• 20260723-011306
  • 20260722-030912
  • 20260721-004448
  • 20260719-170225
  • S011_20260718221301
  • S-019_20260718222501
  • S016_20260718221301
  • 20260718-021154
  • 20260717-005047
  • S-015_20260712002201

« 大統領選、バイデンの悲劇 | トップページ | トランプはなぜここまで強いのか »

2024年7月 3日 (水)

マリーヌ・ルペンが変えたフランス「極右」

S-066

フランス国民議会選挙で、「極右」の国民連合が勝利しました。
マリーヌ・ルペン氏が率いる極右政党の「国民連合」(RN)の得票率が33.0%~34.2%、左派連合「新人民戦線(NFP)」が28.5%~29.6%、マクロン大統領率いる中道の与党連合が20.3%~22.4%となりました。
議席数では、RNが577議席のうち、国民連合が240から270議席を獲得し、第1政党となります。
おそらく首相には、国民連合(旧国民戦線)のジョルダン・バルデラが首相に選出されるでしょう。

「「フランスで6月30日、国民議会(下院、577議席)選挙の第1回投票が行われ、マリーヌ・ル・ペン氏率いる極右「国民連合」(RN)が33.2%の得票率で、エマニュエル・マクロン大統領の与党連合を抑えて第1勢力となる見通しとなっている。
移民排斥を掲げる「国民連合」の支持者たちは、「マクロン派が一掃された」とルペン氏が述べると歓声をあげた。
得票率の予測では、国民連合がトップで、左派連合の「新人民戦線(NFP)」が28.15%と続き、与党連合は21%で3位にとどまっている。
国民連合の28歳の党首ジョルダン・バルデラ氏は「フランス国民が我々に票をくれるなら、私はフランス国民全員のための首相になることを目指す」と語った」
(BBC7月1日)
フランス議会下院選の第1回投票、極右が最大勢力に 与党連合は3位 - BBCニュース

20240702-033505

BBC

実は、このフランス下院選挙の前にあった欧州議会選挙でも国民連合は勝利しています。
BBCは憂鬱そうにこう書いています。


「EUの多くの地域で、極右とナショナリスト右派が躍進した。背景には、移民問題やインフレ、環境重視の改革のコストなどに懸念を募らせる有権者の存在がある。
しかし、そうした右派政党が今後のEU政策に、どれだけ実質的な影響を与えられるのかは不透明だ。
EUにおける法律を審議し、修正し、議決する欧州議会の過半数議席は、依然として中道政党が占める」
(BBC2024年6月10日)
【解説】 欧州議会選での極右の躍進、何を意味するのか 団結には困難も - BBCニュース

世界のメディアは、今でもメディアは国民連合のことを忌ま忌ましそうに、まるで汚いモノでも触るようにして「極右」と呼んで憚りません。
私は、いいかげんその呼び方を止めたほうがいいのではないかと思っています。
というのは、いまや政治の軸全体が右へとシフトしてしまい、「極右」(ファーライト)とかつて呼ばれていた勢力はただの保守にすぎなくなっているからです。
かつてフランス国民戦線(FN)と呼ばれ、いまは「国民連合」(RN/Rassemblement National )と名を変えた政党について、もう少し考えてみます。

この党は前回の大統領選で、ファイナルまで残りながら、世界中のありとあらゆるメディアから「極右民族主義者」というレッテルを張られて敗北しました。 
いや、今思い出しても反国民戦線キャンペーンはすさまじいもので、マクロンは消去法で選ばれたようなところがあります。
今回の敗北後もマクロンは極右包囲網を作れと叫んでいます。自分の首相となる政党を包囲してどーすんだ。
マリーヌ・ルペンが得た得票数は1100万以上で、ただの極右の色物さと小馬鹿にしていたエスタブリッシュメントを青くさせました。
これまで国民戦線が獲得した票は、以下です。
積み上がってきていることにご注目下さい。


・2014年欧州議会選挙          ・・・470万票(25%)
・2015年地域圏議会選第一回投票    ・・・600万票(28%)
・大統領選第1回投票           ・・・760万票→第2回1100万票
・2924年国民議会選挙          ・・・33.0%~34.2%

