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2024年7月10日 (水)

イラン新大統領に改革派がなろうとイランは変わらない

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よくある勘違いなのですか、イランは大統領が変わろうとどーしようと変化しません。
NHKなどは、これは民衆の不満の現れであるぞ、変革の兆しじゃ、なんて言っていますがだからどうしたというのでしょうか。
「民衆の不満」はもうかれこれ数年間続く暴動をともなったデモをみれば明らかですが、だからといってイランはなにひとつ変わりません。

「イランで行われた大統領選挙の決選投票は、欧米との対話を重視する改革派のペゼシュキアン氏が当選しました。最高指導者のハメネイ師は保守強硬派のライシ政権の路線継続を求めていて、融和的な外交政策への転換を実現できるかどうかが焦点となります。
5日に行われたイラン大統領選挙の決選投票では、欧米との対話を重視する改革派で、イラン議会の副議長や保健相を務めたペゼシュキアン氏が53%あまりの票を獲得し、欧米との対立をいとわない保守強硬派のジャリリ氏の44%あまりの得票を上回り、当選しました。
投票率は49.8%と、6月の1回目の選挙よりおよそ10%高くなり、現状に不満を持つ人たちの受け皿として支持を伸ばしたものとみられます」
(NHK7月7日)
イラン大統領選 改革派勝利もハメネイ師 路線継続を求める | NHK | イラン大統領選挙

NHKに言わせると、「融和的な外交方針に転換できるかが焦点」だそうですが、ナニを勝手に期待膨らませているのか、イランの外交方針を決めているのは政府ではなく、その頭上に君臨する「最高指導者」です。
共同通信なんぞ、これで核合意が守られるゾ、と歓喜のご様子です。

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NHK

【テヘラン共同】イランの改革派ペゼシュキアン次期大統領は6日、経済低迷の要因である米国の制裁の解除に向けて、イラン核合意再建の公約を守る意向を表明した。核開発問題で欧米と対立を深めたライシ政権の保守強硬路線を転換すると強調した。首都テヘラン郊外のホメイニ廟で支持者を前に「改革を実行する必要がある。交流と対話の道を歩む」と演説し、欧米との融和を図る方針を示した」
(共同7月7日)
核合意再建へ強硬路線転換 イランの次期大統領(共同通信) - Yahoo!ニュース

ここまで人がいいというか阿呆だと、イランはさすがは「伝統的友好国のニッポン」のメディア。
核合意に反してウラン濃縮を続けているのはイランです。
その前には米国が核合意から離脱していますから、核合意自体がただの紙切れ化していたのです。
空文化したことを見極めてトランプは核合意から正式に脱退して、真剣にイランを核放棄させる道を選択しました。
それをひっくり返して、またもや核合意に復帰してしまったのがバイデンです。

以来、イランは核合意復帰を外交カードに使ってきました。
厳しい制裁に合って経済が苦しむと、核合意に復帰してもいいようなそぶりをしますが、かんじんなIAEAの核査察は断固として拒否し続けています。

「ウィーン、テヘラン=共同】国際原子力機関(IAEA)は16日の声明で、イランからIAEAの一部査察官の受け入れを拒否すると通告があったことを明らかにした。査察官はウラン濃縮などを検証している。グロッシ事務局長は「強く非難する」と述べ、査察に深刻な影響が出るとして再考を求めた。国際社会の懸念が一層強まるのは必至だ」
(共同2023年9月17日)
イラン査察官受け入れ拒否 IAEA、影響深刻と非難 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

核合意の肝はIAEAの核査察です。
兵器級の核濃縮をしていない、ということをIAEAの査察官が立ち入り調査をして調査します。
イランは6月中旬に、IAEAに対して中部フォルドゥの核施設に高性能遠心分離機「IR6型」を複数連結したカスケード8基を増設しウラン濃縮能力を急速に拡大すると通知しています。
とうぜんIAEAはイランに査察官の受け入れなどを要求していますが、拒否され続けています。

このフォルドゥの核施設の高性能遠心分離機の設置で、イランの核兵器開発は最終段階に入ったと見られています。
すでにイランは兵器級、つまり核兵器ができる段階まで核濃縮を続けていることが、IAEAによって確認されているからです。

「IAEAが4日にまとめた報告書によると、イランは60%に濃縮した六フッ化ウランを8月19日時点で、推定121.6キロ貯蔵。60%は核兵器級の90%に近づく重大な核合意違反に当たる」
(共同前掲)

そもそも大統領選挙自体が、一般的な民主主義国家のそれと同じではありません。
大統領候補になるには「最高指導者」の思し召しが必要で、これがないと大統領選そのものに出馬できません。
したがってペゼシュキアンも「最高指導者」に了解を受けて出馬しているわけです。
彼が「最高指導者」から託された任務は国民の不満を逸らすことです。

