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2025年3月 3日 (月)

パンスよ、なにが「外交」だ

497

トランプとゼレンスキーが大げんかを演じました。
それも事もあろうに報道陣の前での大立ち回りです。
きっかけはトランプがプーチンに近いのではないか、という記者団の質問から始まっています。

「会談が始まっておよそ40分ほど経過したあと、トランプ大統領は記者から「プーチン大統領に近すぎるのではないかという懸念も出ているが」と質問されました。
トランプ大統領は「双方に歩み寄らなければ合意は得られない」などと答え、同席していたバンス副大統領が「平和と繁栄への道は外交に取り組むことかもしれない」と述べました。
これにゼレンスキー大統領は「私たちはこれまでプーチン大統領と多くの対話をし、署名をしてきた。停戦の協定にも署名した。全員が私に『プーチン大統領は決してもう戦争をしない』と言った。しかし彼は停戦を破り、私たちの国民を殺し、捕虜の交換にも応じなかった」と説明しました。
その上で「どんな外交だ?バンス副大統領、あなたは何のことを言っているのだ」と述べました」
(NHK2025年3月1日)

トランプ大統領とゼレンスキー大統領会談 激しい口論に 共同会見中止 鉱物資源めぐる合意文書署名に至らず | NHK | トランプ大統領

20250302-234320

BBC

バンス、よく言うよ、いままでプーチンが約束を通持ったことなどただの一回もあるのか。
それを平べったく「平和と繁栄への道は外交に取り組むこと」なんて超一般的に片づけられては困ります。
プーチンという希代の大ウソつきに交渉のテーブルにつかせたところで、どうせグダグダとロシアに都合のいいことを並べるでしょうから、これをいかに封じ込めるのか、そこを議論しなければならないはずです。

そのために遠い所をわざわざゼレンスキーは来たのです。

トランプはたぶんゼレンスキーにこう言ったはずです。
かねがねこの男の和平案は明らかでした。

「ウクライナのゼレンスキー大統領は米国のトランプ前大統領に対し、ウクライナとロシアの戦争終結に向けた自らの和平計画を公表するよう強く求めた。ただ、ウクライナが領土をあきらめる内容であれば、いかなる和平計画も受け入れられないと警告した。
19日のCNNとのインタビューで述べた。
この前には国連総会で一般討論演説も行ったゼレンスキー氏は、「彼(トランプ氏)は自らの考えを今、公表すればいい。時間を無駄にすることはない。人命も失ってはならない。自分の解決策はこうだと言えばいい。戦争を止め、あらゆる悲劇に終止符を打ち、ロシアの侵攻を阻止する方法はこれだと宣言すればいい」と述べた。
一方で「それでももしその考えが、我が国の領土の一部を取り上げてプーチン(ロシア大統領)に与えるという内容なら、それは平和の解決策ではない」と付け加えた」
(CNN2023年9月20日)
ウクライナ大統領、トランプ氏に和平計画の公表を要求 ロシアへの領土割譲は拒否(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース

ウクライナが領土を割譲しろと、これしかないと思え、これがトランプの和平案とやらです。
これがバンスがいうところの「外交」なのです。
バンスは、かつてウクライナに「国の独立と中立性を保証する。長期的には米国が安全を保証する」と言っていましたが、これが曲者です。
ほー、どうやって「保証」するんでしょうかね。
ウクライナはNATOに入れないんでしたよね、では、米国が安全保障条約を個別に結ぶならよいのですが、その気はいささかもない。

バンス、いまウクライナで核兵器をつくろうという募金が始まってかなりの金額が集まっているのを知っていますか。
それは1994年、ソ連の遺産相続でウクライナにあった大量の核兵器を放棄して、ブタペスト覚書を結ばせて、結局裏切ったのはどこの誰なんですか。米国ではありませんか。
ブダペスト覚書 - Wikipedia