実は、マリーヌが引き継いでからの旧国民戦線は、メディアの常套句である「極右」「排外主義政党」と簡単に言えるような存在ではなくなっています。

Photo_2

マリーヌ・ル・ペン - Wikipedia

あながち冗談ではなく、次の国政選挙を経てマリーヌ・ルペン党首が大統領になる可能性すら生れてきました。 
ルパンじゃないよ、「ル・ペン」Le Penですよ。2名いますから、注意して下さいね。 
まずは創設者にして、先代党首のジャン・マリー・ル・ペン氏です。この頑固そうなのがオヤジのル・ペンです。
おお、ヤニ臭そうないかにもいかにも極右って臭気か漂いますね。 
国民戦線はこの親父の個人商店でした。

Photo_3
出典不明

う~ん、いかにも生粋の「ザ右翼」って感じで、実に香ばしいキャラです。 
なにせ国民戦線を批判したフランスのユダヤ人歌手ブリュエルに対して、「今度はこちらが窯に入れてやる」という凄まじい発言をしています。 
「窯」が、アウシュビッツのガス窯であることはヨーロッパ人ならすぐ分かるわけで、こういうことを平気で言う政党だということで、猛烈な批判を浴びました。当然ですね。 
これに対して直ちに、この反ユダヤ主義の発言の削除と、厳重処分を言い渡したのが当時党首だった娘のマリーヌ・ル・ペンでした。

Shutterstock_192629192https://www.foreignaffairsj.co.jp/theme/201611_le_...

オヤジのル・ペンの三女です。おッ、シックなファッションセンスとキレる頭脳。彼女はパリ第2大学卒で弁護士やってました。 
彼女は副党首のカール・ラングや、全国代表のゴルニッシュを押えて党首に選出されています。
 このマリーヌがやった最大の事業が、オヤジ・ル・ペンの路線の大幅見直しでした。
おお、いきなり骨肉の対立か、日本の家具屋お家騒動みたいだと思われるでしょうが、この父娘は現実的な路線では水と油だったのです。 

まずはオヤジ・ル・ペンの路線です。

●旧国民戦線路線
移民排斥
妊娠中絶反対
・治安強化
・EUからの脱退
・通貨のユーロからフランへの回帰
国籍取得制限の強化など
・移民の入国制限。(ただし、フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない)

 

Photo_6
出典不明

これに対して、マリーヌ党首の新路線はこうです。ジャン親父のヤニ臭さがほぼ完全に一掃されています。


●新国民戦線(国民連合)新路線
・フランス文化を尊重する移民は認める。
・フランス国籍を持つ移民や移民二世・三世でも、犯罪を犯した場合は出身国へ強制送還させる。
・伝統的な生活様式を保護する。特に農民を尊重する。
・麻薬の密売人、小児性愛などの性犯罪者、母親による児童虐待、殺人者、テロリストを対象とする死刑の復活(現在、EU圏内では死刑はない)
・EU脱退
・極左系団体に対する公的補助金の廃止。
・道徳の復権
・犯罪者や移民の犯罪者には寛容ゼロ (tolérance zéro) で臨む。
・同性愛・妊娠中絶の容認
・国籍の血統主義
・減税
※Wikipedia

まるで、別な政党になってしまったようです。この新路線の国民戦線を「極右」「移民排斥政党」とレッテルを貼るのはそうとうに困難でしょう。
もっとも重要な移民政策についての新路線は、「フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない」としています。
国外追放するのは、「犯罪を犯した場合に限る」としています。
彼女はこういう在特会的レイシズム体質を持つ国民戦線党員に対して、党籍剥奪処分で臨んでいます。
父親にして創設者のジャンも例外ではなく、除籍されてしまいました。

マリーヌの移民についての考えは、朝日新聞(2015年1月27日)がインタビューしていますので、添えておきましょう。
※http://www.asahi.com/articles/ASH1P1RBXH1PUSPT002.html


