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2025年5月15日 (木)

ロシア国内にドローンの雨

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今、ウクライナ軍はロシア深部の軍需産業を攻めています。
ロシア領のブリャンスク、クルスク、ベルゴロドなどへ、ドローンによる精密攻撃を連続して行い、ロシア軍のミサイル製造工場に致命的打撃を与えているよです。
たとえばこのブリャンスクの「クレムニ」工場では、このようなものを作っていました。

「ブリャンスクの「クレムニ」工場は、未知の無人機によって再び攻撃されました。ミサイルシステム、パーンツィリ防空システム、イスカンデルミサイル、レーダー、電子戦、ロシアのUAV用のマイクロエレクトロニクスを製造しています」
In Bryansk, the "Kremniy" plant, which produces electronics for Russian missiles, was attacked again - NSDC CCD | УНН

またモスクワにもドローン攻撃が行われました。

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プーチン氏、ウクライナは「ロシア国民を脅かそうとしている」 モスクワへの攻撃めぐり - BBCニュース

2025年4月30日には、クレムニ工場はドローン攻撃を受けており完全に破壊しつくされたようです。
このクレムニでは、ロシア軍のもっとも重要な兵器であるパーンツィリ防空ミサイルとイスカンデル短距離弾道ミサイルのに使われるマイクロチップなどの精密電子部品を製造していました。

また、ウクライナ国境に近い精密レーダーと電子システムを製造するストレラ軍需工場も攻撃を受けて、炎上しているのが映像で確認されています。
このストレラ工場を破壊したのは、ウクライナ軍のHIMARSミサイルとドローンだったといわれています。
下の衛星による爆発前後の写真を比較すると、ストレラ工場の復興はそうとうに難しいはずです。

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ストレラ軍工場が破壊:衛星画像でウクライナのロシア攻撃成功を確認 |ディフェンスエクスプレス

もっとも警戒が厳重だった5月9日のロシア戦勝記念日には、ベルゴロド州州政府庁舎が、厳重な防衛網を突破されて無人機攻撃を受け、州知事が式典で「永遠の炎」に点火した瞬間に庁舎が炎上したようです。
本日のウクライナ軍によるベルゴロドへの攻撃の結果、同地域の副長官が負傷した。

これらのドローン攻撃とは別に、ベルゴロド州ヴァルイキ駅では、武器集積所が爆破され、鉄道ハブも破壊されました。
これらはロシア人パルチザンによる破壊工作といわれていますが、詳細は不明です。

ところで衛星写真ではクリミアの主要な海軍基地をほとんど放棄されていて、ノヴォロシースクに籠もっていましたが、そこも追い出されそうです。
大海軍を誇っていたロシアが、水上艦艇を一隻も持たないウクライナに逃げまどっているのですから笑えます。

「「クリミアはもはやロシア海軍にとって安全な避難場所ではない」
セバストポリは伝統的に、黒海地域におけるロシアの主要な戦力投射拠点として機能してきた。しかし、黒海艦隊司令部は2023年9月の巡航ミサイル攻撃で破壊され、重要な乾ドック施設も同月、攻撃型潜水艦、揚陸艦もろとも巡航ミサイルで破壊された。
セバストポリの約160キロ東にあるクリミアのフェオドシヤ港も攻撃の的となっている。ウクライナは23年12月、フェオドシヤの揚陸艦を巡航ミサイルで撃沈したと発表した。今回公開された最新の衛星画像によれば、フェオドシヤには現在、目立ったロシアの軍艦は存在しないようだ」
(ニューズウィーク2024年4月15日)
大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア黒海艦隊「主力不在」の実態(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース 

黒海艦隊の残された主力艦と潜水艦のほとんどがノヴォロシースクに移動していましたが、そこも執拗なウクライナ軍の水上ドローンの攻撃により機能停止に追い込まれたようです。
【ウクライナ戦況】ブリャンスク軍工場が炎上消滅!デンマークが1340億円を支援!黒海艦隊が完全消滅!ノヴォロシースク港を完全封鎖!

