ウクライナ和平交渉、トルコで直接会談か
さぁ、どうなるのでしょうね、ウクライナ和平交渉。
ゼレンスキーはトルコでプーチンとの直接交渉をする、トランプにも同席を依頼しました。
今、トラ親方は中東歴訪していますから、トルコは目の前ですしね。
さて、プーチン、もう逃げられませんよ。
「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と15日にトルコで自ら会談し、戦争を終わらせることについて話し合う用意があるとソーシャルメディア「X」に投稿した。
ゼレンスキー氏に対しては、プーチン氏が11日未明、トルコでの直接会談を提案していた。
この提案については、アメリカのドナルド・トランプ大統領が同日、ウクライナは「直ちに」同意すべきだと主張。ソーシャルメディアへの投稿で、「少なくとも、合意の可否を判断できる」、「今すぐ会談しろ!」と書いていた。
ゼレンスキー氏はこの直後の投稿で、「殺し合いを長引かせることに意味はない。木曜日(15日)にトルコでプーチンを待っている。私自身が」と書いた」
(BBC5月12日)
ゼレンスキー氏、プーチン氏と会談する意向を表明 直前にトランプ氏が要求 - BBCニュース
トルコでの直接会談を提案したのはプーチンの側ですから、ゼレンスキーが応じた以上拒否する関係にはなりません。
ただし、プーチンは少し前にやった対独戦勝記念日でこう言っています。
「プーチン氏の演説と、1分間の黙とうに先立ち、地上部隊のオレグ・サリュコフ司令官が、ウクライナで戦った約1500人を含む1万1000人の兵を率いて赤の広場に登場した。その後、アンドレイ・ベロウソフ国防相が部隊を視察した。
プーチン氏は演説で、ロシアは「ナチズムやロシア嫌悪、反ユダヤ主義に対する不滅の障壁であり、今後もそうあり続ける」と主張。ウクライナの指導者たちはナチスだという、事実と異なる主張を繰り返した。
「真実と正義は我々の側にある」とプーチン氏は続け、ウクライナ戦争の参加者を「この国と社会、国民全体が支持している」と主張した。
ロシアの発表によると、式典には27カ国の指導者らが出席した。特に目立っていたのはプーチン氏のほかは、中国人民解放軍の兵士100人超と並ぶ習近平氏だった」
(BBC5月10日)
ロシアで対独戦勝80年の記念式典、ウクライナの攻撃に備えてモスクワは厳戒態勢 - BBCニュース
なにがナチズムやロシア嫌悪だつうの。
ナチズムを叩き直してやるといって隣の平和な国家に攻め込み、虐殺を働いてきたのはどこのどいつだって言うのか。
その結果、世界から制裁を食らえば、こんどは被害者ヅラして「ロシア嫌悪」だと泣いてみせる。
対独戦とはまったく違う、一方的侵略をしたのはロシアなのです。
さっさと兵を引け、そうすれば「ロシア嫌悪」は雲散霧消するでしょうよ。(しないな)
ロシアがこの愚かな戦争で、なにを得られましたか。
獲得したのは、戦火で荒廃したマリウポリとドンバスくらいでしょうか。
一方、失ったものは、ウクライナ侵略戦争前の「勢力圏」の大部分です。
23年9月には、南カフカス地方の同盟国であるアルメニアがアゼルバイジャンに係争地ナゴルノカラバフを奪還されてしまい、同盟関係が崩壊しました。
また24年12月には、ロシアを後ろ盾としてきたシリアのアサド政権が反体制派の攻勢を受けて崩壊しました。
これでロシアがシリア国内に租借してきた海軍基地と空軍基地の処遇は不透明となり、中東、地中海、アフリカへの足掛かりを喪失しました。
双方ともに駐留させていたロシア軍を引き抜いて、ウクライナに突っ込んだからです。
ロシアと国境を接するフィンランドやバルト3国、スウエーデンは、いままで中立を保ってきましたが、ロシアがこうまで露骨な侵略をする国だとわかるや一斉にNATO加盟に踏み切りました。
このためにロシアのバルト海艦隊は、北海への出口を封鎖されてしまうこきとになりました。
そのNATOも揃って軍事費を嵩上げしました。
