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2025年3月22日 (土)

トランプが在日米軍を縮小する?

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やっぱり、そうきましたか。トランプが在日米軍を縮小するようです。
正確にいえば、米軍全体の削減計画の一環として、在日米軍の強化策を放棄し縮小させるということのようです。
在日米軍の場合、司令部機能が対象のようです。

トランプの天敵CNNはこう報じています。

「トランプ政権が連邦政府の縮小を目指しているため、ペンタゴンは米軍幹部の大幅な削減を検討していると、CNNと米国防当局者が入手したブリーフィング文書が明らかにした。
検討中の計画には、戦闘部隊の統合、統合軍の開発、訓練、教育を監督する総局の廃止、在日米軍の拡大の停止などが含まれている。
CNNが入手した文書によると、検討されている目を引く措置の中には、欧州司令部とアフリカ司令部をドイツのシュトゥットガルトに拠点を置く単一の司令部に統合すること、および米国の北部と南部の司令部を単一のAMERICOM司令部に統合することが含まれます」
(CNN3月19日)
国防総省、米軍トップへの大幅削減を検討 |CNNの政治

トランプのことを戦争好きだと勘違いしている人がままありますが、それは大変な間違いです。
トランプは経営者感覚ですから、戦争なんかしたら損だと割り切っています。
自国に対する攻撃ならともかく、子分どもの国への戦争なんかに関わるのはゼッタイに損。これが彼の本音です。
ですから、軍備なんか相手国にディールを仕掛けるための張り子の虎ていどに考えているふしがあります。
たとえば第1期政権時には正恩を会談に引っ張りだすために、朝鮮半島水域に空母を3隻並べて見せました。
実際の戦争以外で、外交的威嚇のために平時にこんな馬鹿なことをやらせた大統領はいません。
世界の海軍で10万t前後の巨大空母を保有しているのは(しかも12隻ですぜ)、英米仏くらいなもんで、英仏はそれぞれ1隻。
それをズラリと3隻集結させたのは、別に戦争をしたくてやっているわけではなく、たんに正恩をビビらせて会談に出ることを強要しただけです。
ハッタリ好きなトランプらしい。
しかも現実に正恩はビビって直接会談を呑んでしまったのですから、これがトランプの軍隊利用の成功イメージとなりました。
トランプは経験主義者ですから、頑固な小国に言うことを聞かせるには脅すに限るというのが教訓となりました。
先日のゼレンスキーをホワイトハウスから追放して見せたのも同じです。
大国とはディール、小国には脅迫というわけです。
そして小国はディールのカードに使い、しかも恩に着せて守ってやったくらいなことは言います。
なにもかもが自己チューな人なのです。

こういう空母の使い方にトランプの米軍観が現れています。
つまり軍隊などカッコだけあれば充分、だって平時は大の金食い虫だからオレの考える「ちいさな政府」の障害にすぎん、というものです。
DEIで統合参謀本部議長を切り、海軍作戦部長を切り、沿岸警備隊の司令官を首にしたのはほんの手始め。
マスクにバサバサ切らせる対象に「米軍」を除くなんていささかも考えません。
むしろ「米軍」こそ、ムダの本丸と考えていることでしょう。
「この文書は、イーロンマスクの政府効率局が国防総省や他の連邦機関にお金を節約するために抜本的な削減を行うように促したため、今月、米国防当局者によって上級指導者向けに作成されました。
ピート・ヘグセス国防長官は先月のビデオで、国防総省は「連邦政府最大の裁量予算で詐欺、浪費、乱用を見つける」ためにDOGEに頼ると述べた。
アメリカ軍の現在の年間予算は、8000億ドルを超えている」
(CNN前掲)
国防長官にピート・ヘグセスを当てたのは、州兵少佐でアフガン従軍経験はあるものの生粋の軍人ではないからです。
ピート・ヘグセス - Wikipedia
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CNN ピート・ヘグセス国防長官
「2012年、ヘグセス大尉はミネソタ陸軍州兵と共にアフガニスタンに派遣され、カブールの対ゲリラ訓練センターで上級対ゲリラ教官を務めた。それ以前には、ヘグセス中尉は2005年から2006年にかけて第101空挺師団第3旅団と共にイラクに派遣され、2005年にはバグダッドで歩兵小隊長として、2006年にはサマラで民軍作戦将校として従軍した。
その1年前、ヘグセス少尉は2004年から2005年までニュージャージー陸軍州兵部隊でグアンタナモ湾(JTF-GTMO)に勤務していた。ピートは最近少佐に昇進し、現在は個人即応予備軍に所属しています」
Honor Our Heroes
たかだかといってはナンですが州兵少佐という下級佐官どまりで、軍の枢要に関わったわけではありません。
むしろFOXのキャスターとして有名でした。
一方、バイデン政権がロイド・オースティン大将を国防長官に任命したのは、彼が黒人だったからというDEIがらみの理由もさることながら、イラク多国籍軍司令官という難しい任務をやりきり、米中欧軍(CENTCOM)の司令官などを歴任するというピカピカの軍人エリートだったからです。
ロイド・オースティン - Wikipedia
片や、軍歴は持っているもののしょせんはテレビキャスター、片や黒人のエリート軍人です。
米国の国防総省の予算は財政年度(2017年現在)には、連邦予算の支出の14.8%を占めています。

