安倍昭恵さん、トランプ邸招待へ
毎日よーもこう嫌なニュースばかり続くんだと暗澹たる気分ですが、すこしだけいいニュース。
首脳外交はこうやるんだ、という見本を安倍昭恵さんが見せてくれました。
「安倍晋三・元首相の昭恵夫人が訪米し、今週末にもトランプ次期大統領のメラニア夫人と面会する方向で調整していることがわかった。トランプ氏と面会する可能性もある。
関係者によると、昭恵氏はフロリダ州にあるトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」に招かれている。安倍氏はトランプ氏が第1次政権在任中に蜜月関係を構築し、昭恵氏も両首脳の夕食会に何度も同席し、トランプ氏とも面識がある」
(読売12月12日)
安倍昭恵氏、今週末にもメラニア夫人と面会へ…トランプ次期大統領とも会う可能性 : 読売新聞
メラニアさんってスーパーモデルみたいな容姿がかえって仇になってなにも考えていなさそうなかんじがして損をしていますが(失礼)、なかなかの外交達者な方です。
日本にトランプが来た時は、昭恵さんとふたりで夫人外交を楽しんでいかれました。
2018年には、トランプは安倍夫妻をフロリダ州の邸宅「マール・ア・ラーゴ」に招待し、会談や夕食会を開き、安倍氏が22年に暗殺された時も、SNSで心情あふれるコメントを残しています。
NHKで番記者をしていた岩田明子氏はこう述べています。
「岩田明子さん:トランプさんから、安倍さんが退陣した後も手紙がしょっちゅう来ていた。 例えばゴルフのマスターズで松山英樹さんが優勝した時に、優勝の新聞記事に『おめでとう』ということを書いて、サインをしたものを安倍さんのところに送ってきて、『これ松山さんに渡してください』っと言うんです。
直接渡せばいいじゃないかと言うのですけれど、『いやシンゾーから渡してくれ』ということで、いろいろな手紙が来る関係でした」
(FNN12月13日)
トランプ氏が安倍昭恵さんに「就任前に会いたい」気持ちか 「シンゾー…」送られ続けた手紙 安倍元首相を20年以上追った番記者・岩田氏が明かす秘話(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
こういう関係のどこまでが私的で、どこからが公的なものなのでしょうか。
ここからはオフィシャル、ここからはプライベートと分けられません。それはなだらかにつながっているのです。
昭恵さんは英語が達者なので、通訳なしでしゃべれますから、今回もメラニアさんから電話が来て招待を受けたのだとか。
昭恵さんがモリカケでいじめ抜かれていた時には、メラニアさんは海の向こうで自分の境涯とかさねあわせて胸を痛めていたと聞きます。
安倍晋三首相の昭恵夫…:ファーストレディー メラニア・トランプさん 写真特集:時事ドットコム
外交というのは抽象的なものではありません。あんがい泥臭いのです。
たとえばG7の会議ではこんなこともままあるようです。
トランプはいつも渦中の人でした。
下写真の時は、トランプの高関税に対する報復関税をG7のヨーロッパ諸国からもとめられましたが、安倍氏はぬらりくらりとすり抜けています。
というか、トランプと良好な関係を持つ首脳は安倍氏しかいないので日本を追い詰められなかったのです。
G7首脳会談の1枚 この写真には誰と誰が - BBCニュース
ちなみに番号が突いている人たちは、①ドナルド・トランプ米大統領、②ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、③山崎和之外務審議官、④安倍晋三首相、⑤西村康稔内閣官房副長官、⑥アンゲラ・メルケル独首相、⑦エマニュエル・マクロン仏大統領、⑧テリーザ・メイ英首相、⑨ラリー・クドロー米国家経済会議(NEC)委員長、です。
この写真はメルケルが出して来たもので、怒る女教師と不良少年といった図柄ですが、トランプ自身は「あの写真はわれわれが文書を待っているところだ。実際には、われわれはあまり関係ない事柄について、グループ全体で話をしていただけだ。非常に友好的だった」と言っています。
こういう写真を出してきたというのは、メルケルの国内向けでもあるのです。
首脳外交は、こういう厳しいやりとりもすれば、人と人との「つながりと友情」のパイプで構築もされています。
外務省は官僚であって、会談で語ることに口ばしを入れることはできません。
主導権はあくまでも政治家であって、人物があって、人と人がどの資格で、誰になにをしゃべったのかが大事なのです。
といっても軽い神輿の首相ではお役人のいうがままですが。
今回ならば(来月末には「現」に変わりますが)、次期大統領夫人であるメラニア夫人が、夫の親友だった故安倍首相夫人である安倍昭恵氏を招待した、という形式をとりました。
お互いに今の立場なら私人として対等な関係であり、友人を私邸に招いたという形式をとったのです。
来月からはこうはいきませんが、今トランプの就任前というのが決定的に重要です。
ここからなにがわかるでしょうか。
ひとつには、トランプとメラニア夫人は、安倍氏の自宅に直接電話をしてくるようなフランクな関係だということです。