ウクライナ侵略に伴ってロシアが被った軍事的損失も膨大です。
ロシアの最大の軍事機密は自軍の損害です。
これは防大な数に登り、米欧諸国やウクライナの分析では、戦死者だけで少なくとも10万人。
負傷者はその数倍に上ると見られています。
英国国防省によれば、撃破された露軍戦車は3600両以上、装甲車両は8000両と、備蓄してきた大部分を喪失し、いまや新型戦車は怖くてウクライナには送れない有り様です。
ウクライナ戦争の海上戦力の主体だった黒海艦隊は、旗艦「モスクワ」など主力艦の多くが撃沈されほとんど解体状態で、いまやクリミア半島突端のセバストポリ軍港には怖くて艦船を置いておくこともできません。
空軍は対空ミサイルが怖くて使えないので温存されていますが、少しウクライナに飛ばせば直ちに落とされます。
経済はこの間書いてきているように、戦争経済をしているために強インフレが加速しています。
「ロシアが受けた経済的損失も大きい。ロシアは侵略で欧米諸国などから大規模な経済制裁を科され、先進技術のサプライチェーン(供給網)から切り離された。重要な外貨獲得源だった石油や天然ガスなどエネルギー資源の輸出では、主要顧客だった欧州が購入を大幅に減少させた。ロシアは中国やインドへの輸出を拡大しているが、足元を見られて割引価格での販売を強いられており、対欧州輸出の減収分を補えていないとみられている。
ロシアの国内景気は軍需生産の拡大で活況を呈し、賃金も上昇しているが、その反動としてインフレが加速している。露中銀によると、24年のインフレ率は9%を超える可能性がある。中銀はインフレを抑えるために24年秋、政策金利を21%に引き上げた。借入金を抱える企業は高金利のために利益を出すのが難しくなっており、銀行借り入れによる新規投資にも慎重になっている」
(産経1月2日)
ロシア、ウクライナに「もし勝利」でも大損失が確実 地政学・軍事・経済の全てで〝赤字〟 - 産経ニュース 。
常識的に考えれば、とてもじゃないがこれ以上戦争を続けるのは無謀です。
しかしこのプーチンという男をもう止められないでしょうね。
この対独戦勝なんじゃらには習近平も駆けつけて、こんなことを言ってくれています。
「習近平国家主席は「たった今、プーチン大統領と私は深く、友好的で実り多い会談を行い、多くの新しく重要な合意に達した。日本の侵略に対する中国人民の抵抗戦争、大祖国戦争におけるソビエト連邦の勝利、国際連合創設80周年を記念し、新時代における中露包括的戦略的協力パートナーシップのさらなる深化に関する中華人民共和国とロシア連邦の共同宣言に共同署名し、両国の関係部門間で多くの協力文書の交換に立ち会った」とのべました」
(福島香織5月10日note)
もういまさら中国の手前でも止めるとは言えないのでしょう。
愚か者がバクチをして大損し、それをとりかえそうとさらに大金を賭けて全部すり、泣きわめきながらもっと多くのカネと人の命を地獄の業火にくべるのですから、後世の歴史家はこのプーチンという人物をどう書き残すのでしょうか。
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プーチンがトルコに行くなんて、100%あり得ないですね。
せいぜいラブロフです。それを盟友トランプはどう思うか?習にすら停戦を迫られている現状です。
プーチンは「直接会談」というボールを投げかけて欧州の足並みを乱そうと画策しましたが、逆にゼレンスキーに嵌められた格好となりました。
どだいプーチンには終戦は出来ないし、その意思もありません。
終戦しても、現在の戦争経済からの転換はどうしようもない痛みをともないます。停戦でもそうです。今まで「ナチズムからウクライナを救う」と右派をだまして戦争主導してきた分、右派からの圧力はすでに相当なもの。行くも地獄、行かぬもまた地獄です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2025年5月14日 (水) 16時26分