ユン氏の孤独な戦い、支持率が激増
ユン氏の拘束が長期化するおそれがあります。
「ソウル西部地裁は19日、内乱を首謀した疑い逮捕された尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領の拘束継続を認める令状(拘束令状)を発付した。現職大統領が拘束状態で捜査を受けるのは憲政史上初めて。高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)は、尹大統領による「非常戒厳」宣布後の国民向け談話や自筆の手紙、取り調べ拒否、憲法裁判所の弾劾審判への欠席などを理由に「典型的な確信犯」「再犯の危険性がある」と断じ、長期間にわたる拘束の必要性を主張し、それが認められた」
(西岡省二1月19日)
拘束のまま取り調べ・起訴・裁判…韓国の現職大統領、長期収監の可能性 #専門家のまとめ(西岡省二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
分かりにくい展開です。
ソウル西部地裁は、すでに拘束状態にあったユン大統領にいまごろになって逮捕状を発付しています。
韓国ではこれが不思議ではないようですが、逮捕状をとらないと拘束状態を維持することができないということのようです。
おいおい、ならば初めのはなんだったんですか。
「尹氏は15日に発表した談話で、高捜庁を「捜査権のない機関」、逮捕状を発付したソウル西部地裁を「令状審査権のない裁判所」と呼び、「不法で無効な令状」だと訴えていたが、ソウル中央地裁は、そうした訴えを認めなかった。
尹氏の拘束を延長するためには、15日の逮捕から原則48時間以内に新たに令状を請求する必要があった」
(毎日1月17日)
韓国地裁、尹氏の逮捕不当請求を棄却 尹氏は取り調べ拒否続ける(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
ユン氏の主張では、そもそも官邸に侵入して身柄を拘束せんとした公捜庁には捜査権がなく、かつ、それを認めたソウル西部地裁にも令状審査権がないと認識していますから、まったくの不当抑留という認識です。
これでユン氏は、ソウル拘置所の仕切りのあるトイレ、テレビ、マットレス、布団などの備わった待機室から、囚人服を着て、番号を持ったプレートを持たされて指紋を採られ、写真撮影した後に未決犯用収容棟に移されることになります。
まったくの犯罪者扱いです。
おそらく「共に民主党」が捜査を裏で指揮して、こういう強引なことをやらせているのでしょう。
そういえば自称「徴用工」判決の時も、司法は従北派にベッタリでした。
野党は自分らのボスのイ・ジェミョンの裁判は遅らせるだけ遅らせ、ユン氏だけは超特急です。
戒厳令が出た12分後に、なぜか「共に民主党」系の市民だけが通知を受けて、なぜかあらかじ用意されていた大統領糾弾プラカードを持って官邸にかけつけて大集会しているのですから、なんだかなぁです。
こういうじめついた司法権力と親北勢力との結びつきが、国を動かしていることをユン氏は糾弾したかったのでしょうね。
トランプ流にいえば「権力内部のウォーク」というヤツです。
ユン氏はひとり孤独な戦いをする決意ですが、公捜処側は逮捕理由を「非常戒厳」宣布後の国民向け談話や自筆の手紙、取り調べ拒否、憲法裁判所の弾劾審判への欠席、つまりは抗議と抵抗自体が罪に当たるという姿勢です。
証拠隠滅があるなんてことも言っているようですが、官邸に閉じ込められてどうやってできるんだか。
電話使おうにも、盗聴だってしているんでしょうし、PCや携帯だってとっくに押さえているでしょうに。
私は戒厳令騒動当初から言ってきたように、戒厳令そのものには強く反対します。
民主主義の自滅ですし、ユン政権の正統性を既存します。
しかもあの杜撰さでは失敗は必至でした。
ですから結果として、「共に民主党」を勢いづかせ、イ・ジェミョンに政権をくれてやることになりかねませんでした。
現にそう進んでいます。
韓国国民も同じように思うらしく、怒りの矛先はいまや裁判所に向いています。
「米国や日本が立て直してくれ」 尹錫悦氏の支持者ら激高、逮捕状発付の地裁で破壊行為 - 産経ニュース
この孤独なユン氏の戦いは国民の一定の共感を得ているようで支持率が野党を逆転してしまいました。
まぁたしかに、大統領弾劾で味を締めた「共に民主党」は、その後大統領代行の首相まで弾劾、その代行であるチェ・サンモク経済副首相兼企画財政部長官まで弾劾をすると脅しており、出しも出したり出した弾劾が30発。
これではユン氏が議会が親北勢力のために正常な運営ができない、というのを戒厳令の理由に上げたのもなるほどということになりますね。
戒厳令には反対していても「共に」のやり方に批判的だった中間派が、支持に回ったのでしょう。
「ソウル西部地方裁判所が、内乱容疑を受けている尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する拘束令状を発付し、初の「現職大統領拘束」が現実化した。このニュースが伝わり、ソウル西部地法の前に集まっていたデモ隊は、裁判所内に進入し、器物を破損、警察官と物理的に衝突し、連行された。警察は午前6時8分ごろ「現時間で西部地裁の近隣秩序を完全に回復した」と明らかにした。(略)
この日の午前2時59分ごろ、ソウル西部地裁チャウンギョン判事は公捜処が申請したユン大統領の拘束令状を発付した。このニュースが伝わると、午前3時ごろ裁判所の前にいたデモ隊数百人が裁判所に入ろうとした。この過程で警察と現場にいた記者と物理的に衝突し、裁判所の壁を越える試みもあった。警察力のない後門に集まる人たちもいた」
(京郷新聞1月19日)
【速報】「反乱容疑者」 ユン・ソクヨル逮捕...憲法史上初の現職大統領
いかに異議ありといえど、日本では保守勢力が集団で裁判所に押しかけて器物を損壊することなどありえないのでため息が出ますが、こういう院外運動が政治を動かすというのがこの国です。
ユン氏もここに至っては、拒否戦術に頼らずに、堂々と法廷に出て論陣を張ることをお勧めします。
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逆に、政治への不満で一切の暴力の発生しない、日本の方がマイノリティなのかもしれません…
投稿: ねこねこ | 2025年1月20日 (月) 07時52分