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2024年4月20日 (土)

イスラエル小規模報復始める

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イスラエルがイランに対して報復攻撃をしたという情報がありますが、詳細は不明です。

「金曜日の早朝、イランの都市イスファハンの近くで爆発音が聞こえ、イスラエルは数日前にイランによるイスラエル攻撃に対する報復攻撃を開始し、国際社会の圧力を無視して攻撃を開始したと報じられている。
イスラエル当局から攻撃の公式な確認はなかった。イランの国営メディアは、防空システムが作動したとだけ報じ、テヘランの南約315キロ(196マイル)にある都市の軍事施設への攻撃の主張を軽視し、事件は通常通りのことだと説明した。
ミサイルや空爆ではなく、無人機で行われたと報じられている攻撃の明らかに限定的な性質と、公式の承認の欠如は、イラン政権に、イスラエルを二度目に攻撃するという好戦的な脅しから身をよじるために必要な戦略的否認能力を与える可能性が高く、イスラエルとイランの双方が戦争の瀬戸際から身を引こうとしているかもしれないという初期の兆候を提供するだろう」
(イスラエルタイムス4月18日)
イラン空軍基地がイスラエルの「限定的」報復攻撃で攻撃されたと報じられる |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

このイスファファンにはウラン濃縮装置があります。

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イスラエルタイムス

「イスファハンの施設は、中国が供給する3基の小型研究用原子炉を稼働させているほか、イランの民生用核計画のための燃料生産やその他の活動も行っている。
イスファハーンの空軍基地は、1979年のイスラム革命前に購入したイラン製のアメリカ製F-14トムキャットの本拠地だ」
(イスラエルタイムス前掲)

例の映画『トップガン・マーベリック』の攻撃目標のモデルとなったのはこのイスファファン核施設で、F-14の基地もそばにあります。
現実には、イスラエルはドローンを使用しており、事前に米国に通告しています。
線立ってのイランのミサイル攻撃から数日間、イスラエルは逡巡しているように見えました。
しかし実は水面下で米国との駆け引きがあったとの説もあります。

「こうした中、ネタニヤフ首相が、戦時内閣で合意に至っていた、イランへ即時大規模反撃を、バイデン大統領との電話会談の直後に、中止していたことが報じられた。
その後、アメリカは、イランへの大規模攻撃を弱めて、限定的とするなら、ガザのラファへの攻撃を黙認することに合意したとの情報が出ている。
しかし、ガザのハマスとイランは、無関係ではない。イランがいるからこそハマスがいる。
ラファへ突入してハマスを倒しても、イランを倒さなければ、また同じことになってしまう。イランを諦めて、ハマスを倒すという交換条件は、成り立つようで成り立たないのである。
とはいえ、打倒イランを優先すれば、人質を見捨てるということにつながりかねず、かつ、最大の同盟国アメリカをも失うことになる」
アメリカが大規模イラン攻撃中止と引き換えにラファ攻撃容認か:恐るべし水面下の交渉 2024.4.18 – オリーブ山通信 (mtolive.net)

したたかなイスラエルらしい交渉ぶりで、今回の小規模攻撃はこの裏交渉がありえることを示唆しています。

ところでイランは核関連施設への攻撃を恐れ、ナタンズのウラン濃縮関連施設を地下深く設置しています。

「ナタンズの核施設であるが、これは数万基の遠心分離機の運用を可能とするウラン濃縮施設である。天然ウランを濃縮し濃縮ウランとすることによって、原子力発電に使用する核燃料とすることができる。
そして更に濃縮度を高め、核ミサイルの弾頭に使用する高濃縮ウランを生産することも、施設を高度化することによって実現できる。イランはその核開発をあくまで平和利用のためのものであると主張してきた。
しかし、実際には核兵器の保有を目指しているのではないかとイスラエルや米国、欧州諸国に疑われてきたし、最近では国際原子力機関(IAEA)事務局長もまたその可能性を捨てきれないと発言している」
イラン核施設への三度目の破壊工作― 繰り返されるサイバー攻撃とエスカレーションの懸念 ― | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団 (spf.org)

イスラエルはこのナタンズの核施設を、2007年から複数回のサイバー攻撃、2020年、2022年の2回の爆破を仕掛けています。
その他、2012年にはイランの核科学者、モスタファ・アフマディ・ロシャンが、テヘランで車に取り付けられた爆弾で殺害され、イラン核計画の中心的人物であった核物理学者モフセン・ファクリザデが同じように暗殺されています。
イスラエルは無言ですが、モサドの犯行だろうというのが多くの意見ですが、殺された核物理学者が反体制派だったことからイランの自作自演だという説もあるようです。

このイランの核開発を外交交渉で解決する道はもはや無理だと思われます。
イランは完成寸前まで持ち込んでおり、遠からずイランは核兵器を保有し、彼らの中東の眷属であるヒブボラやハマス、フーシ派に手渡すでしょう。
そうなった場合、彼らはイスラエル国内の任意の場所で核爆発を引き起こすことが可能となります。

イスラエルは、山の地下にあるナタンズ核施設を攻撃するためのGBU-72 バンカーバスター(地中貫通爆弾)を入手しています。

「GBU-72は地中深くの地下壕司令部などを攻撃するための地中貫通爆弾(いわゆるバンカーバスター)で、爆弾の重量としては5000ポンド(約2268kg)、爆撃機と戦闘機双方ともに搭載可能となっている。GBU-72プログラムマネージャーのジェームス・カリトン氏はGBU-72の威力について、「(湾岸戦争などで活躍した)GBU-28よりも致死性(威力)が向上する」と予測している」
米空軍、新型地中貫通爆弾「GBU-72」を投下試験 – 旅行業界・航空業界 最新情報 − 航空新聞社 (jwing.net)

これがたんなる始まりにすぎないのか、これで終了にするのかまったく予測がつきません。

 

 

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コメント

 ボルトンは「イラン核施設を破壊すべきだ」と言ってますね。
イスラエルはいつでもこれを行う能力があると見られますが、イランも出来損ないを含め大量のミサイルを保有しているようです。
米国はじめ西側主要国や湾岸諸国の同意と協力がないと、さすがにそこは報復としては難しいのでしょう。しかし、わずかなドローン攻撃でイスラエルが済ませるとも思えません。
そこでやはりイスラエル世論からしても、ガザの安全性の担保を優先にした取引を米国と成したという説は大いにあり得ると思います。

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