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2024年10月 5日 (土)

ゲル号、いきなり難破してしまう

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いきなり座礁です。ええ、もちろん石破政権のことです。
フツーは蜜月期間なんてシャレたもんがあるんですが、いきなりガラガラガッチャーン。

まず襲ったのは驚異的低支持率の大波です。

石破茂内閣の発足を受け、朝日新聞社は10月1、2日、全国世論調査(電話)を実施した。内閣支持率は46%で、不支持率は30%だった。現行方式で調査を始めた2001年の小泉純一郎内閣以降、発足直後の内閣支持率としては、岸田文雄内閣の45%に次いで、2番目に低かった。一方、不支持率は、麻生太郎内閣の36%に次ぎ、2番目に高かった。 」
(朝日10月2日)
石破新内閣「支持する」46% 組閣受け 朝日新聞世論調査:朝日新聞デジタル (asahi.com)

だいたい政権というのは、組閣当初は御祝儀で高支持率を得るのが当たり前です。
いままでの垂れ込めた雲が晴れたような気分になりますからね。
だいたい悪くても6割、時には7割なんて高支持率を国民から貰えるものです。
しかしいいのは初めだけ。飽きっぽい世論にたちまち見放され、政権末期には2割台で終了というのが通例です。
なのに出発点がいきなり5割では目も当てられません。
たぶん1年以内に(そこまで持てばですが)20%を切るか切らないか、というデンジャラスゾーンに転落するんでしょう。

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図録▽歴代内閣の内閣支持率推移 (honkawa2.sakura.ne.jp)

しかしそれにしてもいきなり5割とは、さすがに官邸のみならず永田町は震撼したようです。
おかしいじゃないか、マスコミ、いままでボクのことをあんなに褒めてくれてたのに。ボクがアベをやっつけたのにヒドイや、という声が官邸から聞こえてきそうです。
テレビはこんな解説をしています。

「支持率の低さについて、自民党議員からは「裏金問題が根強く影響している」との指摘が多く出ています。別のベテラン議員は石破総理の解散方針が「言行不一致だった」とした上で、「人事も評価されなかったのだろう」と分析しています。また、ある閣僚経験者は「派手に総裁選をやっても、政治とカネの問題には何も前進がなかった」と指摘しています。
こうした状況から、別の閣僚経験者は「支持率があがる要素がないから選挙は厳しい」と話すなど、自民党内では衆院選を不安視する声が出ています 」
(日テレ10月3日)
石破内閣支持率51% 「裏金問題が影響」との声も (2024年10月3日掲載)|日テレNEWS NNN (ntv.co.jp)

誰に聞きに行ったか知りませんが、薄っペらいね。石破氏に入れた連中なら「政治とカネが未解決」といって、言外に「裏金議員は公認すんな」とつけ足したいのでしょう。
一方、「組閣の失敗」と言うに人らは、旧安倍派はおろか高市氏支持者が完全にオフリミットされた組閣に不満をたぎらせていることでしょう。

産経の看板政治記者である乾正人さんが「やっぱり石破さんは悪人じゃなかった」と感嘆の声を上げています。
「悪人」とは、「手練手管で権力中枢を握ろうとする者」だそうですが、ゲル氏が「悪人」ならば安倍憎しを抑えて敵を政権内部に取り込み真綿で首を締めるようにしてしまうそうです。
それをまぁやるに事欠いて、怨念全開。
怨敵安倍派一掃、政敵高市・小林排除、重臣村上・岩屋重用ですからね。
フツーは、派閥均衡人事とメディアにくさされながらも、もうちっとはバランスに配慮するもんです。

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産経

「新首相は、暗殺された元首相・安倍晋三を「国賊」呼ばわりして処分を食らった村上誠一郎を重要閣僚に据え、最盛時には100人を数えた旧安倍派からは誰一人として大臣にも党四役にも登用しなかった。絵にかいたような「報復人事」で、ここまで徹底するとかえって清々(すがすが)しい。(略)
彼らが、いま新総裁に就任したなら人気のある高市早苗を幹事長に、小林鷹之を重要閣僚に起用して総選挙と来年夏の参院選を戦い、終わったところでお役御免にしていたはずだ。あるいは、40歳代の小林だけ抜擢し、ライバルの高市を孤立させる策を採ったかもしれない」
(産経10月4日)
「自民大乱」の予兆が見えた! 「悪党政治家」ではなかった石破茂 大手町の片隅から 乾正人  - 産経ニュース (sankei.com)

