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2024年9月28日 (土)

「石破首相」誕生という最悪シナリオ

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負けました。
「石破首相」の誕生です。最悪シナリオです。
まだ軽い神輿の小泉氏のほうがましでした。

いきなり株式市場は石破ショックを呈し、株価急落、円高にふれました。
その前日までさなえ景気を先取りしていた市場は、一気に冷え込みました。
27日午後1時頃に39400円前後だった日経平均株価は、「高市総理誕生」を織り込んでいたためか、39829円56銭で取引を終え、為替市場も1ドル=146円台前半で推移していました。
ところが、石破勝利が決まった瞬間、CFD先物は急落し、現時点でマイナス1568円となっているほか、為替相場も一時142円台程度にまで円高が進む展開となりました。
一機に1500円下落、為替は4円高です。すさまじい大逆神効果。
これが逆説的な石破政権への「御祝儀相場」です。

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自民党新総裁に石破茂氏 高市氏を21票差で逆転、勝因は?(2024年9月27日掲載)|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp)

「27日午後に投開票された自民党総裁選で、石破茂元幹事長(67)が選出されると、市場は敏感に反応した。日銀の追加利上げに肯定的な石破氏の当選が伝わり、東京外国為替市場では円相場が数分で1ドル=146円台から143円台まで急騰した。積極財政派の高市早苗経済安全保障担当相(63)が敗れ、財政出動による経済波及効果の期待が薄れたことで、日経平均株価の先物でも売りが急激に拡大。一時2000円超急落するなど、市場は〝石破ショック〟の様相を呈している。
同日の東京外国為替市場では円が対ドルで一時1ドル=142円台後半をつける場面もあった。また、国内債券市場でも、日銀の利上げ期待が高まり、長期金利の指標となる新発10年物国債は一時0・855%と、総裁選の結果発表前の0・805%から上昇した。石破氏は総裁選中、金融政策運営は「日銀の独立性を尊重」すべきとし、日銀の追加利上げに肯定的な姿勢を示していた」
市場は〝石破ショック〟の様相 円急騰、日経平均株価の先物は一時2000円超も急落 - 産経ニュース (sankei.com)

これは、石破氏が経済をわかっていないと市場に見られているからです。
石破氏当人は経済には感心が薄く、「里山資本主義」の藻谷浩介氏の影響を強く受けていると言われています。

たぶん石破氏が提唱する地域興しと共鳴したのでしょう。
藻谷氏はありていにいえば、市場経済を敵視するような社会主義者です。

なにか鳩山政権が生まれた「政権交代」の時のような浮ついた熱気すら感じます。
メディアは安倍政治を清算し、「里山資本主義」を掲げる新首相に大歓声を送ることでしょう。

安全保障では弱腰、財政政策では規律増税派、金融政策では利上げ、アベノミクス清算、口先改憲、選択的夫婦別姓賛成ですから、野田立憲と完全に被りました。見分けがつかないほどうりふたつです。
次の遠からずやるつもりの衆院選挙では、なにを野党との対立軸にするのかわからないほどです。
石破派で経済がわかる者を枢要のポジションにつけないと、石破政権は経済によって短命化するのは必定です。
次の組閣で財務省と経産相にだれを置くかで決まります。
細野剛志氏あたりを入れてほしいものですが、石破氏は「地方を重視する」とか言って農水系の古手を入れて来そうなかんじがします。

また党内統治においても禍根を残しました。
石破氏は「裏金議員は党が公認しないかもしれない」ということを言って「刷新感」をアピールしましたが、これは安倍派潰しは徹底的にやるという意味です。
歯切れがいいのは、メディア受けしそうな選択的夫婦別姓賛成、原発ゼロ、外国人移民受け入れ拡大といったことばかりです。
完全に立憲の主張とかぶっていますから、さぞかし野田立憲と消費増税あたりで合意しそうです。
改憲に対しても「9条2項の改正の議論が深まっていない」とでもいうのでしょう。つまり、改憲なんぞやらない。

石破氏の特徴は責任をとりたくない一心で御身大事に走る傾向です。
かつての安保法制時には、再三にわたる安倍氏の懇願を拒否して防衛大臣を固辞し、メディア受けする後ろから弾を撃って自民党攻撃の最先鋒に立ったことすらあります。
この情の薄い裏切り体質と吝嗇が嫌われて議員には人気がなかったはずですが、どこぞのキングメーカーが首相にまで押し上げてしまいました。

こういう生き方をしてきたこの慎重居士は、政権運営でも失敗すれば容赦なく切り捨てることでしょう。
当面は石橋を叩いて、とりあえず岸田路線の継承で試運転するのでしょうから、我流を出すのは、総選挙で勝った後になるでしょうが、その時は保守層はごっそりと剥がれているはずです。

ところで高市氏は思ったより議員票が伸びませんでした。
信じられないない展開でした。
石破氏が46から189とは、予想しない展開でした。
これは菅氏が音頭を取ったといわれています。
決戦投票となった場合、3位の小泉票を全部石破氏に回すという約束でもあったのでしょう。

