小泉ジュニア、強度のファザコン男
小泉ジュニア、ひとことで評せば優秀なタレントでしょうか。
そして相当に重篤のファザコンのようです。
しかし、いかんせんタレントに過ぎませんからあまりムキになって政策がどーの、しゃべりの「構文」がどーしたなんて野暮は言わないこと。
パパと一緒で、脳内を占めているのはボクってカッコイイ、髪形決まってるということくらいで、言う内容はなんとなくほんわかと「決意」が伝わればいいのです。
よくシンジロウ構文と言われている典型は、2019年に環境大臣だった頃に国連気候変動行動サミットの時のものでしょう。
「今のままではいけないと思います。だからこそ「日本は今のままではいけないと思っている』と世界に向けて発信しなければならない」
温暖化に16歳少女「絶滅の始まりに」国連で涙の訴え (tv-asahi.co.jp)
わ、はは、好きだなぁこういう奴。当人、まったく気がついていないね。
「日本は今のままではいけないから、いけないと思うことを世界に発信するのだ」では結局ナニを言いたいのかまったく不明で、これでは内容が抜けた見事なトートロジー(同義語反復)となっています。
トートロジーとは、「楽しいことは楽しいことだ」「私は何者かと問われれば、私は私だと答える」「世界の破滅とは世界が破滅することだ」というようなバカ丸出しの話法で、政治家が公の場で使うと馬鹿認定をもらいます。
日本で馬鹿認定クラスのトートロジーを駆使したのはパパ小泉でした。
パパ小泉(当時首相)は、2004年、党首討論において、自衛隊が駐留するイラク南部のサマワが「非戦闘地域」であると断言した根拠を尋ねられ、パパ小泉は「戦闘が行なわれていない。だからこそ非戦闘地域だ」と言い放ちました。
米国の強い要請で、なんとしてでもイラク復興に自衛隊を出さねばならない、しかし戦闘地域に部隊を出せば戦争行為となる、だからこういう「戦闘が行われていないから非戦闘地域だ」というトートロジーで野党を煙にまく言い方で逃げたわけです。
パパの場合はくだらない野党の追及をかわすための意図的な臭いがしますが、ジュニアの場合はただのポカです。
パパは、たぶん息子に「聴衆はなにも聞いていない、印象に残る言葉を繰り返してガツンっと演説しなければダメだ」くらいのことをレクチャーしたのでしょう。
例のワンレーズ・ポリティクスです。
「その手法の一つが、短い言葉で国民に直接呼びかけるワンフレーズ・ポリティクス。
純一郎氏は2001年総裁選で田中真紀子氏とともに全国を遊説し、「自民党をぶっ壊す」と聴衆の度肝を抜く言葉で、小泉旋風を起こしていった。国民はその言葉に熱狂し、森内閣の失政の数々を忘れて政治の刷新を期待した」
(ポストセブン9月10日)
【令和の小泉劇場へ】総裁選出馬の小泉進次郎氏 期待される“自民党の救世主”の役割、父・純一郎氏から受け継がれるワンフレーズ・ポリティクス - ライブドアニュース (livedoor.com)
別にパパ小泉をヒトラーになぞらえる気はありませんが、あの人物の演説手法がこれでした。
ヒトラーはこのような演説手法をとったといわれています。
①必ず夕方に演説する。
②短く、具体的なキイフレーズを掲げ、何度も言う。
③言葉以外にも沈黙やジェスチャーを駆使して注目を集める。
④人の心を動かすストーリー構成や演出を欠かさない。
パパ小泉の場合も、①夕方から夜の演説を好み、②短い「自民党をぶっ壊す」といった過激なキーフレーズを繰り返し、③激しい手ぶり身ぶりで聴衆とメディアに訴えかけ、④自分は「古い自民党」=守旧派と戦っている正義というストーリーを叫ぶ、とまぁこんな感じです。
効きましたね。特に郵政選挙前の最後の演説なんぞ鬼気せまるものすらあって、林真理子氏が惚れ惚れした男の色気みたいな感想を書いていました。
ジュニアは素直ないい子ですから、パパの言う通りをなぞってみせます。
今回の出馬宣言。ジュニアは決意を「強い眼差しにこめて」凛々しくこう宣言します。
「私は、このたびの自民党総裁選に立候補いたします。自民党が真に変わるには、改革を唱えるリーダーではなく、改革を圧倒的に加速できるリーダーを選ぶことです。私は総理になって、時代の変化に取り残された日本の政治を変えたい。長年議論ばかりを続け、答えを出していない課題に決着をつけたい
(FNN9月6日)
「時代の変化に取り残された日本の政治を変えたい」小泉進次郎氏が自民党総裁選出馬会見 期待の一方「経験不足が不安」という懸念払拭が課題に(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
パパが「自民党をぶっ壊す」と田中マキコと組んで全国遊説し、ポマードに勝った時とそっくりです。
聞いていると何か自民党全体を叩き潰して新たな政党に変革するみたいな印象を受けますが、結局パパ小泉が首相となってやったのは田中派の解体だけでした。
どこをどう変えるのか、どの部分を残すのか、まったく残さないで一からビルドアップしていくつもりか、わからないままにパパ小泉のアジ演説の口車に乗ってしまったのです。やれやれ。
