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2024年6月18日 (火)

かくして、デニー氏を乗せたオール沖縄の神輿は左にコケた

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完勝です。
よくメディアは「自民逆風」と囃し立てていましたが、ではこの沖縄の自民完勝をどう評価するんでしょうかね。
見事にデニー知事が完敗しました。

「沖縄県議選(定数48)は16日に投開票され、玉城デニー知事に批判的な自民、公明両党などの反知事派が28議席を獲得し、過半数を制した。自公が多数派となるのは2008年の保守県政以来16年ぶり。安全保障政策を巡って政府と対立する玉城氏は今後、厳しい県政運営を迫られそうだ。
玉城氏の2期目の「中間評価」と位置づけられた県議選には13選挙区に75人が立候補した。反知事派のうち、改選前に18議席だった自民は公認した20人全員が、2議席だった公明は4人全員がそれぞれ当選した。知事派では、7議席だった共産党が4議席に減らすなど大きく後退した。自民は約2年後の知事選に向けて攻勢を強める構えだ」
(読売6月17日)
沖縄県議選、自民と公明は全員当選…反知事派が過半数でも玉城知事「移設反対は揺るぎない」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

自民は立候補した20人が全員当選しました。今の全国情勢に真っ向から反するような快挙です。
メディアの皆さん、これをどう考えるんですかね。

メディアは辺野古「新基地」と南西諸島の「ミサイル要塞」化(なんつうネーミング)が焦点なんて言っていましたが、いまでも同じことが言えますかね。

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いや長かった、これで沖縄保守が勢いを取り戻したとまでは楽観しませんが、2年後の知事選が射程に入ってきたといってもよいでしょう。

政党別の選挙前議席数と獲得議席を比較してみます。

●2024年6月沖縄県議会選挙  選挙前議席 選挙結果
・自民              19    19
・公明               4     4
・維新               3     2
・共産党              7     4
・立憲               5     2
・社大               3     3
・社民               5     2
・無所属             25    10

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沖縄県議選、不支持派勝利で知事、民意の後ろ盾失う 生活に直結の課題なおざり - 産経ニュース (sankei.com)

自民党と無所属はそれぞれ、無投票の石垣島でも1人ずつ立候補しています。
無所属で当選した11人のうちの9人が「知事派」だそうですが、今回は「無所属」立候補が減り、キチンと政党を名乗っています。
けっこうなことで、都知事選でも無党派層に媚びて駆け込み的に離党するなんてヒトがいましたっけね。

とまれ自民は議席を増やし、公明は堅調、維新はやや減ですが、壊滅的といってよい結果になったのはなんといっても7人立候補させて4名という悲惨な結果の共産党でしょう。

共産党はこう敗北を総括しています。

「しかし県政転覆を狙う自民は、徹底した自民党隠しで裏金問題への批判をかわす一方、本土企業が県内企業締め付けを強めるなど異常なテコ入れで企業・団体ぐるみ選挙を展開。自公維で“共産党落とし”のシフトも図りました」
(しんぶん赤旗6月17日)
沖縄県議選 共産党4人当選 (jcp.or.jp) 

う~ん、これでは層塚にならんよ。共産党は長年県政与党で、しかも今の自民党の「逆風」のさなかの選挙で連敗街道まっしぐらでしたから楽勝と考えていたはずです。
だから引かれ者の小唄でよろしく「団体ぐるみ」で負けたなんて言い訳しますが、ナニ言ってんだか。
高い組合費を徴集して政治活動ばかりしている官公労を、選挙マシーンとして手足のように動かしているのはどこの誰でしたっけね。

今回、投票率が下がった、いままでで最低だった、ということを琉新は書いています。
まるでこんな少ない投票率では「民意」はわからない、と言いたげです。

「沖縄県選挙管理委員会によると、沖縄県議選の投票率は45・26%で、過去最低となった。これまでの最低だった前回2020年の46・96%を1・2ポイント下回った」
(琉球新6月16日)
沖縄県議選、投票率は45.26% 過去最低 前回を1.7ポイント下回る - 琉球新報デジタル (ryukyushimpo.jp)

おいおい、違うでしょう。投票率が低く出れば、組織票がある共産公明が有利なのは知れたことです。
逆風があり、かつ投票率が低かったという二重の追い風がありながら、デニー知事を支える共産、社民、社大、立憲などの4派で作る自称「オール沖縄」が惨敗したというのが実体です。
今回、オール沖縄の4政党の獲得議席数は48議席中わずか11議席、これで彼らはたった23%の陣営に過ぎなくなりました。
これでまだ「オール沖縄」という誇大表示を続けるなら図々しいにもほどがあります。

