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2024年8月10日 (土)

わかっているのかな、長崎市、これはリッパな二重外交ですよ

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長崎市がイスラエル大使の原爆の日の式典に参加を拒否したことで、波紋がひろがっています。

「長崎市の鈴木史朗市長は8日、9日に開く平和祈念式典にイスラエルを招かない判断を巡り、報道陣の取材に応じた。イスラエルの招待を要求していた米欧の駐日大使らは相次いで式典欠席を決めており、鈴木市長は「(不招待は)政治的理由ではないが、十分に理解いただけていない結果」と受け止めつつ、判断は変えないと明言。理由について「平穏かつ厳粛に式典ができるよう心を配る中での判断」とあらためて強調した。
 日本を除く先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)の駐日大使らは、イスラエルの招待を保留していた市に対し、7月19日付の書簡でイスラエルの招待を求めた。鈴木市長は25日に郵送で受け取り、31日には不招待を決定。パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルには国際的批判がある中、抗議活動など式典運営に影響を及ぼす「不測の事態」の発生リスクなどを考慮した」
(長崎新聞8月7日)

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長崎の平和祈念式典、イスラエルを招待せず 長崎市長「リスク懸念」 [核といのちを考える] [長崎県]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

左右入り乱れての論戦になっているようで、イスラエル・ポジションとパレスチナ・ポジションの代理戦争になっています。ああ暑苦しい。
整理してみます。
まず、長崎市鈴木市長の説明はこのようです。

①不測の事態発生の懸念。
③あらゆる国参加してほしいと思うので残念。
④イスラエルの招待拒否は政治的判断ではない。

鈴木市長は、政治的判断ではないと言っています。
しかしこれは単に慰霊式典に政治を介入させたという非難を回避するためでしょう。
なぜなら、「政治的」というならば、もはや自治体の手の届かない国際問題にまで発展しているからです。
ここまで暴れてしまって、いまさら「これは政治的判断ではない」、っていわれてもね。

ここまで大事になったのは、G7大使らは長崎市のこの行為をユダヤ人差別だと考えているからです。

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長崎市の平和祈念式典を欠席したアメリカの駐日大使ら 東京・増上寺の追悼会に参列(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース

主要国の式典ボイコットを主導したのはエマニュエル米大使だったようです。
投下国の米国は主賓ですから、大使の名前くらいはちゃんと知っていなければなりません。
その名はセラーム・イスラエル・エマニュエルといい、名前からもわかるように父親はイスラエルからのユダヤ人移民です。
しかもこの父親はただ者ではなく、武装組織イルグンに加わっていました。
イルグンはいまでこそ政権党のリクードに改編されていますが、独立運動を戦った筋金入りのシオニスト強硬派です。
ウィキで検索すれば、彼の父ベンジャミン・エマニュエルは主要メンバーで登場します。
エツェル - Wikipedia
そういった父からセラーム・イスラエル(ヘブライ語で「高貴なイスラエル」)という名をもらったエマニュエルは、子供の頃から徹底したシオニズム教育を受けたはずです。
ですから、主義主張でイスラエル支援をしているのではなく「血と骨」で考えているのです。

エマニュエル大使はLGBTでもたいそう内政干渉してくれましたが、イスラエル支援においても同じです。
好むと好まざるとにかかわらず、この人はこういうことをする人物なのです。
外務省北米局ならば、イスラエルを式典からパージしたならこの大使が必ずボイコットに走る、しかもG7各国に呼びかけるだろうくらいの予想はついていたはずです。
主賓が式典ボイコットを呼びかけたのですから、もはや国際問題です。
だから政府は長崎市に翻意を要求したようですが、鈴木氏は耳を貸さなかったようです。
やれやれ。これをさすがだと褒めそやす人もいるようですが、ただの井の中の蛙にすぎません。

「与党幹部によると、政府は長崎市がイスラエルを式典に招待しないことを決め、各国大使らが反発していることが分かると、外交問題に発展する事態を懸念。鈴木史朗市長と関係のある現職閣僚や元参院議員を通じて水面下で翻意を促したが、市の方針は変わらなかった。
林芳正官房長官は8日の記者会見で、「式典は長崎市主催行事だ。各国外交団の出欠についてコメントする立場にない」と述べるにとどめた。首相周辺は「日本政府も招待される側だ」と語り、打つ手には限りがあったと強調している」
(爺8月9日)
政府、核軍縮への影響懸念 G7大使の長崎式典欠席 原爆忌(時事通信) - Yahoo!ニュース