「ブダペスト覚書は、ウクライナ国内法「1968年7月1日付核兵器不拡散条約へのウクライナの加盟」が採択されたことに関連して、署名されたものである。この法律には、「本法律は、核兵器保有国からウクライナに対し、関連の国際法的文書への署名を通じて形成される、安全の保証が与えられた後に発効する」と書かれている。
このようにして、ブダペスト覚書署名国は、「ウクライナの独立、主権、現存国境を尊重する」こと、「ウクライナに対して、今後一切の武器を使用しない」こと、「ウクライナの政策に影響を及ぼすことを目的とした経済的圧力を控える」ことが義務づけられたのである。(略)
同覚書にのっとり、当時世界第3の核兵器保有国であったウクライナは、自発的に核兵器能力を放棄し、非核国家となった。ソ連邦崩壊時、ウクライナ領内には、大陸間弾道ミサイル、戦術核兵器、核兵器を搭載可能な戦略爆撃機、戦略核兵器があった。ウクライナが独立した直後から、アメリカとロシアは、当時のウクライナ政権幹部に対し、できるだけ早く核兵器を放棄するよう説得し始めていた。(略)
これを利用したのがロシアである。2014年3月1日、プーチン大統領は、ウクライナ領におけるロシア軍の使用許可を同国連邦院から受け取ることになる。以降、クリミア占領、ドンバス戦争があり、ウクライナは、ブダペスト覚書はその署名国であるロシアにより違反されたとみなしている。さらに、ウクライナでは、同覚書のその他の署名国も自らの義務を守らなかったとして批判する者が少なくない」
(ウクライナフォーラム2024年11月21日)

「存在しなかった安全」ブダペスト覚書署名から24年

ブタペスト合意は西側とロシアが作ってウクライナに因果を含ませて飲まして結ばせたものですが、そこで約束されていた「独立と主権の保全」は以後まったく省みられずごみ箱行きでした。
ゼレンスキーは被団協のノーベル平和賞受賞に複雑な表情を浮かべていました。

ウクライナはあのままだまされずに核兵器を握っていたら侵略されることはなかったからです。
いまもその声は消えません。

「米国の軍事支援停止が現実味を帯びたことを受け、地元実業家が「核(兵器開発)のため」との名目で募金を始めたところ、1日で2300万フリブナ(約8300万円)が集まったという」
(産経3月2日)
米との会談決裂でウクライナに動揺広がる 「核兵器募金」に1日で8300万円(産経新聞) - Yahoo!ニュース

今回の米国のウクライナに対するあからさまな裏切りで、ヨーロッパは英仏が主導して独自の核の傘に入ることになるでしょう。
米国の核の傘など、時の大統領の気分ひとつで、もう差さないから、差してほしいならナニか寄こせなどと言われますから。
そうなると各地域で、たとえば中東ではサウジが、アジアでは韓国が独自核武装に踏み切ることでしょう。
日本でもリアルな核武装の議論が始まるでしょう。
トランプさん、あんたはとんでもないパンドラの箱を開いたンだよ、分かっているのか。

それはさておき、ロシアはハナからウクライナの「独立と主権」なんぞ尊重する気はいささかもなく、まずは傀儡の親露政権を作り、それが倒されるやいなや東部2州に親露分離主義のゴロツキを集めて政権を作るという浸透工作を開始しました。
そしてさらに軍隊で占領して実効支配すればコッチのものというロシア流儀で、かねてから黒海支配の要衝であるクリミア半島に部隊章をはずした正規軍を送り込んだのが2014年です。

クリミアを侵略された後に西側が仲介策として言い出したのが、2014年のミンスク議定書です。
ここで筋としてはNATO加盟を現実化すべきだったにもかかわらず、西側の腰は引きっぱなしでした。
ドイツのようにロシアにエネルギーを握られていたからです。
プーチンは侵略しておきながら図々しく「ウクライナの中立化」を求め、西側は第3次大戦の危機を理由に、ロシアの言い分を丸呑みしたのです。
ミンスク議定書 - Wikipedia

