出ました!立憲の低体温経済政策
立憲が新しい選挙公約を出しました。これがスゴイ。
これが実現した暁には石破ショックなんぞ軽い軽い。
ゲルより悪いノダ。
「立憲民主党は7日、次期衆院選の公約を発表した。自民党派閥の裏金事件を踏まえ、政治の信頼回復を最優先課題と位置付け、企業・団体献金の禁止や政策活動費の廃止など、政治資金規正法の再改正を打ち出した。
公約は「政権交代こそ、最大の政治改革」と題し、政治改革など7本柱で構成。国会議員の世襲を制限するため、親族間で政治資金の引き継ぎを禁じる措置などを提起した。
過去の国政選挙で主張した消費税減税は盛り込まず、給付と減税を組み合わせる「給付付き税額控除」導入を明記。日銀の物価安定目標を現在の「2%」から「0%超」に変更するなど金融政策の転換を強調した」
(時事10月7日)
立民、企業献金・政活費を禁止 物価目標「0%超」―衆院選公約:時事ドットコム (jiji.com)
時事
うっひゃー、わかって言っているのかな、「物価目標0%」って、今の物価上昇率が2%ですからゼロにするためには金利をさらに上げねばなりません。
金利を植田日銀がわずか0.25%上げただけで株価は暴落して植田ショックとまで騒がれたんですが、これでも足りないもっと上げてしまえ、というわけです。モンスター級タカ派です。
植田日銀ですら今年の初めにはこう言っていました。
「植田総裁は、物価の先行きについて、「来年度にかけて2%上回る水準で推移したあと、2025年度はプラス幅が縮小すると予想している。前回の展望レポートからの比較で見ると、来年度の見通しは下振れているが、これは、このところの原油価格下落の影響が主因だ」と述べました。
その上で、「この間、消費者物価の基調的な上昇率は、見通し期間終盤にかけて、2%の物価安定の目標に向けて、徐々に高まっていくと見ている。先行きの不確実性はなお高いものの、こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっていると考えている」と述べました」
(NHK1月23日)
【詳細】日銀 植田総裁会見 “2%の物価安定目標 少しずつ確度高まる” | NHK | 日本銀行(日銀)
いいですか、植田総裁は「2%の物価安定目標に近づいている」という見込みを述べ、これがこの春闘で物価上昇に賃金がやっと追いつくのではないか、と楽観していました。
しかしまだ経済は充分に温まっていません。
コロナの低体温と凍傷からやや持ち直したものの、コロナ以降徐々に回復した個人消費の伸びはいまだ鈍化したままです。
その指標となるのが個人消費対GDP比の数字です。
個人消費は2024-06年に54.2 %を占めていますが、これが日本のGDPの背骨です。
しかしこれが回復しつつあるとはいえ、コロナ前に戻っていません。
2023年7~9月期の実質可処分所得は前期比-0.5%と4四半期連続で減少しており、これがデフレ脱却の足を引っ張っています。
こんな状況で利上げして、カネを借りにくくしたら企業はどうなるのでしょうか。
わかりきっています。設備投資を抑え、賃上げを我慢するのです。
今月のグラフ(2024年2月)個人消費の今後のリスク要因 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング (murc.jp)
「2023年に入って家計の名目可処分所得の増加ペースが鈍化する中、物価上昇が続いており、2023年7~9月期の実質可処分所得は前期比-0.5%と4四半期連続で減少した。こうした所得環境の下、コロナ禍で落ち込んだ後、緩やかながらも回復傾向で推移してきた実質個人消費は、このところ伸び悩んでいる」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング (murc.jp)
こういうしこった時期に「物価目標0%」だ、なんてよく言えますね。
たぶん立憲の人らは、「物価目標ゼロ」といえば、庶民がああ、そうかスーパーの値上がりが止まるんだな、と喜ぶとでも思っているのでしょう。
ワイドショー民はこれに引っかかるかも知れませんが、今の諸物価の値上がりは政府が「物価上昇目標ゼロ」と宣言すればなんとかなるものではないのです。
確かに今の物価上昇率は、2022年10月に前年の同じ月と比べて3.6%上昇しました。
その原因は複雑です。昨今のさまざまな内外の要因が絡み合わさっています。
まず原材料の物価高騰があります。
たとえば新型コロナによる人手不足、サプライチェーンの混乱、そして外的要因としてはウクライナ戦争による穀物や資源価格の高騰、日米金利差による急激な円安の進行などです。
これらが複雑に絡まり合って企業の生産コスト増加に拍車をかけ、いわゆるコストプッシュインフレが起きています。
そして企業が今まででと違って、企業努力では耐えきれずに価格に転化し始めた時期に当たっています。
