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2024年9月 3日 (火)

「令和の米騒動」を煽ったメディアと野党の罪

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続けます。
政府は声を枯らして備蓄は充分にある、冷静にと呼びかけました。

「令和のコメ騒動といわれるほど一部で品薄となっているコメについて、坂本農水大臣は新米の流通などから供給が「順次回復していく」として、消費者に冷静な対応を呼びかけました。
坂本農水大臣はけさ、コメの品薄の背景について、▼地震や台風に備えた買い込み需要や、▼お盆休みで物流が滞ったことなどが主な要因だったと指摘。
そのうえで、早いところでは新米の流通が始まっているとして、供給は「今後、順次回復していく」との見通しを示しました。
坂本哲志 農林水産大臣
「消費者の皆様には必要な量だけのお米を買い求めるなど、落ち着いた購買行動をお願いしたい」
一方、大阪府が要望している備蓄米放出については、「民間流通が基本となっているコメの需給や価格に影響を与える恐れがあるため、慎重に考えるべき」と述べています」
(TBS8月27日)
農水大臣、コメの供給「順次回復していく」“令和のコメ騒動”に冷静な対応呼びかける|TBS NEWS DIG (youtube.com)

私としてはきわめて珍しく農水省の肩を持ちますが、まことに正論です。
原因については私が指摘しているとおりですが、大臣のコメントが一カ月遅いという鈍さ(いつものことですが)以外はまぁそのとおりです。
それと坂本大臣、下を向いて官僚が作ったペーパーをボソボソ読むのはお止めなさい。みっともない。
特に備蓄米について「民間流通が基本であって悪影響が出る」というのも確かです。

コメ価格は今や民間流通、すなわち相対取引が指標となっています。
これはJA全農や各農協などの出荷業者と卸売業者との間で、売買取引する際の主食用米の銘柄ごとの契約価格のことで、 農水省はコメ価格の代表的な指標としています。
この相対取引がもっとも注目されるのが今の新米が出てくる時期なのです。
これで一年のコメ価格が事実上決まってしまいます。
令和5年産米の相対取引価格・数量について(令和5年9月):農林水産省 (maff.go.jp)

新米が出て新たな年間の価格が決まる寸前に政府備蓄を放出したらどうなるのか、かんがえないでもわかるでしょう。
相対取引の年間契約価格は、落ち着いた状況を前提として決めねばなりませんが、それができなくなります。

しかしメディアの煽りはそれを押し潰します。
ともかく騒ぎたい、騒ぎ立てて大事にしたい、そして政府を追及したい、社会の安定なんて知ったことか、騒げば視聴率(ゼニ)になるんだ、これが社会のスカベンジャーたるメディアの本能です。
東京新聞はスーパーのカラッポの棚の写真つきでこう書いています。

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東京

「「1人1点まで」「品切れ中」…。
都内のスーパーマーケットをのぞくと、販売制限や欠品を知らせる張り紙を掲出する店舗が相次いでいる。
ある店舗では、もち米と玄米が少し残っているだけで、白米のコーナーはからっぽ。「あら、ここもない」と、女性客が足早に去って行った。
別の店も、白米の在庫はゼロ。物珍しそうに客が集まり、空の陳列棚の前に人だかりまでできていた」
(東京8月21日)
お米が売ってない…これいつまで続くの? スーパーを回って聞いてみた アキダイ社長「解消するのは…」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

そしてお定まりの備蓄米を放出せよ、と叫んでいます。

「備蓄米の放出について要望があったが、民間流通が基本のコメの需給や価格に影響を与える恐れがあるため、慎重に考えるべきだ」坂本哲志農林水産相は27日の閣議後記者会見で、そう語った」
(東京8月29日)
お米を買いたいのに…「政府備蓄米の放出」が実現しないのはなぜ? 坂本農相は「品薄は順次回復する」と語る:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

共産党も便乗してこんなことを言っています。バカですねぇ、あんたらの中に農民はいないのか。

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Xユーザーの田村智子さん

備蓄米は主に政府が凶作時の供給不足に対応するため、100万トンをめどにして政府が備蓄しているコメのことです。
600万t~700tが平均年間収量なので、備蓄米100万tとは10年に1度の不作にも不足を来さない量の保管規模です。
政府は毎年約20万tの米を買い入れ、5年保管して、それを過ぎた米は飼料用米などとして売却しています
備蓄米を蓄える理由は、突然想定しなかった事態に備えるためです。

