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2024年8月31日 (土)

習近平の「認知戦」のチャチさ

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先日、日本で初めての放送テロが起きました。
初めて尽くしの時期だとみえて、同時期には中国軍機による初めての領空侵犯が起きています。

「NHKのラジオ国際放送で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「中国の領土」と主張し「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」などと発言した中国籍の男性スタッフを巡っては、NHKの待遇面に不満を漏らしていたとされる一方、仕事ぶりは「真面目」と評されている。アナウンス業務で中国の主張に沿った持論を展開するという極めて異例の事態だが、周囲の関係者は「単独犯」との見方を示している」
(産経8月29日)
NHK尖閣発言の中国籍スタッフ 「バイトテロ」単独犯の見方、在日中国人は非難「最低」 - 産経ニュース (sankei.com)

このテロを許したNHK国際放送は、日本政府の見解や日本文化を外国や外国にいる日本人に伝えることが目的で、国からテレビ部門に26.3億円、ラジオ部門に9.6億円、合計35.9億円の資金提供を受けています。
血税を使って反日放送を許してしまったということで、NHKはただ謝っただけでは済まないはずです。

この面妖なテロを起こした男は、東大大学院卒、文系で派遣社員としてNHKの海外放送の翻訳やアナウンスをしていたようで、その経歴は20年ちかくになるそうです。
当然、こんなことをしたらどうなるかわかってやったのでしょう。
同じ在日中国人は彼をこう評しています。

「派遣ホームページ(HP)や関係者によると、男性スタッフは49歳。中国・天津の大学で英語を専攻し、20代で来日し、東京大大学院を修了した。NHKの中国語ニュースで翻訳やアナウンス業務に関わるほか、企業や官公庁の中国向けビデオで中国語ナレーションも担当した。
香港の衛星放送フェニックステレビの東京支局でリポーターも務めたこともあり、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まった昨年8月は現地でリポートを行っている。
在日中国人の男性は男性スタッフについて「反日教育が強い時代に中国で育った世代で、元々愛国心は強かったのだろう。近年中国政府も(対外的に)横柄になったが、一般の中国人にとっては、日本政府も米国などに中国の脅威を『告げ口』するように映り、愛国心を募らせていったのではないか」と述べ、NHKで給与など待遇が長年変わらないことなどへの不満も蓄積した結果、突発的に行動に出たとみている」
(産経前掲)

それにしても、いままでの20年近いキャリアと信頼を全部ドブに捨ててまでやるかねと思いますが、じぶんはさっさと国に帰ってしまったようです。国では英雄視されているとか。
靖国神社でセコイ落書きをしたり、放送テロをしたりと、かの国の「英雄」もずいぶんと小さくなったもんです。(笑)
刑事訴追と損害賠償は免れないでしょうが、当人が国外にいる場合は実質無意味て、再入国ができなくなるだけにすぎません。

おそらくそれを見越しててNHK、あるいは外務省が「逃がした」という説もありますが、なんとも言えません。

いうまでもなく、これは中国が伝統芸とする「認知戦」に属します。
ただし、あまりに幼稚、かつ発作的であり、個人の思いつきの形で行われました。
大きい絵がないのです。

中国は従来、台湾に対して裏に表に激しい認知戦をしかけてきました。
時には、本土系のメディアを使っての偽情報を流布してみたり、時には独立派の仮面をかぶった過激な発言をネットでしてみたりと手を変え品を変え、繰り返しおこなってきたものです。
このようにして偽情報をばらまき、指導者への信頼を失くさせ、有事に際しては抵抗を失わせるというのが目的です。

最近台湾で中国の侵攻を扱ったリアルなドラマが作られていると報じられましたが、そこで中心となる中国の手口はこの認知戦でした。
金融機関やメディアに対するハッキング、偽情報の流布により国民を混乱に陥れて、政府への信頼を失くさせ、抵抗の意志をはぎ取っていきます。

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【狙いは?】“中国による侵攻”テーマのドラマ…台湾で制作 工作活動も描く (youtube.com)

一方、わが国に対する認知戦は、孔子学院を作って親中派を増やそうとしたり、「平和運動」の中に親中派を扶植する方向でした。
そのなかでももっとも力を入れたのが、政権与党である自公の議員に親中派を増やしていくことでした。
その工作の仕上がり具合は二階翁を見れば明らかですが、野党にもしっかり浸透していました。

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出展不明

上の写真は2009年12月。当時幹事長だった小沢一郎に率いられた民主党訪中団の姿です。
2009年8月に民主党は政権を取っていますから、小沢の第2次黄金時代でした。
その小沢が真っ先にやった外交がこれ。

総勢なんと630名、現職国会議員143名は史上最大規模で、民主党政権が丸ごと北京に移動したようなもので、中国のエライさんに拝謁して頂いております。
まるで清朝の三跪九叩頭のようです。

