抜けていますから、何をどうしようが結果は失敗するのはガチで判っていたことですわ。ここまで来ても目が覚めないドイツ人は、一度全員で動き出すと破綻するまで止まらないという盲目的集団行動を好む国民性が、やっぱり旧同盟を組んだ日本人に似ているところがあると思いますわ。

私は、20年落ちのSymmetrical AWD OHC廉価グレードのクルマをクソ高い自動車税(13年経過すると増税される)と4ATの悪燃費に泣かされながらも走っていますが、テスラ車の走りを見ると電気自動車も悪くないと思っている非国民です。今度出たサイバートラックなんて、も少し小型にしてくれたら日本でもウケルと思いますわ。でも、多くの原子力発電所を停止させている日本じゃ、真夏真冬の電力需要を考えると、EVの本格普及なんて悪夢ですわ。

 >中国製バッテリーがないともはやEVは動かないのです

 車輪付きの爆弾に乗ってるようなモノ。

今更投稿で誰も読まないかもしれませんけど、メルケルの政策のせいで···現在ドイツのガソリン(レギュラーでも日本よりオクタン価が少し高い)がリッター300円超えだそうで。一般ユーザー虐めの酷い仕打ちです。で、地球に優しいディーゼル至上主義とバイオ燃料へシフト。
そこでVWがやらかしたら、一気にEVシフトへ。あの婆さん、完全に迷走してました!

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