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めでたくも、また抗日勝利80周年の時候でございます。
70周年はパククネ韓国大統領がお呼ばれしましたが、今回は正恩閣下がパレードでヒナ壇に並ぶ栄誉に浴するようです。パチパチ。
「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が来月3日に中国・北京で開かれる抗日戦争勝利80周年記念軍事パレード行事に参加する。金委員長の訪中は2019年から6年ぶりだ。
北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信は28日、「敬愛する金正恩同志が中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利80周年記念行事に出席するために近く、中華人民共和国を訪問する」と明らかにした
(中央日報2025年8月28日)
北朝鮮「金正恩委員長、中国戦争勝利80周年記念式出席」…6年ぶりに訪中 | Joongang Ilbo | 中央日報
前回の抗日70周年戦勝軍事パレードにおける習の演説冒頭部分です。
それにしても毎度ながら、この退屈しきったたるみきった顔はなんなんだ。
※http://www.sankei.com/world/news/150903/wor1509030048-n2.html
「中国人民の抗日戦争と世界の反ファシズム戦争は、正義と邪悪、光と闇、進歩と反動の大決戦だった。この惨烈な戦争中、中国人民の抗日戦争は最も早い時期に始まり、最も長く続いた。
侵略者に対し、中華民族の若者は不撓不屈の精神で、血を浴びながら奮戦し、徹底して日本軍国主義の侵略者を打ち負かした。中華民族の5千年以上も発展してきた文明の成果を守った。人類の平和事業を守り、戦争史上まれにみる中華民族の壮挙を作り上げた。 中国人民の抗日戦争勝利は、近代以来、中国の外敵の侵入に対する抵抗の最初の完全なる勝利だった。この偉大な勝利は、日本の軍国主義の中国を植民地とし、奴隷のように酷使しようというたくらみを徹底的に粉砕し、近代以来、外からの侵略に対する戦いで連戦連敗だった民族の恥辱をすすいだ」
(写真 70周年式典の習近平。何があったのか知らないが、主催者の顔じゃないよね)
ちなみに平和のハトこと土下座ハトはこの抗日ナンジャラに出席するそうです。ゲル氏も首相お辞めになったら行くのかしら。
ハトの息子は恥ずかしいから行くなといって止めているそうですが、行くんでしょうな。
さて私の亡父は北支派遣軍の兵士でしたが、一度として「パーロー軍(八路軍)と戦った」という話を聞いたことがありません。
というか、中国軍が「見えた」のは初めのほうだけらしいのです。あとは、「山賊との戦いみたいなもの」(父の表現)だったそうです。
話を聞くと、意外に平和な話ばかりで、どこで飯を食った、中国の便所は汚かったからの見張りを立てて野糞をしたほうがよかったとか、中国人の墓は土饅頭で、豚を買いに行くと水ばかり呑ませてあって騙されたとか、市場のマントウはでかかった、といったしゃーない話ばかりだったような気がします。
当時、本多勝一の著した反日の聖典である『中国の旅』の良き読者だった中学生の私は、父が言うに言えないような残虐行為を働いたンだろうと勝手に決めつけていましたから、根掘り葉掘り問うたのですが、父は煙草をふかしながらこう言ったものです。
父曰く。
「なぁお前、シナ事変なんて、初めだけだったんだよ。初めの徐州会戦なんかは死ぬかと思ったが、後はあんがいノンキなもんだったさ」
実際、日本軍は逃げる中国軍を追って戦線を拡大してしまいました。
あ、この「中国軍」っていうまでもなく國府軍、いわゆる蒋介石軍のことですので、念のため。
蘆溝橋事件から第2次上海事変の日中戦争初期の中で、日本を70万という大軍で攻めまくったのが蒋介石中国、つまり国民党軍だったことからもわかります。
そして、この後に、逃げる中国軍を追って、日本軍がよせばいいのに南京戦から、徐州、武漢三鎮の制圧まで一気に進んでしまい、ここで激しい戦闘は終了します。
後は戦争末期に、大陸打通作戦という壮大にして、無意味な大作戦をしたきりで、あとは防衛庁戦史叢書の題名とおり『北支治安維持戦』という、いたって地味なものになっていきます。
クリントン政権で国防総省中国部長を、ブッシュ政権では国務次官補代理をつとめたランディ・シュライバーはこう述べています。
「私たちの友邦であり安保上のパートナーである台湾は、日本との戦争における役割、功績を中国に奪われている。戦時中、中国側の死傷者の90%は中華民国の人間だった。人民解放軍が日本軍と戦闘することはほとんどなかった」
(外交専門誌「ザ・ディプロマット」8月31日号)