こういう人事をしたら最後、党内に爆弾を抱えこんだようなものですから、干された連中は、高市・小林を中心に据えて、絶対に時限爆弾と化します。

続いて、石破氏が首相に就いた瞬間、株価は2000円の暴落をしました。
武者陵司氏に言わせれば、「市場の政策審判」だそうです。

たぶん冷や汗を一升もかいたはずの石破氏は、慌てて植田総裁に、「利上げ上げすんな」とプレスをかけました。
日銀は財務省の子会社みたいなものですから、政府が政府方針を伝えるのはいいんですが、直近の金利政策に介入するのはおいおいです。
まぁ、とりあえずこれで株価は持ち直しました。

それにしても、石破さん、「日銀は政府の子会社」と表現した安倍氏をあれだけ強く批判していたのはあなたですよ。
総理になったとたん手のひら返しですか、やりますなぁ。

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日経平均株価:リアルタイム推移・最新ニュース - 日本経済新聞 (nikkei.com)

石破茂首相は2日、日本銀行植田和男総裁と首相官邸で初めて会談した。首相は会談後、報道陣に「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語り、日銀による利上げに慎重な姿勢を示した。その上で「緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展し、デフレ脱却に向けて経済が推移することを期待していると総裁に申し上げた」と述べた」
(朝日10月2日)
石破首相「追加利上げの環境にない」 日銀・植田総裁と会談後に言及:朝日新聞デジタル (asahi.com) 

そもそも石破氏の経済スタンスは、一貫して反アベノミクス、異次元緩和反対、円安反対、日銀に対するプレス反対、金融正常化、財政緊縮、「金利のある国」がモットーだったはずですから、政権をとるやいきなり真逆に触れてあからさまに日銀をけん制するとは、なかなか並の人ではできないまねです。

このように正反対にブレると、為政者の意志がどこにあるのかわからなくなります。
これで石破氏の金融経済政策の基本がどこにあるのか、わからなくなりました。
しかもこの人らしく、言い切らないでこういう逃げた言い方をします。いかにもいかにもです。

「石破首相は、政策金利の引き上げに関して「政府としてあれこれ指図をする立場ではない」としながらも、「個人的には現在そのような環境にあるとは思っていない。追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語った」
(ブルームバーク10月2日)
「現在、追加利上げするような環境にない」と石破首相-日銀と連携確認 - Bloomberg

なにが「個人的には」ですか、ゲル氏が自宅のお茶の間で言ったならともかく、一国の総理がテレビの前で言ったら最後、それはまがいもなく公的発言なのです。
こんな煮え切らない言い方をする最高権力者って初めて見ました。
この調子で米国大統領に、「日米地位協定を改正したい。米国内に基地作らせろ、と個人的には思っている」なんて言うんでしょうね。
そしてアチラから一蹴されたら、「国民的に議論を積み重ねていく」とすごすごと撤退。
こういう責任を取りきらないキレイゴト評論家体質は、雌伏していた時にメディアにおだてられてついたんでしょうが、治さないと致命傷になると「個人的には」思いますよ。

そしてその前にやらかしたゲル砲が、いま政界を揺るがせている解散発言です。
なんせフライングもいいところで、総理になる前に言っちゃったんですから困ったお人だ。

自民党の石破茂総裁は30日、党本部で記者会見し、次期衆院選を10月27日投開票の日程で行うと正式に表明した。まだ正式には首相に就任していない中で、異例ともいえる衆院解散・総選挙表明に踏み切った。
「明日国会の首班指名で内閣総理大臣に選出されれば直ちに組閣を行い政権を発足させたい」とした上で「新政権は、できるだけ早期に国民の審判を受けることが重要。諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたいと考えています」と述べた。
選挙実施日まで1カ月を切る中、「全国の選挙管理委員会の準備の観点から、本日、表明させていただいた」と述べた」
(日刊スポーツ9月30日)
異例の表明 石破茂氏、解散権持つ首相就任前に10・27衆院選を正式発表「選管の準備のため」 - 社会 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

