ウクライナ軍が超弩級な大戦果を上げる
やりました、ウクライナ軍が超弩級な戦果を上げました。たぶんこれは世界的な戦史に残るでしょう。
露空軍お宝の戦略爆撃の34%を爆破しました。
稼働率を考えれば、これでロシアの戦略空軍は死に体のはずです。
この戦略爆撃機は、ウクライナに対しての無差別ミサイル攻撃のプランホームとして使われている憎んでも憎みある機体です。
これがまとめて40機大炎上、わ、はは。痛快とはこのこと。
ロシアの損害は出るも出たり70億ドル(1兆円)相当!
「ウクライナは1日、ロシアとの間で続いている戦争で最大規模となる長距離攻撃を実施し、完了したと明らかにした。ドローン(無人機)をひそかにロシア国内に運び入れ、同国軍の基地4カ所で爆撃機など計40機を攻撃したという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日夜、同国保安庁(SBU)がドローン117機を使った「クモの巣」作戦を実施し、「(ロシアの)戦略巡航ミサイル運搬機の34%」を攻撃したとソーシャルメディアに投稿した。
ゼレンスキー氏は、作戦の「まったく見事な結果」についてSBUのヴァシル・マリュク長官に祝意を伝えたとし、ドローン117機の各機に操縦士がついていたと説明した」
(BBC6月2日)
ウクライナ、ロシアで大規模なドローン攻撃 爆撃機など40機破壊 - BBCニュース
BBC
そして露空軍の損害は以下です。
お気の毒にもお宝中のお宝のA-50早期警戒管制機(AWACS)も喪失しまた。
・Tu-95MS戦略爆撃機
・Tu-22M3戦略爆撃機
・A-50早期警戒管制機(AWACS)
攻撃を受けた露空軍基地は以下のとおり、深刻なことにはロシアの深部に及んでいます。
ロシア軍機40機以上を破壊!100機以上のドローンで襲撃したウクライナ軍の特殊作戦「蜘蛛の巣」
・オレニャ空軍基地(ムルマンスク州)
・ベラヤ空軍基地(イルクーツク州)
・ディアギレヴォ空軍基地(リャザン州)
・イヴァノヴォ空軍基地(イヴァノヴォ州)
注目すべきは、フィンランドに隣接する北極圏のオレニャとベラヤ空軍基地への攻撃です。
オレニャ空軍基地は、ロシア北方艦隊の母港であるムルマンスクに隣接し、戦略的にも重要な基地とされてきました。
オレニャ基地は、ロシアが今後フィンランドやバルト諸国を侵略しようとした場合の、最前線基地となる場所に位置していました。
また、ベラヤ空軍基地は、なんとシベリアのイルクーツク州にあり、モンゴルのほぼ北。
深部も深部、ロシアは絶対にこんな場所を攻撃されるとは思いもしなかったはずです。
同基地もロシア戦略空軍の主要基地であり、ウクライナの支配地域から4500km以上も離れています。
もはやロシアには聖域など存在しないのです。
攻撃方法もまた奇想天外でした。
まるでミッション・インポシッブルの世界です。
ウクライナ特殊部隊が、実に2年がかりで仕掛けた大技だそうです。
「ウクライナが戦史に残る特殊作戦を成功させた。Butusovによれば、ドローンによる攻撃で4つの空軍基地で計41機のロシア戦略爆撃機・輸送機を破壊・損傷。2年の準備期間を経てウクライナ保安庁(SBU)のエージェントが150機のFPVクアッドコプターをロシアに秘密裏に輸送、操縦にはロシア通信回線を利用」
XユーザーのSanshiro Hosakaさん
まずは木製のプレハブ住宅の中にドローンを150機仕込んで露空軍基地の間近まで運送してもらいます。
ただしフィンランドに近いオレニャ空軍基地は遠すぎるためにフィンランド経由で搬入したのでしょうし、モンゴルに近いベラヤ空軍基地にはモンゴル経由の可能性があります。
またウクライナの特殊部隊だけでこれを遂行するのは困難であり、ゼレンスキーも「私たちを支援した人々」という表現を用いて現地レジスタンスの人々に謝意を表しています。
現地映像(ドローンがコンテナから出撃、ドローン攻撃映像、被害映像)
運んだのはロシアのフツーの運送業者。
そして期日どおりに到着したことを確認すると、遠隔操作でパカっと木造住宅の屋根が開いてワラワラとドローンどもが大空に飛び出したのだそうです。もはや映画ですな。