習のいう「中国人民」とやらが蒋介石軍ならばともかく、それが共産党軍(八路軍)ならば、姿形が見えません。
そうなんですよ、「抗日戦争」において、中共軍はまったく戦いませんでした。
上の写真はいわゆる「長征」時代の毛沢東ですが、「長征」といっても後ろに向けて進撃していたのです。
追いかけ回していたのは、当時の正規軍である蒋介石軍です。
つまり逃げ回っていたのです。
中共軍は延々と逃げ回ったあげく、延安というとんでもないド辺境の洞窟に逃げ込んでいました。
したがって日本軍と戦うもナニも前線からはるか離れた洞窟に逼塞していたのですから、抗日もナニもありゃしません。
共産軍がヒッキーしていた延安の場所を確認しておきます。

ついでに、日本の支配地域も見ておきましょう。
ぜんぜん重なりませんから、戦闘になりようがありません。
(図 Japanese_Occupation_-_Map)
これでは、抗日戦争のやりようがありません。中国共産党はハナから戦う気もないし 、その能力もなかったのです。
これをアグネス・スメドレーやエドガー・スノーらのバリバリの米国人共産党員ジャーナリストたちが、まるで赤いロビンフッドのように美化したために、虚名が世界に宣伝されましたが、実態は敗残兵の巣窟にすぎませんでした。
彼らが戦争中にもっぱらやっていたのは、「延安整風運動」という共産党内部の陰湿な粛清でした。
好きだねぇ、いつの時代も。激減した党員をさらに減らしてどーするんだと思いますが、やるんですな、これが。
「最終的には、中国共産党による迫害同然の運動となった。運動は毛沢東の権力を背景に進められ、一般の中国人民も運動に加わるよう強制された。運動の過程で、1万人以上もの人民が殺害されたと言われる」
※整風運動 - Wikipedia
共産党は現代の習政権を見てもらえばお分かりのように、常に内部抗争に力の8割を費やしています。
そして敗者は殺されます。
(大紀元は台湾系のメディアであるが、この整風運動の生き残り証言を集めているhttp://www.epochtimes.jp/jp/2010/09/html/d54579.html)
「二〇世紀四十年代の延安整風運動、幹部審査運動、鋤奸運動(漢奸粛清運動のこと)党員の反省資料は大体3~5回に及んで書き直された。
一部の反省資料は13回まで書き直された。それは審査にクリアできなければの恐怖の心理そのものである。
運動を行った日々、党員幹部たちはみな緊張焦りの下で、寝食に不安となり、党員幹部たちは強烈な暴力の脅威と理論攻撃により、長い精神的試練の結末、肉体的にも精神的にも震えながらも「党」の強権の元へ屈した」
(大紀元 前掲)
まるで連合赤軍の妙義山キャンプか、ポルポト時代のカンボジアのようです。事実、彼らもまた皆、毛沢東主義者でした。
共産党は日本軍とは戦わず、もっぱら辺境でこんな内部粛清に興じていたようです。
国共合作といいながら、実際にやっていたのは、國府軍を背後から襲撃するようなことで、1939年の晋西事件、山西新軍事件などでは、共産軍は国府軍を後ろから襲撃しさえしています。
ま、国府軍も共産党狩りをしていたのでおあいこですが。
では、こんな辺境でナニを共産党は待っていたのでしょう。
それは國府軍の消耗です。
国府軍が優勢な日本軍に磨り潰されのをジッと待っていたのです。
結局はこの「果報は寝て待て」作戦が図に当たって、棚からぼた餅よろしく共産党は政権を手に入れます。
このように実は日中戦争は延々と8年間も、対ゲリラ戦をやるかたわらインフラ整備をしていたというのが実際なんです。
治安維持という部分はイラクの米軍に似ていなくもないですが、違うのは、経済建設まで日本軍がやってしまったことです。
父によると、当時中国にいた日本の兵隊たちは皆、「平和な」中国にズっといたいと思っていたそうで、部隊が南方に引き抜かれるとわかると、ドヨーンとなったそうです。
つまり、國府軍はひたすら逃走・撤退を重ねる、それを日本軍が追う、くたびれて停止して、支配地域の安定を図るために膠着状態になるいうのが、この戦争の通常パターンでした。
ですから、日米戦争のような正規軍が正面衝突を繰り返す戦闘は、父が言っていたように初期の南京戦までです。
共産党軍などは脇役というのもおこがましい、せいぜい「通行人A」ていどです。
気の毒にも台湾は、日本との戦争における功績を一切合切、ぜんぶ根こそぎ共産中国に奪われています。
したがって激戦がないために、戦死者はゲリラ戦での小競り合いによるものでしたので、犠牲者も軍人が中心で、住民を巻き沿いにした戦闘は非常に少なかったようです。
一方、日本が中国大陸に介入するまでの国民党軍と共産党軍との内戦は、生き残りを賭けた階級闘争ですから、食うか食われるかでした。
ある都市を國府軍が包囲すれば、赤色区の住民は赤化住民として皆殺しにするということを平気で行なっていました。
