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2024年9月20日 (金)

石破氏は金融所得課税をやるんだそうです

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今回の総裁選の重要テーマは金融・財政政策です。
石破氏はいわゆる増税派のようで、金融所得課税、つまり株式・債権・投資信託の売買収益や配当に課税したいのだそうです。

他の候補者と比較してみましょう。
石破氏の突出した財政規律回復・増税・緊縮姿勢がわかるでしょう。
これに並ぶのは河野太郎氏と小泉進次郎氏くらいなもので、見事に小石河連合の息が揃いました。
茂木さんが「増税ゼロ」を掲げています。現職のうちに言えよ、とは思いますが主張はあんがいまともです。

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自民総裁選、候補9人の意見をエネルギーで比べる   – with ENERGY(ウィズエネ)

では、石破氏がどんなことを言っているのかみていきます。

「自民党の石破茂・元幹事長は2日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、株式の売却益などへの金融所得課税の強化について「実行したい」と述べ、格差是正重視の姿勢を強調した」
(読売9月2日)
[深層NEWS]石破茂氏、金融所得課税を強化し格差是正…自民党総裁選へ改めて決意 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) 

「(株式の売却益などへの金融所得課税の強化について)それは実行したい。お金持ちが本当に(日本の)外に出て行ってしまうのかという議論を詰めていかなければいけない」
(9月10日フロントラインプレス)

金融所得課税を言い出したのは岸田氏で、金融所得課税を前回の総裁選で格差是正の一環として見直したいと言い出したのが始めです。
一律約20%(所得税15%・住民税5%)の税率を課すそうですが、例によって薄志弱行の首相はこんな不人気な政策をやらないまま放り出しました。
そんなことを首相が言った瞬間、国民からは総スッカン、株式市場はささっと資金を引き上げて株価は下落しましたしね。
そこで岸田氏は「当面は触ることは考えていない」と軌道修正しました。

そもそも岸田氏は「新しい資本主義」という意味不明なスローガンを作って「貯蓄から投資へ」と叫んでいましたから、金融所得課税はアクセルを踏んで同時にブレーキをめいっぱい踏むということになり、頭の調子を疑われました。
これを「後退した」と批判し、オレはひとり敢然と増税するんだ、と言っているのが石破氏です。
石破氏は自分が大久保利通のような指導者像を描いているふしがあって、民から憎まれようと謗られようと やるときはやるんだぁという「勇気」の持ち主です。
というか、正確に言えば、そういうことを口にしたがる人で、すぐに腰砕けになりますがね。

実際に金融所得課税をしたからといって、株式市場に大きな影響が出るかどうかはわかりません。
日本株売買で海外投資家のシェアは7割近いので、日本に本社や住所を置かない海外投資家が日本株を売っても「譲渡所得」はもともと非課税とされているから変化はさほど大きくないかもしれないという意見もあるようです。

ただしそういう見方の人たちも含めて、共通しているのは予測がつかないということです。
株式市場は「空気」で動くものだからです。
経済と世界の地政学的要因は密接に連動しています。
現在の世界情勢は、わずか2年前がなんて平和な時代だったと懐かしく感じるほど揺れ動く激動期に入っています。
中東やウクライナで戦争が勃発し、中国は再び南シナ海への侵攻を始めました。
こんな悪材料で揺れ動いているこの時期の株式・為替市場はナーバスで、ピリピリしています。

日本が4万円台に乗せてひとり勝ちに見えたのも、大きな理由は日本経済の回復もさることながら、米国の政府金利高のために日米金利差から輸出産業が潤ったからです。
しかしその米国政府金利も経済の後退と共に一気に利下げに転じています。

「米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めからの転換に動き始めた。18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は通常の倍となる0.5%の幅で4年半ぶりの利下げを決めた。高インフレの収束が濃厚となり、米国は持続可能な経済成長の姿を模索する。 (中略)
記者会見したパウエル議長は大幅利下げに踏み切った理由について「時宜を得たものであり、後手に回らないという決意の表れ」だと説明した。
「経済と労働市場の強さを維持し、物価抑制のさらなる進展を可能にする」と狙いを解説した。最近の経済指標によって「物価上昇率が持続的に目標の2%に向かっていく確信が深まった」と強調した」
(日経9月19日)
FRB、0.5%の大幅利下げFOMCで決定 議長「後手に回らぬ決意」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

今、この時期に金融所得を増税すれば、マーケットには石破=株安という図式が強烈に投資家に刷り込まれます。
いくら後になって「今はやらないから」と言い訳しても、石破にやらせれば確実に株式市場は冷え込むという眼で経済を見るでしょう。

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では、石破氏はどうして金融所得課税にこだわるのでしょうか。
石破氏は「本来の資本主義」に戻すのだと言っています。
これまた岸田さんの「新しい資本主義」並によくわかりませんが、どうやらこういうことのようです。

「本来の資本主義に戻す」と述べ、企業の内部留保の活用や経済的に余力がある個人・法人への課税、農林水産業の成長促進、マイナス金利政策からの正常化などを掲げた」
(ラジオNIKKEIポ ッドキャスト)

