トランプ、ロシアにNATOを攻撃することを促す
ああ、どうしてこんなドアホウなことを言うのか、この人。
またもやトランプがウルトラ級の暴言です。
最近はウクライナ支援も止めるわけじゃないが、NATOも同じだけしろと言ってるんだ、なんて案外マトモなことを言っていたのですが、またまたやらかしました。
今度はこともあろうに米国最大の敵のはずのロシアに、NATOを攻撃しろとけしかけていますから尋常な神経ではありません。
プーチンは笑い転げていることでしょう。
「今年11月の米大統領選で野党・共和党の指名候補になる見通しが強いドナルド・トランプ前大統領は10日、在任中に北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に対し、その国の「軍事費負担」が不十分ならばアメリカはその国を守らず、ロシアに「好きにするよう促す」と発言したのだと、支持者集会で明らかにした。
これについてNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、「我々全員の安全保障を損なうものだ」と強く反発。ジョー・バイデン米大統領も、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による侵略行為に「青信号」を与えるものだと批判した。
トランプ前大統領は10日にサウスカロライナ州で開いた支持者集会で、自分がかつてNATO首脳会議(サミット)に出席した際、「大きい国」の指導者から、仮定の話を持ち掛けられたのだと明らかにした。
これに対して自分は、「払ってない? ちゃんと払ってない? だったらうちはおたくを守らない。むしろ、(ロシアに)好きにするよう促す。払わないとだめだ」と答えたのだと、前大統領は聴衆に話した。
前大統領は、この会話がいつのことか、相手の国や指導者がどこのだれかなどは明らかにしなかった。
それによると、その外国指導者は「もし私の国がNATOでの金銭的義務を果たしていないとして、私の国がロシアから攻撃されたら、アメリカはどうするのか」と、トランプ氏に尋ねたのだという」
(BBC2月12日)
トランプ米前大統領、NATO加盟国攻撃をロシアに「促す」……在任中の発言に批判 軍事費負担めぐり - BBCニュース
トランプ氏の「ロシアけしかける」発言 バイデン大統領が批判「権力取り戻したら…」(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
NATO事務総長は直ちに、これはプーチンに青信号を出したことだ、と批判しています。
「ストルテンベルグ事務総長の声明を受けて、バイデン米大統領は声明で、「ドナルド・トランプは、自分がプーチンに青信号を与えるつもりだと認めた。プーチンがさらに戦争を続け、暴力をふるい、自由なウクライナに対する残虐な攻撃を続け、その侵略行為をポーランドやバルト諸国へ拡大するのを、容認するつもりだと。これはとんでもない、危険なことだ」と強く批判した」
(BBC前掲)
今の勢いならほぼ確実にトランプは共和党候補となり、そしてかなりの確率でバイデンを破る可能性があります。
仮にトランプを止めたいとするなら、それは立候補資格を剥奪するしかありません。
去年12月19日、コロラド州最高裁は、3年前の議会乱入事件に関与したとされるトランプに立候補資格はない、という判決を下しました。
「この事案は、米国憲法の順守を誓った「米国の公務員(an officer of the United States)」などが反乱や反逆に関与した場合、その後の公職禁止を定める憲法修正14条3項の規定に絡むもので、大統領経験者に対し同規定に基づく判決が下されたのは初めて」
(ブルームバーク2024年1月4日)
トランプ前大統領が連邦最高裁に上告、出馬禁止のコロラド州判決巡り - Bloomberg
トランプ側は不服として連邦最高裁に上告しています。
「トランプ氏側は連邦最高裁への上告で、20年大統領選結果を覆そうとして同氏が反乱に関与したことはないと判断するよう求めている。ブルームバーグが確認した提出文書のコピーによれば、同氏は連邦議会議事堂襲撃事件について、「『反乱』ではなかった」と主張。同氏の弁護士も「憲法修正14条の制定時の解釈によれば、『反乱』とは武器を手にして米国に戦争を仕掛けることを意味する」と論じた」
(ブルームバーク前掲)
トランプは支持者をけしかけるような発言をしましたし、そもそも開票日に議事堂でその作業をしようとしている時に、大規模な集会を呼びかけるほうが異常です。
まずは当時の客観状況からおさえます。