逆に、共産党軍も、地方の農村での地主階層への容赦ない粛清をもっぱらとしていました。
なお、 中国共産党用語における「粛清」とは殺害することです。
ちなみに、中国はこれらすべてを日本軍による犠牲者として計上しています。
では、日本軍が大戦中に何をしていたのかといえば、もっぱら鉄道を通して、それをゲリラの破壊攻撃から守ることでした。
日本軍の鉄道建設部隊は、大戦中でありながら、実に1千キロにも及ぶ新路線を作ってしまっています。
日本陸軍には鉄道連隊という鉄道インフラ作りのための専門部隊までありました。
もちろん、中国のためにしたのではなく、日本軍支配地域での物流の改善のためですが、これは「解放」後の中国の貴重なインフラになりました。
なんともすごい鉄道好きな民族性ですが、華南では、港湾建設までしています。
なにも日米戦争やっている時に、中国大陸で千キロも鉄道建設するこたぁないと思うぞ。(笑)
なんのことはない日本軍が支配地域でもっぱらしていたのは、こんなインフラ作りと治安維持、そして経済活動だったのです。
このように書くと、「いやそんなことはない。中国共産党は1937年9月に平型関で板垣兵団センメツ戦をしているぞ。ああ偉大なるかな、もう首席バンザイ、中国人民解放軍マンセイ!」といった中共の声が聞こえてきますが、ありゃただの宣伝です。
ま、映画『カイロ会談』では。蒋介石の代りに毛沢東が出席して主役張っていたなんていう、トンデモ映画を平気で作っていますがね。
もちろんファンタジーで、言うまでもなくカイロ会談に中国を代表して出席していたのは毛ではなく蒋介石です。
共産党が日本軍に勝った勝ったと言っている平型関戦については、別にケーススタディしておきます。
まぁ、それも実際の戦闘は国府軍5万人が担い、共産党軍はゲリラ部隊ていどが非武装の輜重部隊を襲撃して、丸腰の兵隊を殺し、物資の略奪を行っただけの戦闘でした。
この戦闘全体にはなんの影響もなく、やったことといえば、死亡した日本兵の金品を略奪しただけことで、まこと立派な抗日戦です。
このようなことが抗日戦争という金ぴかの看板の実際です。
戦ってもいないのに勝っちゃうなんて冗談が過ぎます、習近平さん。
米韓首脳会談でもまたもや不動産の話がとびだしました。
「ピースメーカー(平和の構築者)」を自任し、紛争の調停者としてノーベル平和賞受賞の野心を隠さないトランプ氏に対し、李氏は「大統領がピースメーカーの役割を果たすなら、私はペースメーカーとして一生懸命支援する」と語り、米朝対話の再開に伴走すると訴えた。米朝対話に向け、「北朝鮮にトランプタワーを建設し、ゴルフをしてほしい。彼(北朝鮮の 金正恩 朝鮮労働党総書記)はあなたを待っている」とも呼びかけた。韓国大統領府によると、李氏はゴルフが趣味のトランプ氏に特注のパターなどを贈呈した」
(読売2025/08/2(
トランプ氏、在韓米軍基地の所有権譲渡迫る…「役割見直し」李氏の思惑通りに進まず : 読売新聞
あんた好きだね。カネ儲けを悪いとはいえませんが、外交をその手段にするとはね。
トランプにとって言っていることがすべて損得勘定、ソロバンの世界だということです。
北朝鮮にもトランプタワーを立てたいそうです。(爆笑)
リギョンホテルの横に並べたら、悪趣味東西決定戦みたいで壮観だろうな。
トラ親方にとって、米国が自由世界を守っている、などというバイデンのような自由主義世界認識はまったくありません。
だから彼に「法の支配」とか「国境の武力による変更の禁止」なんて自由社会標準語で語っても無駄。
言語体系が違いますから。
たとえばウクライナ戦争なら、ウクライナにはレアメタルのイイ出物がありますぜ、旦那ひと儲けしちゃいかがでしょうか、なんて乗せたほうがいいのです。
中東ならさしずめリゾート計画です。
トランプはまず個人的人脈を構築します。
トランプに気に入られれば何もかもうまくいく、濡れ手に泡のチャンスだと思わせるのは自分のカジノホテル経営と一緒です。
だから門前市をなす勢いで中東の王族はトランプに貢ぎ物を献上したのです。
トランプ・オーガニゼーションをやらせている次男のエリックは、カタールで同国初の高級ゴルフリゾートを建設する計画を発表させ、UAEのドバイでは、地上350メートル、80階建て、2000万ドル(28億6000万円)の悪趣味な「トランプタワー」建設を大々的に発表させました。
フォーブス ジャパン)
エリック・トランプ
「トランプ米大統領の「トランプ・オーガニゼーション」で取締役副社長を務める大統領の次男のエリック・トランプ(41)は、5月初旬、ドバイで80階建ての「トランプタワー」を建設すると発表した。この建物は「中東湾岸地域で最高のホテル」となり、「あらゆる記録を打ち破る」と彼は宣言した」
(フォーブス2025年5月26日)