ミンスク議定書はロシアと2州の傀儡国家、西側諸国(欧州安全保障協力機構・OSCE)の三者で成立したものでした。
すでに合意自体が傀儡国家の存在を前提としており、彼らに「特別の地位を与える」としていました。
ウクライナ東部とロシアに緩衝地帯を作ることが骨子でしたが、これを守ったことなど一度もなく常に武力挑発の震源地でした。
このような無責任なヨーロッパと米国の態度が、西側はウクライナを守らないという信号をロシアに与えた結果、3回目の大規模侵略の呼び水となったのでした。
実に罪深い「外交」としかいいようがありません。

今回のロシア正規軍が堂々と正面玄関からキーウを狙うということからウクライナ戦争は始まりました。
どちらがなんのために侵略したのかはあまりに明白です。
今になって「平和と繁栄への道は外交に取り組むこと」ですか、片腹痛い。

そしてベンスは、ゼレンスキーに「どんな外交だ」と反論されるとカッとなって筋違いの礼儀論に持ち込み、トランプに助けを求めます。
このバンスは危険ですね。
第1次政権時の常識の人ペンスの真逆で、どこかに恨みでもあるのか、常に偏って過激です。

「バンス副大統領は反発し「あなたの国の破壊を終わらせるための外交のことを言っている。大統領、アメリカメディアの前で論争するために執務室に来ることは敬意を欠いている」とゼレンスキー大統領を批判しました。 しかし数分後、控えめに言っても前例のない事態が勃発した。和やかな雰囲気は、辛辣(しんらつ)な対立に代わり、室内は混乱に陥った。大勢が声を荒げ、状況にあきれ果て、中傷が飛び交った。そのすべてが世界中のテレビカメラの前で行われた。
アメリカの大統領と副大統領は、自国を訪れているゼレンスキー大統領を叱責し、ウクライナの戦争努力を支えてきたアメリカの支援にゼレンスキー大統領が十分に感謝していないと非難した」
(NHK前掲)

トランプの和平案は底が知れています。
おそらくこうでしょう。

①現状の戦線の固定
②ウクライナのNATO加盟を棚上げ
③欧州軍の停戦部隊派遣

しかしこれでもプーチンは納得しません。
クリミア半島と4州の支配は絶対条件だと言っているはずです。

なぜなら、プーチンはクリミアと東部・南部4州の一部を占領して編入宣言までしているのに、全面支配に至っていないからです。
いまのまま固定されるとこの4州いずれもウクライナの支配地域が存在したままになってしまい、占領完了したから編入だと国民に言っていたのにメンツ丸つぶれです。

かといって残りを軍事支配するだけの力はありません。
ロシアもまた攻勢限界点を越えてしまっているからで、完全支配するためには「外交」が必要だからです。

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地図で見るウクライナ情勢 ~ロシアのウクライナ侵攻~:時事ドットコム

たぶん現ウクライナ政権の打倒、ないしは最低でもゼレンスキー政権の交代、クリミア、東部・南部4州からのウクライナ軍の撤退、ウクライナのNATO加盟の永久的凍結をトランプに伝えているはずです。
これがロシアの最低ラインです。
そしてこれをトランプがウクライナに呑ませない限り「和平」はないと通告していることでしょう。
だからトランプはなんとしてでもゼレンスキーにひざまずかせてこの「和平」案を呑めと強要しているのです。

BBCはこのように述べています。


「ある外交専門家に言わせると、公の場でのこの口論は計画的なものだったのではないかと一部で疑われている。仕組まれた、政治的なひったくりのようなものだったのではないかと。つまり、ゼレンスキー氏をアメリカの言いなりにさせるか、あるいは次に何が起きても彼のせいにできるような危機を、わざと引き起こしたのではないかと」
(BBC3月1日)
【解説】トランプ氏とゼレンスキー氏の対立 NATOにとって一大危機 - BBCニュース

