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2025年2月25日 (火)

白昼の追剥と化したトランプ

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ウクライナ戦争が3年目を迎え、軍事占領下の国土は奪い返さず、戦線は膠着しジリジリとウクライナ軍は後退しています。
しかも時の氏神ヅラをして仲介に入ったトランプは、プーチンナラティブと化して、寸分違わない台詞でウクライナを攻撃する有り様です。

トランプがウクライナに出している条件が次第に分かってきました。

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トランプ大統領 鉱物資源協定「ウクライナと合意近い」(2025年2月23日掲載)|日テレNEWS NNN

「ウクライナは米政府が軍事支援の見返りに鉱物資源収入の分配を求めるディール(取引)の一環として提示した5000億ドル(約75兆円)の基金設立要求に反発している。協議について知るウクライナ当局者が明らかにした。
基金はロシアの侵攻開始以来、戦争で疲弊するウクライナに提供された米国の支援に対する補償となる。ウクライナは実際の額は5分の1程度の900億ドル強だと主張している。交渉は部外秘だとして当局者は匿名を条件に明らかにした。
別の関係者によれば、米国が提示した現行の合意案には疑問の余地のある要素が含まれており、ウクライナのゼレンスキー大統領は承認する用意がないため、交渉をまとめるにはさらに時間が必要だという。
トランプ米大統領は同案を受け入れるようゼレンスキー大統領に圧力をかけているが、両首脳間の緊張は高まっており、ウクライナが最終的な和平交渉から締め出されるとの懸念も強まっている。
ベッセント米財務長官は22日に英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿文で、合意案ではウクライナ政府が天然資源やインフラなどの資産から得る収入を、同国の長期的な復興と発展のための基金に配分することを提案しており、同基金は米国が経済的および統治上の権利を持つと説明。民間投資を誘致するために必要な透明性と説明責任、企業統治が確保されるとした。
(ブルームバーク2025年2月23日)
ウクライナ、鉱物基金の規模に反発-米国の軍事支援の見返り - Bloomberg

トランプは鉱物資源に関する経済協定へのゼレンスキーの署名拒否を受けてを激しく「選挙で選ばれていないコメディアン出身の独裁者が戦争を始めた」と罵りました。
一方で条件緩和をうたった新たな経済協定をウクライナ側に提示しました。
これについてNYタイムスは、20日「実質的に前回バージョンと変わっていない」「幾つかの条件は前回よりも厳しくなっている」「ウクライナは鉱物資源、石油、天然ガス、港湾、インフラからの収益のうち50%を放棄し、この収益は5000億ドルに達するまで米国が100%出資する基金に振り向けられる」「このバージョンでも米国はウクライナに安全保障の提供を一切行わない」と報じています。

そもそもトランプが恩きせがましく5000億ドル(約75兆円)と言っている支援額が正しいのかです。
ドイツのキール世界経済研究所は、各国が表明した軍事支援や人道支援などを含む支援額について、2022年1月から2023年1月15日までの総額をまとめ、今月21日に公表しています。

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ウクライナへの支援額 1位はアメリカ GDP比の上位はバルト3国 | NHK | ウクライナ情勢

確かに最大の支援国ですが、23年まででおおよそ10兆円程度です。
それから増えてはいるはずですが、一気に75兆になるはずがありません。

ウクライナ自身は、実際の額は米国の主張する額の5分の1程度の900億ドル強だと主張しています。
いずれにしても75兆円相当の鉱物資源を寄こせというのはぼったくりも甚だしいのはたしかなようです。

ゼレンスキーはこれでは1ドル借りたところ2ドル返せといわれているようなものだと述べています。
まさにヨーロッパで言われているようにトランプは「白昼の追剥」です。

「ゼレンスキー大統領は23日「トランプ政権が要求する5,000億ドルはバイデン政権下で提供された支援額=約1,000億ドルを大幅に上回る上、これは無償支援(2024年に可決した支援の一部のみ共和党の意向でローンになった)だったためウクライナの債務としてカウントできない。しかも協定にはウクライナが要求している安全保障の合意が含まれていない。私は今後10世代に渡って支払うことになるようなものに署名しない」と述べ、米国が提案してきた将来の支援についても「1ドルの支援につき2ドルで返済しなければならない内容だ」と指摘し、現在の内容で合意しないことを強く訴えた格好だ」
ゼレンスキーは「10世代のウクライナ人が支払う」天然資源契約に署名しない

ただし、米国の名誉のために注釈をつければ、これはベッセント財務長官によれば、「米国が経済的な権利を持つが、ウクライナの長期的復興のために使う」のだそうです。

「ベッセント米財務長官は22日に英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿文で、合意案ではウクライナ政府が天然資源やインフラなどの資産から得る収入を、同国の長期的な復興と発展のための基金に配分することを提案しており、同基金は米国が経済的および統治上の権利を持つと説明。民間投資を誘致するために必要な透明性と説明責任、企業統治が確保されるとした。
長官はさらに、米国がウクライナの実物資産の所有権を取得するわけではなく、ウクライナにさらなる債務を負わせることもない点ははっきりさせておきたいと付け加えた」
(ブルームバーク前掲)

このベンセンント財務長官の発言にしかり、また、閣僚でもマルコ・ルビオ国務長官やヘグセス国防長官はウクライナに同情的といわれており、そうそう簡単にトランプの意のままにはならないようです。

 

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コメント

 近年、これほどひどいアメリカを見たことがありません。
米国から提供されたのは約1000億ドルで、これについては無償であるとのバイデン政権との覚書も存在する。なぜ、無償か?
米国にはブタペスト覚書による義務があるからです。
まさに「真昼の追剥」とは良く言ったものです。
ゼレンスキーは鉱物資源合意書の署名を蹴り、「ウクライナの安全が担保され、あるいはNATO加盟が実現するなら大統領職は辞任しても良い」としています。トランプの負けです。
共和党内からの批判、米国民はロシアを信じるトランプに懐疑的になっています。方向転換は近いと思う。

せっかく「暗殺に屈しない奇跡の復活」で再選を果たしたというのに、それを台無しにする暴走は、失望感も大きくなりますね。

いくら口ではグレートアメリカなどと猛々しく叫んでも、「侵略された小国をいじめて侵略した大国に味方する」のは、ただの小狡いキツネにしか見えません。
中国が嫌いなのは理解しますが、そこに固執するあまり、他国をぞんざいに扱うようでは、器の小ささが露呈するというものです。

アメリカというイスにふんぞり返るトランプより、ゼレンスキー大統領のほうがはるかに大物でしょう。
明らかに不利な状況においても、国を守ろうとする意思の固さは、まさにグレートです。
そんな強さがあるからこそ、民主主義を守る戦いの前線に立ってくれているわけで、批難などありえないことです。
民主主義がロシアに屈するようでは、将来に大きな禍根を残すことになると、トランプは理解しているのでしょうか?

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