どうやら石破氏は、「本来の資本主義」という概念を、財政規律がしっかりと保たれ、過剰な政府投資も抑えられて、民間だけの投資で経済成長していくビューティフルな平和郷を夢見て使っているようてす。
そんなもんになりませんよ。
実は石破氏の金融所得課税にそっくりなことを、ハリスがやろうとしています。
この富裕層叩き、貧者救済は左派経済政策の定番だからで、ハリスは現在20%のキャピタルゲイン課税を大きく引き上げ、富裕層に対しては株の含み益に関しても25%の税を課そうとしています。
一方、食品価格を政府統制し、中間層や低所得層を潤わせようとするものです。

もしこれを実施すれば、税の支払いのために株式や債権を売って資産売却を迫られることになるでしょう。
結果、債権・株式市場は崩壊します。
そしてさらに悪化すれば、富裕層は海外に逃げ出します。

だって日本にいる限り政府から絞り取られるだけですからね。
中間層や低所得層は逃げるカネなんかありませんが、富裕層はたやすく生活拠点を海外に移せるのです。
今の中国が直面しているのが、この富裕層の大規模なエクソダスです。

ただ日米で違うのは、米国では議会で共和党が多数を握る可能性が高いので、大統領が金融所得課税を提案しても否決されるでしょう。
しかしわが国では、議院内閣制のために通ってしまうかもしれません。

では石破氏は、株で儲けている富裕層に高い税金をかけて、それを低所得層に還流させて格差是正を図りたいようです。
残念ながらなりません。
なぜなら、石破氏は金融所得課税と同時に「財政規律の健全化」あるいは「金融政策の正常化」をセットメニューでつけてくるからです。
石破氏はアベノミクスを止める時期だとして、こう言っています。

「自民党の石破茂元幹事長は7日発行の新著で、「異次元の金融緩和」の長期化で国の財政と日銀の財務が悪化したとしてマクロ経済運営の危機に備えた新たな組織を設置すべきだとの考えを示した。
金融緩和、財政出動、成長戦略を柱とした「アベノミクス」に関して「功罪についてきちんと評価すべき時期が来た」と強調した。異次元の金融緩和には円高・株安基調だった日本経済を円安・株高にシフトさせるなど一定の効果があったと指摘。10年続けたことで国や日銀の財務悪化に加え、超低金利下で企業も「やすきに流れた面があったのではないか」と疑問を呈した」
(ブルームバーク2024年8月7日)
異次元緩和の長期化で財政悪化、経済危機に備え新組織設置を-石破氏 - Bloomberg

なにを言っているのやら。財務省のレクチャーどおりにしゃべっていますな、この人。
国の財政は悪化していません。なにを根拠にこんなことをいうのでしょうか。
これについては高市氏が、日本の財政は世界で2番目に健全だといるので、明日にまわします。
金融緩和をしたからカネがダブついて安きに流れたといわんばかりですが、2%のインフレ目標を置いてコントロールされています。

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2%の物価上昇は定着するか?期待形成から2%の物価上昇を考える | MRI 三菱総合研究所

このことによって雇用は劇的に改善されました。

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原田泰 データアナリシス

「(上図は)失業率と有効求人倍率の推移を示したものである。安倍政権以前、4%を超えていた失業率は、2019年末には2.2%にまで低下した。
雇用の改善は大都市だけのものではない。全国で有効求人倍率は上昇した。「仕事があっても非正規ばかり」という指摘があるが、パートを除いた有効求人倍率も14年12月以降は1を超え続けていた。

若者の就職状況は急激に改善した。若者を食い物にするブラック企業などという言葉はほとんど聞かれなくなった。一度ブラックと噂されれば採用できなくなるからである」
(原田泰2020年9月14日 )
アベノミクスへの辛口評価は根拠なし、景気実感は実は改善している | 原田泰 データアナリシス | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

アベノミクスの最大の功績は雇用拡大の効果です。
総務省「労働力調査」によれば、2010年~2012年にかけて5500万人前後で推移していた雇用者数は、2019年半ばには6000万人に到達しました。
コロナショックの影響で雇用が大きく失われていますが、7年半で500万の雇用を創出したというわけです。
「いざなみ景気」(2002年から08年)での雇用総数の増加が150万人程度であったことと比すると、その増加の規模が想像つきます。
そして原田氏も私的しているように、「増えたのは非正規ばかりで、正規雇用は減少した」とメディアは非難しますが、非正規雇用の増加と正規雇用の減少は実はデュアルであり、2014年以降は正社員の増加の方が上回っています。

このような日本経済に大きなプラスを与えたアベノミクスに対して、石破氏は安倍氏を認めたくない一心なのか株価、円安くらいがよかった点だ、もはや見直しの時期だ、として矮小化しています。
いえいえ、そんな小さなことではなく、日本経済全体が蘇ったのです。
原田氏はそれを雇用の改善、企業収益と雇用者所得の拡大、実質と名目GDPの増加、景気の実感の向上、所得分配の改善、自殺の減少、TPP-11の締結などの成果として総括しています。