世界最強の「親の七光り」で稼ぐ「トランプの息子」らのMAGA経済圏 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン
このキンキラの悪趣味なタワーを世界各地に建てるんだそうで、そちらはご子息たちに任せた「トランプ・オーガニゼーション」がやるんだとか。
ドバイのトランプタワー建設を853億円で発注、ナキール | 日経クロステック(xTECH)
またこれ以外にも、サウジを含む3か国で計6つの開発計画を進めています。
その見返りにトランプはカタールから4億ドル相当の金ぴかの「空とぶ王宮」を受領しました。
ガザは住民を追い出してリゾートにしたいそうです。
トランプ氏、リゾート地と化したガザ描くAI動画を投稿 どんな戦術なのか - BBCニュース
上のトランプの金ムク動画はどうやらフェークだったようですが、まぁ似たようなこと考えているのかもしれません。
バイデンはウクライナの石油会社にバカ息子をコネで突っ込んで食い扶持を作ってやるていどでしたが、トランプは気宇壮大。
世界最強国家の国家戦略をファミリービジネス化しているんですから。
地域構想の大風呂敷を拡げて、地域の権力者をかき集め大規模開発をぶち上げます。
そこにふたりの伜がやるトランプ不動産を食い込ませて濡れ手に泡。
これがトランプ流の外交、いやマネー術です。
この3月、停戦協定を破って、ネタニヤフがガザへの再攻撃を命じ、大規模空爆に続き、地上作戦も再び開始しました。
先だっては、ヨルダン川西岸への入植を強行しましたから、まったくどうかしています。
「イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日夜、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスに対する「戦闘を全面的に再開した」とするビデオ声明を出した。
ネタニヤフ氏は、「交渉は戦火の下でのみ続けられる」、「これは始まりに過ぎない」と挑戦的な警告を発した。
また、イスラエルはガザで拘束されているイスラエル人の人質を解放するため、ハマスとの交渉を試みてきたと主張。しかし、ハマスが毎回、提案を拒否したと非難した。
ネタニヤフ氏はさらに、すべての戦争目標を達成するため、イスラエルは戦い続けると宣言。目標は、「人質を戻し、ハマスを除去し、ハマスがイスラエルの脅威ではないことを確実にする」ことだとあらためて強調した」
(BBC3月19日)
ネタニヤフ氏、ガザ空爆は「始まりに過ぎない」 停戦合意は崩壊の危機 - BBCニュース
この暴走と評するしかないガザへの攻撃に対して、イスラエル国内で大きな反対の声が起きました。
まず厳しい批判を開始したのが、元首である大統領のアイザック・ヘルツォークでした。
「アイザック・ヘルツォーク大統領は木曜日、エルサレムでベンヤミン・ネタニヤフ首相がガザでの戦闘再開、特にまだストリップにいる人質への影響を求める大規模な抗議活動が起こり、シン・ベット首長ローネン・バー氏を追放し、司法を縮小する動きのさなか、政府がガザに軍隊を送り返す中で「分裂的」で「一方的」な政策を追求していると厳しく批判した。(略)
「最近、何千もの予備役の招集命令が出された」とヘルツォークは語った。「息子たちを前線に送り込みながら、同時に国民内の分裂を深める物議を醸す動きを追求することは考えられません。
「残念ながら、私たちは一連の一方的な行動を目の当たりにしており、それが国家の回復力に及ぼす影響を深く懸念しています」とヘルツォーク氏は述べた。「私は、すべてのステップが国家の回復力に貢献するかどうか、特に戦争努力と人質の帰還に貢献するかどうかを確認するために慎重に検討され、検討されることを要求します」
(タイムスオブイスラエル2025年3月20日)
「深く悩んでいる」ヘルツォークは、戦争のさなか「分裂的な」政策で政府を非難します |タイムズ・オブ・イスラエル
また、軍トップである参謀総長も、これ以上の戦争は収拾がつかなくなるぞと警告しました。
つまり、軍はもう責任を持てないということてす。
先日も、イスラエル軍はガザの病院でジャーナリスト5名を含む多数の犠牲者をだした病院攻撃を仕出かしてしまいました。
どうやら戦車砲の誤爆のようですが、軍のモラルが急速に低下している現れです。
[エルサレム/カイロ 6日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相が検討しているパレスチナ自治区ガザの全面制圧について、ザミール軍参謀総長が反対していることが6日、複数のイスラエル関係筋の話で分かった。
関係筋によると、ザミール氏はネタニヤフ氏と5日に会談し、ガザ地区を全面的に制圧すれば軍が撤退できなくなる可能性があるとしたほか、拘束されている人質に危害が及ぶ恐れがあると警告した。
