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2025年3月15日 (土)

逃がさぬゾとミズーリ州連邦裁判所

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新型コロナについて面白いことが同時に起きました。
まずひとつが2020年にドイツの対外情報機関である独連邦情報局(BND)が報告書の中で、武漢ウィルスラボを名指しで新型コロナウィルスの流出源だと特定していたことです。
実は似たような報告は米国情報機関も上げていましたが、改めて他国のインテリジェンスの線からも流出源が特定されたことが重要です。

「ドイツの有力紙ツァイトと南ドイツ新聞は12日、ドイツの対外情報機関が2020年、新型コロナウイルスが中国・武漢のウイルス研究所から流出した可能性が高いとの極秘報告書をまとめ、独首相府に提出していたと報じた。
報道によると、独連邦情報局(BND)は、19、20年に執筆された新型コロナウイルスに関する未発表論文などを入手して分析。報告書では、武漢のウイルス研究所が、人間に感染しやすいようウイルスを改変する実験を行っていたと指摘した。ウイルスの扱いはずさんで、多くの安全規則違反があったとし、ウイルスが研究所から外部に流出した可能性が「80~95%」で非常に高いと結論付けた
ウイルスの発生源を巡っては、研究所から流出した説と、動物を介して人間に感染したとする説とで論争が続き、23年6月公表の米政府の報告書でも原因特定には至らなかった。BNDの報告書は米中央情報局(CIA)にも共有されたといい、今後、論争に影響を与える可能性もある」
(読売3月13日)
新型コロナウイルス、中国・武漢の研究所から流出可能性「80~95%」…ドイツ情報機関が極秘報告書 : 読売新聞 

2023年には、米国エネルギー省が新型コロナウィルスの発生源を武漢ウィルスラボと結論づけたと、ウォルーストリートジャーナルが報じていました。

「【ワシントン】米エネルギー省は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の起源について、研究所からウイルスが流出した可能性が最も高いと結論付けた。ホワイトハウスや米議会の主要議員に最近提出された報告書から明らかになった。
 同省はウイルスが広まった経緯についてこれまで判断を下していなかったが、アブリル・ヘインズ国家情報長官(DNI)のオフィスがまとめた2021年の資料を改訂する中で今回の考えを示した」
(WSJ 2023 年 2 月 27 日)
新型コロナの起源、研究所から流出の可能性高い=米エネルギー省 - WSJ

しかし残念ながら、このエネルギー省のレポートは現時点では非開示なので、見つけたと推測される「新たな証拠」がなにかはわかりません。
ただ、エネルギー省は傘下に多くの研究機関を持ち、病理学的新証拠を発見したようにも見えます。
というのは、それを強く示唆するフレーズをWSJは社説で書いているからです。

「26日の報告において重要な点は、エネルギー省が「新たな」情報に基づいて、その結論に至ったということだ。最終的にどんな情報が判断の変更に影響したのかが明らかになれば幸いだ。エネルギー省は国立研究所の責任を負う部署であり、研究所の一部は生物学的な研究を行っているため、同省の判断は、なおさら注目に値する。中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)の専門分野は同省と異なり主に人の介在や電波信号の傍受による諜報活動を扱う」
(WSJ 2023 年 2 月 28 日)
【社説】コロナ流出「コンセンサスなし」は逃げ - WSJ

同様にFBIも流出説を報告していました。

「Covidウイルスは、中国の武漢にある研究所から漏れた可能性が最も高いと、FBI長官のクリストファー・レイ氏は述べています。「FBIはかなり長い間、パンデミックの起源は武漢での潜在的な実験室での事件である可能性が高いと評価してきました」とクリストファー・レイはフォックスニュースのインタビューで語った。 ところで,私は武漢ウィルスラボがしていた機能獲得実験によって、人間の喉や肺のACE2受容体に感染し易いようウイルスを操作していたと考えている」
(ヒンドスタンタイムス2023年3月1日)
中国が管理する研究所からコビッドが「最も可能性が高い」リーク:FBI長官の主張|世界のニュース-ヒンドゥスタンタイムズ (hindustantimes.com) 

武漢ウィルスラボの主任研究員の石正麗とそのグループは、今年またもや復活し同じ変異実験をしていることが最近報じられました。
よほど情報隠蔽に自信があるのでしょう。
彼らは、新型コロナウィルスの始祖ウィルスを雲南省墨江ハニ族自治権にある鉱山の坑道で発見し、そのコウモリの糞からRaTG13ウィルスを得て、それを機能性獲得実験によって変異させて新型コロナウィルスを作成したのです。

