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2025年1月22日 (水)

トランプ就任演説の確信と楽天性

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トランプの就任演説は、どなたが書いたのか知りませんが、なかなか叙情的、かつ力強く、いい出来でした。
ともかく明るい楽天性が基調です。
ひょっとして作家のベンス副大統領だったったりして。
トランプ米大統領の就任演説全文(1):時事ドットコム 

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トランプ氏「誇り高く、繁栄し、自由な国に」 就任演説で米国第一鮮明 領土拡大にも意欲 - 産経ニュース

冒頭からテッションが高い。

「この日からわが国は繁栄し、世界中で再び尊敬されるだろう。全ての国の羨望(せんぼう)の的となる。米国がこれ以上つけ込まれることを許さない。トランプ政権下の日々、私は非常に明快に米国を第一に据える。
われわれの主権と安全は回復される。正義の均衡は取り戻される。悪意があり、暴力的かつ不公正な司法省と政府の武器化は終わる。最優先事項は、誇り高く、繁栄し、自由な国をつくることだ。まもなく米国はかつてなく偉大で強く、はるかに例外的になる」

冒頭部分は日本のニュースでやたら引用されますが、「米国第1」はいまさらのことです。
「不公正な司法省と政府の武器か」は、全体を通してほとんど影をひそめている民主党政権へのあてこすりですが、上品にまとめたというところでしょう。
選挙戦では言いたい放題言っていましたからね。こういう攻撃的トーンがないのが、今回の就任演説の評価できるところです。
これを受けてこの一句も素晴らしい。

「国家的成功のわくわくするような新時代の幕開けにいるという確信と楽観と共に大統領職に復帰する。変化の波が国中を席巻している。陽光が全世界に注がれ、米国にはかつてないほどこの機会を捉えるチャンスがある」

これなんだよな、トランプのカリスマ性を支えているのは、と思います。
この「確信と楽天性」を反知性主義とあざ笑い、世界は汚濁と破局の中で滅びようとしているといったほうが文化的だと勘違いしているインテリが掃いて捨てるほどいますが、いやいやこの明るさなくしてトランプという政治家は存在しないはずです。
ハリウッド映画があたりまえのように設定している荒廃しきった近未来にはさせないぞ、というところです。

もちろんうんざりするほど山積した課題は覆いがたく存在するわけですが、それはむしろ外的要因よりも国内の「急進的で腐敗した既得権益層が市民を権力と富みを搾取してきた」せいだと言い切ります。
そのために政府が機能不全に陥って、国境すら守れないとトランプは言います。

「政府は外国の国境を守るために際限なく資金を投じながら、米国の国境とさらに重要な自国民を守ろうとしなかった」

そしてハリケーン禍やロスの大規模山火事を例に出します。
実はロスの大規模山火事の1カ月前、ロス市消防士組合は人員削減をこれ以上止めろと市当局に掛け合っていたのです。
しかし市は応じないまま、この大災害となったようです。
これは国土保全、国民保護をないがしろにしてきたリベラル政治の縮図です。

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CNN

「(CNN) 米ロサンゼルス市一帯が大規模山火事に襲われる1カ月弱前、ベテラン消防士の一団が市庁舎に集結し、人員や装備の増強を求めた。自分たちは「もう限界だ」と、そのうちの1人が訴えた。別の1人は、高額な消防車が稼働できない状態にあると明かした。予算削減のせいでそれらを修理する整備士の数が激減したためだという。
ロサンゼルス市消防組合のフレディー・エスコバー組合長は、「私は人々が言えないことを言う」「一つの仕事を削り、一カ所の消防署を削るなら、ロサンゼルスの住民が最終的な犠牲を払うことになる。命を落とす人が出るだろう」と述べた」
(CNN1月15日)
ロス消防署の人員不足、全米最悪レベル 「もう限界」と消防士 - CNN.co.jp

ただし、「外国の国境を守る」という言い方には引っかかります。
たぶん同盟国支援を批判したいのでしょうが、「外国の国境を守ること」とは、すなわち米国の国境の外堀を守ることなのです。
国内の災害に対する強靱化が遅れているということと同盟国との連携を対立的にとらえるべきではありません。
しかしゲル氏よ、やっと2月頭に会えるようですが、ガッポリ宿題持たされますぞ。

それはさておき、就任演説でもっとも物語性を持ったフレーズがこれです。 

「私たちアメリカ人の祖先は、広大な大陸の端にある小さな植民地の集まりを、地球上で最も素晴らしい国民が集う強大な共和国へと変貌させました。これに匹敵する国は他にありません。
 アメリカ人は、荒々しい未開の地を何千マイルも進んだ。砂漠を横断し、山を登り、数え切れないほどの危険に立ち向かい、開拓時代の西部を制覇し、奴隷制度を終わらせ、数百万人を圧政から救い、数十億人を貧困から救い、電気を利用し、原子を分裂させ、人類を天空に送り出し、人類の知識の宇宙を人間の手のひらに載せた。
 私たちが力を合わせれば、できないことは何もないし、達成できない夢もありません。
 多くの人々は、私がこのような歴史的な政治的復帰を果たすことは不可能だと思っていました。しかし、今日ご覧のとおり、私はここにいます。アメリカ国民の声は届いたのです」

これは別な部分で言っている、「私たちの教育制度が、子供たちに自分自身を恥じること」、「私たちの国を憎むことを教える」のをやめるということにつながっていきます。
リベラルがお得意としてきた「米国は先住民を殺戮し、黒人を奴隷とし、強欲な物質文明と暴力で支配した」というテーゼに対する、保守の側の回答がこれです。
皮肉にもわが国は安倍氏以降、激しく左傾化しています。
その陣頭に立つのが、いつのまにか薄ら甘いリベラル政党に変質してしまった自民党なのですからデスペレートです。
したがってじっとりと湿度が高く、暗く、先行きに希望が持てません。

トランプの個々の政策は、それぞれ矛盾して空想的ですらありますが、それを覆い隠しているのがこの楽天性だということだけはうらやましいかぎりです。

 

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