私は、菅氏に対して安倍政権の「不屈の幹事長」にしてコロナと戦った宰相として深い敬愛の念を持っていましたので実に残念です。
菅氏は唯一の安倍氏の後継者を敗北に追い込んで、安倍氏の背中を撃ち続けることだけがアイデンティティになっていた男を総理に押し上げました。
菅氏は、自身の政権末期に安倍派に力になってもらえなかった恨みをいまだ持っているらしいようですが、いいかげんになさい。
石破茂という男が、習近平と真正面から対峙できるかどうか、たじろがずに国益を守れるかどうか、安倍氏の官房長官だったあなたにはよくお分かりのはずです。

1回目の投票結果はこうでした。

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自民党総裁選 

そして党員票の県別の1位は以下です。
いわゆる農村票を石破氏がとりまとめているのがわかります。

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自民党総裁選 赤が石壊、紫が高市、青が小泉

石破氏がJA票を取り込んだ成果が出ました。
私は地方の農業者ですが、特に農業関係者に石破氏が浸透しているという話は聞きませんので、農協関連への食い込みなのでしょう。

これは石破に入れればJAに予算が来るという期待感からでしょう。
たぶん今、農林中金が外国債券の運用に失敗して巨額の含み損を抱えていることが問題視されていますが、この救済などを約束した可能性があります。
農林中金は各地の農協などから預かった資金を運用し、その収益を還元する役割を担っていますが、有価証券の運用に偏った収益構造の見直しが求められています。
JAは本来の農民の利益のために働くという役割から、金融へのシフトが目立っており、その受皿が農林中金だからです。

かねてからJAに対しての改革要求は厳しさを増してきましたが、この時JAがすがったのが石破氏でした。

「(JA全農会長)万歳氏は先月27日、都内で石破氏と会談。「JAグループの機能をフル活用することが地方創生にとっても合理的だ」と述べ、農協法に基づく監査・指導権の温存を求めた。関係者によると、石破氏は地方自治体が地方創生の総合戦略を作る過程で「JAの果たす役割は極めて大きい」と述べたが、政府の改革案に異論は挟まなかったという」
(産経2015年2月3日)
ターゲットはまず石破氏…JA全中の改革骨抜き工作が始まった(1/4ページ) - 産経ニュース (sankei.com)

石破氏はJA利権の保護者と見られているのですが、今回これがいかに力を持っているのか実証されました。
農協は農政連という政治団体を持っていますが、自民党の集票マシーンとして機能してきました。
今回これが総裁選の舞台裏で動いたのかもしれません。

前世紀の自民党が基盤にしてきた古臭い利権政治ですが、このような露骨な利権政治を使って勝ったのが石破氏のようです。

それにしてもこの総裁選は後味が悪いものでした。
岸田氏自らがが陣頭に立っての高市叩きはえげつないものでしたが、これにメディアが相乗りしました。
メディアは口を揃えて総裁選の主題は「カネと政治」「裏金問題」と歪めてしまい、高市氏の推薦人に「裏金議員が13人もいるぞ」と騒ぎ立て、高市=裏金と書き立てました。
そして永遠の定番の靖国参拝問題では、高市氏があたりまえのように参拝の意志を示すや、めった叩き。
やれ「国益に反する」とか「中国を挑発するのか」と罵詈雑言。まるで極右扱いです。
そして政策リーフレットで揚げ足を取ったのが、岸田氏自らです。

とまれ自民党は最悪の選択をしました。
なにももっとも立憲寄りの裏切り常習犯を首相にすることはなかったのに。

 

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コメント

今にして思えば、小泉は最初から注目を集めるだけの捨て駒だったのかもしれません。
「小泉票をまるっと石破に流すことで逆転させる」
見事な作戦と言えましょう。
作戦成功の結果は最悪ですが。

こうなった以上、石破にはできるだけ早期に退任していただくしかありません。
ほっとけば自滅することは自明ですが、1日も早い退任を願います。

1回目のときは期待感が高かったのですが、残念です。

しかし有能なのは高市氏という評価が白日の下に晒されたのはポジティブに捉えたいです。

今後に期待します。

いつも楽しみに拝読しております。

石破首相を受けて為替は4円近い円高、日経平均先物は2000円以上の下げとなっています。月曜日は石破暴落の日になりそうです。
金利を上げ、消費税率を上げ、金融所得課税を強化するそうなので、そりゃそうなりますよね。農林中金は、救済どころか普通にもっとひどいことになりそうな気がします。

高市氏に落ち度があったとすれば取り巻きの過激な発言を最後まで抑制出来なかったことですね。
門田隆将を筆頭に発信力のある高橋陽一、藤井智も岸田&菅両氏をボロクソに言い続けていた。
言われてる本人もしかりそれに近しい議員も「こんな人らを近くに置いてる人は大丈夫なのか?」と思われても仕方がありません。

