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2024年2月28日 (水)

ウクライナ戦争の舞台裏でしのぎを削る南北朝鮮

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ご承知のように 現在、北朝鮮はロシアに防大な軍事支援を送っています。
その供給量もハンパではなくなんと100万発。
大砲こそ生命、戦場の女神とあがめるロシア軍の実に2カ月分だそうです。

というか、たった2カ月分。
いくらあっても足りませんから、正恩はここにビジネスチャンスを見つけたのでしょう。

「米紙ワシントンポストは4日、今年のウクライナ戦争の膠着状況を振り返る深層企画記事で、韓国製の155ミリ砲弾がウクライナに間接支援された過程を紹介した。その量は最大で33万発に上る。一方、北朝鮮はロシアに100万発の砲弾を提供したとされる。ウクライナ戦争はなお長期化の様相を見せている。今後も朝鮮半島からの直接間接の弾薬供給が続く可能性は高い」
(デイリーNK2022年12月6日)
ウクライナに30万発の韓国製砲弾、ロシアには北朝鮮から100万発…米紙など報道 #専門家のまとめ(高英起) - エキスパート - Yahoo!ニュース 

同じように、ウクライナと東欧に商機をみつけたのが韓国です。
すでに全欧より多い33万発送ったそうです。
そればかりではなく、ウクライナと国境を接するポーランドに猛烈な売り込みをしています。

「 韓国は、同国史上最大となるポーランドとの137億ドルの武器契約を活用し、巨大軍産複合体の基礎を築こうとしている。両国の軍需企業が期待するのは、遠い将来にわたって欧州の武器需要を満たすことだ。
韓国の国防省によると、同国の昨年の武器売却額は前年の72億5000万ドルから170億ドル以上に急増した。昨年は西側諸国がウクライナへの武器供与に奔走し、北朝鮮や南シナ海などでも緊張が高まったという背景がある」
(ロイター2023年5月30日)
焦点:韓国が武器製造でポーランドと大型提携、巨大軍産複合体目指す | ロイター (reuters.com)

どうやら韓国はポーランドの耳に、ただウクライナに砲弾を供給するだけでなく、韓国とジョイントすることで 東欧圏の武器を丸ごと韓国に引き寄せようぜ、とささやいたようです。
こういうマネはわが国には逆立ちしてもできないので、ひたすらやるねと思います。

「北大西洋条約機構(NATO)の主要メンバーであるポーランドとの昨年の武器取引には、多連装ロケット砲「チョンム(Chunmoo)」、K2戦車、K9自走榴(りゅう)弾砲、FA―50戦闘機など併せて数百基・両が含まれていた。その金額と数は、世界屈指の防衛産業の中でも際立っていた。
韓国とポーランドの当局者らは、両国の提携はウクライナ戦争後も欧州の武器市場を制覇することにつながると言う。韓国が高品質の武器を他国より迅速に提供し、ポーランドが製造能力と欧州への販売パイプを提供する形だ」
(ロイター前掲)

これは武器供与に息切れが目立ち始めた米国にも喜ばれているようです。

「米紙ワシントンポストは4日、今年のウクライナ戦争の膠着状況を振り返る深層企画記事で、韓国製の155ミリ砲弾がウクライナに間接支援された過程を紹介した。今年初め、米国の生産量では月に9万発以上が必要なウクライナの需要の10分の1強しか満たせないという判断が出ると、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安保補佐官は、弾薬を大量に保有している韓国に目を向けた。
韓国は、155ミリ自走砲の世界最大の保有国であるとともに、頻繁に行われる大規模演習のため砲弾の消費量も多く、その需要を満たすため備蓄量・生産量ともに大きいという特徴がある」
「ウクライナに送られた韓国製155ミリ砲弾、欧州全体より多い」最大33万発、米紙報道 | NKR (nkreport.jp)

米国は米国で、武器庫がカラッポになりかけてしまい、仮に中国方面が緊張した場合エライことになると心配したようです。

「米国などからの兵器がウクライナの「命綱」となる一方、前例のない規模の軍事支援を続けた結果、在庫が逼迫(ひっぱく)しはじめた。米行政管理予算局国防総省の予算戦略や兵器の調達を担当した米戦略国際問題研究所(CSIS)のマーク・カンシアン上級顧問は、「一部の兵器については、戦争計画を立てる担当者が『作戦に対応できなくなるのではないか』と心配する水準まで減っている」と話す」
(朝日2023年1月1日)
ウクライナに武器支援で在庫が逼迫 NATO「盆栽軍」の備えに懸念 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル (asahi.com)


そもそも、このようなヨーロッパ危機はNATOがガツンと防ぐべきでした。
ところが、ウクライナが加盟国でないことで部隊派遣は論外、いくつかのハイテク兵器は送ったものの、量がモノをいう戦場ではすぐにすり潰されてしまいました。
鳴り物入りで供与されたドイツ自慢のレオパルト2も、大きな力にはなっていません。
現地の整備能力が追いつかないようです。