たぶん鈴木市長は、エマニュエル大使がユダヤ人であることさえ知らなかったのではないでしょうか。
原爆投下国の米国が来ない慰霊式典はありえない以上、米大使が来ないということがわかった時点で「あらゆる国」の参加に切り換えるべきでした。
ところが外交などをみじんも考えていない鈴木市長は左翼少年のような正義感でやってしまい、ガザ戦争のもうひとつの側面であるユダヤ人差別というテーマをまったくわかろうともしなかったのです。
そして自分が最大の「不測の事態」となってしまいました。

メディアは感傷的平和主義ですから、「政治的理由ではない」という長崎市長の主観だけを強調して報じています。

長崎市で9日に行われる平和祈念式典にイスラエルが招待されなかったことに対し、米英の駐日大使らが式典の欠席を決めたことについて、長崎市の鈴木史朗市長は8日朝、「(招待を見送ったのは)政治的な理由ではない。私の判断の真意が伝わっていない」などと語った」
(朝日8月8日)
長崎市長「政治的理由でない」イスラエル招待見送り 大使側にも説明:朝日新聞デジタル (asahi.com)

そしてG7大使が出席しないとなると、「どうして理解してもらえないのか」という子供のような感情論を振り回します。
鈴木市長は、G7の怒りを理解していません。
G7大使は連名で書簡を長崎市に送付しています。

「7月19日付の書簡は米英独仏伊とカナダの6か国と欧州連合(EU)の大使らの連名で、同市が、ロシアと同国を支援するベラルーシを招待していないことに触れ、「イスラエルを同列に置くことは誤解を招く」と懸念を表明した。一方、市は同月末、イスラエルが攻撃を続けているパレスチナ自治区ガザの状況などを踏まえ、式典で不測の事態が発生するリスクを考慮したとして、招待しないと発表していた」
(読売8月8日)
イスラエル招待しなかった長崎市長「苦渋の決断」…6か国大使の欠席「理解求めたが平行線だった」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) 

G7大使が連名で書簡を出し懸念を表明するということ自体、きわめて危険なシグナルです。
たぶん今後日本は、核軍縮のイニシャチブを失うでしょう。
岸田氏のライフワークの「核なき世界」構築はもうさんざんです。

なんせイスラエルは呼ばずに、呼んだのはパレスチナ自治政府ですから、懸念を表明しているG7に喧嘩を売っているようなものです。
「あらゆる国を呼ぶ」と言いながら、ガザ戦争の一方の当事者であるパレスチナ自治政府を呼ぶのですからダブスタも極まれりです。
パレスチナ自治政府はそもそも国際的に承認された「国」ではありませんし、その「政府」には多数のハマスが含まれているのはよく知られている事実です。

自治政府に所属するハマスが去年10月7日に、イスラエル人を大量に虐殺し、人質に取った、これがガザ戦争の発端でした。
ここを忘れてイスラエルだけを非難するのは片手落ちというもんです。

イスラエルを過剰な反撃したとして非難したいのなら、同時にハマスのテロを引き起こしたパレスチナ自治政府も同時に非難し、出席を認めるべきではありませんでした。
それでなくては筋が通りません。
というか、鈴木氏はガザ戦争の「即時停戦」はイスラエルの意志だけでどうにでもなると思っているようです。
だから長崎市は6月にG7とイスラエルに即時停戦を求める書簡を送っていますが、パレスチナ自治政府にはなんのアクションもしていないようです。

「6月、鈴木氏は、長崎がイスラエル大使館にガザでの「即時停戦」を求める書簡を送ったと述べた」
(BBC8月9日)
欧米大使はイスラエルの冷遇をめぐる長崎式典を敬遠 (bbc.com)

おっと、オカシイですね。「即時停戦」を求めるならば、当事者双方に書簡を送るべきでしょう。
それを片方だけに「書簡」を送り、はかばかしい回答がないからといって招待を拒否する、なんて手前勝手なことよ。
停戦交渉が停滞しているのは、イスラエルだけのせいではないことを知っているのかしら。

これはただのダブルスタンダードでは済みません。
まず、わかっているのかな、鈴木市長。これは二重外交です。
外国は国の専管事項ですが、市レベルが容喙できることではありません。

この二重外交は沖縄特産とでも言うべき悪習ですが、政府方針とまったく異なることを自治体が独走します。
とばっちりは国のほうに行きますが、自治体は知らぬ顔の半兵衛です。

そしてなんども繰り返し、日本外交を傷つけています。

鈴木市長が個人の思想信条としてイスラエルを非難するのは勝手ですが、それは国の見解とは異なります。
準国家行事である慰霊式典を、自分の鈴木氏の個人的見解より優先させることはできません。
結果、今回の出来事は、昨今の世界を覆おうとしているおぞましい反ユダヤ主義に加担してしまいました。

では、イスラエルを招いたとして「不足の事態が起きた」でしょうか。
たしかに広島の式典でも、時代錯誤のヘルメットを被った過激派が騒ぎを演じようとしましたが、排除されています。
なおどーでもいいですが、この男のメットには「お前の未来のために戦っている」と書いてあります。
余計なお世話です。こういうオレはお前を解放してやるという意識が戦争を招くのです。ああ、胸くそが悪い。

