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2024年3月30日 (土)

エネルギー転換革命のための創造と破壊だそうです

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大林ミカ氏がはしなくも大ちょんぼをしてくれたおかげで、どれだけ政府機関にこの人たちが浸透しているのかがバレました。
かなり前から政府の各部門で一斉に再エネ促進運動がなされています。
それも単なる太陽光や風力を導入しようというのではなく、社会全体が再エネ一色に染まるような経済・社会・金融の仕組みを作ってしまおうという動きが活発です。

一見、環境問題とは無関係に見える金融庁も、自然エネルギー財団から末吉竹二郎 副理事と大林ミカ事務局長を招いて「サスティナブルファイナンス有識者会議」の委員をやらしています。
「サステナブルファイナンス有識者会議」(第5回)議事録:金融庁 (fsa.go.jp)

この議事録を読むと、大林氏もさることながら末吉氏がの独り舞台といったあんばいです。
この人は三菱銀行の取締役まで努めた人物で、今はUNEP-FI(国連環境計画・金融イニシャチブ)と自然エネルギー財団副理事長の肩書をつかいわけてしゃべっています。
政府や財界には、塾の先生あがりの大林氏より、末吉氏の経歴と「国連」のピカピカの肩書のほうが効くでしょうな。
この末吉氏の言うことに耳を傾けてみましょう。

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ESG情報は既に非財務情報ではない UNEP-FI特別顧問 末吉竹二郎氏インタビュー | EnergyShift (energy-shift.com)

まず末吉氏は今の時代を「戦後最大の変革期」であって、「破壊と創造の時代」だと言い切ります。
はて、創造はともかく「破壊」ですか。たいそう勇ましいことで、まるで革命家みたいな言い方で、元巨大銀行の幹部だったとは思えません。

「私は戦後最大の社会改革が始まる、そういった時代認識を持っております。そこで行われるのは、私がよく使う言葉で申し上げれば、破壊と創造です。20世紀は何といってもやっぱり経済第一でやってきました。その裏で環境が壊されました。その結果がSDGs、気候危機、コロナ危機ですよね。とすれば、経済と環境の関係を逆転させると。私はそれは環境本位制の経済にしなければいけないと思っております」
「サステナブルファイナンス有識者会議」

スゴイですね、「環境と経済の関係を逆転させる」のだそうで、経済原則で運営するのではなく「地球にやさしい」から経済を動かせというご託宣です。

「これはUNEP-FIから見ましたサステナブルファイナンスの歴史でありますけれども、やはり今の環境金融の一番の扉を開いたのは、2006年の責任投資原則ですよ。PRIでしたよね。ここで何が起きたのかといいますと、私に言わせれば、受託者責任の見直しをしたことが今の環境金融の道を開いたんだと思います」
「サステナブルファイナンス有識者会議」

さぁ、ここでキイワードで「責任投資制度」(PRI)という聞き慣れない言葉が出ました。

「PRI(責任投資原則)とは、機関投資家の投資に向けた意思決定プロセスや株式の保有方針の決定に、投資先企業の財務状況に加え、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance:企業統治)のESG要素を反映させるための考え方を示す原則です」

要するに、責任投資制度というのは、投資に対して環境、社会、ガバナンス(ESG)をコンプライアンスにしてしまおう、ということです。
いままでのように企業が環境問題に取り組んでいますよ、レジ袋なくしましたよ、なんてレベルではなく社会規範にしてしまって、違反すれば相応の社会的制裁を受けるという考え方です。
スッと読むといいことなんだからやったら、となりますが、これを考えた欧米人は努力義務なんて生易しいことを発想していません。
「地球にやさしい」ことをしない企業は非合法とされてしまうのです。
末吉氏はイリーガルなんて英語でぼやかしていますが、イリーガルとは非合法のことです。

「その結果、イリーガルがリーガルになり、時を経ることによって、もっと解釈が強くなって、今でいえば、あえて言えばESGを考慮しないことが受託者違反になるという具合の解釈までエスカレートしております。こういったことが私はこれからどんどんあちこちで起きるんじゃないかと思います」
「サステナブルファイナンス有識者会議」

そして欧米の巨大投資家はすでにこの責任投資制度で動いているとハッパをかけています。
なんでも900兆円動かすブラックロックがどーした、アマゾンが10万のEVを買って、それが三菱自動車の売った工場でできているとか、もう脱炭素いわなきゃ夜も日も明けない時代なんだ、とおっしゃりたいようです。

