• 20250317-110432
  • 20250318-013343
  • 20250316-080941
  • 20250316-082159
  • 20250316-160913
  • 20250316-162254
  • S-061_20250315055201
  • S-066_20250315055301
  • S-079
  • S-083_20250315055001

« 南シナ海、天気晴朗なれども浪高し | トップページ | レーダー照射事件の新証言、ムンジェインが隠蔽工作を指示 »

2024年6月14日 (金)

おめでとう、やっと戦力化できたぞ、F-16

S-021_20240614021701
やっとウクライナはF16を使用可能にしたようです。
いやー、米国が止めていた供与がやっと承認されたのが去年5月ですから、丸々1年以上。長かった。
軍事技術の提供という意味の前もさることながら、F16を供与されることによって、ウクライナ国民が鼓舞されることでしょう。

去年5月、産経はこのように伝えていました。

「筆者(渡辺)が先月、ウクライナで「西側に望む支援」をたずねると軍人もボランティアもF16を真っ先に挙げた。その対空、対地攻撃の性能以上に、ウクライナ国民の多くがF16の供与を西側との紐帯の象徴ととらえていた。
供与が始まれば、パイロットの訓練から始まり、搭載兵器の補給、改修など西側の息の長い関与が必要となるからだ」
(産経ワシントン支局長渡辺浩生2022年5月22日)

20240614-023017

画像ギャラリー | ウクライナ待望! マルチ戦闘機「F-16」ついに到着へ「複数国から供与予定」どうなる? | 乗りものニュース (trafficnews.jp)

つまり、F16はただの戦闘機という枠を超えて、「西側との長い連帯の絆の象徴」なのです。
言い換えれば、ウクライナはすでに長期戦になると読んでおり、その間西側との絆が切れないための担保としてF16を考えているということです。

一方、西側からしてもF16を供与することは、砲弾を供与するのとはわけが違います。
現代の最新鋭戦闘機はテクノロジーの粋を集めて作られていますから、飛ばせるようになっただけではパイロット訓練は終わりません。
すでに米国に先遣隊として派遣されているウクライナ空軍パイロットは優秀な成績を納めて4カ月くらいで「飛ばせるようになる」というお墨付きを米空軍からもらったそうです。
ただし、「飛ばせるようになる」というのは、機体を飛行させてせいぜいが初歩的な空戦をするところまでです。

「この4ヶ月間で習得できる戦闘スキルは初歩的な空対空戦闘のみだ。
専用シラバスを用いた4ヶ月間=16週間の訓練内容は大まかに移行訓練、低レベルの低空飛行訓練、空対空戦闘訓練の3つに分かれており、唯一の戦闘スキル=空対空戦闘は「単機もしくは2機編成による迎撃とAIM-120とAIM-9による基本的なWVR(視界内射程)運用に重点を置く」と言及しており、基本戦闘機機動、空中戦闘機動、空中給油、近接航空支援、水上攻撃といった訓練要素は含まれていない」
独占:米国は16か月でF-4を飛ばすようにウクライナのパイロットを訓練することができます (yahoo.com)

これは空自でいうTR(training )は終了したが、OR(Operation Ready作戦可能態勢)の前という段階です。
まだまだ本命の対地攻撃訓練などはやらしてもらえません。
これでは、ウクライナ空軍がF16の搭載するAGM-88HARM対レーダーミサイルを使ってのピンポイント攻撃は不可能です。
下の写真でブラ下げているばかデカイのがHARMですが、これをフルに使いたいからこそ、ウクライナはF15ではなくF16を要望していたのですから。
つまりウクライナは戦闘機としてよりも攻撃機、それもワイルドウィーゼルのような用途でF16を使うつもりなのです。
ワイルド・ウィーゼル - Wikipedia
AGM-88 (ミサイル) - Wikipedia

20240614-022313

ファイル:AIM-9 AIM-120 and AGM-88 on F-16C.jpg - Wikipedia

「ウクライナが期待しているような効果をもたらすとは言い難く、AIM-120の射程を生かした視界外戦闘、無誘導爆弾やJDAMを使用した近接航空支援、AGM-88HARMを使用した敵防空網制圧に対応したスキル獲得を全て身につけるには「年単位の訓練期間」が必要で、各国の空軍が何年もかけて育てるパイトットを「短期間で」というのが無理な話なのだろう」
(航空万能論5月20日)
ウクライナ人パイロットは4ヶ月の訓練でF-16を操縦できるようになる? (grandfleet.info)

F16をウクライナのパイロットたちがものにするために、やはり1年間ていどかかったようです。
一番の問題点は、パイロットの英語力でした。

軍事航空用語は、口語と違って大変に難解なのです。

20240614-023950

出典:U.S. Air Force photo by Master Sgt. Tristan McIntire

「ウクライナは当初、8月にも訓練が始まり、来年3月までにF16を運用できると期待していた。しかし、最近になってウクライナがリストアップしたパイロット32人のうち8人しか英語力がないことが判明した。その8人も英語で専門用語などを習得する必要があると判断された。欧州で教官の確保が難航したこともあり、訓練開始は何度も延期されているという」
(読売2023年8月13日)
パイロットの英語力に難…ウクライナ軍のF16操縦訓練、完了は24年夏以降にずれ込むか : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

