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2024年3月 6日 (水)

アップルがEV製造計画を放棄

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EV騒ぎは終わりました。勝負あり。
あのアップルがEV製造計画を放棄しました。

「アップルの内部関係者が米ブルームバーグに語ったところによると、ジェフ・ウィリアムズCOOとプロジェクト責任者であるケビン・リンチ氏が2月27日、社内会議でプロジェクトの終了を認めたという。
このプロジェクトに携わっていた2000人以上の従業員はAI(人工知能)部門に異動となる。しかし、デザイナーやハードウェア・エンジニアなど数百人の「余剰人員」が発生すると見られる。
アップルは現時点で公式声明を発表していない」
(オートカー3月1日)
「EVやめます…」 米アップル、自動車開発中止か AI部門に2000人異動? 山あり谷ありプロジェクトに終止符(AUTOCAR JAPAN) - Yahoo!ニュース

アップルの万能意識は病膏肓です。
彼らは自身が起こしたIT技術革命がどこまでも続くと思っていました。

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アップル、10年がかりで進めてきたEV開発計画から撤退|会社四季報オンライン (toyokeizai.net)

「自動車産業の中心地デトロイトの有力者たちは、この仕事はタフで利益が出にくいかもしれない、と米アップルに警告した。だが、生きた化石のような彼らの見解には誰も耳を傾けたがらなかった。
 アップルは逆に、ソフトウエアとハードウエアを切れ目なく融合させ、時代錯誤の連中を置き去りにする自動車の新時代が到来しつつあるという、シリコンバレーのお祭り騒ぎに乗った。
 結局、アップルにとって独自の自動車を製造することは、独自のテレビをつくるのと同じくらい難しかったということだろうか。テレビ開発の夢は何年も前についえたが、今週になって同社幹部は、電気自動車(EV)を発売する計画も中止すると開発担当チームに伝えた。
(ウォールストリートジャーナル2024年3月1日)
アップル、甘くなかった自動車開発 - WSJ

アップルは、iPodを皮切りにして、iPhoneで携帯市場を制圧し、さらにそれをタブレットに落としたiPad、最近ではアップストアなどで音楽をダウンロードして聞くものに変えてしまいました。
私の世代では信じがたいことですが、昨今の若者はCDなど買わず、ばら売りされている楽曲をDLすることで楽しんでいます。

こんな時代に重厚長大産業など一蹴されるのは時間の問題だと見られていました。
重厚長大の代名詞は自動車産業です。
鉄を加工し、様々なフォルムを作り出し、その心臓部に100年以上人類が試行錯誤の末に錬磨してきた内燃機関を搭載する、このコンセプトはアップルから見ればかびの生えた前世紀的アナクロの塊に見えたはずです。

アップルはかねてから自動車とコンピュータ技術の高次の融合を考えていました。
ただし、アップルが自動車産業から要求されるのは自動運転技術や搭載する携帯ソフトなどに留まっていました。
彼らは思うままにじぶんの「車」を設計し、一から自動車を作りたいと欲しました。
しかしその自前の車を作るには、内燃機関という巨大な壁にぶつかったはずです。
その彼らに福音が訪れました。EVの登場です。

アップルの競合社であるグーグルも似たことを考えていましたが、グーグルはもっといじましく、自動運転ソフトの提供で終わっていたことを考えると、さすがはアップルと言ってやるべきでしょう。

「アップルは携帯電話に行ったことを自動車にも行い、そして言うまでもなく勝利するとみられていた。その上、アップルはiPhoneで達成した高い利益率のおかげで当時2000億ドル(現在のレートで約30兆円)近い手元資金があった。
長年アップルを担当するアナリストのジーン・マンスター氏は、自動車事業への参入によってアップルの増収ペースに火が付く可能性があると予想したこともあった。仮に同社が自動車市場で10%のシェアを獲得すれば、増収率は60%に達するかもしれないとの見方を示した」
(WSJ前掲)

30兆円にものぼろうという手持ち資金と、行き場をなくしたかにさえみえるIT技術、そしてなによりも今までなしえてきたアップル革命の数々が、EV革命を成功に導く担保だったはずでした。
アップルEVに参入のニュースを聞いた世界の人々はその成功をみじんも疑っていませんでした。

「アップルの最高経営責任者(CEO)に就任してわずか数年だったティム・クック氏は、独自の自動車を製造するという野心的な極秘計画(名称「プロジェクト・タイタン」)にゴーサインを出した。2015年に同プロジェクトが明らかになると、動揺と懐疑の入り交じった反応が起きた」
(WSJ前掲)

そしてそのコンセプトカーのイメージは旧来の自動車という概念を変えるものでしたが、たちまち現実の壁に遭遇し、大幅な修正をよぎなくされます。

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オートカーが作った想像図

タイタン」と呼ばれるEV開発プロジェクトは2014年に始まったが、これまで何度も挫折と遅延に見舞われてきた。最も顕著なのは昨年、レベル5の完全自動運転機能の導入を諦め、一般的なレベル2の運転支援システムを検討したことだ。
EVは当初、完全な自動運転シャトルになる予定だったが、その後オーソドックスなデザインに変更され、ステアリングホイールやペダルなどが装備されるようになったという」
(オートカー前掲)

