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2024年9月13日 (金)

オツムが軽い男の急進主義

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私は、失礼ながら小泉進次郎氏が哀しいくらいオツムが軽い人だと思っています。
頭が軽いだけならまだ修行の余地がありますが、ガチガチに教条を墨守するもんだから柔軟性がない。

そしてそれを修正しようにも、耳学問を感性でしゃべっているから議論にならない。
おまけにその情報源がリベラル運動家方面からばかりのようでひどく偏っています。

ところで彼の唯一の大臣としての実務経験は環境相でしたが、就任以来ろくなことはしませんでした。
あのセクシー発言やレジ袋廃止などを見ていると、このひとはただの大向こう狙いのポピュリストにしか見えません。
しかも見事にハズして、若者から総スッカン食らいました。

たとえば、かねてから脱原発なのは父親譲りでもはや不治の病と化していますが、脱炭素だといって低炭素石炭火力輸出にまで制限をかけると言ったこともありました。
そもそも脱原発と脱炭素を同時に進める、と発想自体がどうかしています。
何度も書いていますが、脱原発をすれば火力発電が増えるのは当然しごくのことです。
再エネというお花畑に遊んで原発を止めてしまったドイツはCO2が増大して七転八倒しています。

「自国産出の褐炭を持つドイツでは、風力発電が極端に不振で、停電を避けるために石炭火力発電を多用した。この結果、ドイツ全体としてのCO2排出量を増やし、脱炭素に逆行してしまったのである」
脱炭素に足踏みするドイツの苦悩 part2|SOLAR JOURNAL

ならば、CO2を排出しない原発を再稼働させるしかないはずですが、ドイツは自国産褐炭という質の悪い石炭を使った火力に走ってしまいました。
結果は、当然のこととしてCO2が増えてしまいます。そしてトドメのようにウクライナ戦争がらみの経済制裁でロシア産天然ガスがストップ。
まさに八方塞がりですが、解決法はあるにはあるのです。
それが日本が独自に開発したCO2排出が極限まで抑制される低炭素火力発電所です。

「カギを握るのは「アンモニア(NH3)」と「水素(H2)」だ。化学式からもわかるように、この2つには「炭素(C)」が含まれていない。
 つまり、燃やして酸素と結びついても、CO2が出ないのだ。
 2050年のゼロエミッション実現に向けてJERAが描くロードマップでは、石炭やLNGを燃料とした現状の火力発電設備に手を加え、それぞれ化学的に相性のいいアンモニアと水素に置き換える」
【日本発】世界が注目する「CO2を出さない」火力発電 | DISCOVER JERA | JERA

こういう日本の優れた低炭素技術はどんどんと世界に輸出すればいいようなもんですが、なんとジュニアはこれも炭素を出すから輸出支援はしないと言い出しました。
これを聞いた時には、おいおい官僚は大臣レクしないのかよ、とため息が出ました。
この人の脳内では「火力」と名がついただけで、悪魔よ去れとばかりにショートしてしまうようです。

「小泉進次郎環境相は26日の閣議後記者会見で、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電所の輸出支援政策見直しについて触れ、相手国で脱炭素への移行が促進されることを輸出要件に含めるべきだとの考えを表明した。政府が6月にも策定する「インフラシステム輸出戦略」の基本方針に盛り込むことを目指す。
この日環境省の有識者検討会が、脱炭素化に政策転換するよう輸出相手国を支援する重要性などを指摘した報告書を取りまとめたのを踏まえ、環境省として新たな方針を示した。小泉氏は、石炭火力は新設後約50年稼働するため相手国のCO2排出量を固定化するほか、投資に見合った資金の回収ができなくなるリスクがあると指摘。「長期的なリスク評価が必要だ。ビジネス最優先で、売れるから売るというだけではだめだ」と述べた」
(毎日2020年5月26日)
石炭火力輸出「相手国の脱炭素促進を原則に」 小泉環境相、ビジネス優先否定 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

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アベマニュース

まことに愚かな発言です。
低炭素火力とは、自動車のハイブリット技術のような位置にあります。
完全な解決ではないが、現状としては最良の解なのです。
イエスノーの二分法ではなく、現実的な解決方法の提示でした。

それを小泉氏は否定してしまう。最も実効性のある低炭素排出火力の世界への普及を止めてしまう。
この人には問題解決が、プロセスの地道な積み上げだということを理解していないのです。

悪しき急進主義、というよりなにも考えていないのでしょうね。

2013年、カン首相が、全原発を止めてしまったために、電力会社は休止していたポンコツ火力を必死に動かしていましたが、いまや火力発電の多くは新型の低炭素排出火力に置き換わりつつあります。
3.11以降日本は火力を低炭素化・効率化に必死に取り組んでいったのです。

●超々臨界圧発電方式(USC)
燃料を燃やして蒸気をつくる際に、極限まで高温、高圧にして蒸気タービンを回すシステム
●コンバインド・サイクル発電
高温のガスを燃やしてまずガスタービンを回し、その排ガスの熱を再利用して蒸気をつくることで蒸気タービンも回すシステム
●石炭ガス化複合発電(IGCC)
コンバインド・サイクル発電でガスタービンを回すのに使われる「高温ガス」を、石炭をガス化して作るシステム

そして、気がつけばこの低炭素化・効率化の新技術は飛び抜けて世界最高水準になっていました。

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資源エネルギー庁

たとえば、上図をみていただければ、同じ石炭火力発電といってもインドや米中のそれと比較すると4割以下の炭素排出量となっているのがわかります。
日本はひとことで化石依存と言いながらも、炭素排出の少ないLNG火力(グラフ右端)の比重を高め、新型の低炭素型に置き換えながら、従来型の旧式石炭火力を削減し続けています。

