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2025年4月28日 (月)

軽い国防長官、情報漏洩でピンチ

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今週はウクライナを巡って大きな動きがあるかもしれません。
たぶんバチカンでトランプがゼレンスキーに引導を渡したような気がしますし、プーチンも話あってもよいというようなことを米国に伝えたようです。
なにかイヤーな予感がします。

さてトランプはよく頭が混線しないもんだと感心するくらい問題を抱えている、というか自分で量産し続けてそれが増殖しているわけですが、そのうえに政権でまともなのはスコット・ベッセント財務長官くらいであとは使い物になりそうにない連中ばかりです。
マルコくらいなんとかと思ったんですが、存在感ナッシング。

イーロン・マスクなどやりたい放題ぶっ壊して、自分の会社があぶなくなると慌てて撤収です。
なにせテスラの顧客層であるリベラルを叩きまくったのですから無理もない。
3カ月で株評価額で1000億ドル(約15兆円)を失ったというのですから、火遊びにもほどがあります。

安全保障は国の根幹ですから、第1期のようなジェームス・マティスかハーバート・マクマスターのような軍と安全保障の裏表を知り尽くした硬骨漢でないと務まりません。
マクマスターはスチーブン・バノンのような怪しげな男をホワイトハウスに寄せつけずに、トランプの耳に痛いことも直言しつづけることができました。
ちなみにマクマスターの後任には、これまた人一倍の骨太漢であるジョン・ボルトンだったというのは、トラ親分にとって幸運でした。
これにポンペオが加わって第1期のめざましい業績が上がったのであって、今思えばトラ親分は彼らに操られていただけでした。
トラ親分にはこういう重しが、世界の誰よりも必要なのですが、さそかしストレスが溜まったのでしょう。
ジェームズ・マティス - Wikipedia
ハーバート・マクマスター - Wikipedia
ジョン・ボルトン - Wikipedia

ちなみにボルトンのトランプ評。

「 米トランプ政権時代に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏は、11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領について「大統領にふさわしくない」とし、「最初の(1期目の)4年間が悪かったとすれば、次の4年間はさらに悪くなるだろう」と述べた。
ボルトン氏は30日に発売された「(邦題)ジョン・ボルトン回顧録・トランプ大統領との453日」の新版の序文で、トランプ氏は私利私欲におぼれており、自身の敵への「報復しか考えておらず、2期目の大部分がそれに消耗されるだろう」と述べた。
さらに、トランプ氏は再選されれば、米国は北大西洋条約機構(NATO)から脱退し、ロシアが侵攻を続けるウクライナへの支援を制限するなど、総じて孤立主義を追求する可能性があると警告。トランプ氏が「孤立主義ウイルス」を発し、「国家安全保障ほど、トランプ氏の逸脱による破壊的な影響にさらされる分野はない」という見方を示した」
(ロイター1月31日)
トランプ氏再選なら「さらに悪い4年に」、ボルトン氏 回顧録の新序文 | ロイター

ボルトンが予言したNATO脱退、ロシアすり寄りは現実となり、まさに大当たりです。
第2期はこんなうるさ方はいらない、全員茶坊主だというのがトラ親分の方針でした。
ですから第2期トラ親分が指名したのは、専門性はこれなく、ヨイショしかできないテレビのキャスターでした。
ばかだね。そんな顎で使えるキャラしか内閣には入れないと、自分だってなんの専門知識もないんだからどーなんのさ。

たとえば今、ロシアを除く全方向でトラ親分は軋轢を起こしていますが、そのなかで特に切迫しているのがイラン情勢です。

「イランの核開発が絡む潜在的な大規模戦争の序章に過ぎない可能性がある。トランプ氏は、イランに核兵器開発を思いとどまらせるだけの最小限のアプローチか、イラン核開発プログラムの根絶を目指す要求を矢継ぎ早に突きつけるかという、両極端の選択肢の間で揺れている。前者はイランにとって受け入れ可能だとみられるが、後者はイラン側の拒絶を招き、さらには衝突のリスクをはらんでいる。
時間はない。夏半ばまでに合意が成立しなければ、トランプ氏はイスラエルか米国、または両国連携での軍事攻撃を認めるかどうかの決断を迫られるだろう。また、長年の優先事項とする「イランの核兵器保有の阻止」と「新たな中東戦争の回避」という2つの緊張関係を解決する必要がある」
(ブルームバーク4月25日)
【コラム】トランプ氏が取り組む6つの戦争、全て敗色濃厚-ブランズ - Bloomberg

