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2024年8月12日 (月)

ウクライナ空軍、F-16の実戦配備始まる

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ウクライナ戦争をめぐって、ふたつの大きな出来事がありました。
ひとつは祝賀すべきこと、いまひとつはやや複雑な心境になることです。

まずいいほうのニュースから。
首がろくろ首になるほど待ち望んでいたF-16がウクライナ現地に入り、とうとう実戦配備されたようです。
ウクライナ空軍は、これまで旧ソ連製のMiG-29や、Su-27といったポンコツを運用してこざるをえませんでした。
奮闘したのですが、戦闘でだいぶ損耗したうえに、長距離ミサイルなどの西側兵器を搭載できません。
たとえばストームシャドーを果敢に撃っているのは、Su-24攻撃機を魔改造したもので、自ずと限界があります。
そのために、毎日何百発とロシアが撃ちまくってくるミサイルに対しては、各種地対空ミサイルシステムで対応してきました。
しかしF-16の導入によって、今後、ウクライナ空軍は初めて戦闘機による領空防衛が行えるようになりました。

F-16をウクライナに供与するには製造国の米国の第三者譲渡許可が必要です。
ロシアを刺激したくないバイデンがなかなか供与を認めず、ゼレンスキーは広島サミットにまで足を運んでやっと譲渡を認めさせました。
戦争の初期からF-16を供与する努力をしていたらと思います。
バイデンはそれなりによくやっていると言って上げたいのですが、腰の定まらなさというか思い切りの悪さが後になって祟ります。
そもそも彼が副大統領だった時に起きたロシアのクリミア侵攻時に、大規模な支援をしていたら、ウクライナ戦争は起きませんでしたからね。
戦争が膠着し、ウクライナが押されている状況でやっとですから、間に合えばいいのですが。
今回も配備される基地は明らかになっていませんが、基地の守りを固めないと、ロシアはここを徹底的にミサイル攻撃するはずですのでご注意ください。

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Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський(@ZelenskyyUa)さん / X

「ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、米国製戦闘機F16が到着し、ウクライナのパイロットによる国内での運用が始まったと明らかにした。
空軍基地で同戦闘機2機の前でパイロットと面会し、「F16はウクライナに到着した。同機を乗りこなし、国のために既に使用し始めた(兵士らを)誇りに思う」と述べた。
また「ウクライナ軍の航空戦力強化は新たな段階に入った」と強調した。
F16到着はウクライナにとって大きな節目となるが、使用できる機数や防空強化、戦況にどの程度の影響をもたらすかは不透明だ。
ロシアはF16が配備されている可能性のある基地を攻撃しているほか、撃墜する構えも示している。
ゼレンスキー氏はF16を使いこなす訓練を受けたパイロットも、戦闘機の機数自体もまだ十分ではないと述べた。その上で、パートナー国がウクライナのパイロットと技術者を訓練する機会を拡大することが重要だと訴えた」
(ロイター8月4日)
ウクライナ大統領、F16配備を発表 航空戦力「新たな段階」 | ロイター (reuters.com)

今回受領したのは元デンマーク空軍のF-16AM/BM です。
デンマークがF-35を導入するために不要になったので、ウクライナ譲渡が実現しました。
下図が各国のF-16の供与数です。
米国は空欄ですが、おそらく37機だと見られています。(2000機以上保有しているのにケチくさい)
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mod.go.jp
またその性能について、防衛省はこのように述べています。
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mod.go.jp
「デンマーク、オランダ及びノルウェーから供与される機体は F-16AM/BM であるとされる13。AN/ASQ-213 センサーポッドを備え、AGM-88 対レーダーミサイル(HARM)を搭載した場合、約 130km 先の敵防空施設を攻撃できるとされる。ウクライナ空軍が運用する R-27ER 空対空ミサイルと、F-16 に搭載する AIM-120C 空対空ミサイル(AMRAAM)を比較すると、AMRAAM のほうがわずかに長射程となる上、セミアクティブレーダー方式の R-27ER と異なり AMRAAM は撃ちっぱなし(fire and forget)ミサイルであるため、射撃後即離脱することができる。F-16 は搭載レーダーの探知距離及び電子戦システムにおいても、MiG-29 を上回るとされる。また、リンク 16 戦術データリンクにも対応しており、ペトリオットや AWACS と連接可能である」
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そしてここがキモなのですが、F-16AM/BMはブロック50/52相当にMLU(中期アップデート)プログラムされていますから、対レーダーミサイルHARMや長距離巡航ミサイルストームシャドーも装備できるはずです。
「Block 50/52の後期生産型。レーダーは能力強化型のAN/APG-68(V)7/(V)8が搭載され、JDAMJSOWの運用能力が付加された他、防空網制圧 (SEAD) 任務用装備として、フルスペックでのAGM-88 HARM対レーダーミサイルとASQ-213 HTS(HARM照準システム)ポッドの運用能力を生産段階で追加。後に以前のBlock 50/52も全てこの仕様となった」
ようやくロシア戦闘機と戦える…! 間もなく誕生「F-16ウクライナ仕様」で戦況が激変するワケ | 乗りものニュース (trafficnews.jp)
かなり古い機体ですが、オランダとデンマークの両空軍はMLU(中期アップデート)プログラムと呼ばれる寿命延長・近代化改修を受けていますから、最新鋭のF-16Vほどではないものの、十分にロシア軍戦闘機と戦える性能を有しています。
デンマークとオランダは、このF-16をオーバーホールして重整備した後に供与します。
両国で45機、米国供与分を合わせて、英誌エコノミスト(8月4日付け)によれば、供与予定のF16計79機のうち、7月末に10機が引き渡され、年末までに約20機が配備される見通しだそうです。
来年までには、おおよそ3~4飛行隊分が揃うはずです。
兵装としては、翼下のパイロンの形状からこのようなものだと推測できます。
ただし、ウクライナはパイロンの種類や形状について、搭載兵装と直結するものとして軍事機密として秘匿しているはずですので、現時点で見せていいものと思って下さい。
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F-16戦闘機の受領を「ウクライナ空軍の日」に公式発表(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース
「これらを搭載した空対空装備です。PIDS+はベルギーのテルマ社が設計したもので、パイロンなのでこの下に更に別の兵装を吊り下げることも可能です。テルマ社にはECIPS+(ミサイル警戒装置+電子妨害システム内蔵パイロン)という製品もあり、1機の戦闘機の左右の主翼の片側にPIDS+、もう片側にECIPS+を積む運用ができます が、問題はパイロットが充足できるかです」
(JSF) 

このパイロンから見てとれるのは、ウクライナ空軍は当初は空対空兵装を使って、比較的安全な巡航ミサイルやドローンの迎撃に使うと見られます。
なんせウクライナ空軍が供与話が持ち上がってから丸々1年半かけても、いまだF-16に機種転換できたパイロットはお宝です。
機体は今年の末までに約80機が手元に到着するでしょうが、おそらくはそれを操縦できるパイロットはその3分の1もいないはずです。
ですから、機種転換訓練を終わったパイロットが教官となって操縦可能な者をふやしていくという気長なことをせねばなりません。
その間F-16は、ストームシャドー巡航ミサイルを使った攻撃は控えて、力を蓄えていくことになるでしょう。

そしてもうひとつの情勢変化は、ウクライナ軍がロシア領に侵入しました。
これについては次回に。

 

 

 

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コメント

ウクライナは最近にも駐機中の戦闘機を狙い撃たれてオシャカにされてますからね。しかも同じ基地。

そういうポカで貴重なF-16を一機でも失わないように、全力で秘匿して守って欲しいですね。

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