「ワシントン=横堀裕也】米連邦議会で開かれていた上下両院合同会議は7日未明、大統領選の選挙人による投票結果の集計を終え、ジョー・バイデン前副大統領(78)を次期大統領に正式に選出した。議会では審議中の6日午後、トランプ大統領の支持者が多数乱入し、議事堂を一時占拠、一部は警官隊と衝突した。米メディアは、これに伴い、4人が死亡したと伝えている。
米メディアによると、支持者らは窓ガラスを割るなどして議事堂に押し入り、議場や下院議長室に侵入した。合同会議は約6時間にわたって中断を余儀なくされた。会議の議長を務めていたペンス副大統領や議員らは避難して無事だった。
首都ワシントンのムリエル・バウザー市長は6日午後6時(日本時間7日午前8時)から夜間外出禁止令を出し、警官隊がデモ隊の排除を進めた。米CNNなどによると、死者4人のうち女性1人は議事堂敷地内で銃で胸を撃たれたという。
合同会議は再開後、各州の選挙人の投票結果の集計を継続し、計538人の選挙人による投票はバイデン氏306票、トランプ氏232票となり、バイデン氏の勝利が正式に確定した。
一方、CNNなど米主要メディアは6日、ジョージア州で5日実施の上院2議席の決選投票で、民主党候補が両議席で勝利を確実にしたと一斉に報じた。民主党が上院で多数派となり、過半数を確保している下院と合わせ、20日に就任するバイデン氏は議会運営で主導権を握る運びとなった。
トランプ氏「20日に政権移行」
トランプ氏は7日未明に声明を出し、「選挙結果には同意できないが、1月20日に秩序だった政権移行が行われる」と表明した」
(読売1月8日)
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-921397/
時事
いかなる理由にせよ、大統領確定を審議している議事堂に突入し、その審議を中断させてしまえば、これは立派な犯罪行為と見なされます。
主張していることの内容ではなく、やったことの行為の内容において処罰されねばなりません。
しかも死者を4名も出してしまっては、いかなる言い訳も許されません。
同上
上の写真は当日死亡した女性が撃たれた時のもののようですが、発砲しているのはただの警官ではなく要人警護官(シークレットサービス)です。
彼らが銃を抜くというのは、要人のすぐ近辺まで殺到し、撃たれたのは制止に応じなかったためでしょう。
亡くなった方には気の毒ですが、重要案件を審議中の議事堂に暴力的に押し入り、警察官の制止を聞かなければ、米国では撃たれても文句は言えません。
トランプ政治の特徴であり欠点だったのは、大衆を動員する手法でした。
大規模な応援集会やデモをするところまでは、大衆のやりきれなさを具現化する大統領として有効な政治手法でしたが、このような議会審議に圧力をかけるためとなると話は違います。
これは民主政治の仕組みそのものを、大衆デモの力を借りて有利に運ぼうとするものであって、ひとたび間違えるとこのような一部の暴徒を押えきれなくなってしまいます。
トランプは「大衆の力」の使い方を土壇場で間違えたのです。
この事件がトランプが引き起こしたことであるか否かは微妙ですが、すくなくとも彼は怒りのガスを溜め込んだ支持者を集めて煽動してしまいました。
そしてトランプはこのモッブと化した支持者を背景にして、上院議長でもあったペンス副大統領に圧力をかけたのです。
「昨年1月の米連邦議会襲撃事件を調査している米下院特別委員会が16日あり、当時のドナルド・トランプ大統領がマイク・ペンス副大統領に対し、大統領選の結果を打ち消すよう違法な圧力をかけて危険にさらしたと、委員らが発言した。
与党・民主党が主導する同委員はこの日、3回目の公聴会を開催。冒頭には、トランプ氏がホワイトハウス前での演説でペンス氏に「正しいこと」をするよう求める映像と、議事堂にいたトランプ氏の支持者らが「マイク・ペンスをつるせ」と唱えた場面の映像が流された。
その後、ペンス氏の首席顧問だったグレッグ・ジェイコブ氏が、「私たちは文書、歴史、そして率直に言って常識を検討したが」、ペンス氏には選挙結果を覆す権限がないとの結論に至ったと証言した」
(BBC2022年6月17日 )
トランプ氏がペンス氏に「違法な圧力かけた」 米議会襲撃の調査委 - BBCニュース
このペンスへの圧力は、議会での大統領選結果の認定と「平和的な政権交代」を阻止しようとしたととられてもしかたがないものです。
トランプはこの事件についてなんの反省もないばかりか、正しかったとすら言っています。そこが問題なのです。
この意味で、コロラド州最高裁が、トランプが「違法な目的」のためこうした一連の行動を取ったことには「十分な証拠」があるとしたのは当然です。
