見事なまでに見苦しい川勝知事
見事なまでに見苦しいのは、岸田氏だけではなく川勝知事も同じなようです。
言うに事欠いてなんと言ったのでしょうか。
「過去の自身の言動が批判を浴びたことを念頭に、「その都度、以後このようなことのないようにと努めていたが、再び、思いもかけない形で(今回の問題が)浮上した。自らの不徳の致すところ」と陳謝。「私の『職業』に対する気持ちは、常に尊敬と敬愛であり、(今回の発言は)本当に本意ではなく、心からお詫びしたい」と謝罪を重ねながら、「人を傷つけたことには私の心も傷ついている」とも述べた。
ただ、問題視された一連の発言について、「悪かったという思いはあるが、言葉不足だった」などとして撤回はしなかった」
(産経4月3日)
「人を傷つけて私の心も傷ついた」不適切発言で辞意の静岡・川勝知事が謝罪 撤回はせず - 産経ニュース (sankei.com)
いいですか、川勝さん、これは謝罪会見の場の発言なのですよ。
ズっと時間がたって回想のインタビューでしゃべっているんじゃない。場をわきまえなさい。
ズっと未来で言うならまだしも、怒っている人たちが現に目の前にいるのに、言った当人が「人を傷つけたことには私の心も傷ついている」なんて言ったら、どうとられるか、常識がなさすぎます。
たぶんこうとられたはずです。
ボク、君を傷つけたみたいだったけば、それは一部を切り取られたからなんだよ、ひどいメディアはボクをバッシングしたんでボクもいっぱい傷ついちゃった、というにとるでしょうな。
川勝さん、あんた子供ですか。
いままでさんざん失言王として県議会と対立してリコールまで迫られた原因は、こういう余計なことを言うためだって、まだ気がつかないんですかね。
産経 川勝知事
この人はまったく反省していません。
川勝氏の例の新入職員への挨拶も、たしかに川勝氏が言うように「切り取られた」という一面があるのはたしかです。
全文はテレ静がアップしています。
【全文】物議醸す川勝知事の新入職員への訓示 特定の職業引き合いに「みなさんは頭脳・知性の高い方」静岡 | ニュース | テレビ静岡 (sut-tv.com)
テレ静は「切り取りされた」という川勝氏の言い分を検証するために、あえて全文をアップしています。
内容的には、なんのことはない、よく中小企業のオヤジが言いそうな内容です。
いわく、「上にへつらわない、下に威張らない」、「言葉遣いは礼儀正しく」、「デスマス調でしゃべれ」といったことから、「人の艱難を見捨てないこと」、「自分の信念を貫け」などという、人生訓話も垂れています。
全体にありきたりの内容ですが、おもしろいのは「危機管理が大事」と言っていることです。
これは東海地震に対しての備えを言いたいのでしょうが、今回、見事なまでに危機管理が出来なかった川勝氏に言われたくはない弁です。
そして真ん中あたりで、あの例のクダリが登場します。
「そしてですね、そのためにはですね、やっぱり勉強しなくちゃいけません。実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」
(テレ静前掲)
農業や畜産たちのように「モノを作る」奴より、県職員は「頭脳、知性が高い」とハッキリ言っちゃっています。
はい、これで前後なにを言おうと一発アウトです。
たぶん事前に第三者がチェックしていれば削除したでしょうに。
後半は自慢話とお国自慢みたいなものですから略します。
この職業差別と批判を受けた一節は全体の1割以下の分量でしかなく、川勝氏はそこにポイントを置いてしゃべったのではなく、「知性を磨け」ということを言いたかったようです。
だから初めは謝罪を拒んだのでしょうね。
「知性を磨け」と言いたいならば、農林水産業者に対する明らかな侮辱を枕にするな、ということです。
こういう不用意な一言が飛び出すのは、本当にそう思っているからです。
象牙の塔に棲むリベラル知識人によくある習性です。
全体を読め、切り取るな、と言うなら、秘書室に原稿を事前に渡してチェックしてもらうべきでした。
きっと「知性」に自信がおありの川勝氏は自分で書いて、勝手にしゃべっちゃったんでしょうね。
そしてその後全国から怒濤のような批判を浴びるとうろたえて撤回しないのですから危機管理ができていません。
だからやっと謝罪をしたのはいいのですが、撤回は拒みそれも「私も傷ついた」なんて余計なことを口走るのです。