イスラエル軍によると、軍はガザ地区の約75%をすでに制圧。軍はこれまでのところ、人質が拘束されているとみられる区域に対する攻撃を時に応じて避けようとしている。
関係筋によると、ネタニヤフ首相は軍事作戦の拡大に傾いており、ザミール氏に対し、軍はこれまでのところ人質の解放に失敗していると述べたという」
(ロイター2025年8月6日)
イスラエル軍参謀総長、ガザ全面制圧案に反対=関係筋 | ロイター
「嘆きの壁でのスリホット初日が行われた翌朝、8月26日(火)朝6:29(10月7日のハマス侵攻開始時間)より、先週日曜日の全国で行われたデモやストの2回目が始まっている。
今回は、特に人質家族が主催となっており、とにかく人質をすぐにでも解放させることが目標である。デモは、人質たちの写真があしらわれた巨大な旗を、テルアビブのアメリカ大使館前で掲げることから開始した。」
(オリーブ山通信8月26日)
人質解放を訴える全国デモの日2回目「イスラエルの民はこの悪夢を終わらせたい」2025.8.26 – オリーブ山通信
イスラエルはなぜ停戦を守らないのか。
なぜ、イスラエル史上最も長い戦争を終わりにさせる努力をせず、再びガザに軍事力を投入したのか。
イスラエルの代名詞がホロコースト国家となっていることに、なぜ謙虚に耳を傾けないのか。
世界からは嫌われ孤立が深まり、反ユダヤ主義が頭をもたげ、世界中からイスラエルに戻ってくるユダヤ人が増えていることになぜ眼を閉ざすのか。
その責任はあげてネタニヤフにあります。
この男は10月7日のハマスの大規模テロを受けた責任者のひとりです。
このハマスの攻撃については実は事前に重大な警告が上がっており、イスラエル軍、諜報機関、そしてネタニヤフにも、ハマスに攻撃の兆しありという報告が上がっていたにも関わらず、彼らはなんの対処もせずに一方的な攻撃を許し対規模な殺害と多くの人質を奪われました。
「パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスによる越境攻撃について、イスラエルは開始3日前にエジプトから警告を受けていたと、米議会の有力者が11日話した。
AFP通信によると、米下院外交委員会のマイケル・マコール委員長(共和党、テキサス州)が、中東危機の機密情報に関する非公開の報告会の後、記者団に対し、「私たちの知るところでは、今回のような事が起こりうると、エジプトはイスラエルに3日前に警告していた」と話した。(略)
エジプト情報当局の関係者は今週、AP通信に対し、ガザ地区で「何か大きな事」が計画されていると、イスラエルに繰り返し警戒を呼びかけていたと話した。
「近いうちに事態が爆発すると伝えていた。非常に近いうちに、大ごとになると警告してきた。だがイスラエル側はその警告を軽くみていた」
この関係者によると、イスラエル当局はガザ地区の脅威を軽視し、ヨルダン川西岸地区に注意を集めていたという」
(BBC2023年10月12日)
エジプト、ハマス攻撃を3日前にイスラエルに警告=米下院外交委員長 - BBCニュース
報告を受けていたこれらの機関は、ハレヴィ参謀総長と軍関係者が引責辞任し、シンベトのパル長官も責任を認めて辞任することを表明していました。
とうぜんネタニヤフも引責辞任するのが筋です。
しかしネタニヤフがやったのは、それと真逆でした。
戦時であることを理由にして万能の権力を与えられた戦時内閣を作り、司法改革の名の下に政府の決定に対しての司法の批判を封じました。
ネタニヤフ独裁政権は右派と極右派で構成され、それを制止できる唯一の米国は、ガザリゾート計画なる馬鹿を言っているトランプですから手に負えません。
トランプはここでも不動産開発でひと儲けしようとしているのですから呆れます。
ハマスは狂信的な宗教的イデオロギー集団です。したがって彼らが滅ぶことはありえません。
必ずその教条は残りつづけ、また芽生えます。
膨大な被災者からは無数の戦闘員が誕生することでしょう。
つまり終わりはない、どこかで区切りをつけて撤収せねばならない。
はっきり言って、ネタニヤフは狂っています。
この狂人を止めねばなりません。
さて、内容的にはみごとにカラッポで、お互いの国でバーロー、なにやっとるんかいと言われる結果になったものの、失敗するよりましだよね、というのが今回の日韓首脳会談でした。
私はイ閣下が首相官邸で、いきなり随員に慰安婦像を引っ張りだして、チョパリめ千年先まで許さないぞぉと吠えて欲しかったのに、残念。
ゲル氏なら、かねがね謝罪したくてしかたがなかったのですから、ハトさんのように喜んで土下座してくれたことでしょうに。
そのまま一緒に葬ってもらったらよかったのに。
鳩山氏、韓国抗日象徴の前でひざまずいて… 室谷氏「政治利用された」 - イザ!