政府ができることは、景気を温めてデフレから抜け出し、民間のカネが足らない部分は国が財政出動をして埋めてやり、様々な税や社会保障の負担を減らして実質可処分所得を引き上げてあげることです。
そして景気に水を差す増税や日銀利上げは景気が加熱するまで凍結します。
しかし立憲は逆方向に行こうとしているようです。
立憲は本能的にデフレ社会が好きなようです。
リベラル左翼は好景気の中では存在感がなくなるために、いつも社会が暗く、格差が開き庶民が悲鳴を上げているほうが自分らの主張が受け入れられると思っているようです。
だって、「世直し」できますもんね。
だから朝日に集うベラル文化人の人たちって、昔から成長は人類の敵だ、資本主義は人類の敵だ、社会主義が理想なんだぁ、くらいに言っています。
立憲の直接の先祖である民主党は、政権を取った時のキャッチフレーズが「コンクリートから人へ」でした。う~んなかなカッコいいぞ。
そして事業仕分けをしてビシビシ財政投資を削りまくったのですよね。
その仕分けのボスが枝野氏であり、巫女役がレンホーさんでした。
彼らはまことに財務省の良き子でした。
その結果どうなったのでしょうか。具体的に見ておきましょう。
民主党が政権を取っていた時代、2009年から2012年の株価を見ておきましょう。
バブル崩壊後の最安値7054円という阿鼻叫喚の値をつけています。
この時期、経済が体温を失って失血状態になっているということを現しています。
【図解】日経平均株価の長期推移(THE PAGE) - Yahoo!ファイナンス
次にインフレ率推移を見てみましょう。
同じく2009年から2012年の期間に注目してください。
日本のインフレ率の推移 - 世界経済のネタ帳 (ecodb.net)
自民から民主党に政権交代した瞬間、今まで3%くらいいだったインフレ率が一気にマイナスに振れ、2013年に自民に戻った瞬間に上っているのがわかります。
この時期、中国の回し者とすら言われる白川日銀総裁の金利政策の失敗も重なって、日本のデフレを長引かせドロ泥沼化させたのです。
野田氏はまたここに戻したいようです。
そんなことをしたら景気は腰折れし、失業率は確実に増えます。
これも完全失業率の推移で抑えておきましょう。
民主党政権下2009年から12年をご注目ください。悲惨なもんですよ。
民主党が政権を取った瞬間、完全失業率は5%の大台を越え、2013年に自民がアベノミクスを経済に取り入れとたん、ストンと落ちています。
アベノミクスの最大の果実は、景気不要による失業者低下なのです。
11月の全国の完全失業率2.9% 4か月ぶり2%台に|NHK
よくアベノミクスは富者のみ富んで貧者は飢えたということを言う者がいますが、そうではありません。
企業が富み、社会が富めば、勤労者たる国民も富むのです。
それがわかる幸福の指数が失業率低下です。
FOMC(連邦公開市場委員会 )の金利決定に際して、米国雇用統計などが大いに影響を与えているのはそのためです。
昨年度の完全失業率 2.6% 前年度から横ばい | NHK | 雇用統計
日本は現況で2.6%で推移しています。
これは漠然とこの数値になっているのではなく、2%を物価上昇率を目 標とし、これを持続的・安定的に実現することを目 指して金融政策を運営しているからです。
そしてさらに、立憲は公約で最低賃金を1500円などと言い出しました。
そんなことをすれば、失業が増えるに決まっているでしょうになぜ分からない。
立憲には中小企業を経営した者はいないのですか。
最低賃金を上げれば国民は喜ぶ、そんな簡単なことではありません。
今年の賃上げは大きかったとよく言われますが、しかし悠々と賃上げができたのは大企業だけです。
なぜなら大企業の多くは円安の恩恵を被って業績が順調だからですが、一方その下請け孫請けの中小企業はどうかといえば元気がありません。
賃上げをせねばいい人材が来ない、だから大企業に賃上げに同調して上げた、しかしその経営実態は苦しいからです。
下図は濃い青色は業績が好調での賃上げした企業、青い斜線は業績の改善がないが賃上げした企業の割合です。
「賃上げ実施予定企業(「業績が好調・改善しているため賃上げを実施(予定を含む)」もしくは、「業績の改善がみられないが賃上げを実施(予定を含む)」と回答した企業)を100とした場合の「前向きな賃上げ」と「防衛的な賃上げ」の割合をみると、「前向きな賃上げ」が40.9%なのに対し、「防衛的な賃上げ」は1月調査(60.3%)より1.2ポイント減少したものの59.1%と、6割近くにのぼった」
中小企業の7割超で賃上げを実施・予定、正社員で4%以上の賃上げを行う企業は3割台に(2024春闘における賃上げの状況:ビジネス・レーバー・トレンド 2024年7月号)|労働政策研究・研修機構(JILPT)
この業績が改善していないのに賃上げ」ということを防衛的賃上げと言いますが、この割合が6割です。
