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2024年4月16日 (火)

イラン、イスラエルをミサイル攻撃

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イランがイスラエルに直接攻撃を行いました。

「イランは現地時間14日未明、イスラエルに向けてドローンやミサイルを発射した。シリア・ダマスカスのイラン公館が4月1日に攻撃されたことへの反撃が、近く起きると予想されていた。イランが自国内からイスラエルを直接攻撃するのは、今回が初めて。イスラエルとイランの直接対決から中東全域を巻き込む地域戦争に拡大する危険が、広く懸念されている。
イスラエル国防軍のダニエル・ハガリ報道官は日本時間9時過ぎの時点で、イランがイスラエルに発射したドローンやミサイルは200以上だとテレビ放送された声明で明らかにした。
ハガリ少将によると、イランは殺人ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイルをイスラエルに撃ち込んだ。イスラエルの防空システムと地域の同盟諸国がミサイルやドローンの「大多数」をイスラエル領の外で撃墜したという。
イランとイスラエルの間の距離は、約1800キロ。イランによるドローンやミサイル発射の情報を得て、イスラエル、レバノン、イラクは領空を封鎖。シリアとヨルダンは防空システムを警戒態勢にした」
(BBC4月14日)
イラン、イスラエルにドローンやミサイル発射 米軍が一部撃墜 - BBCニュース

第三国の領事部を爆撃し、コッズ部隊司令官を殺害したことに対する報復だそうです。
これらのイランの攻撃がなされたのはイラン国内からではなく、イエメンのフーシー、レバノンのヒズボラからだったようで、逆に彼らがイランの支配下にあることをはしなくも暴露しました。
彼らを指揮しているのがイランのコッズ部隊ですから、イスラエルがなぜこれを狙ったのかみずから宣伝したようなものです。

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イランのライシ大統領は、「シオニスト国家に対する作戦は高い精度で実行され、我々はミサイルとドローンの威力を十分に示した」と宣言しましたが、すべて領外で撃墜されています。
 イランは撃ちも撃ったり、無人機(UAV)は約170機、巡航ミサイルは30発以上、弾道ミサイルは120発ぶっ放したようですが、99.9%撃墜されました。(発射数については諸説あります)
ドローンは低速なため、イランから発射した場合到達に数時間かかるので、簡単に察知され170機のうち、70機は米軍が撃墜し、巡航ミサイル30発も、飛行時間が1時間なためにこれも警戒看視網に引っ掛かり、イスラエル、米英仏、ヨルダンが、全部撃墜しました。
虎の子の弾道ミサイルは飛行時間が10分から12分程度なのですが、これもアロー2、アロー3によってすべて大気圏外で撃墜の憂き目に合っています。

イランはウクライナ戦争の影の主役で、いままでドローンや弾道ミサイルを400発ロシアに提供してきました。(ウクライナ側は否定しています)

[ドバイ 21日 ロイター] - イランがロシアに大量の強力な地対地弾道ミサイルを供与し、両国間の軍事協力を深めているもよう。関係筋6人が、ロイターに対し明らかにした。
イラン筋によると、イランは「ゾルファガール」を含む約400発のミサイルを供与する計画。専門家によると、これらは300─700キロの射程距離にある目標の攻撃が可能という。
ミサイル供与は昨年末、両国の軍・治安当局者間で合意。今年1月初旬から供与が始まり、輸送は今後数週間にわたり行われる見通しという。
別の関係筋も、ロシアが最近、イランから大量のミサイルを受け取ったと確認した」
(ロイター2024年2月22日)
イラン、ロシアに弾道ミサイル約400発供与 軍事協力深化へ=関係筋 | ロイター (reuters.com)

ウクライナ戦争でイランが学んだことは、高度な西側の迎撃システムを持つ国に対して高価な弾道ミサイルをいくら撃ってもことごとく落されてしまうという戦訓だったようです。
そこでイランが考えたのが、安いドローンを大量に使った飽和攻撃です。
飽和攻撃というのは旧ソ連が考え出した戦法で、少数のミサイルでダメなら百発撃てば一発は当たるだろう、というなんかヤケクソのような戦法でした。
しかし現実にこれをやられると、さすがにヤバイというところから、イージスシステムが開発されたのです。
今、ロシアやイランがやっているのは、ドローンを大量に発射して、防空システムがそれに手をとられている間に、弾道ミサイルを撃つという戦法です。