「ウクライナからの熱望を受け、ドイツがレオパルト2を18両供与したのは昨年3月。12月にリトアニアの戦車修理工場を訪れたドイツ「同盟90/緑の党」のセバスチャン・シェーファー議員によれば、整備不良などで現在戦闘に使用可能なレオパルト2は数両しかないという。
戦闘による破損や、それがなくても消耗による修理・整備が必要になるが、リトアニアの修理工場では部品が足りていない。
独誌シュピーゲルによれば、シェーファーは配備可能な戦車は「数両」しかなかったとラインメタル社を含む独軍需企業に通知。ウクライナ軍は自力で修理を試みたが、ダメージを拡大させただけだったという。リトアニアの修理工場側は、修理には「長期間」かかるとしている」
(ニューズウィーク2024年1月10日)
実はほとんど機能していない...ウクライナ供与の独戦車「レオパルト2」に衝撃の事実が発覚(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

NATOの場合、トランプが飽きずに怒っているように、数十年にわたる軍備への過少投資の結果、NATO諸国は弾薬庫の備蓄が半分かそれ以下の状態でした。

しかもNATOは「いる時にいるだけ提供」という市場経済の方法をとっていたために、砲弾の製造が追いつかないことになりました。
こんな状態で、ウクライナ戦争が始まったためにたちまちに武器の備蓄が消耗し始めました。


「(NATOのロブ・バウアー軍事委員長は)大量に必要だ。我々が自由主義経済圏で30年間築き上げてきたジャスト・イン・タイム、ジャスト・イナフ(必要な時に必要なだけ提供する)経済は、多くのことに適している。しかし、戦時中の軍には適していない」
イギリスのジェイムズ・ヒーピー閣外相(国防)も同じフォーラムで、西側の軍事備蓄は「少し手薄に見える」と発言。NATO同盟国に対し、約束通り国内総生産(GDP)の2%を防衛費に充てるよう求めた。
「欧州で戦争が起きている今が、防衛に2%を振り向ける時期でないとしたら、いったいいつなのか」と、ヒーピー氏は問いかけた5
(BBC2023年10月4日)
西側諸国、ウクライナに供給する弾薬が不足 NATOと英高官が警告 - BBCニュース

つまりNATOは、ハッキリ言って、「戦えない組織」いわゆる張り子の虎になりかかっていたようです。
その張り子に空気を吹き込んだのが韓国だったというわけです。

一方北朝鮮です。
北はビッグビジネスとばかりに大張り切りしたところまでは韓国と一緒でした。
死蔵していた砲弾をジャンジャン売りましたが、その粗悪ぶりがバレはじめています。
そして弾道ミサイルも、供給も始めたと聞いたとき、あれあれあんなパッチモンで大丈夫かいな、と思ったのですが、案の定だったようです。

送ったのはイスカンダルもどきのパクリだったことが、残骸から確認されています。
ロシアを支えているのは北朝鮮製兵器: 農と島のありんくりん (cocolog-nifty.com)

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デイリーNK

このハルキウに着弾したロシアの弾道ミサイルの気圧計の部品には、ハングル文字が記されていました。

「CARが現地調査で発見した新たな事実です。「2月11日工場」は北朝鮮の咸興南道にある龍城機械連合企業所の工場名で、「112」が2月11日工場を指すと考えたのは日付の表示形式が日/月/年の順番になるイギリス的な発想だと思われますが、しかし北朝鮮の日付けの表示形式は年/月/日の順番です。「112」が2月11日工場を指すかどうかはCARも可能性があるという表現に止まっています」
(JSF1月21日)
ハルキウで発見された北朝鮮製KN-23弾道ミサイル(推定)の直径は110cm、イスカンデルMより太い(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース

しかしなにぶん北朝鮮製の砲弾は不発や暴発が多くてロシア軍砲兵の恐怖の的になりかかっているようで、開けてビックリ中にあるべき配線がなかったりしたものが多く見つかったようです。
大いばりで送ったイスカンダルもどきも、うたい文句は変則軌道を飛行することから迎撃が困難であるということでしたが、変則軌道が過ぎてトンデモの方角に飛んでいってしまったようです。

「同氏によれば、「まず1月2日の『火星-11』はハルキウ市内に向けて発射されましたが、目標物と推定されていた工場建物の代わりに、アパートとアパートの間の広い空き地に落ちました。 2月5日、同じくハルキウ市内に発射された火星-11は、市内ではなく市内から5キロ以上離れた郊外農村の廃墟の建物に落ちた」という。
また、「2月15日にキーウに向けて発射された『火星-11ナ』もやはり都心ではなく北部の山林地帯に落ちて巨大なクレーターを作りました。弾着が確認された3発のうち2発がキロ単位の誤差が出たということは、事実上、目の見えないミサイルだという話ですが、これは最悪の命中率を嘲笑された旧ソ連の初期型スカッドミサイルにも劣る水準」だとしている。
同氏は北朝鮮製ミサイルがこうした劣悪な性能を見せた原因について、姿勢制御システムの劣悪さや、目標への軌道を維持する電子工学原点照準システムの欠如、またウクライナ軍によるジャミング(電波妨害)の可能性を挙げた」
(デイリーNK2022年12月6日)

どうやら北朝鮮はうなるほど砲弾を溜め込み、ミサイルも持っているようですが、使える代物かどうかはまた別の問題のようです。
ロシアは北の怪しげなミサイルの使用を諦め、イランからのミサイル400発に期待しているようです。

というわけで、ウクライナ戦争の舞台裏では韓国と北がしのぎを削っているようです。

 

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