立憲も代表選やっているそうです
百花騒乱状態、誰がなってもおかしくないというレースをしている自民党に対して、立憲は良く言ってあげてまったり、正直に言えばアナクロの党首選をしております。
候補ときたひにゃ、現職の泉代表はカツカツで立候補ができても勝てる可能性はなし。
紅一点の吉田氏は、あんまりにダルなメンツばかりなので、一輪の花を入れとこうというところで、実態は野田vs枝野という旧旧対決です。
しかも野田氏を支援すると言って、あの死に切れないでいる昭和の妖怪オザワまで登場するという晩夏の怪談。
野田氏は忘れもしない安倍氏大復活の号砲となった2012年12月16日に実施された総選挙で、民主党を惨敗させ獲得議席を480議席中57議席にに転落させた責任者でした。
まぁこれは彼の責任というより、その前任者2人が憲政史上最下位とブービーを争うような御仁らだったからで、野田氏が常識人に見えたものです。
とまれ一度死んだはずの安倍氏に首相の座を譲り、田中真紀子氏など野田政権下の現職閣僚がなんと8人落選してしまうという惨事を引き起しました。
枝野氏は旧民主党の幹事長にして福島事故と東日本大震災の官房長官で、福島事故というとこの人の顔を思い出すくらいです。
被曝地を視察すると言って自らは防護服とゴム手袋をつけて、平装の地元の人と接していたというどうしようもない小心者です。
おまけに記者会見で「直ちに影響は出ない」と、まるで後になれば被曝の影響が出るようなことを言ってしまい国民をパニックに陥れました。
官房長官が風評の言い出しッペなのですからなんともかとも。
後の対応、除染のあり方を含め、この人物の福島事故への負の遺産は大きいものです。
官房長官「直ちに影響与える数値ではない」(2011年3月16日掲載)|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp)
このような政権運営をして、見事に自爆し下野してからの枝野氏は、共産党との共闘路線の推進役でした。
とまぁこのように情けない旧旧対決ですが、面白いのは安保法制についてです。
「立憲民主党の代表選(7日告示、23日投開票)に立候補を表明している野田佳彦元首相(67)は2日夜、BSフジの番組で、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制について、「すぐに何かを変えるのは現実的ではない」と述べた。立憲は2022年の参院選公約で安保法制の「違憲部分の廃止」を掲げていたが、野田氏はこれを見直す考えに言及した。
野田氏は番組で、「(立憲が)政権を取って百八十度、政策転換なんてことをやってしまったら、もう国際社会からは相手にしてもらえない」と述べ、外交・安全保障では政策の継続性を重視する姿勢を強調。「(同法制定後に)どんなことがあったのかの検証を、丁寧にやっていくことが必要だ」とも語った。
立憲の現状については、「中道と言っていたけれども、『リベラルな方向と仲良くやりすぎているのではないか』というイメージが出来上がっている」と指摘。そのうえで「それを崩さないと政権を取りにはいけない」と主張した」
(朝日2024年9月3日)
野田元首相、安保法制の継続を示唆 「すぐの変更、現実的でない」 [立憲]:朝日新聞デジタル (asahi.com)
野田氏は仮に自民にいれば宏池会あたりにいてもおかしくないようなキャラですから意外感はありませんが、枝野氏までこんなことを言う始末です。
「立憲民主党の代表選(9月7日告示、23日投開票)への出馬を表明した枝野幸男前代表(60)は28日、時事通信のインタビューに応じた。集団的自衛権行使を容認した2015年成立の安全保障関連法について、「現状の運用は個別的自衛権で説明される範囲だ。法律は現状では問題ない」との認識を示した。その上で、安保法制の根拠となった14年7月1日の閣議決定は「放置すると拡大解釈されるリスクがある」と述べ、対応が必要だとした」
(時事2024年8月28日)
安保法制「現状問題なし」 辺野古移設に疑念―立民・枝野氏:時事ドットコム (jiji.com)
枝野氏は記憶喪失しているようですが、2015年9月の安保法制当時、共産党や左翼団体と相乗りして国会前で狂態を演じたひとりでした。
