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2024年9月16日 (月)

拉致問題についての小泉ジュニアのお言葉

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いやー、党首討論って面白い。
常日頃こういう議論を党内でしていた、自民はもっと活性化したのでしょうが。
始めから落し所が決まっているような立憲とは大違いで、よくこれで同じ「自民党」という器に入っているもんだと感心します。

やはり出色なのが小泉氏です。
党首討論の場で、首相になったら待ち構えているカナダのG7サミットについて上川外相から聞かれたジュニア。

「小泉進次郎「カナダのトルドー首相は就任した時43歳。私は今43歳です。この43歳総理就任というトップ同士が、胸襟を開いて新たな未来志を切り拓いていきたい。トルドー首相と共に、G7の連携が更に深まる、そんなサミットにしていくことをお約束します」
進次郎、答えに窮したら同世代:G7「トルドーと私は同世代!」拉致問題「北のトップと同世代!」 | Total News World (totalnewsjp.com)

近所にいたら思わず肩を叩いて、お前いい奴だな、なんにも考えていないんだな、そのカラッポさが好きだよ、と嬉しくなるようなお答えです。
小泉氏がルッキズムと年齢だけが武器だと考えているのが、余すことなくさらされました。
上川さんも内心苦笑して、あたしはなりたくないが、よほどいい外相つけなきゃダメだと思ったことでしょう。
このトルドーさんとは同じ年齢だから(ついでに同じイケメンだから)ですが、拉致問題を聞かれての答えは笑ってばかりはいられないことを答えています。

そういえばこの人、いままで頑としてブルーリボンバッチをつけていなかったのですが、総裁選となってSDGsバッチをはずしてこちらに付け替えました。
そうそう憲法改正なんて急に言い始めて、大変だね、保守装うのも。

「小泉進次郎「拉致問題、打開できない中で、残された時間は少ない。私が総理になれば、トップ同士同世代なわけですから、今までのアプローチにとらわれず前提条件なく向き合う、新たな機会を模索したいと考えている」
totalnewsjp.com

助けてくれぇ、腹がお茶を沸かし過ぎてしまう。ここでも年齢と親父か、と真面目に考えるのがばかばかしくなりますが、この人がいちばん首相に近いから仕方がない。
菅さん、なんでこんな人を推すのよ。あなたまで評価ダダ下がりですぞ。

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NHK 小泉首相(当時)のひとりおいて田中均審議官

小泉パパが5人を取りかえしたのはいいが(これとて中山恭子氏と安倍氏が頑張ったからですが)、パパはこの5人の拉致被害者を日本に連れ帰ったのはいいがすぐに北に返せと言ったのですよ。
これを強く進言したのは、当時拉致問題をひとりで仕切っていた外務官僚の田中均(外務審議官・アジア太平洋局長)でした。
彼はミスターXという北の高官との独自パイプを持っているとうそぶき、この訪朝団を仕切っていると考えていました。
この田中氏はこういう質問を受けたとしてこのように語っています。
「若いビジネスマン」なんて書いていますが、これは田中氏の考えそのものでしょう。

「小泉訪朝までの経過はともかく、小泉訪朝後の展開については、これまで多くを語ってこなかったが、先日、友人の祝賀会で偶々席を同じくした初対面のまだ若いビジネスマンから質問を受けた。「田中さん、小泉首相の訪朝を仕掛けられたのはもう20年前のことだと思うが、5人の拉致被害者が一時帰国したあと、何故北朝鮮に帰国させず日本に留めおいたのか。北朝鮮との約束通り一旦返して、その後平壌宣言に書かれているような北朝鮮との正常化の道のりを歩んでいれば、日本主導で拉致問題の解決だけではなく核やミサイルなど朝鮮半島の平和を作る外交が出来たのではないか。一貫して準備に当たってきた田中さんは何故、日和ってしまったのか。個人的に悔しくないのですか?」(略)
 もう誤解を正す意味もないが、私は一旦返すべきだという強硬な主張を行ったわけではない。返さなかった時には家族を取り戻す交渉は長くかかるだろうし、また、私が交渉をしてきたXとのルートは難しくなるだろうことを官邸の協議で小泉総理や福田官房長官、安倍官房副長官に申し上げただけだ」
(朝日「論座」2022年7月22日)

【朝日新聞・論座】小泉訪朝から20年、いまだに北朝鮮問題が解決できないのは何故か|日本総研 (jri.co.jp)

田中外務審議官は極度の秘密外交を行ってきました。
ちなみに、外務審議官は外務次官の下のポジションで省内ナンバー2です。

ミスターXと称する北の高官を唯一の窓口にして交渉し、都合の悪い議事録は丸々2回分廃棄されていまだ不明です。
なにをこのXとやらとしゃべっていたのかわかりませんが、国家間交渉の記録がないということを平気でする外務官僚でした。
外交官には、一定の秘密工作の権限が与えられていますが、田中審議官の隠蔽体質は飛び抜けていました。

