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2025年6月 9日 (月)

ドローン戦争

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ウクライナによるロシア戦略空軍基地4カ所への攻撃の余波が続いています。
世界が驚愕したのは、この大戦果がミサイルでも航空機でもなく、ドローンによってなされたことです。

ドローン(UAV)といっても米国が使っているRQ-1 プレデターといった小型機サイズのバカデカイものではなく、いったっててチープな7万くらいで手に入るものです。
そもそも1機450万ドルもするようなお宝を買う財力はウクライナにはありませんし、米国も供与しないでしょう。
そのうえ、プレデターが落とされたら痛手ですが、なんせ安いので撃墜されても痛くもかゆくもないし、大量に使えばその打撃力はプレデターをはるかに凌ぎます。

ウクライナが今回使ったのは、FPVドローン(First Person View Drone)といって、操縦者がまるでドローンの上に乗って操縦しているような一人称の視点でコントロールできるドローンです。
FPVドローン は、元来は民間のレース用に開発されたもので、一機のドローンにひとりのコントローラーがついて地上から操縦します。

こういうかんじです。
爆発物をつり下げるか背負わせたFPVドローン を目標から5キロから20キロに置いて飛翔させます。
今回の場合、おそらく露空軍基地周辺の見晴らしのよい場所に、いくつもの操縦ユニットが潜んでいたはずです。

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ウクライナ、「ドローン戦」で変貌する戦争

操縦ユニットは基本は2名で構成されます。

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ロイター

操縦者はコントローラーとヘッドセットを使ってドローンを操縦し、もう1人の兵士はタブレット端末で地図を確認し方向や高度を誘導します。
今回はいままでウクライナの戦場で戦術的に使われてきたドローンを大きく戦略目標にまで拡大したものだといえるでしょう。
今回の映像も公開されています。なかなかの見物ですよ。
FPVがまるで巣から飛び立つ鳥のようにワラワラとコンテナから飛び立ち、各自目標を求めて露空軍基地上空を徘徊し、獲物が定まるやすーっと降り立った所で画面が途切れています。

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今度はノーカット新映像公開:1機のFPVドローンがコンテナの中から飛び立って戦略爆撃機ツポレフ-22M3に衝突するまで無編集【石川雅一のYOUTUBEシュタインバッハ国際問題研究所】 - YouTube

小型のドローンなので、早期警戒機の背中のレードームの上に乗って爆発してみたり、爆撃機の腹の下に潜り込んで主翼付け根の急所で爆破してみたりとまるで小悪魔です。

ところで、このウクライナ戦争は別名「ドローン戦争」と呼ばれています。
ウクライナはこのFPVドローンに爆発物を積んで標的に突っ込ませています。
ウクライナはこれを不足がちな砲弾代わりにしようしており、2024年中にFPV100万台を製造する計画があったようです。
これはEUが昨年供与した砲弾数の2倍の規模となり、いまや戦場の女神とまでいわれた大砲を押し退けてウクライナ軍の主力火砲となっています。

今は常に戦場の上を数十機各種ドローンがとびかっているのが普通の風景となっていますが、戦争初期と現在では大きく使い方が異なります。
2022年~2023年中盤までは偵察用で使用されました。
ドローンンに高性能カメラを搭載し、歩兵や砲兵の戦場認識力を一気に拡張しました。
そしてやがて、これに爆発物を装着させて、装甲車両の弱点である上部にぶつけて破壊したり、塹壕に飛び込ませたりするようになりました。

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戦車のコープケージ装甲の役割の変遷:ジャベリン対策からドローン対策へ(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース

当初はこのコープケージもジャベリン対策だったのですが、そんな高い対戦車ミサイルの在庫はすぐに切れてしまい、代わりに登場したのがこの爆弾を積んだFPVドローンという小悪魔たちの群だったというわけです。
この登場によって、戦車もうかうかと戦場を往来することが難しくなってしまいました。

2024年ともなると、簡単に大量生産が効くFPVドローンは大量生産体制に移行して100万機を製造し、それに従って価格もはるみるうちにさがっていきます。

「2024年の戦いは「FPVドローンの運用に有利な地形を確保するか」「如何の通信アンテナを標高の高い地点に設置するか」「電子戦システムでFPVドローンの有効性を如何に妨害するか」に注目が集まったが、ロシア軍は2024年春頃に電子妨害を受け付けない光ファイバー制御のFPVドローンを投入、これを大量に使用することでウクライナ軍をスジャから追い出すのに成功したため、光ファイバー制御のFPVドローンは大きな脚光を浴びている」
ドローン戦争の実態、最終的にはドローン同士が戦う未来に行き着く 

このようにいまやドローンを操作するに適した位置を、どちらが確保するかで戦闘が起きるまでになっています。
わが国も当然この影響を受けるはずですが、ウクライナのような平野部とは違い山がちな地形の場合、どのようなドローンの使われ方をするかまだ未知数です。

 

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コメント

爆弾装荷のドローン兵器が戦車を破壊したり戦略空軍基地を攻撃したりして戦果を上げているが、
ドローンに適用されている飛行エネルギーを供給するリチウムイオン電池、プロペラのモーターを強力に回す希土類磁石、飛行の姿勢を保つ超小型ジャイロ、攻撃目標を写す超小型CCDカメラ、操縦者が遠隔で確認するVRゴーグル中の液晶パネル、などはそもそも日本の民間会社の発明技術である。
日本学術会議は軍事研究は許さないなどと理想論を宣うが、事前に何に応用されるか予想できないのが科学技術だから、彼らの主張は結局無意味である。

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