このドローンは1機5万円のFPVクアッドコプターで、しめてコストは750万円、それで戦果は1兆円。
すさまじいまでのコスパですが、これがドローン戦争です。
これだけのことを空軍がやろうとしたら、どれだけのストライクパッケージがいることか。
米空軍の場合は
- 空中警戒管制指揮機(1機~3機)
- 目標へ直接爆撃を行う攻撃機・爆撃機(数十機)
- 攻撃機編隊の護衛と戦闘空中哨戒を行う戦闘機(数機~数十機)
- 敵防空網制圧編隊(数機~数十機)
- 空中給油機(10機以下)
- 爆撃効果判定を行う偵察機(数機)
ストライクパッケージとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書
通常このストライクパッケージは約60機ほどで編成されるので、これが4目標だからざっと240機。
そもそもウクライナ空軍を逆さに振っても足りませんし、これを露軍のS400、S300といった優秀な地対空ミサイルが待っています。
たぶん離陸した瞬間に探知されてボロボロにされ、ウクライナ領空から出ないうちにたぶん3分の1は撃墜されてしまうでしょう。
結果、ウクライナ空軍は壊滅。
これをドローンが無血でやってしまうのだから、もうすさまじいとしかいいようがありません。
時代が変わったとしかいいようがない。まさにゲームチェンジャーです。
ところで、BBCはこのように記事を結んでいます。
「つまり、クレムリン(ロシア大統領府)の代表団と新しい停戦交渉のためにイスタンブールに到着したウクライナ代表団は、「ウクライナはまだまだやるぞ」というメッセージを携えていたのだ。
私の同僚のホメンコ記者に話をしたウクライナ政府関係者は、「(アメリカは)まるで一番ゆるい降伏条件に同意するよう、我々を説得することこそ自分たちの交渉上の役割だとでも言うように、ふるまい始めている」と話したそうだ。
「それでいて(アメリカは)、こちらが感謝しないと怒り出す。しかし、もちろんこちらは感謝などしない。自分たちが負けたとは信じていないからだ」
ロシアはドンバスの戦場でゆっくりと、しかし容赦なく着実に進撃している。それでもウクライナはロシアと、そしてトランプ政権に告げている。ウクライナの今後の展望をそうそう簡単に否定しないようにと」
(BBC6月3日)
【解説】ウクライナの大胆なドローン攻撃、ロシアと西側に重要メッセージ(BBC News) - Yahoo!ニュース
まったくそのとおりです。
ウクライナは米国の裏切りにもかかわらず、まだ戦い続けているのです。
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本当に素晴らしい戦果でしたね。「ウクライナを攻撃する分には数機あれば十分だから問題ない」などとロシアはうそぶいてますが、ローテーション等もあるし「もう生産終了してるので二度と新造できない」型番もあるらしいので、凄まじい打撃です。
今朝には「クリミアの橋の基礎を爆破」なんてニュースもありましたし、ロシアという国自体を、ボロボロにする戦いはまだまだ続いていきそうです。
「民間人を積極的に殺してウクライナの心を折る」ことに執心しているバカプーチンに対して、「いかに戦争のルール内で、民間人も(殺してやりたくてたまらないだろうに)極力被害を出さずに作戦を進めているウクライナ(ゼレンスキー)は本当にできすぎなくらいよくやってると思います。
気になるのは、この「一年半かけた大作戦」に類するような規模の作戦が、他にも何本か走ってるのかな?それともこれが渾身の一撃で、最後の一発だったのかな?というところです。戦果として表に出ない限りは、我々には知る由などありませんが…
投稿: ねこねこ | 2025年6月 4日 (水) 08時29分
更に本日に追撃とばかりに破壊工作をして、
戦略空軍の10%にダメージと・・・・・・
最初は3か月、クリスマスには終わる作戦だったのにねぇ。
親露派の擁護サイトでは民間人への被害は出していないって最初は言ってたのにね。
自由陣営側としてはロシアは信用ならないのでウクライナに頑張ってもらいたいです。
投稿: 某K | 2025年6月10日 (火) 02時25分