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資源エネルギー庁

そこで問題となるのは火力発電プラントの建設コストですが、これは一定程度マスで作ることによってコストを押えていくしかありません。
しかし、国内の電力会社は3.11以降原発が止まったために厳しい経営状況で、海外に活路を見いだすのはしごく当然のことでした。
一方この優れた低炭素火力の輸出は、世界の炭素排出大国であるインドや中国にとっても福音となると見込まれていました。
だって下図のように、世界の約3割の炭酸ガスは中国がボンボン出しているんですからね。

中国では、新型コロナで生産が止まった時、いきなり炭素量が減って、空がきれいになったってくらいなもんです。
日本なんぞ炭素排出量の世界に占める割合はたかだか3.6%にすぎません。
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国際エネルギー機関(IEA)の調べによれば、火力発電は新興国を中心にして、今後も重要な発電方法のひとつであり続けることが見込まれています。
またインドや中国、東南アジア諸国はモーレツな経済発展を続けている真っ最中ですから、石炭火力を止めてしまうことは不可能です。
ですから、LNGや石炭火力発電は、今後とも増えこそすれ減ることは考えにくいのです。

中国はいかにも中国らしく一気に原発を増設しようとしています。
というわけで、今後数十年のスパンでは、世界の化石燃料依存は変化しようがないし、ならばその低炭素化を進めるしか方法はないのはわかりきった話です。

こんなエネルギーの常識が判っていないのが小泉ジュニアです。
この人は父親ゆずりで脱原発がお好きなようですから、原発を完全停止したまま火力発電を削減したら、日本のエネルギーがどのようになるのかちっとは考えてからにしていただきたいものです。
特に世界の石炭火力を4割も削減できる日本の高度技術はジャンジャンと海外輸出すべきなのです。

それをジュニアときたら、カッコつけて「ビジネス最優先で、売れるから売るというだけではだめだ」(毎日前掲)なんて言っているんですから、脳みそが足りないと私に言われるのです。

 

 

 

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コメント

もうなることはないと思いますが、河野太郎や石破が総理になったら原発の再稼働や新規建設の道もなくなるでしょうね。
色々と手厳しい評価をされてきた岸田政権ですが、原発処理水放出の遂行や原発の再稼働や新規建設への意欲を示したのは評価点でしょう。

明日書くつもりなのかもしれませんが、今日読んだ人が誤認しそうなので。
https://www.denkishimbun.com/archives/375038
候補全員が原発活用です。
変わった候補もそれぞれ理由をネットメディアや発信で明言しています。
半導体誘致、AIやデータセンター、電力縮小路線だった数年前とはフェーズが全く変わった事を全員理解してリプレイスや小型原発についても触れてました。

農政放射能沖縄以外はこちらの方々と私は意見を異にしますが、なんで違うのかを知るために拝読しています。
中年政治家が情勢を学んで意見をアップデートするのは頭が軽いからなら、案外ちょうど良いです。

ふゆみさん、おひさしぶりです。そう邪険にしないで下さいな。
ガザ戦争あたりから距離を置かれているようで、私も変化していますし、状況も変化してきています。
どうぞ忌憚のないご意見を。

原発政策については仰せのとおり、皆さん現実主義に変化してきていますが、いままで反対していても半導体誘致のひとことで変化したわけですね。エネルギー問題は経済政策の根幹なんですが。
うーん、ですか、ま、いいか。

ひとことで変化したわけではないと思いますよ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA276I40X20C24A8000000/
この報道は8月ですが、エネルギー政策は経済及び安全保障の根幹でもある事を、党内議連でも数年かけてレクし続けています。
それと足並みを揃えるように半導体誘致をしていました。
現政権の方針でもあり、それを踏まえて今回の候補者達は党一致でこの方針を総裁選を通じて国内に周知する意図があると考えます。
つまりこれは誰を選ぶかの争点ではもうないのです。

改憲、雇用問題他政策についても、別姓と党内処分のグレード以外は一次情報をフルで確認すると基本同じ(岸田方針の引き継ぎと加速)です。
こうなると最後は属人性のベクトルで評価するしかないのかなと思いつつ総裁選を眺めています。

そういう意味で、昔こうだったから変わっても政治家として小泉や河野アウト、という意見も当然あっていいのだと思います。
ただそれは、昔こうだったから変わってもお前は言論者としてアウトなのかというブーメランを突きつけられる。

辻褄が合わなくなっても持論を引くに引けず、合わない故に情報をアップデートできずに誹謗中傷に近い言動で高市さんの足を引っ張っている一部保守言論人。
彼らときっちり距離を置かない高市氏は、たとえ中身はシングルモルトでも、素手で瓶を持てないです。

 候補全員が表向き「原発活用」なのは当然で、「原発反対」は票にならないですから。特に小泉・河野なんかの言葉は信用できず、党と経産省のエネルギーミックス方針をそのままなぞっているだけでしょう。
それで彼は反原発の闘士となり果てたオヤジのファザコンと来ていて、これまでジュニアが言ったりやってきた事からかんがみても、言葉で「反原発」と言わないにしろ、河野のようにステルス化しようとするんじゃないか、という心配。
あるいは、不測の地震発生がないことの挙証責任を事業者に押し付け先鋭化する原子力規制委員会を隠れ蓑にするか。いづれにしろ、彼に主体性がないならないでいいのですが、ガキはガキらしく突出願望があるし、政局にする方面での知能だけは発達しているから怖いです。
我が国の火力発電の能力もご存じないのは記事のとおりと来ていて、そうすると再エネ拡大だけが残るのではないか? との心配を禁じ得ません。

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