わが国、3度目のテロを許す
またまた政治テロが起きました。
今度狙われたのは政党本部と、首相官邸です。しかも選挙中です。
選挙中に「オレが出られないから」という幼児のようなことを喚いて火炎瓶を投げ、ガソリンを大量に積んだ車を首相官邸に突入させました。
「東京都千代田区永田町の首相官邸や自民党本部に火炎瓶や発煙筒のようなものが投げられた事件で、警視庁に逮捕された埼玉県川口市の職業不詳、臼田敦伸容疑者(49)は、交流サイト(SNS)上で、選挙の供託金廃止を訴えていたことが19日、分かった。
臼田容疑者のものとみられるアカウントは、SNS上で「なにが首相公選制だよ。その前に制限選挙をどうにかしろ。選挙供託金制度を廃止しろ」「300万円供託しなければ立候補できない選挙なんて何回やったって意味がない」などと投稿していた。
(産経10月19日)
首相官邸に突っ込もうとした男 SNSで供託金廃止訴え 過去には原発再稼働反対運動にも参加 - 産経ニュース
このテロリストは、自民党本部に火炎瓶を5本投げ込み自動車で逃走。
数百メートル離れた首相官邸の防止柵に突っ込み、自動車から降りて薬液を散布したり発煙筒を警察官に投げつけ、公務執行妨害の現行犯で逮捕されました。
こんな重大テロをしてもただの公務執行妨害です。
もちろん後から罪状は沢山つくんでしょうが、のどかな国です。
わが首相の弁。
まず、襲撃の当日の発言。
「19日午前、鹿児島県薩摩川内市での街頭演説の冒頭、「私どもは、民主主義がこういう暴力に屈することがあっては絶対にならないと思っている。選挙の期間中にこのようなことが発生をした。この選挙、そして民主主義が暴力によって破壊されることがない、そして何よりも国民、市民の安全が、安心がきちんと守られるように、今後とも万全を尽くす」
(朝日10月19日)
石破首相「暴力に屈してはならない」 火炎瓶事件うけ街頭演説で訴え [自民]:朝日新聞デジタル
「暴力に屈してはならない」という発言は、野党の野田氏が言うならいいでしょう。野田氏にはなんの権限もありませんから。
しかし、国家権力の頂点にいる人物が「暴力に屈しない」はないもんです。
いままで斜に構えていたからこういう言い方になります。これではまるでただの被害者の台詞です。
首相がやるべきは暴力に「屈しない」ではなく、「根絶する」ことを誓うことです。
このどこか傍観者の態度は改まるどころか、次はこうです。
「石破首相は冒頭、前日の事件に触れた上で「最近、警備がものすごくきつくなってしまった。世の中大変物騒になった。こんなに離れた場所からしゃべるのは好きではなく、皆さま方の中に入って、手を握ってお願いをしたい」と語った」
(紀伊民報10月21日)
「世の中大変物騒に」 厳しい警備態勢の中、石破首相 和歌山県海南市で演説(紀伊民報) - Yahoo!ニュース
「世の中たいへんに物騒がせになった」はないでしょう。「物騒がせ」という認識のようです。まるでひとごと。
この人の最大の欠陥である「他人ごと」と「斜に見る」癖は、自分の党本部と官邸が襲撃されても治りません。
ため息しか出ません。
産経
車には20個ものガソリンが積んであったそうですから、わずかの火で着火します。
ガソリンはただ燃えるのではなく、爆発物同様の効果があります。
その場合、周囲十数メートルに及ぶ火球が発生し、警備の警官多数を巻き込んで殉職者を出した可能性があります。
いわゆる自爆テロです。
これがホワイトハウスに自動車で突入を企てたのなら、問答無用でその場で射殺されたでしょうが、わが国は世界有数のテロリストに優しい国でしたから身柄拘束ていどで済みました。
日本に欠けているのは、現代が「テロと戦争の時代」だという厳しい認識です。
だからテロリストに対して世界一大甘な国となってしまっています。
いやむしろ、メディアに至っては、テロリストらが自分らと親和性のある主張を持つせいなのか、彼らを「抵抗者」として讃美する始末です。
メディアはこのようなことを教えてしまったのです。
「大丈夫だよ、手製銃器で首相を殺しても義士として仰がれるし、死刑になることはない。手製爆弾を投げつけてもたいしたことはない。目的が正しければナニをしても許されるんだ」、と。
かくして手製銃器や爆弾を持った素人テロリストが首相を暗殺し、ガソリンを大量に積載した車両で首相官邸を襲うようなテロ事案が続々と生まれるということになります。