大いにありえます。私もこれは意図的演技だとかんぐっています。
マルコを出席させず、代わりに副大統領のバンスが出てくるのは不自然でした。

いちばん喜んだのはいうまでもなくプーチンです。
トランプとバンスとまったく同じ言葉でゼレンスキーを叩いています。

「会談が物別れに終わったことについて、ロシア外務省のザハロワ報道官は28日、テレビ番組で、ゼレンスキー大統領について「何が起きているのかの見極めができない人物で、誰に対しても無礼で、暴言を吐き、餌をくれた手にかみつく」と述べて、批判しました。
さらにロシア安全保障会議のメドベージェフ副議長もSNSに「これは有益だが、まだ足りない」と投稿し、ウクライナへの軍事支援の停止につなげるべきだと主張しました」
(NHK前掲)

もはやトランプはロシアの盟友だと分かりました。
今後そのつもりで彼を見ていきましょう。
プーチンの盟友であるトランプは、ウクライナ支援から手を引くかもしれません。

今のロシアには戦闘を継続する力はあまり残されていません。
しかしウクライナ戦争がこのようなロシアの新たな支配権拡大とその容認で終結した場合、ロシアによる新たな侵略を防ぐことのできる仕組みがありません。
プーチンが約束を反故にすることが絶対法則である以上、一時的な「平和」があってもそれは次の戦争に向けての戦間期でしかないのです。
ロシアは痛んだ戦争機械を修繕し、必ずまた新たな勢力圏を求めて侵略を再開します。
それが再びウクライナとなるのか、フィンランドになるのか、エストニアになるのか、ポーランドになるのか、あるいは極東の島国になるのかはわかりません。
ですから第2、第3のウクライナ戦争を防止するには、ロシアを確実に押さえ込める体制の構築が必須なのです。

しかしトランプはこの責務に答えるどころか、公然とロシアと手を結び、プーチンの盟友と化しました。
このまま推移すれば、米国は遠からず最悪の米露同盟へと突き進むことでしょう。
来る5月9日の戦勝記念日には、プーチンと肩を並べてロシア軍を閲兵するトランプとバンスが見られるかもしれません。
なにがメイク・アメリカ・グレート・アゲインだ、笑わせる。


 

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コメント

 ウクライナにとって残酷なのはゼレンスキー政権の交代や東部・南部4州からの宇軍撤退、NATO加盟永久凍結はロシアにとって「停戦交渉」を始める条件であって、そこからウクライナの「非軍事化」だったり、親露政権樹立だったり要求することになるのですから、実質「降伏」なのですよね。プーチンとしてはトランプに花を持たせつつ、停戦を先伸ばして要求を吊り上げるでしょう。今年いっぱいは戦争を続けられるという話もありますし、英仏の平和維持軍などは容認しないでしょう。

 今回思ったのはトランプさんはディールが好きな割にタフネゴシエーターではないってことでしょうか?彼は停戦を優先するあまり初めにすべてのカードを出してしまって、あとは感情に任せてプーチンに寄り添うしかなくなっています。今思い返せば対北朝鮮外交でも北朝鮮の核保有を実質容認しつつ在韓米軍を撤収させる話を進めようとしてボルトン氏に止められてました。予測不能などとビビる西側と違い、リアルなマッドマンたちには案外御しやすい相手なのかもしれません。

もうねえ、バンス副大統領がいきなり大暴れして親分が同調するというショーでした。
普通なら暴走する親分を「まあまあ···」と宥めるのが副大統領の役割りなんですけど、今回の組閣はヤバいですね。イーロン・マスクを冗談言いながらみんなで歓迎したりで完全に内輪ノリ。