この「オール沖縄」というグループ名は、自民県連の大幹部だった翁長氏が、寝返って共産党陣営に飛び込んだ時から始まりました。
いわば山城博治御大が自民党に鞍替えしたようなもんです。
当時、自民県連は、鳩山氏が巻き起こした県外移設の熱波をモロにくらって現実主義路線から脱落し、自民党本部と対立していました。
しかし冷静に考えるとそんなことは不可能なことは百もわかっているために、選挙で当選するやいなや県外移設の公約を翻して辺野古容認に逆戻りしました。
あまりの見苦しさに県民の信頼を失い、衆議院選挙、参議院選挙、自民党はボロ負けです。
こういう中で、県連トップの翁長氏が、移設阻止を金科玉条としてあろうことか共産党と手を組んだのです。
さらに沖縄財界の一部が合流し、かくて保革の垣根を超えた共闘ということで「オール沖縄」という晴れがましい看板を出したのでした。

Photo

出典不明

翁長氏が言う、「県政の柱に新基地反対を据える」ということは、言い換えれば基地移設反対以外何もしないということです。
つまり経済振興策も展望もなく、県民生活のケアもしない、ひたすら移設反対だけしているというのが翁長氏2期でした。

翁長氏は元来経済が分かる人ではなく、利権とポストの配分が「政治」だと考えているオールドタイプの政治家でしたから、移設反対で粘れば必ず本土政府は予算を増額してくるという読みがあったはずです。
実際、翁長氏の頃には新香予算は減額されませんでしたが、デニー氏に替わって本土政府は冷やかに対応するようになります。
本土政府は翁長氏が元保守政治家であることへの信頼があって(間違いでしたが)、なんとか妥協の線を探りたかったのです。

仲井真知事で知事公室長をつとめた吉川由紀枝氏は、当時、こう述べています。

「翁長知事は2014年11月の県知事選で圧勝したが、その基盤は盤石というわけではない。『オール沖縄』を標榜して当選しただけに、知事自身の可動範囲は、全基地閉鎖から基地容認まで様々ある沖縄の意見の最小公約数に狭められている。
即ち、「辺野古反対」「オスプレイ反対」くらいしか、発言できる範囲がないのだ。特に現実的な妥協ラインはどこか?という話になると、「オール沖縄」では一切の合意はない。この可動範囲をちょっとでも越えれば、知事の支持基盤は分裂する
とどのつまり、「沖縄県のいうことをすべて呑むか」「それとも、呑まないか」という、オール・オア・ナッシング以外の交渉ができないということだ。これでは、日米政府とのまともな交渉相手たりえない」
(太字引用者)

吉川氏の炯眼の予言どおり共産党と組んでしまった翁長氏は、かつての現実政治家から仮面のように同じことを同じ言葉で繰り返し、同じ戦術をひたすら繰り返し続ける人物に変わっていきます。
私も当時、「翁長氏を乗せた「オール沖縄」の神輿は左に傾き、そして転倒する」と書きましたが、そのとおりになりました。

翁長氏はかつてのいい悪いは別にして、基地を条件闘争の場にして、本土政府からなにかしらの譲歩を引き出すという伝統的手法を止めてしまい、極端に政治選択の幅の狭い隘路に自ら入っていったのです。
その瞬間、現実政治家としての翁長氏は死んだのです。
そして「いかなる新基地反対」から、やがて「全基地撤去」に少しずつ軸足を変化させていきます。 

Photohttp://kunimasa28.ti-da.net/e7251862.html 読谷村議クニヨシ氏のサイトより引用

この「全基地撤去」というスローガンは、「ただ移転先だけが問題じゃない。沖縄の米軍基地総体を許さない。米軍は出て行け」という主張です。 
これは日米同盟を潰せということと同義です。 
移転先が問題だ、というだけならまだ分かります。
私もその「気分」は実現可能性は別にして、大浦湾埋め立てには反対ですから。
しかし「全基地撤去」とは安全保障全否定の共産党のスローガンそのものです。 
なぜなら、これではわが国の機軸的同盟そのものを全否定してしまうからで、この日米安保そのものを打倒するという共産党の長年の路線だからです。

そして今。
翁長氏が亡くなり、そのご霊言で後継者に指名されたデニー氏の場合、ただの喜劇でした。
あまりにも脳味噌が軽く軽佻浮薄、政治家としては未熟、せいぜいがDJをやっているのがお似合いの人だったために、共産党にべったりと依存しました。
結果は見えすぎています。吉川氏の予言どおりのことが起きました。

