日本が中国からのフェンタニルの中継地だった
やっかいな時にやっかいなことが起きましたね。
グラス駐日米大使の26日のツイートです。
「フェンタニルやメタンフェタミンといった合成薬物は、日米両国において多くの命を奪っています。そして、中国共産党はこの危機を意図的にあおっています。中国からのフェンタニルやその前駆体化学物質の密輸には中国共産党が関与しており、それを阻止するには国際的な取り組みが不可欠です。われわれはパートナーである日本と協力することで、こうした化学物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができます」
フェンタニルは、トランプが世界関税戦争を起こす理由にした合成麻薬です。
医療用麻薬「オピオイド」の一種で、化学的に合成して作られ、ヘロインの50倍といわれる強力な鎮痛作用があります。
また致死性はわずか2ミリグラムで、米国においては年間ひとつの都市が消滅にしたに等しい7万人以上の過剰摂取による死亡者を出しています。
いまや18歳から45歳までの年齢層の死因第一位です。
医療用としても末期がんの痛みを和らげるためにも使われていますが、強い高揚感があり、わずかな量で中毒者となります。
一粒数ドルで買うことができるために、米国では中毒者が激増し、ゾンビータウンを作っています。
【独自取材】「現代のアヘン戦争」フェンタニルの脅威を阻止できるのか?史上最悪の麻薬で街が“ゾンビタウン化”トランプ新大統領の決断(前編)|FNNプライムオンライン
「路上生活で背中が痛いときなどに飲むと、痛みを止める効果があります。高揚感も得ることができます。とても強くてハイになれるから、その感覚を得ようと何でもしてしまいます。どこでも買えるから、金さえあれば買ってしまうんです」
(NHK23年10月30日)
アメリカ鎮痛剤フェンタニルなど薬物の死者おととし10万人超 若者の死亡相次ぐ なぜ? | NHK | WEB特集 | アメリカ
米国におけるフェンタニルの被害はすさまじく、「麻薬の大量破壊兵器」とまで呼ばれています。
その原料の大部分は中国で製造され、メキシコなどで加工され、米国に密輸されており、米国は中国やメキシコ、カナダに対し高関税を課すなど、強硬策に訴えて、世界貿易戦争のきっかけを作りました。
この原産国である中国との中継基地が名古屋にあることを、27日の日経のスクープが報じています。
「グラス駐日米大使は26日、合成麻薬「フェンタニル」について、日本経由での不正取引を防ぐ必要性についてコメントした。X(旧ツイッター)への投稿で「日本と協力することで(フェンタニル原料である)前駆体物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができる」と述べた」
(日経6月27日)
グラス駐日米大使、フェンタニル「日本経由の密輸防止を」 - 日本経済新聞
名古屋に拠点を置いていた中国系企業FIRSKYは、米当局が摘発した中国・武漢の化学品メーカーHubei Amarvel Biotech(湖北精奥生物科技)と人的・資本的なつながりがある会社です。
Amarvelの幹部社員らは米国にフェンタニル原料を違法流入させたとして、25年1月に米東部ニューヨークの連邦裁判所で有罪評決を受けています。
ニューヨーク連邦地裁でのHubei Amarvel Biotech幹部の証言。
「陳は中国・武漢の化学品メーカー「Hubei Amarvel Biotech(湖北精奥生物科技)」の元幹部だ。
上司である王慶周(Wang Qingzhou)の通訳を務め、違法薬物の販売サイト設計も担っていた。数週間前に米当局が南太平洋のフィジーで王ともども身柄を押さえ、フェンタニル原料を米国に違法流入させた罪で起訴した。
トン単位という化学兵器にひとしい規模の危険物質をニューヨークに送り込む。当局のおとり捜査で陳らはそうした企図を明かし、メキシコの麻薬カルテルさえ手玉に取ろうとしていた」
(日経Asia2025年6月27日)
フェンタニル密輸、「ボス」が執着した日本 見えてきた偽装のしかけ (米中「新アヘン戦争」の裏側 狙われた日本㊥) - 日本経済新聞
フェンタニルを水面下でやり取りするため、Amarvelは日本、中国、米国に多くの兄弟会社を持っていました。
日経がオープンソースから得た麻薬売買の組織は下図のようです。
フェンタニル密輸、「ボス」が執着した日本 見えてきた偽装のしかけ (米中「新アヘン戦争」の裏側 狙われた日本㊥) - 日本経済新聞
FIRSKYの代表取締役を務めるのは、「日本のボス」と呼ばれる中国籍の人物で、FIRSKYを含む日本企業や中国、米国で計18社の株主でした。
フェンタニルは日本の名古屋に集められて、小分けされて国際宅急便で買い手に送られます。
販売代金は暗号資産でやり取りされていました。
「当社の製品はすべて日本から、フェデックスやUPS、日本郵便などの国際小包で発送します。5〜7営業日でお届けします」
富仕凱は中国語読みに近い「FIRSKY」というブランド名で活動していた。英語のホームページでは日本にある「Japan FIRSKY」の100%出資企業だといい、取り扱う化学薬品を日本から世界各地に送るとアピールしている」
(日経Asia前掲)
FIRSKYが日本に拠点を置いたのは、日本のブランド力を利用し、しかも日本はフェンタニルの清浄国であると認識されていたので税関を軽くすり抜けるからです。
ですから、日本からのフェンタミルの小荷物は、警戒度が高い中国や、麻薬カルテルが暗躍するメキシコと違い、各国の捜査当局からも警戒されにくいと見なされていました。
しかし現実には、名古屋には世界規模のフェンタニルの中継地、つまり最前線基地があったのです。
まだ米国政府の反応は駐日大使のツイートしかありませんが、日本政府がフェンタニルの中継地を野放しにしていたとわかれば、厳しい制裁をかけられても文句はいえないでしょう。
« イラン核施設空爆は広島、長崎だって? | トップページ | 日曜写真館 すゞしさや旅に出る日の朝ぼらけ »



いつも楽しみに拝読しております。
日本経由で世界に不幸を輸出するなんて絶対に許せないことです。イランの核も重要だけど、この件なんかは国内の警察力でなんとかなることなので、早く対応する必要があると思います。
あの中国のことだから、逆アヘン戦争とか言って開き直りそうですが、こんな時に石破政権なのが何とももどかしいですね。
投稿: 都市和尚 | 2025年6月28日 (土) 10時56分
やっぱりと言うべきか、FIRSKY(株)は沖縄で活動を始めています。それから名古屋に拠点を移した。代表の夏は今でも那覇市内に住んでいるという情報も。
岩屋は「絶対に許さない」とか言って息巻いてますが、グラス大使が言うように中国共産党が関与している事に間違いないです。
中共幹部の独断などあり得ません。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2025年6月28日 (土) 19時45分
こういう外国組織ガラミの犯罪って最近よく報道されてますけど、あの公安って何してるんでしょうね?日本国内でヤラレ放題にされていても、ヘラヘラ笑っているようですわ。内弁慶もいいトコですわ。
投稿: アホンダラ1号 | 2025年6月29日 (日) 23時13分