トランプさんもかなりのお年ですから、かつて成功したり失敗したりしてた80年代の無法者だった若き時代のように振る舞いたいのかと。
米国内の「ディール」ならそれでいいですけど、偉大なる超大国アメリカ大統領としてはねえ。。

今日もホワイトハウスの報道官から「ゼレンスキーは無礼なヤツだ!」と発信してますし。
もうどうやったらブレーキが掛かるのか?という一点だけですね。
昨年の狙撃未遂という象徴的な出来事がありましたけど、実際に安倍さんのように暗殺されていたらどうなっていたのか。
安倍元総理暗殺ですけど、母国日本のマスコミは「暗殺」という用語を使わないのが不思議です。戦前の犬飼とかは昔から「右翼青年による暗殺」と教科書にも書かれているのにね。。

兎にも角にもウクライナは窮地に陥りました。これをゼレンスキーのせいだとしたいのがトランプとプーチン。全く大した演出です。

アメリカは関税や移民の問題もありますけど、自由主義世界の覇権大国としての責任を放棄するのか?という話ですよ。
日本としては「なあなあ」で頭を垂れながら従うフリで政権交代まで待つしかなかろうけど。まずは受け流すしか選択肢が無いですね。
ここでトランプ政権のやり方に異を唱えたら政治·軍事的にも敵対するだけです。それだけは石破さんも出来ないでしょう。まあ立民代表の野田さんから「メッセージが弱い」なんて言われても、野田だって何もできないでしょうに。


ウクライナに平和を!

目的を果たせなかったのだから、ゼレンスキー大統領は失敗したと言える。
だがしかし、「和平案を飲めないゼレンスキーが愚かだ」とか、「悪しきはロシアという原理主義がよくない」といった論評が適切とは全く思えない。
なぜならば、これまで何度も停戦合意を破った実績があるロシアへの対応として、鉱物資源協定と引き換えに米国は何をするかの約束は無く、それに加えて、トランプ大統領の方から会談最中に記者へ向けて質問あるか?と振り、「ロシアが停戦を破ったらどうする?」と記者に問われたトランプ大統領の答えが「ロシアは私を信用している友人だから停戦を破ったりしない」それだけなのだから。
そして、ポスト・トランプとしてしゃしゃり出たヴァンス副大統領の日頃からの発言は「ウクライナはプーチンに領土を渡せ・もう支援しないし、これまで支援してきた金は返せ」である以上、あの会談でヴァンス副大統領が「外交で解決する」とふわっとした発言をした時に、ゼレンスキー大統領が「その外交とはどういうものなのか?」と詰めるのは仕方ない。
ゼレンスキー大統領は'もっと上手くやるべきだった'という面があるのは否定しないが、トランプ大統領がプーチンと共有する目を通してしか物事を見ていない中では、ゼレンスキー大統領がどんな風に謝辞と世辞を駆使したら正解だったのかは想像がつかない。
侵略したロシアが悪い事実は、ゼレンスキー大統領とウクライナが法の許す範囲にある限り、そのありようが我々の、そしてトランプ、ヴァンス、ヘグゼス、マスクの好みや都合に合う合わないには関係が無いし、2014年時点で我々や西側諸国がウクライナに冷淡であったことに負い目を感じる感じないにも関係は無い。そして、腹黒い解決策を編み出すとしても外せない事実。
ヨーロッパのNATO諸国はウクライナに理解と連帯を示し、援助や状況修復の手助けを続けるだろう。
それでもウクライナをNATOに入れることはしないし、先々何処かで(諦めるという名目の)見捨ては起こり得る。
(ウクライナのNATO加盟によって)ロシア攻撃に参加しなきゃならないのは嫌、ウクライナ支援がずっと続くのも嫌、というならば、怒りなり不満なりを向ける相手はロシアで、ロシアに手を引かせ、野心実行への躊躇が続く状態をつくるしかないはずだが、ゼレンスキー大統領とウクライナ国民の望みとは違ったとしても何か'おとなの解決'をやるしかないのならば、それはどんな?
などと、つらつらと考えていくほどに、'心底気持ち悪い'という物言いは、こういう時に使うものか……
と思います。
有能な助言者を捨て去るトランプ大統領が、何を実際に選び実行するかを見ていくしかないか。