後にモリカケで登場する文科省の前川喜平事務次官とよく似た体質で、面従腹背がモットーの「赤い高級官僚」のひとりで、退官した後には安倍批判に興じて、メディアから重宝がられました。

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北朝鮮拉致問題、いまだ解決に至らない理由 : 最初の事件から46年、日朝首脳会談から21年超(前編)  | nippon.com

田中氏の思惑は、拉致被害者5人をいったん日本に返し拉致家族と一回面談させたらすぐに北に返してしまうというもので、一気にこれで北にいい心証を与えて国交正常化に持ち込むという段取りでした。
事実、彼はこのことを北と約束していました。

この田中構想について小泉パパは大いに乗り気で、たぶん拉致被害者家族担当の内閣参与の中山恭子氏と安倍氏がなかりせば拉致被害者5人はいまごろまだ北に捕らわれていたはずです。
安倍氏は2013年6月、田中元外務審議官がインタビューで安倍政権の外交政策を否定したことに対してフェイスブックで反論し、「彼に外交を語る資格はない」と書き込んでいます。

「安倍首相は、田中氏が外務省アジア大洋州局長だった2002年、北朝鮮から一時帰国していた拉致被害者5人を再び北朝鮮に帰すよう主張していたことを引き合いに出しながら、
あの時田中均局長の判断が通っていたら5人の被害者や子供たちはいまだに北朝鮮に閉じ込められていた事でしょう。外交官として決定的判断ミスと言えるでしょう」
(Jキャストニュース2013年6月13日 )
安倍首相、FBで田中均元外務審議官を批判 「外交語る資格ない」 - ライブドアニュース (livedoor.com)

では、田中氏の言うとおりに、5人の拉致被害者を返して日朝国交回復交渉に臨めばすべての拉致被害者が帰ってきたでしょうか。
いいえ、真逆だったはずです。
北はおそらくあいもかわらず「拉致被害者はすべて死んだ。北は一度帰国させて約束を守った。もはや彼らは北の公民だから戻すわけるはいかない。したがって拉致問題は解決済みだ」と主張したはずです。
そして日本は日朝国交回復の代償として、日韓基本条約と同等の巨額の「支援金」をむしり取られたはずです。

北は2021年に、田中実氏(政府認定の拉致被害者)と金田龍光氏(特定失踪者)をがせいそンしているという情報を伝えてきました。
ふたりの共通点は、田中氏と金田氏は共に同じ孤児院育ちで日本には身寄りがなく、金田氏は在日韓国人で、双方ともに国内には身寄りがいないことです。しかし政府はこの情報の受け取りを拒否します。

北の代弁者をしている立憲の有田ヨシフは、2020年10月26日の参院質問書でこう述べています。
質問主意書:参議院 (sangiin.go.jp)

九 政府は帰国していない十二人の政府認定拉致被害者に序列をつけているのですか。ありていにいえば横田めぐみさんや有本恵子さんたちの生存と帰国のめどが立たないうちは、田中実さん、金田龍光さんの生存確認はしないということですか。拉致問題解決への道筋のなかでの田中実さん、金田龍光さん個人の位置づけについて明確にお答えください。

北のエージェントをしていた有田は、横田めぐみさんや有本恵子さんのような拉致被害者の象徴的な人たちより、北が返すといっている田中氏と金田氏を先に返してもらえ、そうすれば拉致問題は締めくくりだ、と言っているわけです。
つまり、このふたりを返してもらえば、それで拉致問題というのどに刺さったトゲは抜けて、さぁ制裁解除だ、日韓基本条約で韓国に与えた援助と同等のものを北にも寄こせという段取りになります。

ちなみに日韓基本条約で日本は韓国に「経済協力金」として5億ドル=1800億円(1965年当時)しましたが、当時の韓国の国家予算が3億5000万ドルですから、1年余の国家予算を提供したことになります。
これは時価に換算すると、1965年の大卒初任給が約2万円で、2021年大卒初任給は約20万円 ですから、貨幣価値の換算率は10倍として1800億円(1965年当時)×10=1兆8000億円(2021年現在) となります。
この2兆円弱を北に「経済協力金」として手土産にすれば、めでたく北と国交正常化をして頂けるということになります。
もちろんこれでは済まずに、以後延々とむしられ続けるでしょうがね。
そしてそのカネを使って、北はいっそう核大国の道を驀進するのです。