たとえば東日本大震災で、コメどころの福島、宮城、茨城の米作が大打撃を受け、さらに風評被害で流通量が減ったためにそれを補うため、政府は備蓄米4万トンを供給しています。
また熊本地震の際にも放出しています。

ですから、大地震クラスが襲来しない限り、ちっとやそっとの変動幅では市場機能でどうにかしてしまいます。

市場機能というのは、品不足になければ価格が上がって生産者の民間保管分からコメを吸い上げますし、余れば安くなって保管に回ることです。
新米が出る直前の時期なので、そう沢山保管米があるわけでもないので、農家はそう儲かったわけでもありません。
ここで政府備蓄を取り崩してしまって市場放出するぞという声がかかれば、市場価格はいったんは冷却しますが、それも新米が出て需給バランスがとれるまでのこと。
品不足によってコメ価格は一時的に跳ね上がり、
例年の安値で参っていた農家にはやや嬉しいことではありましたが、なにぶん現物が希少です。おまけに新米の登場まで半月ていどのことです。
つまりやってもやらなくても一緒。

今回一時的に消費市場からコメが姿を消したのは、共産党が言うような政府の減反とは無関係です。
減反は農家が自らの農地を100%活用できず、4割の水田でコメを作れないばかばかしい政策で、これはこれとしてしっかり問題ですが、今回の「コメ騒動」はこんな深い問題ではありません。
コメの少なくなる端境期に南海トラフ地震警報が出て、これを煽ることしかできないメディアが煽ったために、消費者が家庭の買いだめを増やしたことが原因です。

そしてコメがスーパーから姿を一時的に消すと、ほら見たことか「令和のコメ騒動」が始まったとまたまた煽れば、それはパニックになるかもしれませんね。

コロナのマスク騒動もそうでしたが、国民がパニくらずに落ち着いていれば、日本の製造基盤が破壊されたわけでもないので短期間で品不足は解消します。コロナの時を思い出して下さい。

「マスクがまったく売っていない」というメールが「ニュースあなた発」に繰り返し寄せられている。新型コロナウイルス感染症の拡大でメーカーはマスクの増産態勢を強化し、三月は六億枚を供給したが、店頭にマスクが並ぶ光景はなかなか見られない。政府はさらに一億枚の増産を目指すが、専門家は「七億枚でも十分とはいえない」と指摘している」
(東京新聞2020年4月6日)
<新型コロナ>マスク不足 解消遠く メーカー「供給追いつかない」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

医療メーカーはたちまち増産体制を作って1カ月に6億枚生産したのですが、それでも不足したのです。
ヘンですね。国民ひとりに5枚は来る勘定なのに、それでも足りないというのはなぜでしょうか。
たぶん中間業者で買い占めた転売屋が出たのです。
今回も「令和のコメ騒動」も似たようなものです。

日刊ゲンダイなんぞ、不平不満のタネを見つけられたと喜びで打ち震えながらこう書いています。

「あ~、やっとあった」
 5軒目でようやくたどりついたボクのお米。これで夫としての役割を果たすことができる。令和の米騒動。どうしてスーパーにお米がなくなったのか?
それは昨年の猛暑で不作だったほか、足元の「南海トラフ注意情報」が原因だ。一部の人たちに「備蓄しなければ」という危機感が生まれ、「いらない米」を買いだめしたのである。
「政府が余計なことを言ったからに!」
(日刊ゲンダイ8月29日)
家計を直撃!「令和の米騒動」は人災か【シニアのためのマネー講座】(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース 

そしてすべて政府に責任を転化します。
メディアが自分らで火を着けておいて、コメがたりな~い、政府がぁワルイですから笑えます。

南海トラフ地震で警報が出たことまで「政府か余計なことを言った」ですから、もしほんとうに警報期間内になにかあったらあったで、「政府の予知対策がたりな~い」と騒ぐんでしょう。
こういう煽りをする人らって、煽り→買い溜め→品不足ということを見越して、買い占めているけしからん奴らと示し合わせてるんじゃないかなんて邪推してしまいます。
「令和のコメ騒動は人災だ」なんて言っていますが、確かに。
メディアとヒダリの皆さんが煽って出来た「人災」には違いありません。

というわけで、いまや続々と新米がスーパーに搬入されていますからメディアに踊らされないように。
ちなみにコメは生鮮品ですから、ポリ袋に入れたまま台所の隅になど置いておくと、確実に劣化しますので、備蓄もほどほどに。

減反については、明日に回します。

 

 

