ユーはナニしに中東へ
トルコで開かれたウクライナ-ロシアの高官級会談はなんの成果もありませんでした。
ウクライナ側は半数以上が迷彩服を着用し、ロシア側とは握手もしませんでした。
これが被侵略国の矜持というやつです。
内容的には、成果は捕虜交換で、互いに1000人が還って来ることになります。
「協議は2時間にも満たずに終了し、すぐに深刻な対立が表面化した。ウクライナ政府関係者によると、ロシアは「新たかつ受け入れがたい要求」を突きつけたという。その中には、ウクライナが自国領土の広範囲から部隊を撤退させることと引き換えに、停戦を実現するという内容も含まれていた。
予想された通り、停戦という重要な課題に関しては進展がなかったが、具体的な成果が一つ報告された。
両国は今回、互いに1000人の捕虜を返還することで合意した」
(BBC5月17日)
ロシアとウクライナが対面協議も大きな溝、捕虜1000人ずつ交換で合意 - BBCニュース
ふざけたことには、ロシアは「ウクライナ軍の自国領土からの撤退」すらテーブルに乗せる有り様で、停戦などする気はいささかもないことを満天下に示しました。
捕虜交換に応じたのは、EUの第18次制裁を回避するためにすぎません。
一方、トラ親方は例によって、自分を中心に世界は回っているようです。
「両国が同じテーブルに着いた一方で、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、「意味のある協議は、自分とプーチン大統領の間で行われるものだけだ」と発言した。
トランプ氏は15日、大統領専用機エアフォースワンの機内で、「プーチンと自分が会談するまでは、何も起こらない」と述べた」
(BBC前掲)
なにをおっしゃる兎さん、プーチンはとっくにトラ親方の足元を見ていますよ。
米国はなにもしない、なにひとつできないということをプーは見切っています。
何度も書いてきていますが、プーチンは力の信者です。
絶対的に戦闘継続が不可能になるまで戦闘を継続しつづけることでしょう。
だからあいつに戦争を止めさせるには、戦争経済を継続する国家財政を破綻させるか、軍隊を壊滅させるしかないのです。
ところで、トラ親方は中東歴訪しに行ってました。
というわけで、すいません、アホンダラさん、気を悪くしないでください。またトランプ話です。
本来、今行くべきはイスラエルで、ネタニヤフに停戦合意を破るんじゃないぞと釘を刺すことだったはずです。
しかしイスラエルはパスして寄りもせず、なにをしに行ったのかといえば、ひとつにはシリアと手打ちをするのが目的です。
「ドナルド・トランプ米大統領は14日、シリアのアフメド・アル・シャラア暫定大統領とサウジアラビアで会談した。トランプ氏は会談後、自らの政権がシリアとの国交正常化の可能性を模索していると明らかにした。
シリアでは昨年12月、シャラア氏が率いる「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」が中心となってバッシャール・アル・アサド政権を打倒。暫定政府が立ち上がっている。
数カ月前には想像もできなかった今回の異例の会談は、37分という短時間ながらも重要な意味を持った。
トランプ氏は会談後、シャラア氏について「彼には可能性があると思う」と語った。
トランプ大統領は、シャラア大統領(42)が、混乱のシリアを多様性に寛容な国にしようと試みていることを評価し、それにチャンスを与えてもいいと語った。しかし、背後で、アメリカへの膨大な投資を約束したサウジアラビアと、トルコの要請であったと言われている」
(BBC5月15日)
トランプ米大統領、シリアのシャラア暫定大統領と会談 国交正常化を示唆 - BBCニュース
確かにアサドがいたら話にもなりませんが、アサドの後ろ楯となり、亡命した今も彼を匿っていたのはトラ親方の親友のプーチンですぜ。
まぁ、それは今はいいっこなしにしても、いまでもロシアの空軍と海軍の基地は置いているはずで、どうするんでしょうね。
このシリアとの会談が開かれたのがリヤドだったことからもわかるように、この会談自体ビン・サルマン皇太子がセットアップしたもので、これにトルコのエルドアンが協力したものです。