かつてのトランプは、一日数回の電話をしてきたこともあったとか。
これは多くの世界の首脳に取って垂涎の仲でしょう。
他の国の首脳はそもそも会えませんし、ノートルダム寺院の再建式典は僥倖ということになります。
マクロンの得意そうな顔がかわゆい。
CNN
「(CNN) 米国のトランプ次期大統領は7日、仏パリでノートルダム大聖堂の再開を記念する式典に出席し、マクロン仏大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領との3者会談などで国際舞台への復帰を果たした。
3者会談はマクロン氏が提案し、非公開で30分あまり続いた。
トランプ氏はウクライナでの戦争をただちに終結させると公約しているが、ウクライナ支援国の間では同氏がロシア寄りの停戦や和平を迫るのではないかとの懸念が指摘されている。
ゼレンスキー氏は終了後、SNSに「有益で実りある」会談だったと投稿。「我々はみんな、この戦争ができるだけ早く公正な形で終結することを望んでいる」「いつもながらトランプ大統領の決意は固い」と述べた。
マクロン氏は式典に先立ち、大統領官邸でトランプ氏を出迎え、固い握手を交わした。トランプ氏が自身の1期目政権での緊密な関係を振り返ると、マクロン氏はトランプ氏の訪問を「国民の大きな栄誉」と歓迎し、「お帰りなさい」と声を掛けた」
(CNN12月6日)
トランプ氏、ノートルダム大聖堂再開式で国際舞台に復帰 仏大統領らと会談 - CNN.co.jp
こういう機会を逃さず、ゼレンスキーまで駆けつけて、みっちり和平問題の協議をしたようです。
そしてわかることのふたつめ。
哀しいことに、ゲル首相はテッテイ的に外交オンチだということです。
このノートルダムの式典に、私もクリスチャンでんがなと言ってなぜ行かない。
国会があった?弾丸訪仏するのですね。
なぜこうも石破氏はポイントははずしまくるのでしょうか。
外交の仕切りを丸ごとあの無能な外務省に丸投げしているためにこのていたらくです。
外務省の持つ外交ルートは、カウンターパートの国務省にアクセスするのが精一杯です。
しかし、今、ワンシントンDCは上へ下へ大騒ぎです。
今の民主党系職員は全部お払い箱で、続々と共和党系シンクタンクから乗り込んで来る新スタッフと引き継ぎの真っ最中です。
会いたければ、直接になんらかのトランプの私的チャンネルにコンタクトするしかなかったのですが、今の官邸にトランプはおろか共和党系のパイプがありません。
唯一トランプと懇意なのは、激しく石破氏を嫌悪している麻生さんくらいなものです。
トランプは石破氏が、安倍氏の仇敵だったとよく知っていますから、ゲル氏に対して一片の思いやりもない。
しかも短期政権に終わることなどとっくにご存じです。
仮に会ってもすぐ辞める奴と約束しても無意味ですもんね。
トランプからすれば、さっさともっとマシなのを連れて来いと、日米交渉はそれからだ、というところでしょう。
そして残念ながら、ゲル氏にはこの昭恵さんがトランプ邸訪問してもことづてすらできないのですからダルマさんです。
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安倍総理の頃は、森友問題で名前使われたり飲み屋経営してたりと奔放すぎて困った奥さんだなぁと思っていましたが···それでも安倍さんは何も言わずに放置してたんたから、よほど仲好し夫婦なんだろうな!と。
で、今になって石破総理は袖にされてるのに昭恵さんが絶妙なタイミングで私的にお呼ばれするという意味をゲルは分かっているのかねえ。。
若くてイケメンなだけのピエロ(ウクライナ侵略直前のプーチンからのあしらわれ方とか)かと思ったマクロンは政権そのものが危機なのに絶妙なタイミングで就任前のトランプとゼレンスキーをノートルダム寺院復活に合わせてやるという見事なタイミングてす。
マクロンも無能かと思いきや、ノートルダム寺院火災直後に「5年で直す!」という、当時はそんなこ絶対に無理な大ボラ吹いてると。。。本当に実現したことは見事です!
投稿: 山形 | 2024年12月14日 (土) 08時14分
トランプはヤカラのようだけど、けっこう義理堅いところがあるんですね。
報道では「石破政権など至極短命。あわてて会っても意味なし」と見られていると言いますが、それだけじゃないですね。
石破の掲げた「アジア版NATO」の本質は、ASEANのような米国軽視によるものだと映っているのでしょう。中国様に行きたがってどうしようもない岩屋だとか、両手でキンペーを仰いでしまっている日本の総理なんぞ、すぐには相手にする必要もないと思っているのだと思います。
外務省もダメで、「最大の同盟国だから米国は日本に対して当然に~云々」とかタカをくくって考えてるからアホなんです。
石破政権と外務省の読み違いは、いまだに米・中間を取り持てるがごとき幻想を抱いている事。トランプのような役者の前では、石破や日本の外務省の存在など取るに足らないもの。あとで脅せばどうにでもなる、って考えでしょう。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2024年12月14日 (土) 17時26分