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2024年8月 7日 (水)

パリ五輪とパリ協定

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本来、パリ五輪とパリ協定はなんの関係もありません。
しかしパリ五輪組織委員会はなんていっても意識高い系であることが自慢ですから、パリ協定とLGBTQ思想の良き子でした。
とうぜんのこととして、本来はアスリートファーストで運営されるべき大会運営を放棄し、イデオロギーの使徒となりました。
開会式の狂宴の凄まじさは競技が始まれば平常に戻るかと思いきや、狂ったまま拡大していったのですから、さすがはフランス。だいぶわが国のフランスファンを減らしたんじゃないでしょうか。
とくに選手村の悲惨な暑さと食事は、フランス組織委員会がCO2削減、カーボンニュートラル、ゼロエミッションというイデオロギーに過剰に支配されたために引き起こされました。

しかしちょっと頭を冷やして考えてみて下さい。
このCO2削減の対象である二酸化炭酸ガスは自然由来のものが多くを占め、人間の生活-生産活動由来はたった3%と限られているのですから、いくら選手に暑い思いをさせようが、肉を食わすまいと1度の気温も下がらないのですよ。
それをまるで全部人類の経済活動に原因にあるとする説が脱炭素思想です。
そしてそのためには、人間活動由来のCO2削減するためにエネルギー源そのものを転換をせねばならないと説きます。
そしてこれこそが人類の至高の価値、一片でも疑うことを許さない絶対真理としたのがことの発端です。

そのためにCO2排出源である化石燃料から非化石燃料に切り換える必要があると考えるのが、いま盛りの脱炭素です。

 

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各種電源別のCO2排出量 出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010

化石燃料をどんどん削減していけばどうなるのかわかりきった話で、エネルギー不足、つまりは電力の枯渇を引き起こしました。
うちの国を例にとると、わが国の電源は火力、水力、原子力によってまかなわれていました。
それが民主党政権の原発全面停止政策によって、主要電源は一気に化石燃料になります。
下図が原発を停止させた2013年のエネルギー源の配分です。

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2013年度のエネルギー源別の発電電力量の割合http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035081.html

もはや化石燃料を主体とした火力発電に偏った配分となっており、これではわが国は二酸化炭素を削減することを目標としたパリ協定の達成は不可能です。
このパリ協定とはこのような削減目標をもっていました。

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パリ協定 | JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター

気がつかれたでしょうか、中国、インドが「GDP当たり」なのに対して、日米EUはネットでの削減率、つまり化石燃料のカットです。
しかし中国こそ世界の30%を締める最大のCO2排出国なのです。実に日本の10倍。

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データで見る温室効果ガス排出量(世界) | JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター

その中国はパリ協定で、CO2排出量を2030年までに05年比で60〜65%削減すると約束していますが、中国は8%の経済成長を続けており、今後も続くことすれば、事実上、中国の排出量は増加を続ける公算が大きいのです。
そしてその削減策とは世界随一の原発増産でした。

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asahi.com(朝日新聞社):2025年までの世界の原発の新規需要(世界原子力協会のデータをもとに経済産業省が試算)=2011年4月15日朝刊 - 図解・福島第一原発事故と市民生活への影響(2) - 写真特集

このように事実上中国はやりたい放題で、規制に苦しむのは自由主義先進諸国だけだったわけです。

とまれパリ協定に忠実で原発を止め、9割弱を化石燃料に依存している現状では、パリ協定目標を達成することは不可能です。
今の日本はで動いている原発はたった7基で、これでは焼け石に水です。

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夏の電力不足はどうなる? その背景と対策を解説 - Yahoo!ニュース

近年、電力供給は綱渡りの状況で、今年のような猛暑が続くとどこかで破綻するのは目に見えています。
猛暑や厳冬のピーク時を想定した電力需要に対して、どのくらい供給できる電力があるかの余力を示す「電力予備率」 を見てみましょう。
まさに薄氷の上を歩くが如しです。

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「政府がまとめた、猛暑や厳冬のピーク時を想定した電力需要に対して、どのくらい供給できる電力があるかの余力を示す「予備率」を見ると、今夏は、東北・東京・中部の3電力のエリアで、最低限必要とされる3%ぎりぎりです。電力に余裕のある地域から不足する地域へ送電する広域融通を加味しても、ここ5年で最も厳しい数字です。
今冬はさらに厳しく、現時点の見通しでは、東京エリアは予備率がマイナスとなり、関西や九州など西日本の6エリアでも3%を下回ります」
(東京2022年6月4日)
<Q&A>今年の夏と冬に迫る電力不足の危機 なぜ供給余力が厳しくなったのか?:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp) 

これでどうして原発ハンタイなのか東京新聞に聞いてみたいものです。

それはさておき、下図を見ると、1997年の京都議定書以降も、CO2の増加には歯止めがかかっていないのが現状です。
京都議定書 - Wikipedia

 

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化石燃料などからのCO2排出量と大気中のCO2濃度の変化出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010http://www.jnfl.co.jp/recruit/energy/warming.html

このように京都議定書は失敗し、パリ協定もまた実行が疑問視されています。
だってそんなまねをしたら産業の自殺ですから。

 

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