エルドアンがでてくるのは、シリアにクルド人武装組織キャンプがあったりするからです。
経済制裁を解除する条件として、シリア領内からパレスチナ人テロ組織と、すべての非シリア人戦闘員の国外追放が入っています。
これで一気にいままでイランの舎弟だったシリアを、サウジ主導の側に引き寄せるということのようです。
しかしこの不安定きわまるシリアに、ここまでノリでのめり込んでいいのでしょうかね。
シャラアは元アルカイダで米国からテロリスト指定されている人物です。
シャラアはシリアのアルカイダのリーダーで、大量の戦闘員を抱えて部下には自爆テロを実行させてきた人物です。
当時のコードネームは「ゴーラーニー」といい、シリア内戦の中でのいきさつから反アサド側に走っただけのことです。
いまでもアルカイーダとは絶縁したといいながら、イドリブ周辺を支配する旧アルカイーダの武装組織を持っています。
よくいっても一国の指導者というより、山賊の類です。
こういうタイプの人物を一目で気に入り、「可能性がある」とまで言っちゃうのが、さすがはノリとひらめきの男トランプです。
ところでトランプが中東に前のめりなのにはわけがあります。
今度の中東歴訪も、ちゃっかり自分の商談もまとめてきているのです。
「米国のトランプ大統領が就任後初の本格外遊として2025年5月13~16日に訪れる中東3か国(サウジ、カタール、アラブ首長国連邦:UAE)、は、トランプ氏一族のビジネスと密接なつながりを持つ。一族が事業を急拡大させている地域への優先的な訪問は、利益相反や公私混同との批判を浴びている。
一族の中核企業「トランプ・オーガニゼーション:The Trump Organization」で取締役副社長を務める次男エリック氏は4月下旬、トランプ氏の訪問に先立って中東を訪れた。カタールでは、同国初の高級ゴルフリゾートを建設する計画を発表。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイDubaiでは、地上350メートル、80階建て、2000万ドル(28億6000万円)の「トランプタワー」建設を大々的に発表した。同社はサウジアラビアを含む3か国で計六つの開発計画を進めている。世界中に資産を持つ同社は、ホテルやゴルフ場に「トランプ」の名前を利用する権利を与え、報酬を得ている。オイルマネーが潤沢な中東は、事業を急拡大させている重要地域だ」
(ブルームバーク4月30日)
Trump Firm Sells Dubai Penthouses for $20 Million in Gulf Push - Bloomberg
その中東訪問の直前には、次男エリックが現地に入っています。
ドナルド・トランプには3度の結婚歴があり、子どもが5人、孫が10人います。
奥さんは全員高身長のスラブ美人で統一しています。
「一族の中核企業「トランプ・オーガニゼーション」で取締役副社長を務める次男エリック氏は4月下旬、トランプ氏の訪問に先立って中東を訪れた。カタールでは、同国初の高級ゴルフリゾートを建設する計画を発表。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、地上350メートル、80階建ての「トランプタワー」建設を大々的に発表した。同社はサウジアラビアを含む3か国で計六つの開発計画を進めている。
世界中に資産を持つ同社は、ホテルやゴルフ場に「トランプ」の名前を利用する権利を与え、報酬を得ている。オイルマネーが潤沢な中東は、事業を急拡大させている重要地域だ」
(読売5月14日)
ドバイに「トランプタワー」、カタールで高級ゴルフリゾート…米大統領親族企業が中東で大規模ビジネス : 読売新聞
2016年の大統領選以降、トラ親方はトランプ・オーガニゼーションの経営からは退陣した形にして、長男トランプジュニアと次男のエリックに運営を任せていますが、親父はしっかりとトップ営業しているわけです。
しかしこの中東世界では、大手不動産開発企業は当該国政府の支配力が強いのは知られています。