もちろんトランプはこんな州最高裁ていどの判決で引っ込むようなかわいいタマではなく、このようなことを主張し、連邦最高裁まで上告しています。
「トランプ氏は判決を不服として連邦最高裁に上訴し、この日(8日)、弁論が開かれました。主な争点は3つ。▼トランプ氏は反乱に加担したか?弁護団は「議会乱入は恥ずべき犯罪的暴力だが反乱ではない」と指摘しました。▼大統領は単なる官職(officer)か?この点を条文は明示していません。▼立候補資格をはく脱できるか?ひとつの州の判断で大統領選挙を決定づけるような事態には、複数の判事が懐疑的な発言をしました」
米連邦最高裁トランプ氏の立候補資格は? NHK解説委員室
どのように連邦最高裁が判断するかはわかりません。
たぶん「反乱」への加担については踏み込んだ判断はせずに、立候補は認めるのではないかと思われます。
ポンペオ元国務長官は、大統領になればチームで考えるようになるから大丈夫さ、という意味のことを言っていたようですが、どんなもんでしょうか。だといいのですが。
そしてトランプという猛獣の最大の「調教師」であった安倍氏はもういないのです。
これは日本のみならず世界の不幸でした。
暗澹とした気分になります。
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トランプの発言は山本太郎と同じで自分の「考えの拙い支持者」に向けてのサービスって則面があるのでしょうが、安全保障に関する戯言はやめて欲しいです。
同盟の価値をゆるがすなら、日本としても「中国との橋を維持すべき」との声が大きくなるに決まってます。
それと、ゼレンスキーの求めに応じて早くウクライナへ行くべきでした。
プーチンに馬鹿にされて終わったタッカー・カールソンの惨めな姿をこそ見るべきで、それがロシアの本質です。
あと、大統領の刑事的免責特権が100%認められるはずはなく、そこだけを争点にしたら連邦最高裁でも負ける可能性があります。
でも、今の最高裁は妥当に機能していて、テキサスvsバイデン政権での判決も納得出来るものでした。
トランプがやった事を精査すればトランプの公民権を失わせるほどの憲法違反があった、などと言う判決は出ないはず。
いずれにしても「重し」になるべき副大統領に誰がなるのか?周りの布陣が早く知りたいところです。
民主党べったりの岸田政権もここらで年貢の納め時でしょう。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年2月13日 (火) 09時36分
バイデンはバイデンで認知症が更に加速したかのような言動を繰り返すやら、米政界はどっちに転んでもお先真っ暗。
投稿: | 2024年2月13日 (火) 10時37分
トランプ親ビンの気質からしたら、米国頼みの欧州NATO諸国、特に左巻きに支配されているキレイ事好きなドイツなど、まさに唾を吐き捨てたくなる存在だと思いますわ。「ウクライナ戦争は、欧州のお前らが当事者なんだから、お前らが何とかすんだよ!」 「米国はNATO規約上の協力はするが、それもお前ら次第だ、オレはお前らのお父ちゃんじゃないんだぞ!」
親ビンが優勢なのは、米国の貧乏人(特に白人)層のルサンチマンが大きな支持基盤を形成する源になってるんで、民主党を支持するキレイ事好きな経済的に豊かな層は真向から貧乏人の味方の親ビンを否定しにくい(貧乏人イジメになるから)いう面もあると思います。それほど米国の貧富が二極化してしまってるんですわ。当然、貧乏人の方が多いんで親ビンの支持は伸びます。
奈良県警の考えられない大失態によって日本に対しても、「自衛じゃないと交戦できないなんてキレイ事言うなよ、対等な同盟ならヤル事は解かってるよな」、ぐらいは主張してくるでしょう。逆に、キレイ事好きな岸田首相(のまま?)にとっても平和ボケした日本国民にとっても、いい機会だと思いますわ。
苦戦が伝えられるウクライナですが、ロシア伝統の兵士大量使い捨て戦術が功を奏しているみたいですわ。ロシアは何としても持久戦に持ち込んで勝つつもりです。米国バイデン政権といえば、「ウクライナには関わらない、第三次世界大戦になってしまう」→ロシア侵攻で関わるわ 「遠距離攻撃のできる兵器はウクライナに渡さない」→ウ軍劣勢で渡すわ 「制空権を圧倒するような航空兵器は与えない」→乗員訓練して与えるわ、まるで戦争を細く長く継続するのが米国バイデン政権の利益だと言わんばかりですわ。ロシア自滅が米国の最終目標?兵器産業まる儲け?ただのボケ・怠慢? いづれにしても第二次トランプ政権となれば、答えは出ますわ。
投稿: アホンダラ1号 | 2024年2月13日 (火) 23時14分