北朝鮮、ロシアに兵士の飢餓輸出
ムン時代の名残の南北道路をわざわざ爆破してみたりするパーフォーマンスをしています。
韓国野党はユン大統領に、お前が北を煽ったからこうなったんだと突き上げているようです。
「(韓国)合同参謀本部(合参)はこの日、「北朝鮮軍は本日正午ごろ、南北連結道路の京義線・東海線の軍事境界線(MDL)以北の一部区間を爆破した」と発表した。北朝鮮は軍事境界線の10メートル先から京義線は70メートル、東海線はそれよりやや短い区間に数十の穴を掘り、各穴にTNT数十キロを設置して爆破した。合参によると、爆破には2本の道路にそれぞれショベルカー2台、ダンプカー4~5台が動員された」
(ハンギョレ10月16日)
北朝鮮、「南北和解の象徴」2本の道路を爆破(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース
構想されたのはキムデジュン(金大中)とキムジョンイル(金正日)の時代です。
しかし、2013年の北の核実験によって事実上廃棄されました。
だいたいこういうムシがいいプランは破綻します。
全員が自分の利害だけしか考えない寄り合い所帯ですし、そもそもひとり独裁の国相手ですから、気分が変わればお終いです。
2004年に進出した韓国の厨房器具メーカーが最初の鍋を出荷した際には、両国の官民要人が記念式典に揃って出席して賑々しく行われました。
以後、一時期は最盛期で衣料メーカーなど韓国企業約120社が進出し、約5万人の北朝鮮の労働者がこの工業団地で働いていたこともあります。
北にとっては貴重な外貨獲得の窓口であり、韓国企業には低賃金労働者というメリットがありました。
しかし一皮むけば、北は非常な低賃金で使われていることに気がつき、韓国は支払ったカネで核ミサイルを作られていることを知ることになります。
それはいまや頭をペコペコしてモノを請わねばならなかった中国とは違い、な、なんと上目線で「同盟関係」を謳える国が現れたからです。
それがプーチン・ロシアです。
「北朝鮮はウクライナに対する戦争努力を強化するためにロシアに1万人の兵士を派遣したと、この問題に詳しい西側の外交官が10月15日にキエフ・インディペンデント紙に語った。
モスクワと平壌の間の軍事的関係の深化に対する懸念は、今週劇的にエスカレートした。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10月13日、ロシアがウクライナへの全面侵攻を支援する計画には、今秋の「北朝鮮の戦争への実際の関与」が含まれると述べた。
西側の外交官は、キエフ・インディペンデント紙に、彼らがどのような兵士なのか、あるいは彼らの役割が何であったのかは不明だと語った。キエフ・インディペンデント紙はウクライナ外務省に連絡を取ったが、記事掲載時点では回答は得られていない。ウクライナの軍事情報機関(HUR)はコメントを拒否した。
ロシアと北朝鮮が軍事関係を深める中、西側の外交官や専門家は、ウクライナでコストのかかる戦争を続けるために、モスクワが資源の必要性が高まっていることを示していると強調している。
2019年から2022年までモスクワに駐在した英国の国防担当官、ジョン・フォアマンCBE氏は、キエフ・インディペンデント紙に対し、「これは、ロシアとその軍が過去2.5年間で北朝鮮に支援を懇願し、借り入れ、購入しなければならなくなったことを明確に示している」と語った。
今年初め、両国はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の平壌訪問中に相互防衛協定に署名した。
同盟の一環として、北朝鮮軍は翌月、工兵部隊がドネツク州の地上でロシア軍に加わると発表した」
北朝鮮はロシアに10,000人の兵士を送った、と西側の情報源は言う (kyivindependent.com)
パレード用軍隊です。
また別の情報では3千人派兵したという情報も存在します。
「英BBCロシア語版などは15日、複数のウクライナ情報機関関係者の話として、最大3000人の北朝鮮兵の部隊がロシア極東ブリヤート共和国ウランウデ付近の露軍基地で、訓練を受けていると報じた」
(読売10月17日)
ロシアへ派遣された北朝鮮兵、ウクライナが侵入のクルスク州に展開か…「18人逃亡」報道も : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
ただし、これに関する映像や文書の証拠は見つかっていません。
しかし、非常に信憑性があるニュースで、これが真実ならば北は砲弾やミサイルなどの武器だけではなく、兵員も数千から1万人規模で派兵していることになります。
いままで北が一定数の軍事要員をロシアに送っているとは言われていましたが、それは輸出したミサイルの軍事コンサルタントであって、現実に前線に出てドンパチやる兵員とは思われていませんでした。
送り込まれた北の兵士は、いったんブリヤートの基地に送られ、そこの身分証がロシアから与えられているとの情報もあります。
ブリヤートはもっとも召集をかけられた少数民族地域で、多くの戦死者を出しています。
