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2025年6月12日 (木)

試されているのはNATO第5条

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ヨーロッパが一斉に「装甲国家」づくりを開始しています。
まずは英国労働党政権のスターマー首相です。

「ロンドン(CNN) 英国は今後、新たな攻撃型原潜を建造し、核弾頭に投資して、「戦闘準備態勢」に入る方針を示している。スターマー首相が2日、スコットランドでの演説で明らかにした。
スターマー氏が示した計画によると、米豪との安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の一環として原潜を「最大」12隻建造し、2030年代末以降は現行の7隻と入れ替える。
また核弾頭に150億ポンド(2兆9000億円)を投資し、核抑止態勢の「歴史的刷新」を図る方針だ。
この日、演説の直後に発表された英国の「戦略的防衛見直し(SDR)」には、ロシアの侵攻を受けたウクライナの経験に基づき、自律化技術や人工知能(AI)の活用強化へ「ただちに」かじを取る方針が明記された。(略)
スターマー氏は2日、英BBCとのインタビューで「英国がロシアからの脅威を無視することはできない」と語った。
同氏が目指すのは、英国を「今後数十年にわたって、最強の同盟国と最も先進的な戦力を備え、戦闘態勢が整った装甲国家」にすることだという」
(BBC6月4日)
英、攻撃型原潜を最大12隻建造へ ロシアにらみ「戦闘準備態勢」入り - CNN.co.jp

労働党にはびこっていた左翼運動家を排除して出来た新生労働党だけに、保守党よりも安全保障に対して戦略的、かつ能動的です。
いつまでも社会党くずれを大量に抱えて身動きが取れない野田立憲は、英労働党の爪の垢でも煎じるといいと思いますね。

一方、ロシアに隣接する国家は「ウクライナは始まりにすぎない」と考えています。
バルト海の制海権を失ったロシアは、内陸に侵攻するでしょう。
その確率の高い国は、ロシアと隣接するフィンランド、ノルウェー、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドなどで、これらの諸国は最初の標的となる立場にいます。

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フィンランド湾のストックフォト - iStock (istockphoto.com)

エストニアの人口はわずか137万人、国家予算は200億ドル、軍の規模も現役約8千人(予備役23万人/即応体制約4万人)と小さいものの、今回の追加投資によってGDPに占める国防支出の割合は3.14%から5.4%に上昇し、2025年の国防支出額は20億ドル=2800億円を超えます。
また、ポーランドですら未達成の5.0%を国防支出のみで達成し、中東欧の9ヶ国であるルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアも今月2日「総額5.0%を支持する」と表明しました。

このように日本がようやく防衛費2%を目標にしている時に、既にヨーロッパ諸国は5%時代に入っているのです。
日本もロシアに隣接する国であることをお忘れなく。

それはさておき、今、真の存在価値を試されるのが「NATO第5条」、すなわち自動参戦条項です。

「ドイツ連邦情報局のカール局長はメディアの取材に「ロシアにとってウクライナはファーストステップに過ぎない」「ロシアは第5条を試してくるだろう」「ロシア系住民が抑圧されているという理由でエストニアにLittle green menを派遣するれば十分だ」と述べて注目を集めている。
ドイツ連邦情報局のカール局長はメディアの取材に「ロシアにとってウクライナはファーストステップに過ぎない」「ロシアは第5条を試してくるだろう」「ロシア系住民が抑圧されているという理由でエストニアにLittle green menを派遣すれば十分だ」と述べて注目を集めている」
(ロイター6月10日)
ロシアはNATOの決意を試すために「小さな緑の男たち」を送る可能性があるとドイツの諜報機関のボスが警告 |ロイター 

ここでドイツ連邦情報局カール局長がいうリトル・グリーンメンとは、下の写真のようなクリミア侵攻時にロシアが使った一切の識別標識を着けないロシア兵のことです。

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ロシア ウクライナが「クリミアに侵入」と非難 - BBCニュース

つまり、NATO当局者が恐れているのは、直接にロシアが西欧まで含める全欧州に侵略を仕掛けて来るという意味よりは、NATOの根幹概念である集団安保体制をぐらつかせて、加盟国をバラバラにすることだと見ているわけです。
ロシアはウクライナを敗北させ、その勢いのままバルト諸国にリトルグリーンメンといった小規模部隊を送り込んで小規模紛争を引き起し、その出方を見るという構えです。
その時、NATOが第5条を発動して機敏に対応できればよし、しかしかつてのようにメルケルドイツが反対し、西欧と東欧が分断されることがあるなら、もはやNATOぱ絵に書いた餅にすぎません。
ここでNATOを分解できれば、ロシアはそれぞれのグループに言葉巧みに取り入って、よりロシアの勢力圏を拡大できる余地が生まれるでしょう。

さて、ドイツはリトアニアに兵を派遣しました。
下の写真は首都ビリュニュスのレオパルト2戦車です。
これは日本が東南アジアに自衛隊を常駐させるようなもので、よくこの決断をしたと驚きます。

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NHK

「ウクライナ侵攻を続けるロシアへの警戒感がヨーロッパで高まる中、ロシアと国境を接するバルト三国のリトアニアではドイツ軍による駐留が始まりました。
ドイツ軍が単独で外国に部隊を常駐させるのは、第2次世界大戦後初めてです。
NATO=北大西洋条約機構は、ウクライナ侵攻を続けるロシアに備えて加盟国の防衛強化を進めていて、ロシアの飛び地カリーニングラードやその同盟国ベラルーシと接するリトアニアには、ドイツ軍が主力戦車「レオパルト2」などの部隊を配備し、5000人規模が駐留する計画です。
その部隊の発足式が22日に首都ビリニュスで開かれ、ドイツのメルツ首相がおよそ800人の兵士を前に「われわれは責任を自覚している。NATOはドイツを頼ることができる」と述べました」
(NHK5月23日)
ドイツ軍 リトアニアに駐留開始 単独で外国に部隊常駐は第2次世界大戦後初 | NHK | ドイツ

このように、今やらねばならないのが、それぞれの加盟国の「装甲化」であり、NATOを軸に団結し「第5条」を実現可能なものにすることなのです。

 

 

 

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