軍事用生物兵器として開発されたはずですが、兵器使用されたという証拠はありません。
ただしなんらかの理由、おそらくは不作為の流出事故によって武漢市内に流れだしそれが世界に拡がったのです。
FBIは2021年に、この武漢ウィルスラボからの流出に対して「中程度の確信」を公表しています。
なお、この「中程度の確信」という言い方は、情報が錯綜したり、対立する場合、その結論の信用の度合いを示すものです。

「FBIは微生物学者・免疫学者などを含む研究者を雇用しており、炭疽菌やその他の生物学的脅威の可能性を分析するために2004年にメリーランド州フォートデトリックに設立された米バイオディフェンス分析対策センター(NBACC)の支援を受けている。(略)
長期の戦略分析を行う米国家情報会議(NIC)と政府関係者が特定を避けた4機関は、このウイルスが感染した動物からの自然感染によって生じた「確度は低い」と評価している、と最新報告書は述べている。
機密扱いの同報告書を読んだ前出の関係者らによると、米中央情報局(CIA)および政府関係者が名前を明かさない別の機関は、実験室からの漏洩説と自然伝播説の間で決めかねている。
各機関の分析は異なっているものの、今回の報告書は新型コロナが中国の生物兵器プログラムの結果ではないという既存のコンセンサスを再確認したものだという」
(WSJ前掲)

いい機会ですから、初期時系列をおさらいしておきましょう。

・2019年12月8日、武漢で既に「原因不明の肺炎」が発生。
・同年11月には、武漢で「原因不明の病気」の患者が確認され始める。
おそらく武漢ラボの黄氏が始めの患者だった可能性が高いですが、いずれにしても11月下旬に発症していたことから、潜伏期を入れれば既に初旬頃から感染が始まっていたと思われます。
・同年12月30日、武漢中心医院救急室の患者の肺胞洗浄液から「SARSコロナウイルスと一致」という検査結果が出る。
これが分かっているのは、中国情報を傍受している米海軍情インテリジェンス機関が、この時期に「中国で新型コロナ発生か」という情報をリリースしているからです。
・同年12月後半、台湾の蔡英文政権は直ちに中国武漢からの直行便航空機内での検疫活動を開始し、全力で防御体制に移す。
・2020年1月1日、救急救命室に勤務している艾芬(ガイフン女性)主任は、病院の責任者が参加する会議で「SARSが帰ってきた。人間に感染するかもしれない」と警告したがにぎりつぶされた上に、叱責を受ける。
この医師は長期に渡って行方不明となります。

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艾芬(ガイフン医師

また同病院の陳小寧医師は「伝染病が始まった12月30日の非常会議で「コロナウイルス」「『隔離」などの単語を使用してはならないという指示があった」と証言。

・1月1日武漢警察は、ツイッター上で「事実でない情報をSNSで拡散させた8人の武漢市民として中心医院眼科医の李文亮医師を拘束。

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その上、ご丁寧にも武漢市衛生当局は「患者のパニックを誘発しかねない」という理由で、医療陣のマスク着用すら禁止しています。
なんと感染初期において、武漢の医師はマスク着用すら政治的に禁じられていたのですから呆れ果てます。
実はこの時には、19年12月末の時点で中国国家衛生健康委員会の専門家チームは武漢に乗り込んでいたのです。
しかしその調査結果は、現場の医師はおろか武漢市衛生当局にすら通知されず、問い合わせに対しての答えは「待て」の一言でした。
そして理由は明かされないまま武漢は爆発的感染、すなわちパンデミックに突入します。
にもかかわらず中国当局のみならずWHOもヒトヒト感染はないとして警報をだしていません。

・2020年1月1日、武漢「華南海鮮市場」閉鎖。
・1月11日、武漢市で新型コロナウイルスによる初の死者が発生。
・1月12日、WHOはヒトヒト感染はないと発表。

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・1月前半、広東省でも新型肺炎患者が発生。
・1月13日、タイで感染者確認。
・1月16日、日本で感染者確認。
・1月16日、中国で病院の医療陣26人の感染事実が報告されたが、武漢市は「医療陣の感染はない」と発表。
・1月中頃、医療陣から26名もの感染者が発生。