これをやったらさぞかし日韓関係は劇的に「改善」したことでしょうな。(笑)
それをせずにイ閣下が「過去の約束を守る」なんてやったもんだから、韓国内では非難轟々です。
「これについて、韓国内の歴史学界や歴史問題を扱う団体などからは、「前向きな立場だとみなすのは難しい」「遺憾だ」とする反応が出てきた。日本が言う「歴史認識に関する歴代内閣の立場」には、2015年の「安倍談話」(戦後70年談話)にある「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」という内容も含まれることになるからだ。
強制動員被害者の賠償訴訟を代理してきたチェ・ボンテ弁護士は「実現可能で実用主義的な歴史問題へのアプローチ方法があるにもかかわらず、過去の歴史は最初から触れずに伏せておくというアプローチ自体は正しくない」と指摘した。正義記憶連帯は「一言で言えば、『実用外交という名分によって歴史の正義が覆い隠された』首脳会談であり合意文書」だと批判した」
(ハンギョレ8月25日)
歴史問題は伏せて…韓日首脳「未来産業での協力を拡大」 : 政治•社会 : ハンギョレ新聞
まぁ、反日のエースであるイ閣下に、日本にガツンと食らわせてやりたかった韓国国民の皆様方はかっかりでしょうなぁ。
イ閣下は過去にコンナことを言ってきて当選した人です。
「韓日軍事情報保護協定締結…。この売国の現場を目撃する心情はさんたんたるものです。軍事的な側面で見れば依然として日本は敵性国家であり、日本が軍事大国化する場合に最もまず攻撃対象になるのは朝鮮半島であることは自明です」(ソウル近郊の自治体で市長だった2016年11月23日SNSへの投稿」
(NHK6月2日)
韓国大統領選挙「共に民主党」イ・ジェミョン候補“対日強硬”発言なぜ変化?日本 アメリカとの関係は? | NHK | WEB特集
処理水放出の時なんか大変。言いたい放題、出放題。
[フォト]韓国野党第一党代表、福島原発汚染水の海洋投棄を糾弾 : 政治•社会 : ハンギョレ新聞
「日本が越えてはならない一線を越えた。核汚染水の放流は太平洋沿岸国に対する戦争を宣言したもの」
(「共に民主党」代表の立場で2023年8月26日、東京電力福島第一原発の処理水放出に反対する集会での発言)
(NHK前掲)
この後、イ閣下はハンガーストライキまでしています。ご苦労様です。
どうせ政治的ハッタリでしょうが、元来こういう人なのです。
ただしムン・ジェインのような骨の髄までではなくあくまでも上辺は、ですが。
メディアは「反日の闘士」なんて持ち上げていましたが、ただの詐欺師です。
とうぜんのこととして、根は無思想です。
とまれムンの後継者だと信じてイ閣下の神輿を担いだ方は、あっさり「日韓未来指向」じゃ済みません。
今は「実用外交」なんてわけのわからないことを言っているようですが、与党はたぶん次の選挙で負けるでしょうから、あっさり元の反日のポジションに逆戻りすることでしょう。
実用外交とは、「価値と実利のバランスをとり、戦略的自主性を確保し、脅威に対処しながら時機を捉える高度な外交戦略」(あー長い)だそうですが、イ閣下が言うと、従北ポジションと西側的ポーズを両立させるということです。
ムンの時はバランサー外交なんて言っていましたっけね。
なにがバランサーだ、ただのコウモリじゃないか、と米国にはバレていましたが。
常に二股コウモリで、政治的に弱くなると反日反米に戻る、これがお約束です。
ユン前大統領の時も岸田氏は親密さを装いましたが、続きませんでした。
だから韓国とは、常に一定の距離を開けておかねばならないのです。
米国でトランプにいろいろ言われたようですが、米国に頭が上がらないのも「実用外交」の哀しさ故なんでしょうな。
イ・ジェミョン閣下が来日されました。パチパチ。
で、内容的にはといえばナニもありません。
互いにメンドーな話は止めようなという空気満載。
まぁ互いに外交初心者同志ですし、政治的ポジションも似てるしね。相身互い。
韓国は過去をほじくりかえさず、日本はイ閣下の過去の過激な言動を問題視せず、おだやか~に、おだやか~に、というわけです。
ま、事務方でそれなりに詰めていたんでしょうがね。
むしろその接待スタイルのほうが注目を浴びました。
訪日したイ・ジェミョン大統領が、ゲル首相と会談して、なんでも「石破特製カレー」を食べさせたそうです。
なんだかなぁ、というおもてなしです。
「石破カレー」とは、地元の鳥取県産梨ワインとらっきょうが入っているそうな。
私もカレーづくりは趣味なのですが、梨ワインなんか入れているところを見るとたぶん甘口かな。
しかしお願いですから、モディさんには食べさせないで下さいね。
親しさを演出したいんでしょうが、トランプがホワイトハウスでハンバーガー食わせるようなモンで、自分ワールドを押しつけるのは止めて下さい。
安倍氏と比較するのは気の毒ですが、彼なら相手がなにを好きか徹底的に調べ上げて晩餐に備えたそうです。
ちなみにトランプが来日した際に出た食事は、最上級のアメリカンビーフを使ったハンバーガーだったとか。
私が接待を受ける側だったら勘弁だな。
まずいと思っても顔に出せないだろうし、そもそもカレーがキライだったらどうするの。
こちらの趣味や嗜好をいったん捨てて、来る人の立場になりなさい。