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ウクライナ、水上ドローンでロシア艦を攻撃と 黒海主要港で - BBCニュース

バンスはこんなことを言ってウクライナを腐しています。本当に性格の悪い男です。

「ウクライナの反転攻勢は破局に終わる、と思っていた。「いい国」と「悪い国」に分ける道徳主義に動機づけられ、戦略的思考が十分でなかったからだ。ロシアは十分に準備していた。米軍指導者と非公開の場で話せば、すぐ分かるが、彼らは「ウクライナが戦略的に打開できる」などとは思っていない。
ウクライナは戦闘を凍結すべきだ。そして、国の独立と中立性を保証する。長期的には米国が安全を保証する。この3つは達成可能だ」
(ニューヨークタイムス2024年6月13日)

ナニを言ってやがる、このポンコツ元海兵隊員め、お前の親分が大好きなプーチンに「戦略的思考」なんぞないよ。
そもそもプーチンは短期決戦を狙って緒戦で首都キーウを襲撃して撃退されました。

短期決戦なら「特別軍事作戦」という国民向けの言い訳もできたし、そもそも長期戦に対応できるだけのものがハード、ソフト両面でロシアにはなかったのです。

しかし、戦争は3年の泥沼と化し、昨日も書いたようにありとあらゆることが破綻しました。
昨日も書いたように、兵士は不足し、砲弾やミサイルは足りず、経済は強インフレに陥り、国庫は干上がり、外交的には勢力圏はズタボロです。
しかし止めるに止められない。
バンス、このどこに「戦略性」があるのでしょうか。

ダラダラと戦争を続けているのはプーチンの強みではなく、ここでバンザイしたらプーチンは即失脚だからです。
ブリゴジンがワグネルの乱を起こしたような叛乱がまた起きてしまうから、戦争を止められないだけのことです。
プーチンとしては「負けない」ままで戦争を引っ張るしかないのです。

実際、「ドネツク人民共和国」を自称している親露武装分離主義者のボスであるアルメン・サルキシャンは、ロシアが停戦や武装解除に応じれば、武装叛乱を起こすぞとすごんだあげく、モスクワで爆死しました。
たぶんブリゴジンと一緒で、プーチンに消されたのです。
しかし彼の部下は大勢残っていて、和平なんてとんでもないと、いまでも息まいているそうです。
ちなみに、2014年にマレーシア航空機MH17便の旅客機が撃墜されて乗客乗員298人が死亡した事件の犯人はこの連中です。
マレーシア航空機撃墜、「ロシアに責任ある」と国連機関(BBC News) - Yahoo!ニュース

ウクライナはそれをよくわかっているから、停戦交渉を武器にしてグイグイとプーチンを追い詰めているのです。
トランプ?来るわきゃないでしょう。
あの男は関税と一緒で行き当たりばっかりなのです。
もちろん直接会談をやったところで、なにひとつ決まらないでしょう。
それでもいい。交渉の場に引きづり出して、プーチンの欺瞞を暴ければいい、和平会議とはそのていどのものなのです。
戦争は、残念なことですが、戦場で決定されます。
むしろ和平会談が近づけば近づくほど、支配地域の拡大を目指して戦闘が激化するはずです。

 

 

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コメント

トランプのケツ舐めバンス、本当にあらゆる言動が下卑ていて浅いですね…

 バンスの見方に象徴されるように、トランプ政権は戦況を圧倒的にロシア優位と見ていたんですね。さすがベトナムで負けた国です。
たしかに領土を蝕まれているのはウクライナですが、前線で兵士を無駄に消耗させるやり方のロシアに付き合う事は下策。制裁が効いて来た頃合いで軍事工場やインフラ、石油精製施設を叩きまくった方が効率がいいです。ウクライナのドローン技術の急発展は窮鼠状態から出た智慧でしょうが、ここに来て大戦略ともマッチしています。
ともあれトランプは、停戦を拒否し戦争をやめる選択肢を持てないのはプーチンの方だと、正しい認識を持つべきです。

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