こんな状況で最低賃金を一気に1500円に上げたら、いったいどうなるのか子供でもわかりそうなものです。
大企業はすでにこんな最低賃金なんか軽くクリアしていますから、最低賃金上昇の負荷を中小企業がもろに被ることになります。
たぶん中小企業の倒産が激増するでしょう。
立憲は民主党時代の経済政策について反省と総括がない、だからこわいのです。
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マスコミに踊らされて裏金に夢中になっている国民が多いのが心配です。
経済が良くなり生活が楽になることが自分にとっては重要なのに、自分の生活と何の関係のない不記載を裏金と思い込まされ正常な判断を失っている人が多いと感じます。
岸田、石破政権は倒れてほしいが、野党に政権を絶対渡さないように、選挙では冷静に判断して欲しいです。
投稿: らんちゃん | 2024年10月10日 (木) 05時45分
どうあがいても政権復帰などあり得そうもないので、立憲の主張など眼中に入ってませんでした。そこで改めて公約を拝見すると、いかにどうしようもないと思われる石破総理でも、立憲のやろうとしている公約などに比べれば素晴らしく立派に見えます。
つまるところ立憲に経済政策などなく、それは市場や金融が理解できず市井の状況にさえ関心がないから。
「最賃を上げれば消費が拡大する」とか、韓国の共に民主党うりふたつ。それで商店がどれだけ潰れたか?そもそも反アベノミクスが党是なので、それそのものが彼らの経済政策です。
最も狂ってるのが、辺野古の件。
「辺野古移設工事は中止し、沖縄の基地のあり方や地位協定の見直しについて米国に再交渉を求める」とか。かように浮世離れした連中です。それでいて「自民の保守層を取り込める」などと、うすら寝言が過ぎます。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年10月10日 (木) 09時05分
今回は国民民主に入れようかと思ってたんですが
「辺野古の埋め立てを中止して県民を尊重したプランを練り直す」
といった2年前の内容をそのままにしてるのがネックですね。
その間に最高裁判も終わって埋め立て工事も進んでいるというのに政策は更新されていないというのはちょっと…
そもそも安保関連の需要事項なのに立民と同じスタンスなのかとても不可解でなりません。
投稿: しゅりんちゅ | 2024年10月10日 (木) 12時19分
日本殺すには刃物は要らない、立民政権出来りゃ良いですね。
一応、立民にも経済ブレインいるみたいですよ。どんなブレインなんですかね?
投稿: 一宮崎人 | 2024年10月10日 (木) 13時11分
先日、ドイツが二年連続のマイナス成長になりそうだと報道されていましたが、左巻きの社会主義志向を続けていると、結局はこんなことになってしまうんですわ。あのVW社さえ、工場をドイツ国外へ移転しようとして、労組とモメてます。日本もこのまま、法人税を上げて老人福祉へまわしたり、環境保護政策でマスかくような、そんな社会主義色を強めると、トヨタの工場が日本を出て行くというジョーダンのようなことが起こりますわ。
JAPAN AS NO.1と言われるまでになった日本が落ちぶれた直接的な原因は、諸外国との競争に負けたからですわ。たいして儲からない国になってしまったんで、豊かになれそうもない国民が漠然と将来不安になってしまい、「今日も元気だ、メシが美味い、明日もガンバロー!」という元気玉が無くなってしまった。「元気があれば何でもできる!」と、あの猪木さんも言っているのに。
社会主義の政策では、資本主義の原動力であるアニマルスピリッツを殺してしまいますわ。立憲民主党の政策の根っこは全て、社会主義の大きな政府が民間企業をコントロールして弱小国民の面倒をみてやる、というパターナリズムですから、増々、諸外国のハングリーな人達との競争に負けて、彼らが日本を追い越して豊かになっていきますわ。三十年ほど前なら、中国・インド・タイ・ベトナム・インドネシア・マレーシアなどクソ貧しい国だったのに。その時分の台湾と言えば、おぢさん達が団体でコソコソお忍びで遊びに行くイメージの国でしたねぇ。
岸田前首相やそれを引き継いだというゲル首相の経済政策も(似非)リベラル志向なんで、立憲民主党よりはまだマシですが、その政策はまどろっこしいですわ。安倍さんの遺志を継いで、モリカケサクラ騒動でウヤムヤになってしまった"第三の矢"を波状攻撃で放って欲しい。もう、べらぼうに高価なものについた"第一の矢""第二の矢"の効果は、(悪い方の)インフレが頭をもたげ始めたんで、そう長く保ちませんわ。既存タクシー会社の「臨時ドライバー制度(なお車両は持ち込み)」に矮小化されてしまった日本版"ライドシェア"なんて、もう喜劇を通り越して悲劇ですわ。
投稿: アホンダラ1号 | 2024年10月11日 (金) 00時02分