「訪日中の韓国・李在明(イジェミョン)大統領に同行する魏聖洛(ウィソンラク)国家安保室長は24日午前、東京都内で会見し、23日の日韓首脳会談について「大統領就任から2カ月でシャトル外交を早期に復元した。
韓国主導で日韓協力強化を実現した」と成果を強調した。魏氏は会談の舞台裏を振り返り、前夜の夕食会では、カレー好きとして知られる石破茂首相が考案した「石破式カレー」で李氏らをもてなしたと明らかにした」
(産経8月24日)
石破首相、李大統領の自叙伝にサインもらう 特製カレーでおもてなし…日韓首脳会談舞台裏 - 産経ニュース
ゲル氏はイに自叙伝にサインをねだり、あの悪名高き「ゲルカレー」を食わせる、うーんなんとも不気味なベトベト加減ですが、共にこの椅子に座っている適格性を疑われる御両人らしいとはいえます。
ゲル氏のほうは「外交日程が詰まっているから」辞めないと言っていますが、おいおい逆でしょうに。
8月末から外交日程が目白押しなのは、参院選の結末いかんで総理が変わるという予測から、後にズラしたんですよ。
8月下旬にインドのモディさんが来ますが、これも新総理と面談するつもりで来日するのに、お気の毒。
ゲル氏は3回選挙という、これ以上ないくらい明瞭な「民意」で辞めろと宣告されたのです。
よく自民党議員が選挙に負けるから困るみたいな言い方をメディアはしますが、違いますって。
主語はあくまでも国民です。
国民は辞めろ、とご丁寧にも3回も言い渡したのに、それを無視されて居すわられては民主主義が成り立ちません。
自民内部の権力闘争に抗争に矮小化してはダメですよ。
え、世論調査で支持率アップだって?なら、なんでこんな負け方したんでしょうかね。
一方、イ・ジェミョンは、8つの事件で14の罪に問われ、5つの裁判にかけられています。
①テジャンドン開発不正 / 背任・利害衝突防止法違反
②ウィレ新都市開発不正 / 旧腐敗防止法違反
③ペクキョンドン開発不正 / 背任
④城南FC違法後援金 / 第三者供賄・犯罪収益隠匿
⑤偽証教唆 / (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆
⑥公職選挙法違反 / 虚偽事実公表(2020年のものとは別)
⑦北朝鮮違法送金 / 第三者供賄・外為取引法違反・南北交流協力法違反
⑧法人用クレカ私的流用 / 業務上背任
※上④までは同一の裁判にまとめられ、⑤以降は事件=裁判として審理。
⑥の公職選挙法違反において、去年に出た一審判決では懲役1年執行猶予2年と有罪となり、本来なら公職選挙法違反で懲役刑、もしくは100万ウォン以上の罰金刑が確定して被選挙権を10年喪失するはずでした。
しかしユン前大統領がひとりクーデターという大チョンボをしてしまって与党が自爆。
棚からぼた餅よろくしく青瓦台の主となったのです。
しかも最高裁(大法院)が大統領選直前に有罪前提とした高裁への差し戻し判決を出していますから、実はグレーどころか真っ黒助なんです。
差し戻された高裁がイに忖度して審理を遅らせたので公民権停止にならなかった、という首の皮一枚状態でした。
ですから、イ・ジェミョンが大統領になにがなんでもなりたかったのは、現職のうちは訴追されないという大統領特権を行使したかったからにすぎません。
なかなかこういう動機で大統領になる人っていないよね。
方やとっくにいないはずの総理と、方や前科持ちの大統領ですから相性ぴったり。
共になにかしたいことなんぞありゃしません。
ゲル氏がカラッポなのは、この1年なにもしてこなかったことでわかります。
ひとつだけはっきりしているのが、立憲の野田氏と消費税減税反対・法人税増税でやる気マンマンなことくらいかしら。
法人税増税したら、さぞかし雇用や賃金の推し下げ効果が見込めるでしょう。
このままなら少数与党では秋の補正予算案が通らないから、立憲の増税案を丸呑みするかもしれません。
増税連合で難局に対処ですか、スゴイね。
立憲としてはゲル氏と野田氏の相性がいいことで、事実上の閣外協力として影響力を行使できます。
また仮に不信任をすれば総選挙ですからひょっとしたら勝てるかもしれない、そうすりゃ民主党政権の夢よもう一度だ、なんて思っているのかもしれません。
もうひとつ大連立なんて裏技もありますしね。
とまれ、ゲル氏は辞める気なんぞナッシング、ダラダラ立憲の野田氏とつるんで長期政権を目指すことでしょう。
長くなりましたので、もうひとりのイ・ジェミョンについては明日ということで。
素晴らしい決勝戦でした。沖縄尚学、こんなに泣かせた高校生たちはいませんでした。
聞けば、沖縄尚学は沖縄一の難関校だとか。すごいの一語です。末吉投手は一般入学で入ったとか。
一方日大三高、グッドルーザーとはあなた方のことでしょう。
今週、高校野球がないことの欠落感って大きすぎます。ああオレ、今週どう生きていくんだろう。(笑)。
さて、名無しさんのコメントはがっくり来させました。
ここは有料コンテンツではないので、つまらなければ読みなさんな、それだけです。
私はランキングにも入らない、広告もつけないという姿勢で2008年6月からやってきています。
なんともう17年ですか。呆れたもんです。
いい機会ですから、改めてこのブログの基本方針みたいなものを述べてみます
このコメント欄は一種の談話室だと思っています。
ですから、発言者を特定できるHNが必須です。