小沢訪中団 - Wikipedia

訪中時の小沢氏の梁光烈国防相会談における発言はなかなかのもので、ここまで朝貢してしまうと歴史に名を刻みます。

「日本では中国脅威論の名の下に防衛力強化の意見が根強くあるが、今後も専守防衛の原則に基づいて国防政策を進めていく」

さらにはここまで言うのかというリップサービス。

「日本は解放以前の蒙昧な国でございますが、小生、いち野戦軍司令官としてがんばっております」

わ、はは、当時も話題になりましたが「じぶんは野戦軍司令官であります」ですか。
こんな台詞を中国の国防相相手に言えば、自分は中国人民解放軍日本方面軍司令官であります、と言っているようなもん。
さすがは田中角栄の直弟子なるが故でしょうが、政治家としての品性のなさ、底が浅さが透けてみえます。
こんな男が政権中枢にいたんですから、なんともかとも。

とまぁこのような隷従を強いたり、ハニートラップでポマード首相を篭絡してみたりと、親中派を育成するのが基本的な方向だったようですが、それは他国にない大成功の部類でした。
しかし、それが今回の放送テロで様相を変えました。
台湾型に姿を変容させているように見えます。

今回、このNHK放送テロ男が選んだのが「福島核汚染水放出」に対する非難でしたが、これは執拗に中国が煽ってきたものの国際社会は黙殺しました。
あたりまえです。トリチウムを海洋放出していない国などないからです。

そして今回の放送テロとなるのですが、なぜか粗雑さを感じます。
工作としてはキメがすこぶる粗いのです。

中国の伝統的手法はじっくりと中国シンパを増やしていき、当人の自発的意志で極度の親中行動を取らせることです。
前述した小沢某などのケースはこれです。
あるいは新聞社やテレビ局に浸透して認知戦を展開しました。
これは心理戦、法律戦とならぶ三戦のひとつで、中国はこれを「砲煙の上がらない戦争」と位置づけて、血を流さずに相手を屈伏させる国際戦略としています。

1971年、朝日記者の本多勝一がものにしたような『中国の旅』のような記事を書かせて「南京大虐殺」を煽り、当時舞台裏で進行していた日中友好条約を有利に運ぼうと画策します。
この「南京大虐殺」キャンペーンは手が込んでいて、当時イヌイットの生活に飛び込んだり、アラビア半島で遊牧民と共に生活をしたりして人気を博していた若手の本多記者に、中国をルポさせるという企画でした。
そして当地で「南京大虐殺の生き証人」にこれでもかというくらい出会い、衝撃を受けてそれを朝日に連載します。

絶大なる影響力で、当時中学生だった私など新聞を切り抜いたもので、恥ずかしながらすっかり赤い反戦少年になってしまいました。
ところが日をおかずに、この「生き証人」が全部中国当局があらかじめ用意したものだと、わかってしまいました。
つまりなんのことはない中国当局の言うがままの場所に行き、用意された「生き証人」をルポしただけだったわけです。
共産圏諸国がよくやる詐欺ですが、まんまと朝日はこれに引っかかった、というよりわかって引っかかったふりをしたのでしょう。
大新聞社が中国の反日宣伝戦に便乗してしまったら報道機関としては自殺行為です。

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本多勝一『中国の旅』

もちろんこれで終わったわけではなく、2017年、中国は「戦勝70周年」として大規模な反日プロパガンダの認知戦を展開しました。
中国は現在、一昨年にユネスコの記憶遺産に「南京大虐殺」を登録し、2017年秋からはこの記憶遺産展示国際展示会を行いました。
たとえば、仏北西部カン市で、昨年10月23日から12月15日まで「1937南京大虐殺・南京の6週間」という企画展が催されたそうです。
この折に展示された「記憶遺産」には、米国人宣教師ジョン・マギー の撮ったとされるマギー・フィルムやドイツ人ジョン・ラーベなどの証言です。

米人が日本の非道を糺弾することによって、あたかも中立性が担保され、信頼性が飛躍的に高まることを狙っており、中国はそれに成功しました。
そして日本の教科書まで「南京大虐殺」を書き込ませるまでに、これは動かない歴史的事実として国際的に定着してしまいます。
逆にこれに異議を唱えようものなら歴史修正主義者として、発言の機会さえ奪われる有り様です。
この「南京大虐殺」と「従軍慰安婦」は、中国が日本に対して行った認知戦の2大成功事例でした。

これに較べて今回のNHK放送テロ事件は、しょせんと言ってはナンですがバイトテロにすぎません。
バイト店員の悪ふざけとそんなに変わらないレベルの行為で、かつての「南京大虐殺」キャンペーンのような恐ろしさはありません。
おいおい、中国の仕掛けはスケールがずいぶんと小さくなったな、昔のように大新聞動かして国際世論を味方にしてみろよ、と思うほどちゃちい。
これが昨日書いた習近平の裸の王様状態となにか関係があるのかないのか、悩ましいところです。

 

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コメント

 NHK事件を起こした胡某氏は、私は共産党員だと思ってます。
メディアでは給与が気に入らなかったとか言ってますが、NHKの仕事とは別にフェニックスTVや日本企業・日本政府の仕事さえしていて、あのようなヤケを起こすほど生活面で絶望はしてないでしょう。
公団住まいは住居をそのままの状態で高跳びしている点も、中国人同僚らは「彼らしくなく、解せない」と報道されています。


シナチスもやることなすこと段々せこくなってますね。独裁者たるキンペーは認知戦を仕掛けてるつもりでも、当人は認知症なのでは?

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