トランプ関税という迷宮
すさまじい暑さで、当地はとうとう36度の平熱
体温を越すとさすがキツイですね。そろそろ夏休みを頂こうかと思っていますが、ゲルの野郎がのたくっていやがって踏ん切りがつきません。
それはさておき、ゲル氏が手柄顔をしていたトランプ関税妥結ですが、果たしてほんとうに妥結したんでしょうか。
「赤沢亮正経済再生担当相は27日放送のNHK番組で、日米関税交渉合意に関する共同文書作成について「今、作るとまずい」と否定的な考えを示した。関税引き下げに時間がかかる可能性があると指摘。米閣僚とトランプ大統領の間で確認作業が生じ、合意内容に影響を与えかねないとの認識も示した。
石破茂首相と与野党7党首らによる25日の会談では、各党党首から、日米で合意を巡る解釈の違いが生じる懸念があるとして合意文書を交わすべきだとの要求が出ていた」
(共同7月27日)
日米合意文書に否定的 赤沢氏「作るとまずい」(共同通信)|dメニューニュース(NTTドコモ)
ね、赤沢さんも言うように、今回は変則づくめなんです。
まず、このような関税が一時は35%になるなんていう大きな関税交渉には、こちらも政治家と官僚が交渉団を作るのが通例ですが、今回の赤沢さのんは劇団ひとりならぬ「交渉団ひとり」で、米国に行くとわらわらといる米国の官僚どもをかき分けるようにしてしゃべっていたそうです。
完全なアウエー状態で、これはきつい。
一般的な関税交渉は、タリフコード(関税番号)といって関税品目全部に番号を振りあてて、ひとつづつ例えば自動車部品ブレーキディスクはどうするとか決めていくものだそうです。
TPPでもEPAでもみんな同じで、関税交渉とはそういう細かい積み重ねのことなのです。
ところが今回はウルトラアバウトです。
なんせトランプしか決定権者がおらず、ベッセントなど飾り物。
彼が言っていたように、トランプが気分壊すとこの15%もひっくり返るよ、という危ない世界です。
いみじくも甘利氏かこうXしていました。
「赤澤大臣は頑張ってますが、①決めるのはトランプ大統領。三閣僚ではない②トランプ氏主張の「不公平」を解く③大事なのは「俺だから出来た感」④伝えるべきは「敵か味方か」⑤それぞれを2分以内に説明出来る論理を」
Xユーザーの甘利 明さん
ゴチャゴチャと、えー、トラックの関税はですね、なんてやってもトランプは聞いていない。
オレは忙しいんだ2分で言え、と遮られる。
日本の秀才官僚が得意のペーパーを積み重ねても読まない。
ですから「自動車15%でいいから」ってトランプが言えばそうなり、「5500億ドル規模(80兆円)の投資を日本がしてその9割を米国が取る」と言われれば、メチャクチャな話だと思いつつそういうことにしておきましょう、と黙っているしかないわけです。
だって異議申してると、トランプが気分壊すんだもん。
東京新聞
実はその「対米投資」の内容は、野党が言っているような日本政府が「税金から80兆円も出す」というようなものじゃなくて、「出資・融資・融資保証」にすぎません。
だから税金で投資するわけではないし、まして9割も贈呈することにもなりません。
いさき進一元議員(安倍政権での財務副大臣)が的確な説明をしてくれて助かります。
「本件は、政府の投資・金融機関である日本貿易保険(NEXI)や国際協力銀行(JBIC)の融資枠の話です。投じられる資金は、こうした機関が調達する資金であって、税金ではありません。
しかも出資や融資なので、当然、一定の審査もあるし、出した分のリターンもあります。
何よりも重要なのは、あくまでプロジェクトを進めるのは日米の「民間企業」であるということです。決めるのはすべて、民間企業なんです。日米の企業から共同プロジェクトを進めたいという申請があれば、政府機関としてバックアップできる枠を、「80兆円」まで用意しますよ、という趣旨です。80兆円をそのまま突っ込むわけでもありません。
本件は、政府の投資・金融機関である日本貿易保険(NEXI)や国際協力銀行(JBIC)の融資枠の話です。投じられる資金は、こうした機関が調達する資金であって、税金ではありません。しかも出資や融資なので、当然、一定の審査もあるし、出した分のリターンもあります 」
Xユーザーのいさ進一 前衆議院議員
なるほどなるほど、そうだったのね。
これがトランプにかかると、「日本は米国に80兆円投資する。しかもその9割は米国の利益となる」と話を盛るわけです。
ボーイングの航空機を100機買うぞ、という話も、なにも日本の航空会社が100機買うという太っ腹な話じゃなくて、たぶんオリックス、SBI、三菱HCキャピタルなどの会社が航空機リース事業の中で捌いていくのがホントの話です。
なんなら、防衛省が戦闘機を買って、フィリピンあたりに貸し出してもいいしね。
このようにトランプが個人的な趣味で始めた関税交渉は、あくまでも一般のWTOで定めたルールには則っていない番外篇なのです。
だから合意文書も出ないし、細かいことはこれから詰めるのです。
トランプ米政権、日本との関税協議の合意に関するファクトシート公表(日本、米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ
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第一次トランプ政権で鉄鋼25%、アルミ10%の関税、第二次トランプ政権では3月に一律25%、そして6月に一律50%。
しかも白物家電も鉄鋼やアルミ製品として同率の関税。(日本の白物家電は人気らしい)
これらは税率がそのまま維持されています。
自動車関連の税率ばかり報道されてますが、どうなんでしょうかね。
この交渉結果は朗報とは言えない。
輸出のリスク回避でアメリカ依存を他国へとなるんでしょうか。
米国の新車販売においてトヨタ車の8割、ホンダ車の7割が現地生産とのこと。
この2社も部品などは関税の影響が大きいでしょうが、本体はアメリカ製なので関税の影響は少ない。
将来、鉄鋼やアルミも現地生産となる?
これを機に関税回避の手段として他の日本の各メーカー(業種問わず)もアメリカ国内での生産に踏み切れば、アメリカへの80兆円の投資の一部となりトランプ大統領はニコニコになるのか。
現地生産、現地雇用、コレが目的なんですかね。
何でもかんでも現地生産となったら日本国内は、、、どうなる?
投稿: 多摩っこ | 2025年7月30日 (水) 11時05分