石破氏はかつてこう言っていました。

「石破氏は21日昼、岸田文雄政調会長らと都内で会食した後、記者団にこう語り、今秋にも安倍首相が踏み切るのではと臆測を呼んでいる衆院解散・総選挙に反対する考えを強調した。
憲法7条は、内閣の助言と承認により天皇が行う国事行為の一つに「衆議院を解散すること」と掲げており、これが首相による衆院解散の根拠とされる場合が多い。ただ、石破氏は2日の講演で「7条解散」について「憲法論から『すべきではない』との立場だ」と強調。内閣不信任決議案可決か信任決議案否決に伴う憲法69条による解散などに限定すべきだと主張する。
さらに、石破氏は首相になったときの記者会見では質問を無制限に受け付けると明言。2日の講演で「手が挙がらなくなるまで質問を受けたい。メディアを取捨選択するのは国民を取捨選択することだ。民主主義の在り方として私はとらない」と訴えた 」
(産経2020年7月24日)
石破氏「7条解散」封印宣言 首相就任なら足かせ懸念 - 産経ニュース (sankei.com)

7条解散という内閣の解散権の根拠を否定し、不信任案が出た時に解散に撃って出ることができる69条解散を主張し、「手が上がらなくなるまで質問を受けたい」と言っていた人が、突然の豹変です。
手が上がらなくなるまで議論をすると言っておきながら、森山幹事長とゴニョゴチョと密室で相談しただけで解散。
しかもまだただの「一政党の総理」にすぎない立場で解散宣言をしたのですから、野党が怒るまいことか。

「野田氏は、石破氏が国会で首相指名を受ける前日に衆院選「10月27日投開票」を発表したことに関し、「(首相就任前の)自民党総裁なのに(首相の専権事項である)伝家の宝刀を抜いた」と指摘。「フライングだ。違憲の可能性がある行為で信じられない」と反発した。国会内で記者団に語った。
石破政権は野党が求めた衆参両院の予算委員会の審議も拒否した。野田氏は「臭いものにふたをするとしか思えない」と断じた。日本維新の会の馬場伸幸代表は記者会見で「一度も(実質的な)議論をしないままに解散する。敵前逃亡内閣だ」と非難。玉木氏は、石破氏の愛称「ゲル」に引っ掛けて「議論から逃ゲル内閣だ」と訴えた」
(時事10月2日)
「違憲の疑い」「逃ゲル内閣」 野党、石破政権を一斉批判:時事ドットコム (jiji.com)

「逃ゲル内閣」ですか、座布団3枚(笑)。
今回は珍しくも野党の言う方が正しい。もちろん首相でもない人間が解散なんか宣言できるはずがありません。
予算委員会も開かない、一切の質疑には応じない、即刻解散だ、だって野党が選挙体制ができない奇襲だから勝つってモリヤマが言ってたもん、
かつてのリベラル評論家ゲル氏なら、「憲法から照らしていかがなものか、質問が出尽くすまで応えるべきだ。立憲政治を踏みにじった自民はまた独裁に近づいた」なんてヒトゴトのように言ったンでしょうがね。

いやかつてどころか、つい先だっての総裁戦でも「民の判断を厳粛に受けなければいけない。そのために判断してもらう材料を提供するのは政府の責任だ。選挙をすれば衆院議員がいなくなるんだ。世界情勢がどうなるかわからないのに、すぐ解散をしますという言い方を私はしません」なんてキッパリ言ってたんですからねぇ。
この人、なんでもキレイゴトを言っていられる評論家人生が長すぎました。
そのまま評論家やっていれば、令和の石橋湛山なんていわれそうで、幸せに暮らせたのにね、よしゃあいいのに総理になんかなるもんだから。
そのうち『石破・失敗の本質』なんて本を出されそうですね。