ブリヤート人はアジア系ですから、偽装するにはうってつけです。
ロシアは少数民族の兵士たちを、ほとんど訓練もないまま戦場に送っていましたので、北の兵士もこのような使われ方をするであろうことは想像がつきます。
北とロシアは今年10月14日に朝露相互防衛条約を締結しています。
ロイター
「モスクワ 15日 ロイター] - ロシア大統領府のペスコフ報道官は15日、6月に北朝鮮と締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」について、あらゆる分野での戦略的協力を定めていると指摘。ただ、条約に盛り込まれた相互防衛条項を実際にどのように運用するかについては言及を避けた。
同条約はプーチン氏が6月に北朝鮮の平壌を訪れ、金正恩朝鮮労働党総書記と首脳会談を行った際に署名。相互防衛条項についてはどちらかの国が侵攻された場合、防衛支援を提供すると説明していた。
ペスコフ氏はこれに基づき朝鮮半島での紛争でロシアが北朝鮮を支援する、あるいはロシアが西側諸国と衝突した場合に北朝鮮がロシア側につく可能性があるという意味か問われ、条約の文言は「極めて明確」で説明の必要はないと応じた。
同条約は「安全保障を含む全ての分野での真に戦略的で密接な協力を意味する」と語った。
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は今週、北朝鮮がロシア軍に人員を派遣していると非難した」
(ロイター10月14日)
ロ朝相互防衛条項は「明確な内容」とロ大統領府、運用には言及せず | ロイター (reuters.com)
現在、北朝鮮はロシアに膨大な軍事支援を送っているのは知られた事実でした。
その供給量はなんと砲弾を100万発。
大砲こそ生命、戦場の女神とあがめるロシア軍の実に2カ月分だそうです。
というか、100万発でもたった2カ月分でしかないというべきでしょうか。
いくらあっても足りませんから、ロシアはあればあっただけ買うはずです。
正恩はここにビジネスチャンスを見つけたのでしょう。
「米紙ワシントンポストは4日、今年のウクライナ戦争の膠着状況を振り返る深層企画記事で、韓国製の155ミリ砲弾がウクライナに間接支援された過程を紹介した。その量は最大で33万発に上る。一方、北朝鮮はロシアに100万発の砲弾を提供したとされる。ウクライナ戦争はなお長期化の様相を見せている。今後も朝鮮半島からの直接間接の弾薬供給が続く可能性は高い」
(デイリーNK2022年12月6日)
ウクライナに30万発の韓国製砲弾、ロシアには北朝鮮から100万発…米紙など報道 #専門家のまとめ(高英起) - エキスパート - Yahoo!ニュース
しかしそれにしても、いままで盟友のベラルーシでさえ派兵を渋っていたのに、砲弾のみならずいきなり大規模な派兵をしたとは。
これで北はロシアとガッチリ組んで、地獄の底までおつきあいするということになります。
兵隊を輸出商品とした飢餓輸出です。
飢餓輸出というのはいままで歴史的に幾度も記録されています。飢餓輸出とはこのような意味です。
「国際収支の赤字を是正し、必需物資の輸入に必要な外貨を獲得するために、国民生活を犠牲にして輸出を強行することをいう。 外貨の蓄積が不十分だと、生産活動に必要な原材料など一国の経済に不可欠な物資を輸入することができず、十分な経済成長も望めない」
飢餓輸出(キガユシュツ)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)
ウクライナも1932年から1933年にかけてソ連によって穀物が強制徴発されたために、ホロモドールと呼ばれる人為的な大飢饉が起きました。
今回は穀物をもらう代わりに兵隊を送っているわけです。
その見返りで穀物や燃料も入ってくるのですから、正恩は機嫌がいいはずです。
これで正恩は生命をとうとう売り始めたということになりますが、いささかも良心は痛まないのでしょう。
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この件はホント憂鬱、いや~な感じしかしません。
塹壕の穴掘りをさせているような報道がかねてからありましたが、すでに一部は実戦に投入して前線に出しているとの情報もあり。
これ、共同作戦など北朝鮮軍部隊云々の主体性などなく、人民を対価をもってプーチンに差し出しているもので、自国民を奴隷として取引しているという姿にしか理解出来ません。
シベリアに出稼ぎに出させて劣悪な環境におき、その対価は北朝鮮国家が得るといった外貨獲得の手段がおおやけになっていましたが、その延長線・兵士版です。
正恩が狂っているのは既知ですが、プーチンはもう本当にだめかもしれません。ここまでせねばならないほど行き詰っていて、モスクワでハンバーガー食ってる連中は知らぬ顔。代わりに死ぬのは地方の貧しい少数民族であり、北朝鮮人民です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年10月17日 (木) 22時49分