では、不幸にして石破氏が首相になり、アベノミクス総否定、緊縮・増税路線に舵を切ったとして、ご託宣どおり、富裕層から奪った税金は政府はどこに消えるのでしょうか。
この政府収入増は「国債の償還」に回るでしょう。
本来は景気が充分に温まっておらず、個人消費はコロナ前に戻っていない今は、政府はカネの出所を絞ってはダメなのです。
政府は金利を上げずに、政府からのカネを潤沢に市場に出して景気を活性化させなければいけません。
そしてわれらがゲル氏はその正反対に走るでしょう。
いや違ったか、「国民の皆さんと議論していかねばならない」のでしたね。

それにしても石破氏の新著は『保守政治家 わが政策、わが天命』だそうですが、誰が保守政治家なんでしたっけ?
よもやあなたではありませんよね。
今のあなたは立憲の代表選に出たほうがいいような人ですからね。

蛇足ですが、高市氏からリーフレットが送られてきたぁこれは違反だ、処罰しろという声が「党員」から上がっているとのことです。
あからさまな高市潰しですが、この「党員の声」というのが石破陣営から集中しているとのこと。
はいはい、そこまでするかね。

 

 

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コメント

どこが保守政治家なんだと。
12年前に安倍さんに逆転負けしたのをいつまでも根に持ってる暗愚な政治家。

岸田が長い事続いたデフレと低金利時代に乗っかって「貯金から投資へ」なんておバカなことをやったから、中途半端に取り入れて逆に乗っかろうというだけ。ホントやめでけれ!やめでけれ!
余程の資産家ならともかく、どうにかやりくりしてる中で投信等でで資産運用してるだけで税金ぼったくられるというのは納得できる人はまずいないでしょう。
まあ資産家ならそれこそ資金を海外に逃がすでしょうけどね。日本経済は大混乱で暴落するでしょう。
一見、低所得層への分配のように見えますけど国民全体が貧しくなるだけです。かつて80年代初頭には一億総中流なんて言われた時代がありましたが、その中流が一億総貧民に。
嫌な未来ですね。

連投失礼。

貧困層を救うならば、まず食品及び医薬品といった誰でも最低限必要な物の消費税を5%に戻すか廃止ですね。なんか左翼が言いそうな話ですけどゲルが言ったら説得力あるでしょ。

あと、1つ矛盾してる消費税率は「店内飲食は10%で持ち帰りは8%」ってやつ。
持ち帰りだと牛丼なんかもかなりの石油製品ゴミが出ますし、先日幸楽苑でラーメン持ち帰りしたらすごいゴミの量でした。まあコンビニやホカ弁でもそうですけどね。
こちらは小泉ジュニアが環境相時代に断行したレジ袋有料化なんかより遥かに多くの原油使ってるし、さらにそこにも罠があって大手コンビニで有料なのに「バイオマスレジ袋」と印字されるヤツ。原料が75%以下でしたっけか、ほとんど石油原料でも本来は対象外なはずなのにしっかりとカネ取られるという矛盾というか無茶。

それから大型ドラッグストアに行った時に「絆創膏や医薬品は10%」なのに「当然ながら持ち帰り食品扱いのサプリメント類(当然店内では食べない)は8%」というのはレシート見て『納得いかねー!!』と。。。

 石破は「国債発行は悪」、「金利は上げる」との信念があり、金融緩和路線の転換を使命としています。金融所得課税についても、そういう反アベノミクス路線の延長で、ここは常に「ねばならない」論調で語っています。軌道に乗りかけた経済をぶっ壊す懸念が当然で、もはや安倍さんの幽霊と戦っているようにしか思えません。

けだしもっともなのは、石破とちがい「基本は経済成長」とする高市氏の支持が伸びている事。日経の調査で高市支持が特段に伸びているのがその証左です。例のリーフレットのせいではありません。
TVで「他陣営は一切郵送をしていない」としていた平将明のような平気でウソをつく事の出来る、新時代かくれ親中利権をむさぼりたい輩が神輿とするだけの事はあります。

金利を上げなくとも円高へ動いたものをと嘆く、消費が上昇し始めると水をさす。
アベノミクスもまだ途中だったので好景気に至らず、財務省の守りは堅牢。
石破さんなんか財務省は両手を上げて喜びそうです。小泉さんも河野さんもねー。

国民に投資をという前に国が公共投資をガンガンやってみせればいいものを、借金ガー!
借金ばかりに焦点を当てますが資産はないのか?
日銀やらなんやら含めて差引きしたら黒字なんですけどね。
増税する為の財務省の手です。
そして天下りのことしか頭にありません。

今は公共投資をやる総理が理想です。

石破氏は徴税の公平化と言っているが高所得者や企業の税金を上げるだけの増税政策だということは少し考えればわかる子供だましです。
アッパー層とそれ以外を分断して扱えば支持されるとでも思っているのでしょうか?
共産党の詐欺まがいの政策と同じレベルです。

なんでこの程度の人が総裁選のトップ争いをしているのかいまだに信じられません。

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