今、サウジは不動産業が加熱していますが、それはサウジ政府の国家開発計画が青写真を描いているからです。
「長期的な成長と国際的な成功は、サウジアラビアの不動産市場に対する野心の中核をなすものです。これは、一つには、サウジアラビア当局が、居住用住宅販売市場への民間セクターの貢献増大を求めるサウジアラビアの「ビジョン2030」国家開発計画を実現する上で、また経済の着実な成長を確保する上で、不動産の重要性を長いこと意識してきたことによります」
サウジアラビアのダイナミックな不動産市場 | アブドゥル・ラティフ・ジャミール
このような政府主導で進められている中東不動産開発にトランプの名前を冠した企業が関わるのは利益相反を疑われてもいたしかたありません。
そのうえカタール政府から4億ドルもの航空機をプレゼントされてしまっては、なんともかとも。
中東の王族たちはトランプというギトギトの人物をよく研究しています。
極度にトラ親方はカネに弱いのです。そしてに気に入られたければ、貢ぎ物を持っていけばすんなり気に入ってもらえます。
それもわかりやすくピカピカで高いモノが大好き。
ピカピカのトランプタワーで王侯貴族を気取るのが大好きな人なんですよ。
こういうかんじですね。ウォー、絵に描いたような田舎成り金絵図。
NYにある、不動産王ドナルド・トランプのゴージャス過ぎるペントハウスを公開!
「中東歴訪中のトランプ米大統領が、訪問先のカタールから「プレゼント」されると報じられた航空機を新たな大統領専用機(エアフォース・ワン)とする意向を示していることが、物議を醸している。安全上の問題のほか、外国から高価な贈り物を受け取ることによる法的・倫理的問題も取り沙汰されている。
問題となっているのは、カタールの王族が所有する約4億ドル(約600億円)相当のボーイング747-8ジャンボジェット機。複数の寝室や浴室、ラウンジなどを備え、「空の宮殿」とも呼ばれる」
(産経5月14日)
トランプ氏へのカタールの〝贈り物〟で物議 「空の宮殿」を大統領専用機に改修意向 - 産経ニュース
というわけで、今後世界各国は、カタールから「寄付」されたピカピカの「空の宮殿」に乗ってくる合衆国大統領をお出迎えすることになるようです。げっそり。
中東については大きなシフト転換をはらんだことなので、次回に続けます。
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最後の写真、妻もバカっぽいポーズ決めてて最悪ですね店
投稿: ねこねこ | 2025年5月19日 (月) 08時13分
トランプの言動を見ると未だにプーチン擁護に勤しんでいるようですが、ローマでのバンス=ゼレンスキー会談は非常にうまく行ってます。
これを「プーチンの譲歩を引き出すためのカバー」と見る向きもありますが、イスタンブールにあらわれず「30日無条件停戦」をも蹴ってしまったプーチンに対する純粋な方向転換とも言えます。少なくともルビオやケロッグに加え、バンスも取り込めつつあるんじゃないか?(ちなみにウィトコフのような小物はどうでも良い)
とまれ、トランプもロシアに対する最大制裁を決議している上院の圧力は無視できないでしょう。
トランプは中東で何をしたいんでしょうね。
一次政権時の中東政策など無かったような転換ぶり。何をやってもちぐはぐで、最後はルビオが引き取るか。
自分のゼニの事ばかり考えているとは思いたくないが、トランプ財閥は決して順風満帆ではないので、そういう相手の足元をみるのが中東の政治マフィアなのは確か。
それにしてもトランプタワー・ペントハウスの悪趣味なこと。
私なら、ああいいった場所には一時間もいられそうにありません。
勝手に王様気取りはいいけど、人に見せびらかすのは逆効果なんじゃないですかね。キャバ嬢をさらに下品にしたような装いの孫だかが、よりいっそう哀愁を誘います。一次政権の時のように、早いとこ実権をルビオにでも移譲させるべきでしょう。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2025年5月19日 (月) 21時42分