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2025年5月 2日 (金)

米国-ウクライナ資源協定締結

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ベッセント財務長官がウクライナとの鉱物協定に調印しました。
ベッセントが出てくると常識が通じそうでホッとします。

20250502-023119

米国、鉱物取引がトランプ大統領のロシアとの交渉を強化すると発言 |ロイター

「米国とウクライナは4月30日、ウクライナの天然資源へのアクセスに関する協定に署名した。ウクライナは、ロシアとの停戦協議でトランプ米大統領の支持を確保するため、この合意を目指していた。
協定により、米国はアルミニウムやグラファイト、石油、天然ガスを含むウクライナの天然資源を開発する新規投資プロジェクトへの優先的なアクセス権を得る。
トランプ政権は、ロシアのウクライナ侵攻で始まった戦争の終結を目指しており、資源協定はウクライナがトランプ氏の支持を取り付けるための重要な一手となると見られていた。
ベッセント米財務長官は声明で「この合意は、自由で主権を有し、繁栄するウクライナに重点を置く長期的な和平プロセスにトランプ政権がコミットしていることを、ロシアに対して明確に示すものだ」とコメントした。
ウクライナのスビリデンコ経済相はソーシャルメディアへの投稿で、「米国と共に、わが国に世界的な投資を呼び込む基金を創設する」と述べた」
(ブルームバーク5月1日)
米国とウクライナが天然資源協定、復興投資基金を設立へ - Bloomberg

なんせ当初は、トラ親方はカネ返せ、感謝しろみたいなことを粗暴に吠えていました。
ゼレンスキーは、ホワイトハウスでの大喧嘩をはさんでやっとバチカンで手打ち。
具体的交渉も難航したようで、妥結前夜までの徹夜の交渉で妥結に至りました。

米国は合意の署名が見送られた2月末以降、ごり押しを言ってきていました。
むき出しの帝国主義チックな内容に呆れます。
ひとつには、米国側がウクライナ資源の独占的な開発権や基金運用の決定権を持つこと。

ふたつめは、得られた利益は米国が支援した額に達するまで受け取るということでした。
これは自国領土内の資源開発でありながら米国の経済植民地になれ、という意味です。
またヨーロッパ企業は参入できず、EUへの参入も不可能となります。
まさにトランプ的帝国主義全開で、よくもこう恥ずかしいことを言えるものだと感心します。 

脱線しますが、昨日のカナダの選挙でも、投票日まで
「もしカナダが51番目の州になれば税金は半分になり、軍事力も無料で世界最高レベルになる」
などと他国の選挙に介入していました。
この大応援がアダとなり、反トランプを掲げるカーニーが当選してしまいました。
それはさておき、協定は「復興投資基金」の創設を目玉にしています。
US and Ukraine Sign Agreement on Access to Natural Resources

この基金は、米国にウクライナの新たな鉱物資源取引への優先的なアクセスを与えています。
発表などでは、ウクライナの領土や領海にあるすべての資源の所有権はウクライナにあるとし、両国の対等な関係を反映して基金の運営にあたってはいずれの国にも過半数の議決権を持たないとしています。

「米財務省は協定発表にあたり、「ロシアの本格的な侵攻以来、米国国民がウクライナの防衛のために提供した多大な財政的・物質的支援に鑑み、この経済パートナーシップは、両国が協力し投資することで、相互の資産、才能、能力によってウクライナの経済復興を加速させることを可能にするものだ」とした」
(ロイター5月1日)
米・ウクライナ、鉱物資源協定に署名 復興投資基金設立へ | ロイター

つまり米国はこの豊富な鉱物資源を優先的に開発し、そこから提供した支援を回収しようということのようですが、細目はわかりません。

ウクライナには下図のように豊富なレアメタルとリチニウム、チタンなどの鉱物資源があります。
いずれも垂涎の豊富さを誇っています。
米国としては中国からのサプライチェーンから自由になるという意味でも魅力的なはずです。


20250501-154803 NHK

「アメリカのシンクタンク、戦争研究所が公開しているデータによりますと、ウクライナにはレアアースのほかリチウムやチタン、ジルコニウムなどさまざまな鉱物資源が埋蔵されています。
データからはロシアが一方的に併合したウクライナ東部と南部の4つの州にも鉱物資源が埋蔵されていることが分かります。
国連は、ロシアがウクライナへの全面的な侵攻を開始する前の2022年に、ウクライナ政府の高官によるレアアースなど世界中の重要な資源のおよそ5%はウクライナにあるとする報告を公開しています。
また、イギリスの公共放送BBCは、ウクライナがチタンについてはヨーロッパの供給量の7%を保有し、リチウムについてはヨーロッパの埋蔵量の3分の1を保有しているとしています」
(NHK5月1日)
【更新中】アメリカとウクライナ 鉱物資源の合意文書に署名 ウクライナの停戦をめぐる議論に影響か | NHK | アメリカ

米国は、この協定を受けて支援を継続するようです。
特に今緊急に必要とされている防空関係が主なものとなるでしょう。
興味深いのは、ロシア軍の支配地域にある鉱物資源です。
これを開発するとなるとプーチンとどう折り合いをつけるのか見物です。

とまれ、これで国を売れないと経済植民地化を強要していたトランプに頑強に抵抗してきたゼレンスキーが報われたようです。

 

 

 

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コメント

 先ずは穏当な内容で安心しました。
早速、武器支援も解禁されたよう。報道ではトランプ政権になって初だとか。トランプのおっさん、ギリギリで正しい方向を向くので、いつもヤキモキさせられます。

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