イスラエルと共に核施設攻撃を含むイラン攻撃をするか、このまま曖昧な第2次核合意でお茶を濁して核を完成させてしまうか、こんな重要な決断をすることが素人のヘグセスにできるはずがありません。

ヘグセスは案の定、半年もたたなうちからつまらないことをやり始めました。


「ピート・ヘグセス米国務長官が、民間通信アプリ「シグナル」のグループチャットで、妻や弟、個人弁護士らと米軍の空爆作戦の詳細を共有していたと、米メディアが20日に報じた。ドナルド・トランプ大統領は21日、ヘグセス氏に「大きな信頼」を寄せていると擁護した。
米政権をめぐっては、高官たちが「シグナル」のチャットで、同国によるイエメンでの軍事攻撃の計画について協議し、そこにジャーナリストが「誤って」加わっていたことが、先月末に明らかになったばかり。米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長が、自分がマイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)によってチャットに追加されていたと報じたことで発覚した」
(BBC4月22日)
ヘグセス米国防長官、民間アプリで空爆情報を妻らと共有か トランプ氏は擁護 - BBCニュース

なんでも報道によれば、フーシ派に対する海軍の攻撃チームの飛行スケジュールまでチャットに漏洩させてしまったそうです。
どうしようもないアホウだね。(笑)


「ヘグセス氏は3月15日、F/A-18ホーネット戦闘攻撃機の飛行スケジュールを含む、イエメンの武装組織フーシ派に対する空爆情報を、チャットで共有したとされる。
ヘグセス氏の妻ジェニファー・ロシェ氏は米FOXニュースの元プロデューサー。現在、国防総省で正式な役職には就いていない。ヘグセス氏は以前、外国の首脳との会合に妻を同席させたと報じられ、批判を受けたことがある。
シグナルのグループチャットに妻と共に含まれていたと報じられている、弟フィル氏と個人弁護士ティム・パラトーレ氏は、いずれも国防総省で役職に就いている。しかし、この3人の中に、慎重に扱うべきアメリカの軍事攻撃計画について事前の警告を必要とする者がいるのかは明らかではない」
(BBC前掲)

ポリティコは、ヘグセス氏にとって打撃となる報道が相次いだ裏側に、国防総省内の激しい対立があると伝えています。

「内紛劇の中心はカスパー前長官首席補佐官だ。国防総省が今月、メディアに内部情報を無断で流出させたとしてカルドウェル前上級顧問ら幹部3人を解任した際、カスパー氏は主導的な役割を担った。自らに権力を集中させるため、強引な手法で追放したとされる。
解任されたカルドウェル氏らは共同声明で「根拠のない攻撃で、われわれの品位を中傷した」と反発。ポッドキャスト番組でも情報漏えいを否定し、名指しを避けつつ「われわれに個人的な恨みを持つ人々がいた」と訴えた。
ヘグセス氏は22日、NBCなどの一連の報道について、「国防総省から追放された連中が、われわれを妨害するために情報を漏らした」と根拠を示さず非難。一方で、混乱を招いたカスパー氏を首席補佐官から外したとも明らかにした」
(時事4月23日)
米国防総省、内紛で混乱 相次ぐ情報漏えい―権力争い背景、長官更迭論も:時事ドットコム

もうしっちゃかめっちゃかですね。
ヘグゼスはこの混乱の震源地であるばかりか、その収拾する力さえないのです。

問答無用です。辞めるしかありません。
国防長官が情報を許可されなていない人たちの間に流布し、そのなかに米軍の作戦計画の一部もあったとすれば救いようがありません。
広い意味でのスパイ行為です。
今回の漏洩情報したチャットには米週刊誌アトランティックのゴールドバーグ編集長も呼ばれており、内容的にも4月15日に実施したフーシー派空爆に使用する航空機、兵器システム、情報システムまで含まれていたようです。
そこには戦闘機の空爆時間まで記されていました。

