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2024年6月20日 (木)

イスラエル戦時内閣解散に追い込まれる

S-039

ネタニヤフの戦時内閣が解散しました。

「イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は16日、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム武装組織ハマスとの戦闘を指揮するために昨年10月に発足させた戦時内閣を解散した。中道派のベニー・ガンツ前国防相とその盟友のガディ・アイゼンコット元参謀総長が、6人からなる戦時内閣を辞任したことを受けてのもの。
政府報道官は17日、ガザでのハマスとの戦闘については既存の安全保障内閣と、それより大規模な内閣全体で決定していくと説明した。
ガンツ前国防相が9日に、ガザにおける戦争戦略の欠如を理由に戦時閣僚ポストを辞任して以降、政権閣僚を務める複数の極右政党幹部が後任として戦時内閣入りすることを求めていた。
戦時内閣を解散することでネタニヤフ首相は、連立政権に参加する極右政党や同盟国とのやっかいな状況を避けることになる」
(BBC6月18日)
イスラエル首相、戦時内閣を解散 主要閣僚辞任で「必要性なくなった」と - BBCニュース

解散のきっかけは、ガンツ前国防相とアイゼンコット元参謀長が戦時内閣を離脱したためです。
両氏ともにIDF(イスラエル国防軍)のトップを努めた経験のある退役将軍で、2人は昨年10月の開戦から数日後、ネタニヤフ氏率いる右派連合との挙国一致政府に加わっていました。

IDFのトップだったふたりが離脱に加わっているのは、軍部がネタニヤフに対して深い不信感を持っているからだと推察できます。
しかもネタニヤフはモサドとも不仲であり、モサドが出していた戦争によらずミュンヘン五輪テロの報復のように暗殺で首謀者を確実に罰していくという進言も退けたようです。
つまりネタニヤフは、イスラエルの2本の柱であるIDFとモサドを敵に回したのです。

ガンツが辞任発表をした直後、極右政党を率いるイタマル・ベン=グヴィル国家安全保障相が、ならば代わりにオレを戦時内閣に入れろと要求したようですが、ネタニヤフに一蹴されて戦時内閣自体を解散する道を選んだようです。
そもそもここで戦時内閣を解散させた意味は、日を追って強まる西側陣営からの非難の声を和らげるためですから、こんな極右をいれてしまったら元も子もなくなります。

これを好感してか、米国は国際社会のイスラエル非難を受けてイスラエルに対する武器援助を控えていた制限を解除すると述べています。

[エルサレム 18日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は18日、先週中東を歴訪したブリンケン米国務長官と会談した際、イスラエルに対する武器供給制限の解除に取り組むと確約したと述べた。(略)
バイデン米大統領は先月、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部のラファに本格侵攻すれば、イスラエルに対する武器供給を停止すると警告している」
(ロイター6月19日)
米国務長官、対イスラエル武器供給制限の解除を確約=ネタニヤフ氏(ロイター) - Yahoo!ニュース

ガンツが戦時内閣に離脱を決めたのは、ネタニヤフが国内の極右やユダヤ教保守派勢力からの圧力に弱く、交渉においても決断すべき時に決断できずにズルズルと引き延ばすという悪手に陥り、それがまた西側を怒らせて国際的孤立を呼び込んでしまったことを批判したためです。
ガンツとアイゼンコットは、9月に総選挙をして新たな政府に交代すべきだと主張しています。

またガンツは、イスラエルはガザ地区から軍を撤退させ、そこに拘束されている人質の解放を確保するために必要な限り、ハマスとの戦争をやめることに同意すべきだと主張しています。


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ベニー・ガンツ
タイムス・オブ・イスラエル
「イスラエルは、ガザ地区から軍を撤退させ、そこに拘束されている人質の解放を確保するために必要な限り、ハマスとの戦争をやめることに同意すべきだ、と国民統一党のベニー・ガンツ委員長は木曜日に述べた。(略)
「南部の治安状況は既に決定的な状態に達しており、イスラエル国防軍が作戦を望み、南部で活動できない場所はない」とガンツは述べた。「南部で我々が負っているのは、人質を返還するという道徳的、至高の義務だ」

「誰も混乱させてはならない、3個大隊に対する完全な勝利は、イスラエル国家の本当の問題ではない」と彼は言い、イスラエルがガザ地区で「完全な勝利」を達成するというネタニヤフの繰り返しの主張を退けた」
タイムス・オブ・イスラエル6月14日)
ガンツは人質の解放がガザでの戦闘よりも優先されるべきだと語る |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

それにしてもわずか半年で、いかにハマスが卑劣な人間の楯を使ったとしても、また3万7千人という数字がハマスのフロント組織であるガザ保健省の誇大な発表だとしても、あまりにも多すぎた犠牲でした。
おそらく実際の犠牲者はこのガザ保健省の発表はだいぶ割り引かねばならない数字で、しかもそのうちの半分はハマスの戦闘員のはずです。
イスラエルは1万5千人のテロリストを殺したと発表していますが、下に引用したイスラエル紙も書いているように「テロリストと民間人の区別がつかない」のが実際です。
これが非対称戦争の特徴です。

「ガザでの戦争は、10月7日、ハマスによるイスラエルに対する前代未聞の攻撃で勃発し、テロリストが約1,200人(大半は民間人)を殺害し、251人を人質に取った。これに対し、イスラエルはハマスを解体し、人質を本国に連れ帰るという目標を掲げて軍事攻撃を開始した。
ハマスが運営するガザ保健省は、ガザ地区でこれまでに3万7000人以上が戦闘で殺害されたか、死亡したと推定されていると述べている。テロリストと民間人の区別もつかないが、この犠牲者数には、イスラエルが戦闘で殺害したと主張する約15,000人のテロ工作員が含まれている。イスラエルはまた、10月7日にイスラエル国内で約1,000人のテロリストを殺害したと発表している」
(タイムス・オブ・イスラエル6月17日)
ネタニヤフ、ガンツ政権離脱後、正式に戦時内閣を解散 |タイムズ・オブ・イスラエル (timesofisrael.com)

なお、ガンツ氏と、エイセンコットの2人が離脱しても、ネタニヤフの連立政権は、国会議席120議席中64議席と、まだ過半数を維持できています。
しかし、テルアビブは連日平和と人質解放を叫ぶデモで揺れ、戦時内閣は崩壊、もうネタニヤフに延命の道はありません。

 

 

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コメント

 このネタニヤフって人は、トランプ退陣後には中国に仲立ちさせてサウジと国交回復しようと企んでたんですよね。さほどバイデン・米民主党政権と折り合いが悪く、バイデンの方でも嫌悪感を隠していません。

一応、総選挙は2026年11月なので、トランプ再登板まで居座るつもりに見えますが、軍もネタニヤフの反目に廻ったよう見えます。報道官は「人質の全員解放は無理」、「ハマスの壊滅も困難」とか言ってます。
一方のガンツにしても、まずイスラエル軍が撤退して後、一体どのようにしてガザからハマスを追い出すのか? 報道のせいかも分かりませんが、彼の言っている事には矛盾が多いと思います。
都合の良い民意は「戦争をやめ、人質を取り返す事」のようですが、同時にハマスが統治するガザの未来を認めてはいません。
選挙の前倒しを主張するのはいいが、仮にガンツが勝っても約束は果たせず、再び右に揺れイスラエルはまとまらないです。

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