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しかし言ってしまった以上、先を考えねばなりません。
選択肢としてはいくつかしかありません。

①このまま解散して、27日に投票日を迎える。
②予算委員会を開いて質疑に応じる。

①のようにいま解散を強行しても、選挙戦は「憲法違反の豹変野郎」一色で、さすがの石破推しのメディアも露骨には応援できないはずです。
②のように、野党の要求に応じて予算委員会をやればやったらで、これまた「憲法違反で逃ゲルのか」の一色。
なんだどっちに転んでもカチカチ山で、選挙は負けとなるでしょう。
日経は世論調査で立憲躍進と打っています。

「日本経済新聞社とテレビ東京は1、2日の緊急世論調査で、次期衆院選で投票したい政党を聞いた。自民党と答えた割合は40%で、前回の9月調査に比べ2ポイント下がった。立憲民主党は3ポイント上昇の15%、日本維新の会は2ポイント上がり8%になった」
(日経10月4日)
次期衆院選の投票先、自民40%立民15% 首都圏、内閣不支持上回る/政治資金問題「自民、信頼取り戻す」28% 本社世論調査 - 日本経済新聞 (nikkei.com) 

彌縫策として森山幹事長をに因縁を含めて首を差し出すという手段もないではありませんが、そんなことをしたら内閣崩壊です。
もうすでに自民党議員らの、特に石破氏に入れた連中には動揺が走っているようです。

 

 

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コメント

いきなりやらかしてますな。

そしてグラフの中でも麻生さんはリーマンショックと身内(ゲル)から背中から撃たれて大変だったのが分かるけど、民主党政権の3人の急降下っぷりが際立ちますね。

あと、「失敗の本質」の共著者が御厨さん以外はものすごく香ばしいメンツ!!

本当に総理なんて望まなければどこからも叩かれず、それなりの存在感を保てたはずなのに、つまらぬ欲を出したがためにドツボに嵌まる典型ですね。

安倍さんのように自分の志を達成せんがためにその地位を目指す人と、その地位に就くことが目的化されてしまった人間の差でしょうか。

石破氏は間違いなく後者の方で、芯もポリシーもない批判だけの人ですから責任を問われる立場になるや、弥縫に次ぐ弥縫に走り、もはや原形をとどめない状態です。ブーメランは立憲の専売特許かと思われてましたが、今や石破氏のトレードマークと化しています。

「自民党 失敗の本質」 こんな本が出版されてたんですね。初めて知りました。著者の面々、本当に香ばしい方々ばかりで笑ってしまいました。個人的には御厨氏も十分香ばしい感じはしますけどね。

閣僚の記念写真を見ましたが酷い有様ですね。
だらしないモーニングの着こなしに歪んだ立ち姿、立ち位置もバラバラで女性大臣は中に埋もれるという気遣いゼロもダメ押し。
なんというか人間性がモロに見えるというか全体に漂う「こんな内閣どーでもいいや」という気持ちが透けて見える気がします。

菅、岸田は「高市じゃなけりゃいい」と石破のカードを引きましたが進次郎モデルのてっぺんを石破にすげ替える安易な思惑は命取りになりそうで、特に思い出人事だとしても村上の閣僚入りは総選挙に向けて致命傷です、これだけは絶対に認めてはいけない人事でした。

政策は変節したほうが有難いことばかりなんで良いんじゃないかな
地方に金バラまかれる程度で済めばマシでしょう

石破の命運は結局自公で過半数を維持できるのかどうかにつきます、党員票からして地方での善戦に賭けるほかない
今頃必死に票になりそうな地方創生案を考えてるかもしれない


多分このまま選挙になだれ込んでいくんじゃないでしょうかね。
国民にとっては石破自民党が勝っても地獄、立憲狂惨党が勝っても地獄ということになりそうです。まぁ自民党とその国会議員が選んだ道ですけどね。
利上げに関するドタバタを見ていると(旧民主党の)鳩山なみのルーピーではないかと思います。

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