――でも、今回のテロ(※シャルリ襲撃テロ)の容疑者たちは、移民とは言い難いのでは。移民家庭出身とはいえ、国内で生まれ育ったフランス人です。
 「いいえ。彼らはフランス人になることができた、というだけです。例えば(新聞社を襲撃した)クアシ兄弟。両親はアルジェリア人ですが、フランス領内で生まれたお陰で自動的にフランス国籍を取得しました。
国籍へのもっと厳しい条件を課さなければなりません。ハードルが低すぎるから、移民も殺到し、フランス人から雇用などの権利を奪うようになるのです」
 「国籍法の改定も欠かせません。二重国籍を廃止すべきです。祖国は一つしかあり得ない。どちらか選ばなければなりません」
 ――日本では、国内で生まれただけだと国籍を取得できません。二重国籍も違法です。
 「私たちが求めるのは、まさにそのような制度なのです。出生地主義の廃止です。フランス人は、フランス人の親から生まれるか、フランスに帰化するかだけ。帰化自体は否定しませんが、そのためには罪を犯さず、規則と価値観を尊重し、フランス文化を共有し、運命を共にする意思を持つ必要があります」

文化多元主義がお好きな朝日は、嫌悪感をこめてインタビューしているようですが、マリーヌさんの発言には、レイシズムの匂いはありません。
メディアはいいかげんに親父ルペン時代と、娘のマリーヌ・ルペンをゴッチャにするのはやめたほうがいいと思います。

いまヨーロッパと米国の政治の中心軸は、大きく右へとシフトしている過渡期にあたっています。
フランスのルペンの国民連合は首相を送り出し、イタリアのメローニのイタリアの同胞( FdI )、オランダのウィルダースの自由党(PVV)はすでに政権を取っています。
ドイツでは「ドイツのための選択肢」(AfD)が東独で高い支持率を得て、第2党に躍進しました。
それは欧州議会選挙でもはっきりしたし、米国ではトランプの再台頭として現れました。
この流れは早々簡単に止まらないし、いまさら「極右」と罵倒してもなにもかわりません。
日本でも日本保守党が結成されています。
これらを初めからネガティブな色眼鏡で「極右」と決めつけてはなにもわかりません。
個々の政策で是々非々で眺めるべきではないでしょうか。
とまれ「極右」のひとことでわかったつもりになって思考停止しているのはいかがなものでしょうか。

 

 

 

« 大統領選、バイデンの悲劇 | トップページ | トランプはなぜここまで強いのか »

コメント

マリーヌが親父を追い出してからは、普通の右派保守政党なんだよなあ。少なくとも「極右政党」では無い。

現在大乱闘選挙になってる我が国の首都東京都知事選挙での田母神さんの主張程度です。田母神さんも神宮外苑開発については全く無知な事が昨日明らかになりましたが。なんかよく似ているなと。

日本のマスコミは未だに「極右」扱いしてますけど。基本左派のマスコミは田母神が自衛隊上がりだというだけで右翼扱いですからね。
で、極左で日本の国力をそごうとしている共産党の9条教徒が辺野古や川崎市や横須賀や仙台でも抗議運動したら「市民団体」という実に柔らかい扱いの表現。絶対にオカシイだろ!
国政に関わる物事は、それこそ是が比比で世界情勢を見ながら判断すべき話です。
辺野古では隙を付いたダンプ特攻ババァを止めようとした警備員の男性が頭グシャリで死亡してます。お気の毒です。
こんなのが報道や表現の自由なんですかねえ!?

管理人様
山形様が大乱闘と表現されている都知事選挙ですが、それどころではない事態になっています。まさに東京都民の1票に日本の未来がかかっています。何度も何度もうっとおしい奴だとお思いでしょうが、ぜひひまそらあかね候補の事を知ってください。ひまそら候補の事を知らずに見る都知事選と、知って見る都知事選は全く別物と言っても過言ではありません。少しでもひまそらあかね候補に興味が持てたなら、ひまそらあかねで検索してみてください。調べてみてください。彼を知ってください。先日のサイトとは別のサイトですがもしよければご覧ください。https://note.com/yuukurona/n/n27cfffbe9b7e

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 大統領選、バイデンの悲劇 | トップページ | トランプはなぜここまで強いのか »