 ロシアのプロパガンダに騙され、プーチンのナラティブに乗っかるアメリカの大統領が出現するとは誰が予想したでしょう?
日本の保守言論人はそれでも、「トランプはプーチンを味方につけ、中国包囲網を実現しようとしている」とか言う、冗談のような勘違いを未だにしています。今回の件でプーチンのハードルは増々高くなるだろうし、トランプの目論見は外れる事になるでしょう。J.Dバンスへの米国民の反発も相当なもの。

今、停戦が必要なのは、むしろロシアです。すでに攻勢力は減退し、ミサイルに頼り切っている戦況になりつつあります。
ウクライナも米国抜きでは心許ないが、武器の自国生産55%、欧州から25%、米国20%まで来ています。米国製でなければならない分も徐々に穴埋め出来ると考えます。

この茶番も、どんなに遅くも26年選挙前には共和党内部からの批判で終わるでしょう。それまで我慢です。
プーチンの盟友たるトランプの真実は、最初に大統領になる前のトランプの経歴にあるんじゃないか?
カギはロシア代表団にいたオルガリヒ、ドミトリーリボロフレフを中心にしたトランプ人脈にあると考えます。

元プロレスのプロモーターと、元小説家と、元コメディアンなんで、私は「みんな、役者やのぅ」と思っていますわ。TV生中継での出来事というのも、なんか芝居を打つにはうってつけだったのだろうと。

これで、ロシアは「トランプは(うつけ者だから)信用できる、こりゃメシウマのチャンスだわい」として停戦に喰いついてくるし、のほほんとしていたEU諸国は「トランプ、やっぱヤベー奴だった、こりゃマジでワシ等が頑張らんとどないもならんぞ」とウクライナ支援に本気になる。

そうでなくても、資源開発で手打ちして米国・ウクライナ関係は安泰だと思わせておいて、ドタンバでこの決裂とは、なかなか国際政治の場では見られないものを見せてもらいましたわ。それとも未公開の場では、常々各国首脳はあんなケンカ腰で丁丁発止に意見を戦わせているんでしょうか?「企業買収じゃありませんや、それは投資ですわ、わっははは」とゴマかすゲルを思うとゲンナリします。

ところで米国の財政は深刻になっていて、超大国といえどかなりヤバイ状態らしいです。国債など金利払いの負担を考えれば金利を下げたいけれど、インフレがしつこくて金利を下げられない。それで金利払いの為にさらに借金(国債の発行=通貨バラマキ)するという悪循環ですわ。GDP比で世界断トツの国の借金にもかかわらずまだ国内で手当て出来てる日本と違って、米国は外国に利払いしているんで国富が国外へ流出してしまって、米国内へは直接循環して行きません。

日本円が怖くて少し米ドル外貨預金にしたら結構金利(年率4%超)がついて、「オレにこんなにドルくれるの?アメリカって太っ腹だねぇ」と感心してたら、「でも、オレみたいなのにもこんなに金利払ってる(正確には銀行が米国債などを買って、自行の外貨預金にその金利をつけてる)なんて、米国の財政はダイジョーブなんか?」と、そのヤバさが判るってもんです。イーロン・マスクさんが大ナタ振り回してるのも、ウクライナ支援をケチりたいのも、それは米国財政の深刻さを物語っていて、正直、米国はシンドイのだと思います。ここで中国が出て来たらもうオシマイですわ。

ただし、私がドル買ったのはドルがスッ高値の時だったんで為替損が発生していて、低金利の円にせよ高金利のドルにせよそれぞれ相応のインフレが亢進している中では庶民が外貨買ってもあまり意味がないという勉強にはなりました。

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