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(産経新聞

「米軍の原爆投下から79年となる6日、広島市の平和記念公園では午前8時から記念式典が開かれる。市は今年、公園内の規制を強化し、式典開催中の大規模な集会を事実上禁じた。同日早朝、規制のため公園の利用者をいったん外に出そうとしたが、「反戦・反核」を訴える団体は拒否。「集会弾圧を許さないぞ」などとシュプレヒコールし、公園内には怒号が響きわたった」
(産経8月6日)
「帰れ、帰れ!」原爆の日・平和記念公園で怒号、広島市の警備強化に反戦・反核団体が猛反発(産経新聞) - Yahoo!ニュース

過激派のプラカードには「ガザ虐殺をやめろ」とあり、ここで抗議をしているのはイスラエルが招待されているからのようです。
つまり、広島市は彼らの政治的主張に屈せず、長崎市は屈したということになります。
それが「不測の事態を避ける」内容だというなら、過激派に長崎市が屈伏したということになります。
それでよいのでしょうか。

いずれにしても、沖縄や被爆自治体がその置かれた歴史でなんでも出来る特権を持てると思っているなら、とんでもないことになりますよ。

 

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コメント

FIGHT FOR YOUR FUTURE とは、また気持ち悪い。メット被って騒ぐのが正義だと勘違いしてる醜い姿です。

長崎市長、イスラエルを呼ばずにパレスチナは呼んじゃったのね。そんなんいくら「外交的判断ではない」なんて予防線張ろうとも、間違いなく外交問題です!本当にバカなの!?

長崎市長は、レフト⚫️ンドの人なのでしょうか?
地方自治体の首長程度で、自分は正義の外交を行なっていると、信じているのでしょう。こんな市長を選ぶ市民は如何に?
市民もマスコミや活動家やその他団体の情報だけでなく、よく考えて市長を選ばないと、どこかのパワハラの知事のように後悔しますよ。

 アゴラでは篠田英朗さんが、懸命に長崎市長の選択をかばってますね。けれど、市長が自ら政治問題にしちゃったのは記事のとおりです。
米国ではハリス候補が「イスラエルへの武器提供を制限しない」と明言していて、民主党内のスクアッドと呼ばれる極左親パレスチナ派議員たちは淘汰されつつあります。
親パレスチナに思想に侵されたすえが例の大学打ちこわし騒動なんであり、パレスチナが極左と連動して活動を進めてきたのは日本の歴史の中にもあきらか。
欧州も分断を画策するその事を良く理解していてイスラエルの行動を咎めはしても、日本の研究者のようにバカではない。
イスラエルを排除した長崎市長の行動は二重に愚かだし、国の恥さらしになりました。

まだ若かった私が仕事に慣れた頃、当時のボスから、「仕事というのはな、それをしないと困る人がやるもんだ」「たとえ他人の仕事だったとしても、その仕事が完了しないと自分が困るんだったら、お前がやるんだ」、と言われました。「なんでオレが他人の仕事までしなきゃいけないんだ?」と、まだ若かくてその忠告の意味も理解できなくて、「自分の仕事さえキッチリやっていたらいいんだ」と逆らった私は、結局、他人の仕事の不備のせいで自分の仕事を完了できずにクライアントに土下座するハメになったんですわ。

ロシアーウクライナ戦争やイスラエル-ハマス戦争は、地政学的に世界に影響を及ぼす重大な案件ですわ。それゆえ、各国は外交的に丁々発止でやりあっています。そのポジション取りによって、自国の利益が月とスッポンほども違ってくるからですわ。ものすごくシビアな問題なんですわ。

今回の長崎市の平和祈念式典でのイスラエル招待見送りは、言うまでもなく外交の最先端事項ですわ。重大だからこそ、G7大使はイスラエルと同じく席につくことはありませんでした。しょせん地方自治体の長に過ぎない長崎市市長(経歴を見たら、すごいエリートですが)に外交センスを求めるのは酷というものですわ。市長がどういう対応をしようが、たしかに長崎市主催の式典である限り、長崎市に外交をしろと言っても詮無いハナシですわ。

酷いのは、頼りない岸田首相・林官房長官・外務省ですわ。この人達は、「いやぁ、自治体の式典ですんで、私らは知らず存ぜずで、こりゃ何ともなりませんわ、わははは」なんて言ってる立場じゃないハズですわ。日本国の重大な外交問題なんですから、長崎市の仕事だとしても、日本国に多大な損害を与える事案であれば日本国政府として外交の仕事を完遂しないと、後々、日本国がどこぞの国に土下座するハメになるんですわ。

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