たとえば、デンマークのエネルギー会社のオーステッドが化石を全部やめて再エネに切り換えたら、企業価値がドーンと上がって、いまや日本の電力会社を全部あわせた時価総額より巨大に成長しました、なんて景気のいい話しをするわけです。
それだけエネルギー転換革命は巨大なんだと言いたいようです。

「さらに、金融を取り巻くビジネスに非常に大きな変化が始まっているように思います。少し象徴的に申し上げますけれども、オーステッドというのはついこの間までデンマークの化石燃料の国営エネルギー会社でした。
今、全部化石を捨てて再エネになっているんですけれども、この表を見て皆さんびっくりしませんか。日本の電力10社の時価総額が、かつてはオーステッドのはるか上にいたんですよ。でも、10社まとめても、今、オーステッド1社に及ばないです、時価総額が。こんなことが現実に起き始めているんですよ。これだけエネルギー転換のインパクトが非常に強いということですよね。こういったことは本当の目の前の話です」
「サステナブルファイナンス有識者会議」

例の日本は遅れている意識と欧米コンプレックスを巧みに刺激しながら、日本は「5年遅れている」、もう取り返しがつかないほど距離が開いてしまったと言いたいようです。
この末吉氏の後に大林氏が登場しますが、彼女は運動家だけあってスッキリと再エネに有利な規制緩和をしろ、火力などにはカーボンプライシングをしろ、と主張しています。

「大量の自然エネルギー導入のためには、コストを低下していくことが重要です。(略)
さらに、規制改革による環境の整備も必要です。例えば、荒廃農地等の土地規制の改革、立地手続の迅速化、または、住宅・建築物への自然エネルギー設備の導入義務化なども考える必要があります」
「サステナブルファイナンス有識者会議」

おいおいです。いままで太陽光でどれだけ環境被害が出ているのかわかって言っているなら確信犯です。
いまでも甘い審査で4割の導入自治体でトラブルが発生しているのに、さらに立地手続きを簡略化しろと言っているのですから呆れます。

「太陽光発電施設を巡る問題が各地が相次いでいる実態が浮き彫りになった。総務省行政評価局の調査では、敷地からの泥水流出や事業者による住民への事前説明が不十分な事例など、市町村の41・2%でトラブルが発生していた。太陽光など再生可能エネルギー発電を巡るトラブルがあった場合、経産省にオンライン通報できる仕組みがあるが、市町村の70・3%はその存在を知らないことも分かった」
太陽光発電トラブル、市町村で41% 総務省の調査「敷地から泥水」「許可内容と異なる工事」…7割が通報の仕組み知らず(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

そして再エネに手厚い補助金や電力料金に上乗せされる賦課金だけでゲップがでそうなのに、さらにカーボンプライシング制度を入れろと言っています。カーボンプライシングとは、排出権取引取引のことです。

「さらには、外部コストの内部化による市場環境の整備が必要と考えています。この右側のグラフでは、新規の発電設備では、日本でも自然エネルギーが最も安価な電源になっていくことは予測されていて、実際にそうなりつつありますが、既存の石炭と比較すれば、石炭がやはり安いままです。こうした現状をかえるためには、早期のカーボンプライシングの導入が必要です」
「サステナブルファイナンス有識者会議」

こんなことを末吉氏の言うように再エネ導入を責任投資制度として義務化したら、さぞかし日本の電気料金はさらに青天井となるでしょうね。
いまでも文句なく、再エネはこれだけ賦課金の竹馬をはかせてももっとも高い電気料金なのです。
洋上風力など、火力の倍以上です。

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電気をつくるには、どんなコストがかかる?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)

しかし大丈夫、中国から安い電力を買えばよいのですから。
大林氏は朱鎔基の写真を執務室に飾るほど中国を崇拝しています。こんな調子。

「大林ミカ氏:はい。国家戦略として、自然エネルギーを産業として投資して、世界でのリーダーシップをとるということが明確になっていると思います。
導入量も凄くて、昨年新しく導入された世界全体の発電設備のうち、8割が自然エネルギーだったのですけど、そのうち半分以上は中国で導入されていると。他の国が20年かけて導入する自然エネルギーの量を1年で導入するというのを、もう繰り返している。産業としても非常に有効で、競争力があるものを世界に提供している」
大林ミカ氏と偏向テレビ番組の不都合な真実 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

