情けなさマックスだった日中韓外相会談
ナニやら日中韓の外相会談をしたようです。
今の石破政権の岩屋外相となると、どうせやる前から負けているに決まっていると思って眺めていると、ヤッパリ負けました。
というかハナから勝つ気などさらさらなく、友好を叫ぶだけが平和だと勘違いしています。
ロイターはすっきりこれだけ。報じる価値無しということのようです。
「21日 ロイター] - 訪日中の王毅・中国外相は21日、石破首相と会談し、相互信頼を高め、協力を強化して世界にさらなる安定と確実性をもたらすべきだと伝えた。国営の中国中央テレビ(CCTV)が報じた。
報道によると王毅外相は会談で、日本は二国間関係の政治的・法的基盤を維持し、歴史問題や台湾問題に関する政治的約束を履行すべきだと述べた。」
(ロイター3月22日)
中国外相、石破首相と会談 「相互信頼と協力強化を」=報道 | ロイター
象徴的なのは、あの日中議連の連中とのワンショットです。
左には現職の自民幹事長にして議連会長の森山、右にはとっくにデッドストックに入っている河野洋平元自民党総裁までしゃしゃり出てくる醜態です。
おー不気味。こういう景色を媚を売るというのでしょうな。
トランプが在日米軍を縮小するかもしれないという時期に、中国とこんなことをしている政権中枢とはいったいなんなのでしょうね。
強いものに迎合して侮られる人です。
ではどうしたらいいのでしょうか。
「具体的には、ボディーランゲージや相槌は少なめにして、リアクションも小さくすればいいのです。
マウントのターゲットにされやすいような人は、「人間とはみんな優しく、平和を望んでいる」と心から信じている、穏やかな考え方の持ち主がほとんどです。特に、なにか対策や努力をしなくても、人と人の問題は平和的に解決できると信じているため、無防備な状態で人と接しやすいのです」
"マウント取る人"への対処法|ニフティニュース
対策は「相槌とリアクションは控えめに」だそうですが、まさに。
下の写真は安倍氏が習近平と会談した時のものですが、ニコリともしないで背筋を伸ばし相手の眼を見ています。
上の道化師たちと較べて見て下さい。
「王毅氏は、今年は中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年に当たる年であると強調した。歴史を正しく理解し、正しく扱うことは、戦後日本が国際社会に復帰するための重要な前提であり、近隣諸国との関係を発展させるための政治的基礎であり、日本が平和的発展への約束を遵守できるかどうかを試す重要な基準である。
中日間の4つの政治文書には歴史と台湾問題に関する明確な規定があり、これらは厳格に実施されなければならず、曖昧にしたり覆したりしてはならない。
中日平和友好条約では、中日共同声明のすべての規定を厳格に遵守すべきであると規定されており、同声明は条約とともに両国関係の法的拘束力のある指針文書を構成し、厳格に遵守されなければならず、歪曲または損なわれてはならないことを示している。
中日関係の改善の勢いは容易に生まれたものではなく、両国関係の政治的基礎を維持することが特に重要である」
王毅外相が岩谷武史外相と会談 – 中華人民共和国外交部
「中日平和友好条約では、中日共同声明のすべての規定を厳格に遵守すべきであると規定されており、同声明は条約とともに両国関係の法的拘束力のある指針文書を構成し、厳格に遵守されなければならず、歪曲または損なわれてはならないことを示している」だそうです。
これは日中共同声明において、台湾について日本が「中国の一部である」ことを認めたと、常に中国が喧伝していることを蒸し返したものです。
「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。
日本政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」
日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明
これはよく外交やビジネス交渉で、立場を異にしながらも妥結する場合によく使われる表現で、相手の主張は理解しましたが自分は違った考えですよ、という場合に使います。
中国は文革による深刻な荒廃から立ち直るために日本の支援を熱望しており、田中も手柄として日中国交回復を引っさげて帰国したかったという事情から生まれました。
中国は、それ以前の1952年に日本が締結した日本と台湾との間で結んだ日華条約は「不法であって無効だ」と主張しましたが、日本は国際社会に復帰した条約を無効とするわけにはいきませんでした。
「対日復交三原則の第三原則は、わが国が1952年に中華民国との間に締結した平和条約は、不法、無効であり、廃棄されなくてはならない、とするものであった。この主張は、中華人民共和国 (1949年に樹立宣言) の立場からすれば当然とも言えるが、他方、わが国としても、戦後わが国の国際社会復帰の枠組みの一環であった日華平和条約が不法、無効と認めるわけにはいかないことは明白であった。この双方の立場の違いを克服するには、交渉当事者の現実主義と外交的智恵を要したが、決して不可能なことではなかった。