あのね、謝罪の時期が伸びれば伸びるほど、その謝罪は面倒になるのですよ。
わかっているのかな、この人。
さて静岡県の新入職員の皆さん、今回の川勝知事の放言に学ぶとすれば、謝罪は危機管理のイロハのイであることを自覚することです。
そのために、失態を犯した当人に好きにしゃべらせてはいけません。
感情的になっているかもしれない当人が、思っていることをそのまま失言を待ち構えているハイエナ・メディアの前でしゃべり散らせば、さらに状況は悪くなり、傷は深くなります。
結果、静岡県はコーポレートガバナンス(企業統治)ができていない組織だという烙印を押されかねません。
「自社に何らかの責任があり、顧客、取引先や一般消費者等に迷惑をかけている状況ならば、通常はまず何をおいても「お詫び」(謝罪)すべきである。
その際、「お詫び」の要素として必須なのは
A.誰に対する謝罪か(被害者、迷惑をかけている相手など)
B.謝罪の根拠が何で、どのような言葉で詫びるか」
危機管理を考える(1)【企業不祥事における謝罪会見】 | 危機管理を考える(1)【企業不祥事における謝罪会見】|PR総研 オンラインプレスルーム (kyodo-pr.co.jp)
今回ならば、農業団体、林業団体、水産団体に対して謝罪し、その理由は「言葉が足りなかった」などというあいまいな根拠ではかえって怒りを助長して逆効果です。
ましてや「自分も傷ついた」なとと言ってしまえば、いくら美辞麗句で謝罪を飾ってもまったく無駄。
このケースの場合ヘルプレスですから、平謝りするしかないのです。
ほんとうに危機管理ができない学者バカです。
ここまでダメなら、いっそのこと本心を言えばよかったのです。
県議長はこう言っています。
「(静岡県議会)中沢議長によると、川勝知事は県議会6月定例会の開会日(6月19日)に辞める意思を示した上で、懸案となっているリニア中央新幹線をめぐる問題について、JR東海が2027年の開業断念を発表したことから「自分の役割は終わった」と話したということです。
これに対し、中沢議長は「なんでそれが任期途中で辞めないといけないことにつながるのか、さっぱり意味がわからなかった」と疑問を呈し、「説明の受け止めとしては嫌がらせが成就したので私の役目は終わったという感じだった。辞めるのは職業差別にまつわる不規則発言が理由ではなさそう。どうやらリニアが上手くいかなかったこと(2027年の開業断念)について目途が立った」と述べました」
(静岡テレビ4月9日)
県議会議長「嫌がらせが成就した…役目は終わったという感じだった」 川勝知事から辞職報告受け 静岡(テレビ静岡NEWS) - Yahoo!ニュース
そうです。JR東海は2027年のリニアの開業を断念したぞ、これで自分の知事になった目的は達せられた、わ、ははと天を向かって哄笑してやればよかったのです。
こんなことを言えば別の意味で問題になるでしょうが、もうその時は知事辞めてますから。
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コメント
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官尊民碑思考、よくわかります。わが県なんか、いまだに官尊民碑そのもの。口蹄疫騒動の時、露骨にでましたけど、今もその思考は脈々とあるんじゃないかな?
投稿: 一宮崎人 | 2024年4月 8日 (月) 12時35分
「Aと違って、Bは知性が高い」=「Bと違って、Aは知性が低い」
これも、対偶っていうんでしょうか。こんな真偽が理解できないで、教授や学長や知事まで、よく務まったものです。
まぁ、現場にいた新人には難しいかも知れませんが、「上にへつらうな」という訓示を聞いた骨のある誰かが、「今の発言は、職業差別になりませんか」って声を上げて欲しかったですね。
投稿: Cowboy@ebino | 2024年4月 8日 (月) 21時54分
スズキ自動車の鈴木修相談役が川勝知事の強い後ろ盾。
この鈴木さんとJR東海の葛西さんはとても仲が悪い、犬猿の仲。
リニアへの嫌がらせは鈴木さんの命を受けて子分の川勝知事がやっていた、JR東海を困らせてやろうという下らない理由なんだそうです。
マスコミもスズキ自動車がスポンサーだったりするもので忖度し鈴木さんは伏せ、矢面に立たせたのが川勝知事という、マスコミもなんだかなー。
投稿: 多摩っこ | 2024年4月 9日 (火) 00時11分