1月20日、中国疾病統制センター(CDC)が新型コロナについて公式に認める。
実に発生から1ッカ月近くたっていました。

・1月20日、中国感染者135人、死者3人が確認され、韓国でも初の感染者が発生。
・1月中頃から春節休暇が開始。中国政府はまったく移動制限をかけずに放置。
約500万人が武漢から全国各地と世界へ移動開始。
・1月23日、欧州にも火の手が上がり、イタリアで初の感染者発生。
・1月24日、武漢での感染拡大がわかると、台湾政府は直ちに1月26日には湖北省から台湾への渡航を禁止。同時に台湾国内に滞在している中国人留学生などの中国から台湾に入国していた人々の隔離を開始します。
・1月28日、中国最高人民法院、「新型肺炎はSARSではないが、この情報の内容は完全に捏造とういわけではない。もし社会大衆が当時、この“デマ”を聞いていたら、SARSの恐怖を思い出し、みなマスクをして、厳格に消毒し、野生動物のいる市場を避けるなどの措置をとって、今の新型肺炎防疫状況はもっとましになっていただろう」とコメント。
・1月28日、それまで傍観していたWHOのテドロス事務局長は、突如「中国の現状を詳細に理解するため」と称して中国訪問。
担当責任者の李克強とは面談せず、なぜか学習近平と手を握りあった写真を撮らせます。もちろん武漢への訪問などはまったくなく、医療機関とは思えないようなご機嫌伺いにすぎませんでした。
・2月中旬から下旬、武漢の病院という病院は満杯。医療崩壊が始まる。

たぶん感染した動物に噛まれた職員が新型コロナウィルスを持ち出したのでしょう。
武漢ラボの実験動物の扱いは非常にルーズで、よく職員が噛まれるという事故を出していました。

中国による意図的ウイルス散布ではなく、事故による流出が濃厚です。
いずれにせよ、問題は頑として中国政府が情報を秘匿し続け、秘匿することで初期対応を誤らせ世界に拡散させたことてす。
この責任は逃れようもありませんが、発生源と強く疑われる中国が認めない以上責任論に発展しないと諦められてきました。

これに一石を投じたのが、ミズーリ連邦裁判所の中国共産党に対する賠償訴訟です。

「ミズーリ連邦地方裁判所は7日、「新型コロナウイルスの存在を隠蔽し、初期対策を怠った」として、中国共産党に対して240億ドル(約3.6兆円)の賠償を命ずる判決を下した。
この判決の事実背景は、パンデミック当初に中国政府の関連機関は、人から人への感染について正確な情報の開示を意図的に抑制したり、虚偽の情報を示したこと、また、中国政府の関連機関がミズーリ州でパンデミックの初期から防護服を独占的に買い占めたために、防具服が不足し、また価格が高騰したことなどがあげられている。
同裁判所は賠償金に充てるため、ミズーリ州にある中国人所有の資産を差し押さえることも容認している。 ミズーリ州政府が2020年4月に起こした訴えが全面的に認められたわけだが、同州には中国人が所有する農地が多数存在しており、州政府がこれらを接収する事態となれば、中国側が猛反発するのは必至だろう。
(現代ビジネス3月13日)
 中国政府に3.6兆円の賠償を命じた「ミズーリ判決」は、なにが根拠なのか?「新型コロナ」の深層に迫る判決のヤバすぎる中身(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース  

実に面白い判決です。
今のままでは知らぬ存ぜぬを決め込む中国はこのまま逃げきったと考えているはずです。
中国共産党に声を荒らげて道義を説いても無駄です。

ですから新型コロナウィルスを人為的に作って拡散させただろうという責任論をいったん置いて、もっとも初めの発生国でありながら持っている情報を隠匿し、開示を怠った点を追及します。
それがこのミズーリ連邦裁判所判決のすごいところで、しかも賠償金を州内の中国人所有の資産から差し押さえるという方法で具体的に解決したことです。
この方法は使えます。米国内のあらゆる州政府は同じような訴訟を連邦裁判所に起こし、州内の中国資産を差し押さえたらよいのです。
トランプも関税だけが能じゃないでしょうに。
他国でもこのミズーリ連邦裁判所判決を研究し、世界規模で罪をつぐなってもらいましょう。

 

 

 

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コメント

 発生源を問わずに、中共政府による「情報の隠蔽」を問題にした画期的な裁判です。中共政府の不作為責任を問うたもので、詳しく見れば見るほど良くできた訴訟です。
中国は外国主権免除をたてに一度も出廷していませんが、それも折り込み済みだったよう。「不法行為責任」など例外規定で切り抜け、今回の差し押さえも、最善から問題になっていた中国国有会社の所有物です。だから差し押さえも出来たし、理論上は接収も可能です。

ところで、中国政府は新型コロナの二番煎じをやると私は思っています。やらないまでも、「いつでも出来る」というカードを武器化して来るでしょう。今でも中国は、高病原性鳥インフル(H5N1)の情報をほとんど出しません。ミズーリ州が具体的な賠償を勝ち取れるかどうかは未知数ですが、法的に共産党の性質を根底からゆるがす重要な判決でした。

日本もこの判決を大いに研究し、国際法の次元にまで判例として高めるべく努力すべきです。

日本も中国人の所有する全ての資産を接収してやりましょう。

石破にゃ無理か。

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