実際にも、この問題は、共同声明発出直後に行われた記者会見において、大平外務大臣が「日華平和条約は、日中国交正常化の結果として、存続の意義を失い、終了したものと認められる」との一方的声明を行う(これに対し、中国政府が意義を唱えない)ことにより解決したのである」
(栗山尚一『台湾問題についての日本の立場-日中共同声明第三項の意味』)
JIIA -日本国際問題研究所
「第二原則は、台湾の地位に関し、先に引用した共同声明第三項の前段に述べられている中華人民共和国政府の立場を認めることを求めるものであった。この台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるとの中国の立場を受け入れることには、三つの基本的問題が存在した。
第一は、1949年に誕生した中華人民共和国は一度も台湾に実効的支配を及ぼしたことはなく、同地域は、中華人民共和国の支配を拒否する国民党政権 (当時) によって継続的に統治されてきている、という政治的現実である。
第二は法的な問題である。台湾の法的地位に関しては、サンフランシスコ平和条約がわが国の領有権を含む「すべての権利、権原」の放棄を規定するに止まり、同地域の最終的帰属を定めなかったという経緯がある。
これは、1949年以降の中国が、大陸を支配する中華人民共和国と台湾を支配する中華民国の二つに事実上分裂した事態の下で、サンフランシスコ平和条約の当事国である米国その他の連合国の間で、台湾をいずれの中国に帰属させるかについての合意が得られなかったことによるものである。
そして第三が、日米安保体制に係わる問題である」
(栗山前掲)
「韓国、中華民国(台湾)との間に相互防衛条約を結んでいる米国としては、万一朝鮮半島あるいは台湾海峡有事の際に、事前協議に基づく日本政府の許諾が得られず、沖縄の米軍基地の使用が著しく制約されれば、韓国、中華民国に対する防衛義務を効果的に果たせなくなることが懸念され、そのような事態は是非とも避けなくてはならない、という軍事上の要請があった」
(栗山前掲)
当時は米華防衛条約として明確に防衛義務を有していました。
しかし米中国交回復と共に大統領の取り得る「オプション」となりましたが、厳然として存在します。
そこで「戦略的あいまいさ」ということで落ち着いています。
「米軍の介入は義務ではなくオプションであるため、同法はアメリカによる台湾の防衛を保障するものではない。台湾関係法に基づく台湾有事への軍事介入を確約しないアメリカの伝統的な外交安全保障戦略は、「戦略的あいまいさ」(Strategic Ambiguity)と呼ばれる」
台湾関係法 - Wikipedia
そもそもこれは共同声明であって、条約ではありません。
日本は米国の「戦略的あいまいさ」を支持しています。
これを「法的拘束力がある指針文書」として押しつけてくるのが中国です。
法的拘束力などないことを、今までも機会あるごとに日本政府は表明しています。
たとえば小泉内閣では
「日中共同声明を巡っては、平成18年3月にも当時の小泉純一郎内閣は「法的拘束力を有するものではない」とする答弁書を閣議決定している」
(産経3月19日)
中国報道局長、石破内閣の日中共同声明「法的拘束力有さない」に反論 台湾と交流「反対」(産経新聞) - Yahoo!ニュース
「石破茂内閣は11日、1972年の日中共同声明について、地方自治体や首長、地方議会、地方議員は声明文にある「中国の立場を十分理解し、尊重」する法的義務の有無を尋ねた質問主意書に対し、「法的拘束力を有するものではない」とする答弁書を閣議決定した」
(産経前掲)
ならばベタベタの「友好」ムードを演出し、岩屋外相のようにコメ不足の時に中国にコメ輸入の拡大を要請するなどというまねは止めたらよろしかろうに。
中国はこんな日本側の甘い腹積もりと裏腹に、淡々と尖閣に食指を伸ばしています。
とうとう尖閣は大型海警察の公船8隻体制に増大して、常にわが国領海を犯しています。
「中国海警局の劉徳軍(りゅう・とくぐん)報道官は24日、尖閣諸島周辺で操業していた日本の漁船4隻を追い払ったと主張した。海警局のサイトによると、劉氏は「(日本の漁船は)中国領海に不法に侵入した。中国海警局の船舶は法に基づき必要な取り締まり措置を取り、警告して追い払った」と述べた。また、尖閣諸島について「中国固有の領土であり、日本に対し、同海域における違法行為を直ちに停止するよう求める」とした」
(産経3月25日)
<独自>尖閣周辺の中国海警船、一時8隻態勢に 交代要員ではなく「異例」 - 産経ニュース
日本側の抗議を歯牙にもかけない、これが中国です。
このような情けない自民党に対して、国民民主は領海問題で地道に戦ってきた山田吉彦氏を参院に擁立するようです。
まことにけっこう、どちらが政権党なのでしょうか。
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