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コメント

農水大臣というポストは、この30年ですっかり閣僚の末端の腰掛けポジションになっちゃいましたね。

大臣たるもの堂々と大声で「米は全く不足シておりません!」と一ヶ月早く会見していれば何も無かっただろうと。。

マッチポンプの野党とマスコミは論外ですな。いつものやり口です。。

減反政策は6年前にとっくに終わっているのに、それを隠して未だに続いているかのようにデマを飛ばす共産党は根絶やしにして当然でしょう。

共産党だけでなく維新の吉村氏まで備蓄米解放をと言い出したことも記しておきます。
万博や兵庫知事の件を挽回どころか浅はかさを露呈しました。

アホの吉村はマスコミを呼んで大々的に「ぴぇーん!政府が大阪のために備蓄米を放出してくれないよぉ泣」という言いつけ会見してますね。本当に情けない。韓国のイガンジル?文化みたいで非常に醜いですね。

例のパワハラ人殺し知事でのグダグダ対応といい、維新はもうボロボロですね。

あたくしも別に農水省の肩を持つわけじゃぁございませぬが、NHKと民放各社と新聞が「米が無い!高い!」といい出した6月頃からずっと、米は逼迫していないと農水省が言い続けてきているのは事実ですね。

不安に駆られて買い溜めに走る人がある→まぁわかる。
機に乗じて利益を得ようとする業者や個人がある→まぁわかる。
外食産業が、価格或いは価格と品質の釣り合いで悩むことはあっても、国産米の物量に困っているとも、"世間は品不足だ"ということに対しての罪悪感があるとも言わずに普通に営業しているし、パックご飯は店頭から無くなってもいない中で、米が無い!政府は米騒動の責任取れ!と言う人や社がある→全然わからないし、それが何故かわかる必要も感じない。
己に力があるといちいち確認せずにいられないのか知らんけれど、出来ない子なのね、という感想だけ。
相対取引の米とスポット取引の米では量や品揃えも価格も違いはあるでしょうから、店によって売り物が無いタイミングはあり得るわけで、そういった仕組みを調べて伝えるような丁寧な仕事をする能力が無いマスコミや政治家ならば、農政の問題点についてのマトモな扱いも無理そう。

 大阪の一部では「いつものスーパーに言ったら米がなかった」って事なんでしょうが、それだけで備蓄米放出を叫ぶ知事ってどうなの?
それもこの新米の時期を前にして、です。
私んとこの宮古島では、イオン、ドラモリ、ドラックイレブン、サンエー、金秀を廻ってみましたが、どこも米は充分にありました。
離島に充分あって、大阪にない店舗があるってのは少し考えれば原因は明確でしょう。吉村さんはバイヤーの一層の努力の促しと、買い貯め傾向を払しょくするアナウンスこそすべきところ。火付けマスコミや社会不安あおり専門の野党に与するべきじゃありません。

新米の価格が高めなのですが、今後はこの価格で取り引きされるようですね。
農水省はJAや民間業者に備蓄している米を流通させるよう協議したとかなんとか。

スーパーに一時、パックご飯まで綺麗に無くなってました。最近は並び始めてますが、米自体はまだ。滅多にスーパーでは買いませんけど。
5人家族のウチは米の残りが2キロくらい、生協が今週末に5キロを配達予定です。
スーパーに無くともある所にはあるんですよね。

今年の新米価格については、新潟コシヒカリや秋田あきたこまちが60キロ当たりの受け渡し金が結構上がってますね。
というか、一昨年までの数年毎年下がってたのが少し戻した程度です。
今くらいの価格が続くでしょう。

それを「高い」と思うかどうかは人それぞれですが、メディアスクラムに乗っかってる人はどうなんだろうと思いますね。
ちなみに90年頃はササニシキが米屋で5キロ2500円以上してました。有機だと3000円超え。今の値段は高いですか?と。

新米価格気になりますね。
私はここ数年据え置き感がありましたので、山形さんが書かれているデフレ前の新米価格まで戻しても文句無しです。
この翌日の記事にある買取り価格以外の直販の割合は、豊作不作によっても随分割合が変わりますが、農家が設備投資もして続ける気になれる策は、なかなか難しいなあと思います。

ウチは5キロで3000〜3300円くらいのお米を買ってます。
新米はこれより少し上がるんだろうなー。
少しでも安く買いたいのが人情ですが、作り手のことも考えると仕方ないですね。

色々な食品が値上げしてるので、元の価格が幾らだったのか、もう訳わからない感じですね。

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