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2024年5月27日 (月)

ICJ、ラファ攻撃の停止命令のあいまいさ

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ICJ がラファへの攻撃の停止を命じました。

[ハーグ 24日 ロイター] - 国際司法裁判所(ICJ)は24日、パレスチナ自治区ガザに対する攻撃を続けるイスラエルに対し、ガザ地区南部ラファでの軍事攻撃を即時停止するよう命じた。ガザでイスラエルによる大量虐殺が行われているとする南アフリカの要請を認めた。
ICJは、3月にICJが命じた暫定措置ではガザ地区での状況に十分対応できておらず、新たな緊急命令の条件は整っていると指摘。「イスラエルはラファでの軍事攻撃を直ちに停止しなければならない」とした。
さらに、イスラエルに対し、人道援助の受け入れのためガザとエジプトの境界にあるラファ検問所を開放するよう命じるとともに、ガザへの調査官の立ち入りを許可し、1カ月以内に進捗状況を報告するよう求めた」
(ロイター5月24日)
ICJ、イスラエルにラファ攻撃停止を命令 1カ月内の進捗報告も | ロイター (reuters.com)
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ロイター
ここで、この命令を下した主体は、前の逮捕状請求をしたICC(国際刑事裁判所)とちがってICJのほうです。
ICJは国と国の紛争の仲介をする機関です。
「ICJは国家間の紛争を審理する国連の国際司法機関で、判決は最終的かつ拘束力を持つ。ただ執行権限はなく、過去にはその判決が無視されたこともある」
(ロイター前掲)
この判決の中でICJはこう述べています。
「ガザのパレスチナ人集団に、その全体的または部分的に物理的破壊をもたらしかねない生活条件を強制する可能性のある、その軍事攻撃とラファ県におけるその他のいかなる行動も直ちに停止する」
Order of 24 May 2024 (timesofisrael.com)
  世界中のメディアは後段の部分の、「イスラエルはラファでの軍事攻撃を直ちに停止しなければならない」という部分のみを報じていますが、実はこれには前段の付帯条件がついている、とイスラエル代表として出廷した裁判官のアハロン・バラクは指摘しています。
バラクは有名なイスラエルの法曹で、ホロコーストの生き残りで、司法長官をした人物です。
「アハロン・バラク氏はイスラエルの元司法長官で1936年にリトアニアで生まれたユダヤ人。ナチスドイツが侵攻してきてゲットーに閉じ込められて、いずれ殺害される時に布袋に隠れてゲットーから脱出することに成功して、母親とともに戦争が終わるまでリトアニア人の農家の家に匿ってもらい生き延びることができた。そして戦後にイスラエルに移住してきて、イスラエルの司法長官や最高裁判所の裁判官に就任した」
ホロコースト生存者のアハロン・バラク元イスラエル司法長官のドキュメンタリーアニメ公開(佐藤仁) - エキスパート - Yahoo!ニュース

タイムズ・オブ・イスラエルはこう指摘しています。

「(ICJ判決の)問題は、「ガザのパレスチナ人集団に、その全体的または部分的に物理的破壊をもたらしかねない生活条件を課すかもしれない」という資格が、「その他のいかなる行動」にも適用されるのか、それとも「軍事攻撃」にも適用されるのかということである。
言い換えれば、イスラエルはラファの軍事作戦全体を停止しなければならないのか、それとも大量虐殺の危険を伴わない限り、その軍事作戦を継続できるのか?判決におけるこの重要で複雑な3つの条項からなる文章の定式化と句読点は、この2つの(非常に異なる)解釈を許容しているように思われる」
(タイムズ・オブ・イスラエル5月25日)
ガザに関するICJの決定に混乱していますか?裁判官の意図的な曖昧さを非難する |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com) 

つまり、このICJ判決は「イスラエルはラファの軍事作戦全体を停止しなければならないのか、それとも大量虐殺の危険を伴わない限り、その軍事作戦を継続できるのか」というもっとも重要な部分をあいまいにしています。
しかしこのあいまいさを放置したまま、「なんとなく」ラファ攻撃自体がまかりならんとICJが言ったというふうに読め、しかもその線でメディアに報じられました。
しかも「法的拘束力を持つ」という厳しい条件つきで。