ジュニアの場合、「古い自民党」とはこんなていどのことみたいで、思わず苦笑してしまいます。
「カンペ読みすぎ」小泉進次郎 出馬会見の堂々振る舞いに称賛も…演説中に見せた“仕草”にツッコミ続出(女性自身)|dメニューニュース(NTTドコモ) (docomo.ne.jp)
「今の自民党を「古い自民党」と呼び、政策活動費の廃止や、ライドシェアの完全解禁、選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出することも掲げた」
(FNN前掲)
「古い自民党をぶっ壊す」と言う割には、政策活動費とライドシェアに夫婦別姓ですか、はぁ。(ため息)
ジュニアの致命的欠点は、おしゃべりのくせに自分の言葉でしゃべれないことです。
どこかで聞いた耳学問を、いかにもいかにもという調子でカッコよくしゃべろうとするから身につかない。
さすが今回は慎重でカンペまで用意しているようですが、告示日までにバカ言ってしまえば台無しですからね。
まぁ、バイデンやハリスでも作っていますしね。ペーパーを持っちゃカッコワルイので、缶詰にしてテッテイ的に想定問答を叩き込みます。
バイデンはそれをクタクタで帰ってきた外遊の直後からやって意識朦朧。
若さが売りのカマラは、今、缶詰づくりの真っ最中。
小林ホークや高市氏はまったくカンペ無で自分の言葉でしゃべっています。
だから、ジュニアがいちいちプロンプターというカンペを見るのは、すごくカッコ悪いよ。
日本のジュニアはおそらく大手広告会社がついているようで、イメージ戦略から立ち振る舞いまで全部レクチャーされているようです。
「古い自民党」が期待するのは、秋の総選挙の「顔」にすぎません。
パパ小泉が優勢民営化選挙で見せたような雪崩的勝利は望めないものの、ジュニアを担いで少しでも勝てれば幸い。
負ければ使い捨て、まぁそんなところでしょうか。
「古い自民党」が必要としているのは優れた役者であって、安倍氏型の実力理念共に備わった指導者ではないのです。
« 立憲も代表選やっているそうです | トップページ | 夫婦別姓の必然性はありません »
2001年の小泉フィーバーには私も充てられた者として反省しております。
結局「三位一体の改革」なんて、全体で低下しているパイを食い合う割合を変えて地方や国立の法人や地方大学を弱体化しただけで、正直プラスな要素は少なかった。
道路公団の民営化は良かった(放っとけば旧国鉄以上の負債に)けど、後の中子トンネル事故のような惨事を招いていますし。
あと、2005年の郵政解散ね。
あのアホの派閥領袖で前総理の森喜朗の「干からびたチーズ」が演技だと真っ先に見抜きましたけど···見事な大勝利。
で、結局は郵便局がアフラックの保険を売るという日本国民のお財布にアメリカが手を入れるようにしただけじゃんか!と。
で、経済は停滞したままで就任当時に「失われた10年」だったのが、後に失われた20年になり···安倍政権や民主党政権を経て30年を越えました。
ちゃんと経済成長出来ていればユーロ導入でEUで一人勝ちしたドイツや潜在力が桁違いの覇権国家アメリカと比較するのはどうかとも思いますが、その程度か半分程度成長していれば現在の物価高なんか全く臆するものではなく賃金は上がっていたでしょうし、日経平均10万円超えでGDPなんか1000兆円以上。防衛費なんか普通に10兆円
クリアしたでしょう。
ただし、コッテリラーメンなんか3000円で牛丼並盛が1000円という世界になりますね。
で、その次男坊ですけど···親父さんが「変人」と言われながら政局を鋭く読む目ざとさとカリスマ性でトップに立った訳で、進次郎はそんなものは全く無いという。ブログだけは面白いけど。どこまでも親の七光り。何か期待ができるのか?と。。
昨日の毎日新聞記事と深夜のTBSニュースの抱き合わせな高市早苗バッシング印象操作記事が酷いですね。
毎日でも高市議員の「活動報告配布」が総裁選規則違法だとも反則だとも言わずに匂わせるだけ。んなもん議員なら当然だし時系列をあえて無視することで問題化させておいて、TBSで「高市氏が反論」とか。反論も何も悪いことしてないんですけど。
総務大臣時代からよほど左派メディアには目障りな存在だったようで、どうにかして引きずり落とそうというのがアリアリですね。。
投稿: 山形 | 2024年9月11日 (水) 08時23分
この結びですと、どうせもう自民党総裁は進次郎に決まりだ!おしまいだ!もう知らない!
…と不貞腐れているようにも見えるのですが、割と日本を見限っておられる…?希望は無いのでしょうか。
投稿: ねこねこ | 2024年9月11日 (水) 14時46分
まだガキですから、批判する事そのものが忍びないです。
こうした未熟者を持ち上げて頭に据えたい議員らの動機は、衆院選での看板として活用するのみ。いわば、傀儡です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年9月11日 (水) 23時03分