プロジェクト・タイタンを知ったゼネラル・モーターズ(GM)の元CEOダン・アカーソンは、自動車産業がただ「車」を作ればいいというものではなく、膨大な下請けと代理店、そして中古車市場のパイ皮のように分厚い層によって支えられていると指摘してこう言っています。

「アカーソンは自動車の製造・販売はいかにハードルが高いかを多くの人が過小評価していると主張。アップルの投資家はこの向こう見ずな企てを再考すべきだとの考えを示した」
(WSJ前掲)

2015年当時、操業まもないテスラはこの自動車産業の複雑さに頭をぶつけ、いまでももがいています。
そりゃそうです。自動車購入は5年後前後に中古で売ることを前提にして考えられています。
オートローンも保険もそれが前提ですが、ではまっさらの未経験者が中古車市場という価格があってないようなマーケットをどう作ったらよいのでしょうか。
まずまちがいなく、テスラの5年落ちなど無価値です。
ましてや海のものとも山のものともわからないアップルのEVなど中古車市場ではゴミ扱いされるはずです。

テスラが米国企業でありながら中国で製造開始したのは、中国政府がテスラをパクってやる気まんまんだったこともさることながら、マスクにとっては余りに雑音が多く、いつまで山師扱いする母国に愛想が尽きたからだったのでしょう。
その結果、EV技術は中国の手に渡り、多くのエピゴーネンを生み出し、いまや彼らが世界市場を制覇しようとしています。
いまやヨーロッパ市場ではヨーロッパ製の車を駆逐せんばかりです。
マスクも罪作りなことをしたもんです。
ちなみにテスラはアップルに身売りをしようとしていたことがバレたようです。 

「ただし、アップルの成功は多くの人が考えるほど必然的なものではなかった。
メディアに漏れ出す情報からは、アップル内部に広がる異例の不透明感がうかがえた。スケジュールを守れない事例が続出し、プロジェクトリーダーは次々と退社、任務も変わり続けた。プロジェクト・タイタンの野望は次第に縮小し、説得力を失った」
(WSJ前掲)

米国大手自動車産業はEVを捨てて、トヨタが世界標準を作ったハイブリッドにシフトしました。
このアップルの「タイタニック号の惨事」を受けて、EVを捨ててハイブリッドへの流れは決定的になりました。
どうぞ中国は今後も懲りることなく、EVを作り続けて滞貨の山を作って下さい。
御本尊のテスラさえ中国市場で滞貨を作っているそうです。

「 米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabの株価が4日の取引で、7%超下落した。2月の中国販売台数が減少したことが嫌気された。
競争激化に直面しているほか、2月は春節(旧正月)休暇も影響した。
中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、テスラの中国製EVの2月販売台数は前年同月比19%減の6万0365台で、2022年12月以来の低水準だった。同社の世界販売見通しに影を落とす数字となった」
(ロイター3月4日)
米テスラ、2月中国販売台数が前年比19%減 株価下落 | ロイター (reuters.com)

中国のお家芸の過剰生産の波にテスラも呑み込まれたようです。
たしか太陽光パネルでもやらかしましたっけね、今度はEVのようです。

結局勝ったのは、日本のトヨタでした。
それにしてもこんなことは今さら始まったわけでもなかろうに、つい最近までトヨタEVから脱落、日本終わった、田舎の終着駅ニッポン、中国一人勝ち、と歓喜の声を上げていた日本のメディアとは一体なんだったのでしょうか。

 

 

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コメント

 露骨に日本を標的にしたレイシストたちは結局ブーメランを食らった格好ですね。

毎日早朝や昼にも「名無し」さんのオウム返し投稿が続いてますけど、ご苦労さまです。
せめてHN付けるのがこちらのコメント欄での絶対的な流儀なはずだったんですけど。。
HNすら名告れない特別な事情もしくはそのまま投稿を反映させざるを得ないような環境にでもあるのでしょうか?

TVに関してはスマホが取って代わったので開発中止も当然かとも思いましたけど、自動車に関しては多種多様の使用条件にも耐えうる仕様を満たさなければいけない以上ハードルはどうしても高くなりますね。
ぶっちゃけEVがそれを満たしているか、今後満たせるのかすらも怪しい状況ですが。

中華EVのようなでかいラジコンみたいなものなら簡単なのでしょうけど、しょぼいモノを作るとかつてのPippinのようにブランドイメージに傷がつくし下手すりゃ人命に関わるリスクまであるわけで、テスラ買収してドツボにハマらずに潔く完全撤退を表明したのはむしろ好判断だったとすら思えます。

名無しさん。気がついているかもしれませんが、当ブログはHNは必須です。
それは自分の自由な主張に責任をあたえるためです。
このブログは自由な発言は歓迎されますが、無責任な言辞は好かれません。
そのためにはHNがいるのです。


というわけで、なんらかのHNをつけて投稿ください。
よろしくお願いします。

 EV車というのは欠点が多すぎて、欠陥商品とすら言えるんじゃないでしょうか。だいいち、ちっともエコじゃありません。
今後、様々な改良がなされて行くと思いますけど、我々がEV車から十分なメリットを得られるようになるのは遠い将来の事だと思います。


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