たぶんそれでは間尺に合わないので、すでに手持ちのミグ29にHARMを統合する魔改造して一定の戦果を上げたことは知られています。
機体自体は、NATOのいくつかの国でF35の機種転換が行われているので、余剰となっていますから、すぐにでも供与可能です。
そもそも米国がその気にさえなれば、数百機のF16などたちどころに湧いてでるのですが、いかんせんバイデンの腰が重い。

問題はそれを操るパイロットと整備の人たちの訓練の成熟具合です。
しかし多くのハーバルを乗り越えて、ウクライナ空軍はようやくF16をものにしたようです。

規模は多く見積もって85機です。

「ウクライナ空軍司令部のセルヒー・ホルブツォウ航空部長(准将)はかねて、ロシアがウクライナで拡大した戦争の1000kmにおよぶ戦線の一区域でウクライナ側が航空優勢を確保するには、F-16戦闘機の作戦飛行隊が4個必要だとの認識を示していた。
ウクライナ、ノルウェー、オランダ、デンマーク、ベルギー各国の当局者による1年以上にわたる精力的な外交努力の結果、ホルブツォウは念願の4個飛行隊を編成できる運びになった。
ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は28日、ベルギーから余剰のF-16が30機ウクライナに供与されると発表した。これにより、ウクライナが今夏以降受け取ることになるF-16の総数は85機に増えた。
85機あれば、現在ルーマニアに派遣されているウクライナのF-16訓練部隊(オランダ供与の18機を使用中)に加え、4個飛行隊(各16機配備)をつくることができる。残り3機は、戦闘で不可避の損失を補うための予備に回されると考えられる」
(フォーブス2024年5月30日)
ウクライナ空軍、F-16戦闘機の4個飛行隊編成へ ただし一気には実現せず(Forbes JAPAN) - Yahoo!ニュース

NATOと米国は非常に多くのF16を供給する能力を持っています。
ちょうどF35に切り換えが進行しているところだったので、F16に余剰が生まれたのです。
これにより、ウクライナは航空優勢の獲得を得ることになりそうです。
少なくとも、F16のエアカバーなしで決行した反転作戦の失敗の轍を踏むことはなくなることでしょう。


« 南シナ海、天気晴朗なれども浪高し | トップページ | レーダー照射事件の新証言、ムンジェインが隠蔽工作を指示 »

コメント

ようやくですね。
東側装備からの転換ですからパイロットも大変だったでしょう。
先日空自のパイロットがF-35で1000人目でセレモニーしてましたから、採用各国F-16からの転換は順調に進んでいるようです。
F-16も初飛行から50年。
どこもアップグレードしてますが、どの程度のタイプなのか(例えばブロック60相当とかに)統一されていないとこれまた面倒臭いことになりますが、まあたぶんスウェーデンがグリペンの代わりにSAAB340BのAEC魔改造という珍品をくれるそうですからリンク16使える仕様にはなっているかと。

パイロットの割り振りをどうしたのか分かりませんが、「旧型の魔改造で今目前に迫っている脅威を取り除く」チームと比べて、「いつ手に入るか分からないけどいつか来るF -16のために訓練を積む」チームはずっと焦燥感と歯痒さに苛まれてきたのかと思います。

早く、西側の戦闘機でロシア軍をすり潰す…ことは、恐らく無さそうですが(ロシア側が引き下げるから)、ロシアが戦闘機を出し渋った分、地上で目一杯ロシア軍をすり潰してやって欲しいものです。

いやはや、長かったですねぇ、待ちくたびれましたわ。上手くいかなかったウクライナの反転大攻勢の前には、散々、制空権が無いのに地上部隊だけで戦果をあげられるワケがないと言われていて、まさしくその通りになってジリ貧になってしまっていたんで、ついに千両役者が現れたか!という感じですわ。

ここ数日、メドベージェフとかプーチンの「核だよ、核があること忘れとりゃせんか?」との発言が相次いでいましたが、まったくそういう訳でしたか。さらにG7では中国がヤリ玉に挙げられていましたが、それも今回のF16配備完了につながっているようですわ。国内経済がヒサンで弱ってる中国に「EVに高けぇ関税かけたる!」だとか「過剰生産すんな!もう輸入してやらん」とかは、ロシアに協力するともっとメチャクチャな経済制裁するよとの仄めかしですわ。

バイデン大統領は、当初「ウクライナだと?わが米国には関係ねーよ」とロシア侵攻を誘っておいて、次には制空権なしでの大規模反攻をさせておいて戦線を膠着させて、今はF16バンバン貸して本気で取りに行くと、まったく米国NATOの真意は計りかねますわ。私は、始めは武器商売のためだと思っていましたが、それだけでなくロシアをテッテ的にツブす(ロシア経済もろとも)作戦のようですわ。ロシアが戦術核を持ち出そうとすれば、又それに対する対応も計算づくなんでしょう。

北朝鮮では新朝鮮を名乗る団体が「金王朝打倒だ!」みたいな行動をとってSNSで拡散して、「おお、ついにヤル気のある奴らが出て来たか!」と、なにやら物事が同調して起こり始めた様子ですわ。少し期待したいですわ。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 南シナ海、天気晴朗なれども浪高し | トップページ | レーダー照射事件の新証言、ムンジェインが隠蔽工作を指示 »