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とうぜんのことながら、巨大組織にありがちな浪費も目立っています。
「2014年9月の時点で、国防総省は「8億5700万ドルの過剰な部門と歳出」を有すると見積もられた。このありさまは過去数年にわたり生じてきた、そして成果をあてにされ続けてきたものにおける国防総省の浪費の、二つのありさまは特に言及するだけの価値がある:「アフガニスタンにおける一握りのペンタゴン従業員のための私的な別荘における1億5000万ドル」ならびに、ペンタゴンでの開発計画に過去20年をかけた「航空防衛飛行船JLENS英語版の調達」は、20億7000万ドルがかかると見込まれる」
アメリカ合衆国の軍事予算 - Wikipedia
いままでの民主党政権下ですらこれだけの浪費があるとされたのですから、トランプはマスクの政府効率化省(DOGE)に国防予算と肥大化した米軍機構をバサバサ切らせるつもりでしょう。
メインシナリオは3つ。欧州軍とアフリカ軍の統合化、米国内の軍の統合化、そして在日米軍の拡大計画の縮小です。
こういうことをやるのに生粋の軍人エリートは不要どころか、邪魔です。
彼らは米軍の世界戦略を熟知していますが、同時に「米軍」という巨大組織の権益代表でもあるからです。
高級将官の仕事は予算を引っ張ってくることも入っていますからね。
だからほとんど素人同然のテレビ司会者をマスクの受皿の国防長官に当てたのです。

それにしても、今やることかいと思います。
次期駐日大使もビジネス仲間のジョージ・グラスがやってきます。
「ワシントン時事】トランプ米大統領から次期駐日大使に指名された実業家ジョージ・グラス氏は13日、上院外交委員会の承認公聴会で証言し、「日米関係の一層の強化へ精力的に取り組む」と意欲を表明した。一方、防衛力強化や米国産液化天然ガス(LNG)購入などで「日本に約束を守らせる」と述べ、厳しい姿勢でトランプ氏の「米国第一」外交を体現する構えを見せた」
(時事3月14日)
「日本に約束守らせる」 防衛力強化や関税で圧力―米大使候補:時事ドットコム  
グラスがことさらに言う「日本との約束」とは対日貿易赤字削減についてのようですが、大使が言うことかと思います。
こういうことはUSTR(米通商代表部)の仕事じゃないのですかね。

前任者のラーム・エマニュエルときたらLGBTに夢中でしつこく内政干渉してきたし、まったくもう。
中国と対抗していくと口ではいいながら、対抗する策源地の日本列島を空き家化するとしたら悪い夢です。
しかしトランプならやりかねません。
なにかで中国とディールの関係に入った場合、タイワン、そんなものは知らん、センカク?あんなものは無人の岩礁だくれてやれといいかねません。
なんせ小国の主権なんぞシガにもかけないお人ですから。

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コメント

 先の官房長官談話で林氏はこの件について、「日米同盟強化策は変更なし」として否定しています。
また、中谷防衛相も「予断を持って答えない。変更は聞いていなく、引き続き強化に向かって進むべき」と答えています。
もちろん、「トランプが同盟強化策を変更すれば1700億円の支出を削減出来る」と発言した事は事実で、その線で米軍高官がすでに作成していた削減計画をCNNがスッパ抜きました。その後、共和党内から「日本国内の政治的状況をかんがみない愚策」として批判が上がり、ホワイトハウスはトーンダウン。しかし、撤回はしていません。要は日本へ「1700億円出せ」と恫喝しているように見えなくもない。

トランプ政権の全体的な軍事費削減方針は本記事のように事実で、その穴を埋めるのは「ディール」ならしいですが、いかなる計略を以てしても共産党やプーチンとの会談や約束事など軍事的な担保がなくては成り立ちません。成り立ち得る、と考える者は、トランプのような「必要以上の譲歩をいとわない者」です。しかも、それをやっても当座・一時的な効果しか存在しません。行き着くのは中共が主張する新しい地域のブロック化であり、プーチンが目指した多国家主義です。露・中を相手に互いの軍事費削減を協定しようとしているトランプは、我が国の盲目的絶対平和主義者の間違いと共通する土台があるように思えてなりません。共和党はふざけたディール信仰はやめさせるべきです。

オバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」と言ったのが確か2014年、もう誰が大統領になろうと、アメリカ帝国の「店じまい」は変わらぬ傾向なのかもしれませんね。

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