元北朝鮮外交官・太永浩氏はこう述べています。

「もし首脳会談で拉致問題が議題に上がるのであれば、北朝鮮の外交戦術としては、『日本側が提起していない2人の日本人が北朝鮮にいるので、日本側が要求すれば日本に帰国させることはできる』ということを示唆するかもしれません。
第一段階として、今、北朝鮮が帰国させることができると言っている2人をまず連れて帰る。そして、北朝鮮が『拉致問題は完全に解決済み』という立場から一歩後退し、『今後、北朝鮮がこの問題を再び調べ直してみてからまた会おう』といったように、少し余地を残すような外交戦術を北朝鮮が使うかもしれません」
「岸田首相が平壌を訪問する日も来るだろう」金与正氏の談話の真の狙いを、元北朝鮮外交官に直撃!訪朝実現、そして南北軍事衝突の可能性は?「日本へのお願いの意味」「岸田政権の難局を見抜いている」|ウェークアップ|読売テレビ (ytv.co.jp)

太永浩氏の言うとおりになったでしょう。
安倍氏の時代から再三このような誘い水はあったようですが、安倍氏はその手には乗りませんでした。
副官房長官として行った小泉訪朝時の体験から、北のやり口を熟知していたからです。 

田中氏を見ていると日本の外交の欠点がまざまざと浮かび上がります。
この田中審議官は外交が「国民の生命と財産を守る」という大命題の下に展開されねばならないことを忘れています。
だから田中氏は、大の虫を生かすためには小の虫を殺してもかまわないという悪しき現実主義に陥っており、それが「外交」だと信じていたのでしょう。
こういう発想の外交をすると、北をさらに増長させて、再びもっとひどい挑発を生み、そしてまたそれに譲歩してしまうというスパイラルを生んでいきます。

元ホワイトハウス国家安全保障補佐官のマクマスターは、韓国の北への外交アプローチについてこう言ったことがあります。

「マクマスター氏はこの日、「北朝鮮を交渉に参加させるために譲歩し、交渉が進んで挫折感または脱力で成功の見込みがないのに譲歩に譲歩を繰り返したあげく非常に弱い合意に到達する。
北朝鮮は経済的な見返りを取りまとめると同時に合意に違反し、再び挑発→譲歩→合意の違反サイクルを始める」として批判の根拠を説明した」
(中央日報2021年10月16日)

このような北への際限のない宥和姿勢をマクマスターは「狂気の沙汰」と呼びました。
韓国が、このような米国政府の直言を友情溢れるアドバイスだと感じなければ国を滅ぼします。

同じように「譲歩し、交渉が進んで挫折感または脱力で成功の見込みがないのに譲歩に譲歩を繰り返したあげく非常に弱い合意に到達する」ことを、韓国と中国に対してやってきたのがわが国の外務省と自民党の親韓派たちです。
韓国が日本に対する竹島、慰安婦問題、日本企業への補償請求等々、あらゆる場面で同じことを繰り返し、同じ成果を期待するようになったその理由は日本のこの「狂気の沙汰」の外交姿勢にあるのです。
かつて岸田政権が始まった時に韓日議員連盟傘下の「朝鮮通信使委員会」所属の韓国国会議員らは大挙して訪日し、東京で日本側の日韓議連に面会し、こう言ったそうです。
「新しい酒は新しい革袋に盛れというが、新政権発足の機会を両国が賢く活用する必要がある」
(聯合2021年11月17日)

「新しい酒」ですか、おそらく小泉進次郎氏が首相になれば、正恩は大喜びで手を差し伸べ、「同じ世代同士で前提条件なき話合いをしよう」と秋波を送ってくるでしょう。

蛇足ですが、加藤勝信前官房長官はこう言っています。

「加藤元官房長官は「日朝関係だけで事が動くわけではなく、アメリカとの関係などいろいろな動きの中でタイミングを見極めなければならない。タイミングが来た時にしっかり話ができるための努力が大事だ」と述べました」
(NHK9月15日)
自民総裁選 公開討論会 外交・安全保障政策などめぐり論戦 | NHK | 自民党総裁選

まことに華のない発言ですが、まぁそのとおりです。

 

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コメント

 来年のカナダG7サミットで何を発信するか?と上川さんに聞かれた時も、「トルドーさんは43歳で首相になった。自分と同世代なので気が合う・・云々」と。地頭が悪いと言われるけど、語彙もなくて、内容のないフレーズをあちこち空疎に使いまわしているサマが非常にイタイです。

拉致問題の進展には米国を巻き込む事と、日韓の状態が良い時でなければ勝負できません。誠につらく、不本意ながらです。
いつもはブルーリボンバッチを着けず、拉致被害者救出への向き合い方が弱かったシンジロー。急にバッチを着け出しても、保守層はなびきません。

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