【緊迫・安保法案】国会前デモ 枝野氏「集まっていただきありがとうございます」に参加者「お前のためじゃない」(1/2ページ) - 産経ニュース (sankei.com)
「また枝野氏は、「まともな国民の声がまともに通じる、まともな議会にしていくために私たちは最後までがんばります」と指摘。安全保障関連法の反対者がまともで、衆参両院で最も議員数が多い自民党を選挙を選んだ有権者がまともではないと切り捨てるかのような過激な演説で、周囲を盛り上げた」
(産経2015年9月16日 )
こんな大反対運動をしておきながら、いまさら「法律上は問題はない」はないもんです。
実際、共産党の別動隊である「市民連合」を介してこんなことを約定し、枝野氏が署名しています。
これを反故にし、さらには評判が悪すぎの共産党との共闘路線も止めたいというのですから、当の共産党が怒るまいことか。
「共産党の小池晃書記局長は3日の記者会見で、立憲民主党代表選(7日告示、23日投開票)の立候補予定者に、集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法への反対を貫くよう要求した。「戦争法廃止が野党共闘の一丁目一番地だ。否定するなら共闘基盤を失うことになる」と野党連携に影響しかねないと警告した。
共産との選挙協力を見直すよう求める立民内の声にも反発。「2021年衆院選で共産は擁立済みの候補を降ろしてまで協力した。誠意も敬意も感じられない議論はいかがなものか」と述べた」
(東京9月3日)
共産、安保法制反対維持を要求 立民代表選候補に:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp) 。
首相選挙、枝野氏から共産へのお願いあった?なかった?:朝日新聞デジタル (asahi.com)
2021年、枝野氏が代表をしていた当時の立憲は今回の衆院選を政権選択選挙と位置づけた上で、共産党と「野党統一」に踏み込んでしまいました。
その選挙区は全国289選挙区の75%となる217選挙区にも及びます。
つまり大分部で、立憲は共産党と手を組んだのです。
「野党共闘」という言い方をするから実態がぼけるのですが、全国で基礎票を持っているのは共産党たけです。
あくまでも立憲と共産党が組んだことが本質であっって、組織力ゼロの山本新党や社民党などはただのお飾りにすぎません。
枝野氏は共産党と統一戦線を組んだことで「全野党共闘」は全国に拡大しました。
野党共闘は217選挙区に及び、全国を覆い尽くしました。
これだけのことを共産党はしてみせたわけで、この「功労者」に向かって選挙までの「限定的共闘」でしたと言える道理がないじゃありませんか
「政権選択選挙とされる衆院選で初めて「野党共闘」が成し遂げられた。野党第1党の立憲民主党を中心に、全国289選挙区の75%となる217選挙区で候補者が一本化された。与野党による事実上の一騎打ちは約140選挙区とされ、激しい選挙戦が繰り広げられそうだ。(略)
この結果、宮城、秋田、山形、福島、群馬、福井、長野、和歌山、鳥取、山口、香川、高知、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の18県では、全選挙区で野党候補が一本化されたことになる」
(朝日2021年10月20日)
かつての民主党政権は愚か極まる政権でしたが、最低限の矜持は持っていました。
共産党に候補を取り下げてくれなどとも頼まなかったし、党幹部が共産党幹部と街宣車に乗ることもありませんでした。
それなりに自力で政権を勝ち取ったのですが、枝野立憲は根本的に違います。
共産党の手を借りて政権選択選挙を戦い、勝てばとうぜん共産党の意向を組んで政権を構想するということです。
立憲はあくまでも選挙対策だといいたいようで「限定的協力にすぎない」と言っていますが、一方共産党は「党として閣内協力も閣外協力もありうる 」と明確に言い切っています。この違いはただの温度差で片づけられません。
共産党は「閣内協力」すること、政権参加するのが前提であって、仮に当座は閣外協力となろうともありとあらゆる圧力をかけ続けると言っているのです。
当時、自民党幹事長だった甘利氏はこう言っています。
「われわれの自由民主主義の思想で運営される政権と、共産主義が初めて入ってくる政権とどちらを選ぶのかという政権選択だ」