メイドインチャイナの電力は、再エネだぁ、しっかりスーパーグリッドで結合して、再エネを増やそうぜ、というオチでした。

 

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コメント

当県でも酒田市北部から遊佐町が洋上風力発電の適地に指定されています。そりゃあ冬場はぶっ壊れるほどガンガン発電するでしょうけど。コスト問題と鳥海山系のイヌワシ、それにどの程度地元の雇用が産まれるかが侃々諤々。
もっと北の秋田港周辺には洋上風力発電が現在ボカスカと増えてますけど、アレは三菱商事と欧州メーカーのタッグで異常に安く建設受注したから。まあ、それで焦ったヤツが仲の良い国会議員に建設地域や業者選定見直しを迫る質問させたとかで疑惑になったんですけどね。

陸上風力は、日本の風力発電先進地でかつてNHKプロジェクトXにも取り上げられた立川町(現庄内町)で、もっと月山寄りの地域で大規模開発しようとしたら無能な県知事の親族利権も絡んでたりしたのが暴露されてアッサリ撤退。
隣県になりますけど宮城県の川崎町から蔵王町への進出を図ったゼネコンも山形市からの働き掛けもあり「景観問題」で撤退。
鶴岡市加茂地区周辺の山地の開発計画も、アクセス道路の整備や水鳥飛来のラムサール条約登録地大山上池・下池のそばだからと住民が反対して先日撤退。
あとは福島県境の栗子峠近辺ですけど、ほとんど人も住んでないし国道13号からアクセスしやすいわけだけど、やはり反対意見が多くてストップしてますね。

風力発電だけで身近な話だけの報告ですけど、まあご参考になればと。

参考に、JETROのビジネス短信をお借りして、中共の中国電力企業聯合会が発表した「2023-2024全国電力需給状況分析と予測レポート」
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/e96b21bb7042880e.html
東洋経済オンラインをお借りして、中国の「再生可能エネルギー発電」急拡大の背景
https://toyokeizai.net/articles/-/502301?display=b

自然条件が齎す不安定さから逃れられない限り、エネルギーミックスを求めていくのが帰結になるのも、何が構成に必要なのが現実なのかも、分かっていないはずはない。

河野太郎氏、かつての「ヤメレ」とか、SNSあしらいがちょっと面白かった姿くらいまでに留まっていられたらよかったかもしれないが、行革担当時に見せたスピードや押しの強さが危険にもなる時は来た。
人や物事がいつもいつまでも好ましい・望ましい・適正適切な状態とは限らないので、考えや選択が間違っていると理解したら、修正や方向転換だってやった方が良い。
事この件については、重大な問題として国民民主党と日本維新の会が首肯できる点を含む主張をしている一方、立憲民主党と日本保守党は静か。
ネット言論では、おそらくアゴラなどを読んでいる世の人々も多いだろうと思われ、世代60歳未満で95%以上、70歳未満でも85%以上がインターネットを利用している(総務省による)という今時に、河野太郎氏やマスメディアの駄目っぷりがトレンドに上がり、内閣府や自民党政権の有り様も批判される中、この問題に触れない全国紙・地方紙と地上波に微苦笑。反原発とSDGsとやらで見せつける道徳的優位感らしきものを、いまさら捨てられないのかしら。

 宮古島のメガソーラー実験は70億も税金投入して、4年でほとんどが稼働停止状態です。そりゃそうで、あんなものを並べても荒れ狂った台風に耐えられるハズもない。怖いのは、完全なこの失敗がほとんど報道されなかった事。

記事のような再エネムーブはトランプが大統領になれば、ほぼ終焉になるでしょう。まずパリ協定から即離脱し、気候変動枠組からも脱退すると見ます。共和党議員には「気候変動はしていない」もしくは、「気候変動は人間が排出するCO2のせいではない」とする議員が大半です。
欧州は一枚岩となっているような報道が多いですが、東欧の国々は全く関心がなさそう。

それにしても大林ミカって何者だったんでしょうかね。
再エネTFのする議論など、かなりのトンチンカンぶりで、他の分科会委員からも非論理・無知ぶりを再々指摘されているようです。
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2021/048/048_s02.pdf
河野推薦・指名のTFは解散すべきです。

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