そしてやがて彼らは本物の銃器と爆弾、ロケット砲で武装することになるでしょう。
そんなものは海の外には溢れているのですから。
また海外テロリストが日本を標的にしないと思い込んでいることも解せません。
もしこれがハマスていどのレベルのテロリストが実行した場合、官邸正門を警備していた警官隊は一瞬で全滅、そのまま官邸本館にまで突入されて占拠されるか、爆破されていたかもしれません。
首相が居た場合、身柄を取られて人質ということもありえました。
SPという身辺警護陣もいますが、安倍氏暗殺を許したことを見るかぎりまったく木偶の坊です。
その場合、今やっている選挙はここで中断。
日本は民主主義がテロに屈したくにとして世界に認識されるはずです。
いずれにしても、SATを自民党本部や官邸の門の付近に常駐させたほうがいい時期になったようです。
日本もローンオフェンダー対策を全国で統一した司令塔を作るようです。
「警察庁は今年4月、全国の警備、公安部門に司令塔を置き、兆候情報を一元化する態勢を構築。警視庁公安部は来春、これまで2つの課に分かれていた、情報集約と、爆発物の材料となる市販品の購入者への身分確認など対策を専従で担当する課を新設する方針だ。
警察当局は現場の警察官が把握した情報の吸い上げとともに、サイバーパトロールや人工知能(AI)を使ったSNSなどの文脈解析も取り入れ、兆候の察知に努めている」
(産経10月19ニチ)
選挙期間中の「テロ」再び 兆候つかみにくい「ローンオフェンダー」、態勢強化の途上(産経新聞) - Yahoo!ニュース
しかし、このようなタイプのテロリストは党派には加わらず日常的には「市民」の顔をして暮らしていますから、この網にひっかからないでしょう。
そしてこのような男を「やむにやまれぬ抵抗者」として褒めそやすメディアがある限り、増えることはあっても減ることはありません。
この男についてはいくつかの情報がありますが、あえて一切記さないことにします。
テロリストにとっての報酬は、動機の拡散ですから。
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マスコミはどうだか知らぬが、良識ある世間の人々は、この男の主義主張や動機が違法行為によって知られ、広められていいはずはないこと、この男が選んだ手段は徹底的に非難され、相応に罰せられて当然であることを既に学んでいる。
このような行為は許されない「が」〜、の話法は必要無い。
このような人物が現れるのをゼロにできない以上、失うだけで得るものは何も無いようにするしかない。
統一教会と自民党の件を散々に弄るマスコミに望むのは。
この男とれいわ新選組との関係は事実どの程度であるのか、そして、ガソリンのポリタンクへの給油は禁じられ、携行缶でも客が自ら給油することは禁じられ、京アニ事件で消防法が厳格化されて以降、有人サービスのスタンドでも販売を自主的に止めたりしている中で、この男のガソリン調達の経緯がどうであったのか、そういう情報。
投稿: 宜野湾より | 2024年10月22日 (火) 10時33分
「暴力に屈しない~と思っている」とか、逆に「暴力に屈すべし」と思い・考えている政治家が誰かいるんかい? と突っ込みたくなるくらいに無意味な言葉です。まぁ、公約が「ルールを守る」ですからね。
死んだ言葉しか発せない総理大臣。
でも、昔は違ってました。民主党政権時代の国会質問では、まさに気を吐いた迫力もあった。演説もそう。今のようにもごもごと間延びもせず、キレキレの場面もありました。
そうすると、年の取り方が悪かったのか? できるだけ客観的であろう事を、斜に見る事のように考え違いをしているんだと思います。
それはそうと、今回の警察官は適切なタイミングでしっかり銃口を向ける事が出来たようです。それが無かったら、もっと大事になっていたでしょう。
この犯人、政治的背景も複数取りざたされてますが、記事同様に拡散されるべきではないと考えます。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年10月22日 (火) 17時12分
宜野湾さん
自動車の燃料タンクからガソリンを抜くことは可能です、違法ですし危険だけど。
投稿: 多摩っこ | 2024年10月23日 (水) 00時33分