しかし判決を読めば、「判決は、ハマスによる脅迫や攻撃を防止・撃退し、イスラエル自身と市民を守り、人質を解放するイスラエルの権利を保護する、適格なものである」と書いてあるとバラクは述べます。

イスラエルにラファでの現在の軍事攻撃の停止を強制する措置は、ガザ地区のパレスチナ人集団の『全体的または部分的に物理的破壊をもたらしかねない生活条件』を阻止する必要性を条件としている。したがって、この措置は、そのようなリスクを生じさせないイスラエルの他の行動には関係しない」と、多数派裁判官に加わったドイツ人裁判官ゲオルク・ノルテは書いている。この立場は、ルーマニアのボグダン・アウレスク判事とセブティンデ判事によって支持された」
(タイムズ・オブ・イスラエル前掲)

これは重要な指摘です。
イスラエルは国際法を遵守してハマスと戦うならば正当に戦いを継続できるのです。
イスラエルはラファを攻撃するでしょう。

「イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ南部ラファでの軍事活動を継続している。国際司法裁判所(ICJ)が民間人を守る観点から攻撃の即時停止を命じたものの、同国はイスラム組織ハマスに対する方針を変更する兆しは見えない。
イスラエルの当局者らは24日にICJが出した命令について、慎重さを伴う限り軍事侵攻の継続を認めるものだとイスラエル側は解釈していると発言。イスラエル軍の攻撃は的を絞っており、全面的な侵攻からは程遠いと付け加えた」
(ブルームバーク5月27日)
イスラエル軍、ラファでの攻撃継続-国際司法裁の命令に独自の解釈 - Bloomberg

ネタニヤフは、ハマスを殲滅せずしてガザ戦争は終わらないと思っているからです。
確かにハマスの戦闘力が残存して、パレスチナ国家もなにもあったものではないのは一面の事実ではあります。

しかしハマスの完全解体は不可能です。
このガザ戦争の過程で、イスラエルはガザ市民に強烈な憎悪を植えつけました。
この憎悪はハマスの温床で、表面的に解体されても地下茎として残り、また再生します。
ちょうど平定したと思われていた北部ガザでまた戦闘が再発したようにです。
イスラエルは、どこかで折り合わねばならないのです。
その時期を失すると、戦後の展望なきネタニヤフ政権は占領の固定化という最悪な状況に突っ込む下策をとるでしょう。

ラファをピンポイントで攻撃したいのなら、なおさら徹底した国際法遵守が必要です。
また、閣僚であるスモトリッチ財務相のガザ地区全体の破壊を呼びかけや、グヴィル国家安全保障相のガザ地区への人道支援物資の持ち込みを阻止する要請など、これ以上イスラエル要人の無責任、かつ感情的な発言が続けば、国際社会でのイスラエルの立場を危険にさらすことになります。

もはやネタニヤフは解決能力を失っています。
この男と取り巻きが独裁的権力を握る戦時内閣を解散させ、選挙で戦争終結内閣を作るしかありません。
国際社会は、南アの国際法廷提訴や三カ国のパレスチナ国家承認などという安易な介入を止めて、イスラエルの内在的な力を信じることです。

 



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コメント

 判決は、一月終わりのイスラエルの自衛権を認めた暫定判決の内容を逸脱していないし、従来の国際法解釈以内の穏当なもの。
また、裁判官5人のうち4人までもが、イスラエル側の解釈と同義と見えます。つまり、ICJは当然に「虐殺」とまでは認定出来ず、したがって「中止命令」は前提条件が成就していない以上、報道が判決を無視せんがごときヤカラのようなイスラエルの無法者っぷりを鳴らすのは不適切です。

ネタニヤフ政権のようなテロを防げなかった体制をイスラエル国民が忌避したいのは当然です。また、ここで一旦、仮にハマスを根絶やしに出来たとして、それでテロがやむハズもないし、新生ハマス様の組織が出て来るでしょう。しかし、次期首相の一番人気のガンツもネタニヤフ同様、ガザの非武装化を言っています。ここをどう達成するかをガンツは言っていない。結局のところ、ネタニヤフのようにやらざるを得ないんじゃないでしょうか。

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