「イランではイスラム革命後、45年余り、イスラム聖職者による統治政権が続いてきた。イランの国民経済は厳しい。イランの通貨イラン・リアルの対ドル為替レートの下落には歯止めがかからない。インフレ率も久しく50%を上回ってきた。イランでは若い青年層の失業率が高く、多くの国民は「明日はよくなる」という思いが持てない。特に、ソーシャルネットワークで育った若者は、イスラム革命のイデオロギーに共感することは少ない。聖職者統治政権と国民の間の溝は更に深まっている」
その一方、イラン当局はパレスチナ自治区ガザのハマス、レバノンのイスラム根本主義組織ヒズボラ、イエメンの反体制派民兵組織フーシ派へ武器、軍事支援をし、シリアの内戦時にはロシアと共にアサド政権を擁護するなど、多くの財源を軍事活動に投入してきた」
(ウィーン発コンフィデンシャル7月8日)
ハメネイ師に忠実な改革派の新大統領 : ウィーン発 『コンフィデンシャル』 (livedoor.blog)

いままで同じことを何回も書いてきて、私もやや飽きてきましたが、こういう勘違いはイランという国の特異な権力構造を見ないので生まれます。

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産経

「イランは1979年にパーレビ王政を打倒した革命が起きて以来、イスラム教シーア派の法学者による統治が続く。最高指導者は国政全般に最終決定権を持ち、絶大な権力を握る。大統領は国会や司法と並ぶ行政の長に過ぎず、軍に対する権限などはない」
(産経2019年6月12日)
イランは最高指導者が絶対権力 大統領は行政の長(1/2ページ) - 産経ニュース (sankei.com)

イランの「最高指導者」はイスラム坊主ですが、日本のように立憲君主制下の国家統合シンボルではなく、完全な親政を敷いています。
坊主はすべの権力を掌握しており、外交、軍事、内政のすべてを支配しています。

そしてなんとイスラム坊主は国軍とは別に、じぶんの私兵をまで有しているのですかスゴイね。
例の悪名高き革命防衛隊とその指揮下のコッズ部隊です。

コッズ部隊こそ中東全域にハマスやヒズボラなどのテロ団体を組織している中核的組織で、これは「最高指導者」が司令官を任命し、その命令で動いています。

いままでこの恐れ多い「最高指導者」の椅子に座ったのはたった2名。初代はあのカリスマ坊主のホメイニで、この男が普通の王政国家だったイランをイスラム原理主義国家に変貌させました。
2代目が今のハメネイで、いずれも高位のイスラム法学者で、3代目と目されていたのが、ヘリの事故で死んだライシでした。
ライシは着々と力をつけて、ハメイニが死んだら次はオレだと思っていたようですが、「改革派」とやらのペゼシュキアンなんてまったく及びではありません。
ただのガス抜きです。

この革命防衛隊を擁する「最高指導者」の絶対性を見ないで、新大統領が西側と協調したら、核合意を守ったら、なんて夢想するほうがアホらしい話です。
イランは革命防衛隊の圧政を打ち破り、「最高指導者」体制を変えないかぎりなんの変化もないのです。

 

 

 

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コメント

我が国はいつまで「伝統的な友好国であるイラン」という表現を続けるのか!?
アメリカ傀儡のシャー·パーレッビが放逐された革命からもう45年なのに。
日本企業があちらで大変なことになってるのに、政府やJICAも発信しませんし、マスコミがバカ過ぎますよ!
例えば「三井物産の損失額」とか調べればどんだけ酷いのかわかるでしょうに。

革命主導したホメイニからハメネイ師が絶対の権力者という特殊なイスラーム原理主義の国です。軍事的にも全く特殊ですね。
あんな国と仲良くしたいのならば、どれだけのリターンがあるのかを明示してもらいたいと。

 日本の報道には、ほとほと呆れます。
多分、こうした報道の論調が日本政府や外務省の方向性と軌を一にしているのだと思うと、いっそうの暗さを感じざるを得ません。
ハメネイに忠実な改革派を装う者が当選したのであって、このような選挙に意味はありません。むしろ同じ傀儡でも、元大統領ロウハニの方がまだマシだったと考えざるを得ない。
わかる事は、「イランは経済封鎖を突破するために、核を推進しつつ、いかにウソと誤魔化しで苦境を回避出来るか? に舵を切った」という事くらい。もちろん米民主党やバイデン・オバマのような騙されやすい組に向けたサインであり、トランプの内向き傾向に期待する擬制でもあるでしょう。

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