「イランは今回、イスラエルの高度な防衛システムに安価なドローンを大量にぶつけることで機能不全に陥らせた上で、自国の巡航ミサイルが標的に到達しやすくなるよう、攻撃を組み立てたようだと、BBC番組「ニューズナイト」のジョー・インウッド国際担当編集委員は説明する。
イギリスの防衛コンサルタント会社「シビライン」のアナリスト、ジャスティン・クランプ氏は、これはほかでも実施されている戦術だと解説した。
「イランはウクライナで学んだことを参考にしているようだ。ウクライナでも同じように、相手の防空システムを圧倒するため、巡航ミサイルや弾道ミサイルとドローンが組み合わせて使われている」
(BBC前掲)
しかし、やってみたらイスラエルには通用しなかったようです。
イスラエル自信も高い迎撃能力を持っていますが、そのうえ今回は米国、英国だけではなく、サウジ、ヨルダンまでがイランのミサイル迎撃に協力しています。
イランは「これで終わりだ」という言い方をしていて、イスラエルのイラン本土攻撃を牽制しています。
まぁ、これだけ派手に撃っておいてよー言うよとは思いますが、当然のことながら、イスラエルは反撃をすることを宣言しています。
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イランの攻撃ドローン、米企業など十数社の部品使用 CNN EXCLUSIVE - CNN.co.jp
関係国はどう考えているのか、AFPがまとめていますので要約します。
イランのイスラエル攻撃、各国非難 シリアは「報復は当然」(AFP=時事) - Yahoo!ニュース
・国連「中東の複数の前線で大規模な軍事衝突を引き起こすような行動は回避するように」
・EU「イランに対し、攻撃を「直ちに停止」するよう求めるとともに、「さらなるエスカレーションを控え、中東地域の安定回復に努めなければならない」
・G7「イスラエルおよび同国国民への全面的な連帯と支持」を表明し、「イスラエルの安全保障に対するわれわれの責務を再確認した」
・米国「イランと代理勢力からの脅威に対処するイスラエルの安全保障に、われわれは鉄壁の支援を行う」
・エジプト「最大限の自制」を求めるとともに、「すべての紛争当事者に直接働き掛け、事態の収束を図る」
・カタール「緊張を緩和し、危機的状況を回避するための緊急行動を取る」
・サウジ全当事者に「最大限の自制と、中東地域と地域住民を戦争の危険から守る」よう要請。
・シリア「イランの対応は自衛のための当然の権利だ」
・ロシア「中東地域の危険なエスカレーションを極めて懸念している」
・中国「ガザ紛争の余波」
・日本「中東情勢を一段と悪化させるものだ。中東の平和と安定は日本にとって重要、事態の沈静化を強く働きかける」
ほぼすべての国がイランを批判し、イスラエルに自制を求めています。
例外は、イランに拠点を提供しているシリアくらいなものです。
そこでかんじんなイスラエルですが、気をよくしています。
というのは、ガザ侵攻によってあまりに過剰な市民の犠牲が出たために、いまや国際社会から同情の目で見られることがなくなり、逆にジェノサイドとすら非難されていたからです。
しかも今月初めには西側のNGOスタッフ7人をガザで誤爆で殺してしまうということもあって、このまつでは米国も含めて国際社会のイスラエルへの非難は最高潮になっていたからです。
皮肉にも、イスラエルに対するイランの攻撃は、このイスラエルの孤立を救いました。

今回のイランのミサイル攻撃に対して米国は非難の態度から一転し、イスラエルの防衛に、「鉄壁のごとくにコミットしている」と宣言し、米国中欧軍最高司令官をイスラエルに派遣までして、防衛に協力しました。
そのうえに米英だけではなく、サウジとヨルダンもイランのドローンを撃墜しています。

このことに気をよくした戦時内閣は、この好機をどのように活かすか思案の真っ最中のようです。
たとえば、強硬派はイラン領内の核施設を攻撃することも示唆しています。
戦時内閣のガンツはこう述べています。

「「イスラエル対イランとはすなわち、世界対イランだ。それが今の結果だ。この戦略的成果を我々はてこにして、イスラエルの安全保障のために活用しなくてはならない」。
ガンツ氏の言葉は、イランの標的をまた攻撃する可能性を排除していない。あるいは、イラン国内に初めて公然と攻撃する可能性も、排除していない(イスラエルはすでにイランの核開発計画を、サイバー攻撃や当局者・科学者の暗殺などを通じて、繰り返し攻撃している)」
(BBC4月15日)
イスラエルとイラン、全面戦争をアメリカや西側は防げるのか=BBC国際編集長 - BBCニュース


