イスラエル-イラン停戦
毎日びっくりして恐縮ですが、突然イラン-イスラエルが停戦だそうです。
「ドナルド・トランプ米大統領は米東部時間23 日(日本時間24日)、イスラエルとイランの停戦合意が成立したと発表し、同24日午前1時(日本時間同日午後2時)すぎ、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で「停戦合意が発効した。頼むから違反しないでもらいたい!」と書いた」
(BBC6月24日)
トランプ氏が停戦発表、イスラエルは合意認めるもイランが停戦違反と非難 イランは否定 - BBCニュース
事実上の「降伏」です。さぞや無念だったことでしょう。
降伏の合図は、落とされたバンカーバスターの下図と一緒の14発のミサイルでした。
これをカタールの米軍基地に事前通告つきで発射したのですから、おいたわしや。
もう打つ手なしということです。
トランプ氏、「イスラエルとイランが停戦合意」とSNSに投稿「世界から称賛される」とも - 産経ニュース
イランは盛んに報復を叫んでいましたが、やるにしても手段は三つしかありません。
①ミサイル②テロ③ホルムズ海峡封鎖です。
①のミサイルは、イスラエルに撃つ数が激減していました。
目標もロシアと一緒で、もうイスラエルならなんでもありというかんじで、軍事目標ではなく民間のアパートや病院を攻撃しています。
こんな場所を撃ってもイスラエルを怒らせるだけ、なんの効果もありません。
②のテロですが、テロ本部とも言える革命防衛隊のトップがまた殺され、支部であるハマス、ヒズボラ、フーシー派もほとんど無力化されているのでかつてのようなロケット弾やドローン攻撃は封じこめられています。
あとは濃縮度60%のウランをミサイルに詰めて撃つというヤケクソ戦術が残されていますが、これをやったら百年糾弾され続けます。
③のホルムズ海峡封鎖に至っては、やりゃ自分のトコロの細々とした石油輸出も止まってしまいます。
原油最大手のサウジとUAEは独自の陸上パイプラインを使っていますから、原油市場に与える影響は限定的です。
米国は中国にすら呼びかけてもやらせないつもりで、付近の海上パトロールを強化していますから、機雷を撒きにボートでノソノソ出張ったら即座に撃沈です。
というわけで、イランは手も足も出ないから゛せめて口だけで報復を連呼していたのです。
ですから停戦というマイルドな言い方になっていますが、実は降伏です。
イランは北朝鮮のように瀬戸際外交で、核開発を進めていま一歩まできたわけですが、相手が韓国や日本ではなく世界一の強面国家のイスラエルだったことが間違いの始まりでした。
イランはよもや「ライジング・ライオン作戦」なんて大規模空爆をやるとは思っていなかったのでしょう。
仮にやろうとしても米国が止め入るとかんがえていたのかもしれませんが、バイデンではなくトランプだったのが誤算でした。
すべてが誤算続きで、結局「停戦」という名の降伏となりました。
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一番気になるのは、攻撃前に「核燃料を運び出す車列か?」という一団の行き先ですね。今最も懸念される点です。
あとは作戦面でまあ米国もイスラエルもやることがエグい!
F-35Aはイスラエルだけが独自改良を加えることを許されていて特別扱いなんですが、ステルス性能落とさずにあれほどの長距離侵入を可能にしたという増槽。当然ロッキードも協力してるはずですが、そんなにデカいの付けて機内に爆装してよく飛び上がれたもんだと。。
投稿: 山形 | 2025年6月25日 (水) 05時54分
しかし、肝心の地下核施設は破壊できず核開発が数ヶ月遅れる程度の模様。
むしろこれでイランは北朝鮮みたいに何がなんでも核を完成させようと覚悟するのではないでしょうか。
今にして思えばクリントン政権時に北朝鮮を空爆していたらどうなっていたのだろうか、妄想が捗りますね。
投稿: 中華三振 | 2025年6月25日 (水) 08時01分
仏マクロン大統領、アメリカのイラン核施設攻撃について「合法性は無い」と述べる(23日ハーグ共同)
停戦合意後も互いに空爆や弾道弾攻撃を止めない双方にトランプ大統領がキレ散らかし、両方に不満だが特にイスラエルについて分量多くI'm not happyと言い、最後に汚い言葉でイスラエルとイラン両方を罵る。(24日メディア取材動画あり)
バノンがネタニヤフを「トランプの顔を潰した嘘つき」と非難(24日X)
トランプ大統領が中共に対してイラン産石油購入を容認する投稿 米高官は制裁緩和を否定(24日ロイター)
初報CNN、続いてNYT、ロイターと、イラン核施設空爆では中枢部破壊に至らず、核開発を数ヶ月程度遅らせたのみとの国防情報局による初期評価を各々の取材で報道
毎朝起きるたびに何かが起きている。
イランはウラン濃縮能力を失わず保持しているのが事実ならば、イスラエルに与える恐怖は変わらない。
イランの核を理由にしたイスラエルの予防的自衛が許されるならば、その理屈でイランがイスラエルの核保有を理由に或いは問題にできる。
次は何が起きて、何が起きない…
投稿: 宜野湾より | 2025年6月25日 (水) 11時20分
CNNやNYTの報道の根拠は国防情報局からの漏洩文書によるもので、これはまだ評価の途中。ただ、トランプの言うような「完全に破壊」という事はないんでしょう。
けれど、ISWやISISのオルブライト所長は2万機以上の遠心分離機や周辺機器が破壊されていて、戦前の状態に戻るまでは数年~10年かかる。その過程で再度攻撃を受ける可能性を考えると、イランの意思を挫くため今後も外交的に変化させる作業も必要、とか。核に関する評価は様々。
私的に注目は、イランがプーチンに武器援助を強く申し入れしていて、それが全く実現しなかった事。悪の枢軸は機能しませんでした。
今後イランが核開発を継続するにしても、イスラエルの意思の前では基本的な戦力が伴わないままでは不可能という事は間違いないでしょう。総じてイランの惨敗という評価は正しい。
また、マクロンの評価は西側では少数意見のよう。フランスは米国に対して意味のない対立的スタンスを取りたがる国です。総じてトランプの決断がどう国際平和に寄与したかどうか?今後の評価を含め、そのあたりに拠って来るものと思います。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2025年6月25日 (水) 19時55分