「「辺野古反対」「オスプレイ反対」くらいしか、発言できる範囲がないのだ。特に現実的な妥協ラインはどこか?という話になると、「オール沖縄」では一切の合意はない。この可動範囲をちょっとでも越えれば、知事の支持基盤は分裂する」
(吉川前掲)

デニー氏には選択肢がない、一切の妥協を拒否するブレない共産党と地元紙に抵抗できるわけがないからです。
だからパペットとしてこう言うしかありません。

「名護市辺野古の新基地建設に関しては「移設反対は揺るぎない思い。これからもできうることはしっかりと取り組んでいきたい」と強調。ただ、予算を伴う議案では困難が予想されるとし「真摯に、誠実に説明し、理解を求めていきたい」との考えを示した」
(沖タイ6月16日)
「オール沖縄」大敗で表情がこわばる玉城デニー知事 県議会は自公などが多数に 「真摯に対応したい」 | 沖縄タイムス+プラス (okinawatimes.co.jp)

しかしそんなことに飽きた県民の現実との乖離は進む一方です。

「玉城県政が基地問題に精力を傾け国と対立を深める中、足元の地域経済は疲弊。沖縄振興予算は3年連続で減額が続き、県民所得も全国で最も低い。子供の貧困の問題も深刻だ。インフラ整備も進まず、道路の白線や案内標識の劣化も目立つ。基地問題に重きを置くあまり、生活に直結するこれらの問題がなおざりになった」
(産経6月17日)
沖縄県議選、不支持派勝利で知事、民意の後ろ盾失う 生活に直結の課題なおざり - 産経ニュース (sankei.com)

いずれにせよ、デニー氏は絶対君主の立場を喪失しました。
いままでのように気楽にくだらない反政府、反自衛隊、反米軍、親中国という政策では議会は通らないのでです。

 

 

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コメント

メディアの皆さんの中でも、盛大にやらかしたのが共同通信ですね。
配信されたのを「あれ?テレビの速報と違うぞ!」くらいのチェックもせずに記事をアップした地方新聞社が20社もあったとか。

共同通信自体は「候補者の設定間違えた」とか苦しいこといってますけど、元々「オール沖縄勝利」のバイアス掛かってただけだろう!と思われても仕方がありませんね。

共同通信は独自で出口調査でもしたのでしょうか?
NHKがやっても調査結果がオール沖縄支持に大きく傾くので実際の投票結果との乖離が大きく、まったく参考にもならないのはわりと有名な話なのに有利な情報が出たので浮かれたんでしょうね。

移設反対派の中にも少なからず「デニーNG」を表明している議員も出てきて現知事の足元の危うさを感じさせてくれます。
思えば亡くなる間際の前知事の板挟みは痛々しくて見てられませんでしたが現知事も同じような目に遭うんでしょうね、自業自得ともいえますが。

実に快勝でした。
自民の公認候補は20人全員当選。推薦候補の二人は那覇・南部離島区で次点と15位で苦杯を飲みました。

番狂わせは中頭郡での自民公認が2人当選。
中頭郡は読谷・中城・北中城・北谷の革新テッパン地盤を抱える「保守の墓場」と言われる地域。そこでの保守系2人当選は大躍進です。

また、宮古島市区でも大金星がありました。
宮古島市区は2人区で保守系候補が現職と新人で分裂、革新候補と三つ巴の選挙へ。
「寝てれば勝てる」だろうと思われてた革新候補が、まさかの落選。
新人候補は出身が旧平良市より人口の少ない伊良部島出身だっただけに、基礎票が厳しいと思われてましたが、蓋を開けてみれば現職二人を抑えてのトップ当選。
宮古島市の底力を見た気がしますね。

個人的な感想としては、投票率が「低調」だったことも幸いしたかのかな、と感じています。県内メディアの批判を自民県連が巧く躱しつつ、「反自民の風」が吹き荒れなかったのも功を奏したと思います。

とまれ、2008年から続いてた、革新色の強い沖縄県議会は16年ぶりに変わりました。あとは本丸の知事奪還へ向けて全力を尽くさなければ。

 宮古島は例外で保守同士の遺恨みたいな感じもありました。結果、革新の油断がポイントになった選挙でした。私としては沖縄自民党に対し、前回選挙もそうですが、なぜもっと多くの候補者を擁立しなかったのか?の憾みが残ります。全員当選は晴れがましいが、単独過半数を取る位の気合を見せてもらいたかったし、まだそこまでは回復していない事も事実。
ともあれ、あの馬鹿げた濫訴の繰り返しは止むでしょう。予算など通らぬし、専決処分でもしようものならデニーさんの政治生命は終わります。

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