バイデンはイスラエルに対する防衛は「鉄壁だ」としながらも、イランの反撃については否定的で、ネタニヤフ首相に対しては、「米国はイスラエルのイランに対する反撃に加わらない」と内々に伝えたと複数のメディアが報じています。
共和党はバイデンと歩調を合わせてイスラエルに自制をもとめるトーンのようです。
「共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務は、バイデン政権は「イランに十分なコストを課して、侵略とテロ行為をやめさせる国際的な努力を主導すべきだ」と述べ、共和党のトム・コットン上院議員も、「米国はイスラエルを全面的に支援すべきだ」と述べたが、どちらも直接的な報復は求めていない。
マイク・ジョンソン下院議長(共和党)は、「適切な対応を主張するためにホワイトハウスと協力する」と述べたが、その対応の詳細については明らかにしなかった。
トランプ前大統領は、ペンシルベニア州シュネックスビルで開かれた集会で、今回の攻撃は「我々がホワイトハウスにいれば起きなかった」と聴衆に語り、10月のハマスによる攻撃とロシアのウクライナ侵攻の際と同じ主張を繰り返したが、報復攻撃には言及しなかった」

(フォーブス4月15日)
米共和党の一部議員が「対イラン報復」を要求するも、大半は不支持(Forbes JAPAN) - Yahoo!ニュース

ただしジョン・ボルトン前国家安全保障顧問だけは、14日のCNNで、イスラエルに対し、イランの石油精製所や防衛拠点、潜在的な核開発プログラムを標的にするよう呼びかけています。
映画「トップガン・ェーベリック」を地で行くややこわい正論です。
たぶん同じことをイスラエルは考えているはずです。
長くなるので別稿にしますが、イスラエルがイランの間近に迫ったといわれる核兵器の完成を看過するはずがありません。
イスラエルがやるなら今をおいてない、と決断してもなんの不思議もありません。

今後のシナリオとしては、サウジ、ヨルダンがイスラエル防衛に回ったことは大きく、イランは最後までヨルダンの動向を気にしていたようですが、結局イスラエル側に押しやってしまいました。
これでユダヤvsイスラムという構図づくりには失敗した上に、イスラエルに自衛権発動の理由を与えてしまいました。

これでは仮にイスラエルが核施設を攻撃したとしても、第5次中東戦争にまで拡大することはありえません。

いずれにしてもイスラエル次第です。

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コメント

うーわー
よく今のイスラエルに反撃してもいい口実を与えますね

イスラエルにまたトチ狂った反撃をするなよと思うと同時に、イランはそういう民間人大量巻き込み反撃も期待してるんじゃねえかとも思ってしまいます

そしてイランは教訓を得ました、ガザくらい近距離からの攻撃でないとイスラエル人を殺せないと。ガザがテロ組織の拠点とならない日など来ないかもしれませんね

今回のイラン側の報復攻撃について雑多な記事などを読んでいると、イランは「イスラエルがシリア・ダマスカスのイラン公館を爆撃してきたんで、そのお返しをした」「イスラエルに多くの被害が出ないように配慮したつもりだ」「これでおあいこのイーブンだ、今回の件についてはコレで終わりだ」「しかしイスラエルが再攻撃してくれば、また報復する」と言っているようですわ。なんか弱いイランが強がってると思ったら、そうでもないらしいです。

なんでも、イランには今回と同様の攻撃を繰り返して行うだけの軍事余力があるらしく、本記事にあるような飽和攻撃に使う安価な飛び道具を大量に保有しているらしい。それで、イランがマジになって今回のような飽和攻撃を何回も仕掛けてくると、最新鋭兵器を使うイスラエルとその協力国のカネの消耗がトンでもない額になってしまい、防衛の戦果として合わないそうですわ。やがて軍事費にヒーヒー言うようになり、最後には最新鋭兵器も使い果たし次から次へと生産される安物兵器にボッコボコにされる。経済制裁されても、ペルシャ帝国の末裔イランは大国ですわ。

もしイスラエルとイランが正面衝突となるとイランの核施設がキモで、イスラエルや米国はイランの攻撃を口実にして核施設をテッテ的に破壊したいでしょうし、イランとしたらそんな事をされたら国内的にも全面戦争にするしかないですわ。ユダヤ教・シーア派・スンニ派三つ巴で、そうなるとロシアもイラン側として出て来て、ヘタすりゃ第三次世界大戦ですわ。

ハマスがイスラエルの人質を解放するのが、イの一番としか考えられませんわ。今回の発端はココです。人質の解放から、すべての停戦協議が進むと思います。「人質の解放」について、国際的にあまり関心が集まらないのは不思議です。パレスチナ人の人道問題が叫ばれるならば、イスラエルの人質の解放も同時に問題にされなければなりませんわ。

イランがこんなことで兵器を無駄遣いしてくれるのは、ウクライナには朗報でしょう。

難解な話ですが、この事件をうまく処理できれば、産油国のサウジ等や、さらにはイランまで、中露陣営から引き剝がすことが出来るのでは? と思います。

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