今回は歴代最も派閥の影響力が少ない総裁選と言われていましたが、まあそんなことはありません、最後の最後でモノをいうのは派閥の力でした。
石破氏が総理の地位に満足して自分を出すことを我慢するという可能性を選べば多少マシな未来は見えてきますが、なまじっか自分が認められたんだと勘違いするようだったら自民党は壊滅的な痛手を被る事になるでしょうね。

不記載問題に関しては地方の党員からしたら争点にするなと言われても再発に努めろという意見が出るのも当然かなと。
そもそも政治不信に対する結果が生み出したような今回のゲル総理誕生に関して怨むなら安倍氏の意思に背いて政治資金問題を起こした塩谷や世耕ら残念な連中ですよ。

高市氏にしても今、中国が反日攻勢を控えざるを得ない中、すぐに靖国に参拝することは中国に付け入る隙を与えるようなものでセンスに欠けていると言えます。

アタクシは特段に希望を託す推しはございませんし、ひとりの沖縄県民としては、もとより選挙の結果が暗く見えることに耐性を持っておりますので、コメントするのは余計かも知れませぬが、一言だけ。
所謂限界右翼と限界左翼、両方を削ぎ落とせるなら、それで何より。

 「進次郎の方がまだマシ」ってのは、同感です。
つまり、何もしないでくれた方が良いという事。
日米地位協定の改定? この周辺状況の中、言い出すタイミングじゃないし、その間に日本側がやらなくてはならん事が山ほどある。
財政と経済の両立? そう言って30年失い続けて来たのが日本の姿。
農協を重視するなら日本農業の明日はないし、農協が地方創生の柱になどなりようはずもない。
また、高市の靖国参拝発言が失った票が現実にあるとしても、中国からの謂われない問題提議を許さない、あるいは譲歩しない姿勢に為政者自身が改める重要な一丁目一番地。覚悟の公約です。「センスに欠ける」とか何とかの問題ではありませんね。

問題は組閣ですね、党内基盤に乏しい石破氏は当然岸田に組閣を頼むと思いますが、岸田は更に高市氏と旧清和会を粉砕する満々と思われるので、旧清和会からの登用はゼロは当然ですが、問題は高市氏の扱い。
ヘタに野に放つと批判に回るのは目に見えているので、入閣それも財務大臣や総務防衛大臣など彼女と意見が対立する省にあえて回して、「自爆」を待つというのも考えられますね。

総選挙といえば、裏金議員について、当初
「公認するに相応しいかどうか、議論は徹底的に行われるべきだ」
でしたが、昨日には
「それぞれの選挙区の事情、当選の可能性を判断材料に、選挙対策本部で適切に議論し判断する」

コレ、選対本部に丸投げですかね?
世論から批判を受けたらいつものパターンで選対の責任にして逃ゲル閣下?。
当選の可能性があれば不問なんでしょうか。

これからが本番、じっくりと観察し議論しましょう。
マスコミは高市潰しで石破を持ち上げてましたので、チェックが厳しいでしょう。

高市さんは、どうも人付き合いが苦手のようです、靖国参拝も曖昧にしておけばよかった、あと口調がキツイので言い方を柔らかくするといいかもしれません。

決選投票に持ち込めば、石破氏は絶対に勝てないと信じていただけにまさに青天の霹靂でありました。自民党はとんでもない決断をしてしまったと後悔の臍を噛むことになると思います。

石破茂だけは絶対に宰相にしてはいけない人物と固く信じてきました。その理由は管理人さんが詳しく書かれている通りですが、とりわけ捨ておけないのが女系天皇容認論者であること。こういう保守とはとても呼べない人物を自民党はリーダーとして選択した、これだけでも大問題だと思います。

決選投票の結果が読み上げられた際に見せた石破氏の笑み。今思い出しただけでも鳥肌が立ちます。

「正しさの商人」「やさしさの免罪符」の著者、林智裕氏の総裁選直後のポストを私は引用しておいておきます。

個人の好き嫌いだけで終わらせず、いたずらに敵対せず、ゼロヒャクや白黒の完璧主義を求めず妥協点を探り、協力出来るところは協力し、少しでも良い未来を、石破総理と共に創っていこう。

勝手に諦めても絶望しても、何にもならない。

余談ですが岸田政権発足時も株価はドカンと落ちました。けしからん経済音痴で日本はもう終わったと言われたものですね。

自民党の選対とネット分析担当部門はコロナ以降のここ数年の自党叩きや分断誘導ポストとそれにまんまと乗せられて動画で踊ったアカウントや言論人、組織的にいいねや拡散した捨て垢の発信元のリストを持っています。
高市氏はそういう人達と距離を取って、下品な飲み会でなく若手の議員達とご飯でも食べれば、パンツの色もデリヘルの話も聞かずに仲間を増やせるし令和の名宰相の道もひらけるのではないかな。

〜自民党の選対とネット分析担当部門はコロナ以降の(中略)高市氏はそういう人達と距離を取って、(以下略) こういう事がすらっと書かれる、このBlog自体が監視対象なのでしょうね。中共と変わらんね。ある意味で公務員の天国となっていくのが日本の運命ですかね。

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