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BBC


「ピート・ヘグセス国防長官からのメッセージには、午後12時15分(米東部時間)にF-18戦闘機が発進し、同1時45分から最初の空爆が起こりうると書かれている。
さらに、午後2時10分にさらにF-18が発進し、午後3時36分に2回目の空爆を開始するなどと記されている。
英陸軍の元情報将校のフィリップ・イングラム氏は、この種の情報は「極秘に分類されたであろうものに明確に該当する」とBBCの取材で指摘。「戦闘機がどこからやってくるのか、事実上判断できる」とした」
(BBC3月27日)
米軍のフーシ派攻撃に関するチャット、全体を米誌が公開 取り扱いに慎重を要するやりとりも - BBCニュース

米軍にはすこぶる評判が悪いようです。
当然ですが、平気で秘密情報を流して現場を危険に陥れるような上司がいる軍隊で戦いたくはないと思うでしょうからね。

ただし公聴会では政権の国家情報長官もCIA長官も影響がないと釈明しているようです。
トランプは例によってフェークニュースだと言っているようです。ワンパターンな対応ですね。


「今回の情報漏えいを、ものすごいミスだと思うかと問われると、「いいえ」と答えた。
ギャバード国家情報長官は、「機密情報は一切」漏れていないと繰り返し主張。情報の「不注意な公開」と「悪意ある漏えい」は別だとした。
野党・民主党の委員らは、問題のチャットに関わった人々を、いい加減で無能だと批判。「プロのすることではまったくない。謝罪もない」、「このミスの重大さを認めてもいない」などと責めた。
こうしたなか、上院の軍事委員会と外交委員会のそれぞれの委員長(ともに共和党)は、今回の情報漏えい問題に関して調査が必要だとする考えを表明した」
(BBC3月26日)
トランプ氏や情報機関トップ、チャットでの情報漏えいの影響は小さいと主張 - BBCニュース

共和党の上院軍事委員長も外交委員長も揃ってさらなる調査を要求しているように、これで済むとは思えません。
というのはこのような私的メールでの国家情報の拡散には前例があるからです。
2016年、当時民主党大統領候補だったヒラリー・クリントンは、国務長官時代に機密情報を私用メール・サーバーで取り扱ったことで取り調べを受けました。
ヒラリーは、複数の携帯電話やタブレットを使い分けるよりも、端末1台に集約した方が便利だったからだと説明しましたが、私用メールで機密情報を扱ったという疑惑は晴れずに大統領選で苦しむことになります。

 「昨年の米大統領選で民主党候補だったヒラリー・クリントン氏が国務長官在任中に私用メールアドレスを公務に使っていた問題は、同氏の選挙戦に致命的な打撃を与えた可能性があるとの研究結果が新たに発表された」(CNN 昨年の米大統領選で民主党候補だったヒラリー・クリントン氏が国務長官在任中に私用メールアドレスを公務に使っていた問題は、同氏の選挙戦に致命的な打撃を与えた可能性があるとの研究結果が新たに発表された」
(CNN2017年5月24日)

このヒラリー事件の時には共和党はさんざん攻撃の的にしたものですが、今回は立場が逆になりました。
トランプはそうでなくても国債の暴落で信任をなくしているところなので、フェークだ、フェークだで済まそうとしているようですが、被害者となった軍は黙っていないはずです。
緊縮、緊縮、トップは女だから更迭と、やられ放題だった軍は、ここぞとヘグセスの解任を要求するはずです。
さぁどうします、トランプさん。

 

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コメント

これは完全にアウトでしょう。
2期目になって、1期目には堂々と意見できる連中が周囲にいてよほど煩わしかったのか、今や本当にトランプに絶対服従のボンクラしかいなくなった訳で。筆頭がヴァンスですが。
こんなのが国務長官じゃあ、いくらトランプでももう庇いきれないでしょう。むしろ他にもあちこちからスキャンダルが出るかと。

あと、トランプ批判はもちろんあるんですけど、
日本のマスコミはCNN報道に偏りすぎかと。オールドメディアもそうですけど。。

米国のネットメディアではいわゆるラストベルトだけじゃなく中南部の農民などで岩盤支持層が形成されていることは事実のようで。
まるで帝国主義や共産主義の「愚民化政策」ですが、実際にアメリカで現在起こっていますね。

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