「勝った方は首相をとる。(立民が中心の政権には)日本史上、初めて共産主義の思想が入ってくる」
(産経2021年10月14日)
甘利幹事長、衆院選争点 「自由民主主義か、共産主義が入ってくる政権か」 - 産経ニュース (sankei.com)
いや甘利さん、日本史上どころか、共産党と手を組んだ自由主義国の野党など皆無です。
立憲と共産党は政策協定をしていると言っていますが、国の基本である安全保障-外交において共産党はなんと言っているのかといえば、安保廃棄、自衛隊違憲の立場を少しも変えていません。
まさにファーレフト(極左)の名に恥じないものですが、枝野立憲はそんな共産党と組むというのです。
当時の共産党の安保政策を笠井亮衆議院議員はこう言っています。
「在日米軍は決して日本を守る軍隊ではない。トランプ米大統領は日米安保を「不公平だ」と主張し、在日米軍の駐留経費の増額を要求しているが、不公正な負担を強いられているのはむしろ日本のほうだ。
諸悪の従属の根源である日米安保をいつまで続けるのか、正面から問われる時期になってきているのではないか。
国民の多数の合意によって安保条約を廃棄し、独立・平和・中立の日本を作る。米国とは対等平等の立場に基づく日米友好条約を結ぶ。そうすることで米国の引き起こす戦争の根拠地から抜け出し、米軍基地の重圧から解放され、経済主権を取り戻し、本当の独立国といえる日本になることができる」
安保は対米従属の根源 廃棄で「本当の独立国」に | 日米安保を問う | 笠井亮 | 毎日新聞「政治プレミア」 (mainichi.jp)
これを対中緊張が高まっている今実行すれば、言葉の比喩ではなく日本は亡国します(あたりまえだ)。
このような「革命政党」と事実上合体した国政選挙をしてしまう、これが枝野共産党でした。
だから共産党は裏切られた気分になってしまったのです。
それにしても、前回の党首選もそうでしたが、共産党と手を切るかどうかだけが争点とはね。
本来、まともな野党第1党なら、誰がなろうと総選挙は近いのですから、同時期の自民党総裁選に国政テーマを投げつけて討論に介入するくらいの気迫が欲しいものです。
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代表戦後に分裂したら面白いのになあと
僅かに期待しています
投稿: しゃちく | 2024年9月10日 (火) 11時20分
枝野さんの記憶喪失には失笑してしまいました。
安倍さんの弔辞をした野田さんでいいんじゃないですかね。
自民党みたいに代表選を盛り上げたい、立憲の存在感を出したいとかインタビューで答えていました。
公明党は選挙無しで石井さんに決まりそうですね。
確か東京の自公の信頼関係は地に落ちたと言ってましたけど。
代表ともなれば話は別なんでしょうな。
財務省がバブルにならぬよう、せっせと緊縮財政を推し進め、この30年の景気を低迷させてきました。
なのに賃金を上げろ、増税、保険料増額って酷いですよ。
景気回復出来るような、財務省に操られない総理大臣を希望します。
安倍さんは道半ばで凶弾に倒れ、叶いませんでした。
自民党の総裁候補、高市さん以外は緊縮財政、財政出動など行わない。
国が投資を行えば行った分だけ比例して名目GDPも上がる、民間投資も連動するんだそうです。マイナス金利でなんとか民間は動いてましたけど、ここにきて利上げ、それでいて賃金なんか上げられるものか。
何かと他国に合わせたがるクセに、公共投資は行わない、財務省の呪縛を解きたいものです。
やり繰りすれば防衛費増額分は増税せずとも出来る。
投稿: 多摩っこ | 2024年9月10日 (火) 12時36分
うん、まぁ多摩っ子さんの言うように、野田さんでいいんでしょう。
けど、この人もそうとうズレてますからね。「自民党支持の保守層を取りに行く」とか言って、ぜんぜん周りの状況が見えていないトンチンカンぶり。
枝野さんの目はないと思いますが、安保法制は「現状では~問題ない」という改良主義というか、詭弁。
いやいや、最高裁で合憲の判断がすでに出ています。もう済んだこと、それでも言及しなければ済まないのは立憲支持者、枝野に期待する層によるゆえ。
おかげで岸田政権の支持率が大幅アップ!
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年9月10日 (火) 22時01分