このブログのコメント欄にはNIFTYが勝手に「任意」なんて書いてしまったせいで勘違いされる人もいると思いますが、必ず付けて下さい。
昔、原発事故や放射能問題で論陣を張っていたとき、大量の荒しに遭遇しました。
すごいですよ、罵詈雑言はあたりまえ。なんせ「放射能が入ったものをばらまく殺人テロリスト」とまで言われりゃ、ね。
テンプレがあると見えて、そんなのばかりが大量に入ってきます。
さらにはこちらの住所、実名を暴露するわ、当時私が代表をしていた団体の取引先にまで「あいつはこんなことを言っている」と密告する始末。
私、しばらく人間不信になりましたね。
沖縄問題でもまったく同じ目に合いました。
おかげ様で、私の中にすこしだけ残っていたサヨクの尻尾が完全に消滅しましたけどね。
それまでこのブログは書き込み自由だったのですが、以後承認制に切り替わりました。
私はリベラル自由主義者ですから、承認制なんかにしたくないのですよ。まるで言論統制もどきじゃないですか。
しかしじぶんの身の安全を守るためにはそうするしかなかったのです。
ところで、テーマに関しては「今という時代」を切り取ることを念頭に入れているつもりです。
始めた当初はこのブログ名のように「農業と沖縄問題」を中心に据えていたのですが、今は枠を定めずに自由にやらせてもらっています。
このところ正直、暑さのせいもあってか、更新に苦しんでいます。
かつてのようにワンテーマを1週間追い続ける元気はありません。
で、たまには息抜きというか、エッセイでも書いてみたくなるわけです。
毎日毎日、プーチンがどーしただの、ネタニヤフがナニしただの、トラ公がまた馬鹿やっているだのというのばかり書いていると厭世的になってしまう。
つまらないといわれりゃそれまでですが、私としてはそうですかおあいにくで、またのお越しを、としか言いようがありません。
あとは罵倒語、誹謗は禁止です。
福田恆存先生の仰せのように「保守とは常識のこと」なのです。
とまぁ、こんなところが私の流儀です。よろしくご理解ください。
私、養蜂家になるのが帰農した頃からの夢でした。
養蜂家って農業の変わり種なんですよね。
定着しない農業、完全な語義矛盾です。
街の人にはピンとこないかもしれませんが、農業というのは自分の圃場の土に依拠しています。言ってみれば、土に生えている樹のようなものです。樹がどしっと動かないように、お百姓もあまり動きません、というか動けません。
一方養蜂家は「旅をする農家」という不思議な部族です。農業の定着という宿命から唯一日本で解放された農業人種なのです。かつて住んでいた沖縄のヤンバルに来た養蜂家もそんな人でした。
沖縄のウリズンの頃、つまり若夏の5月頃に山イッパイに咲くイジュという広葉樹の白い花をミツバチに吸わせるために年に一回来ます。
トラックに30くらいの巣箱を乗せて、選挙の候補者よろしく手を振りながらムラにやってきました。
上の写真はハチミツを分離しているところです。ごく小規模ですが、自家用程度にやったことがあります。
さて、その夜は三線と踊りの大歓迎会です。こういう時のウチナーの凄まじいまでのエネルギーには圧倒されます。
宴のメインディシュ(てなもんか)はいうまでもなくヒージャージル(ヤギ汁)です。
ザキミさんが来る日はあらかじめ分かっていましたから、前もって用意してあった若いヒージャー(山羊)をツブします。
これがオキナワ流の祝宴最大級のもてなしで、その準備に朝から大変。
この祭りの準備自体から、もう既に祭が始まっているようです。
山羊をゴツンして、逆さに吊るして血を抜きます。
この血は洗面器に集めて後から別な料理に使います。毛はバーナーで焼き、皮を剥いでと、やることが一杯です。
男衆は、器用に出刃包丁を使ってスイスイと肉を切り分けていきます。
そして一番ジョートーロー(上等)の肉は、刺身にして、一番偉いクチョーが食べる。
このヤギ刺身は珍味。オキナワではワサビはほとんど使わず、酢味噌に泡盛を入れたタレで食べます。
次いで、タマキンも茹でてスライスし、まだ子供がいないリョーイチさんに食べさせます。白子風です。
そして皆んなで大笑いしながら「チバリヨー、チバリヨー!」(がんばれ)。
新婚間もないリョーイチさん夫婦は真っ赤になりました。何に頑張るのか、まったくもう。子供がタマキンスライスを盗み食いしようとすれば、「お前にはまだ早い」とハタかれます。
洗面器に取った血もチーイリチー(直訳すれば血炒め)にして、テキトーに野菜と炒め合わせて食べてしまいます。これは鮮度が勝負なので、さっさと料理してしまいます。
なんせ、当時このシマ(村)には電気がなかったので、冷蔵庫などなかったのです。
チーイリチーはレバーのような味と、モソモソとした食感で、案外いけました。
恐れるべからず!金武でチーイリチャー(豚の血炒め)にチャレンジすべき3つの理由 | 金武町観光ポータルサイト - ビジット金武タウン
後の肉と臓物は、肉は骨ごとブツ切りにして、煮こぼして茹でます。
臓物は丁寧に小麦粉をまぶしてよく水で洗います。腸の中は特に丁寧にウンコを出してきれいにします。
慈しむように、ヤギの命を受け継ぐように、丁寧に、それは丁寧に洗浄していました。
調味料はハードボイルドにも塩だけ。これをコトコトと、薪で3時間くらい煮ると、これぞオキナワのもっともディープな食といわれるヒージャー汁の完成です。フーチバ(よもぎ)としょうがをゴソッと入れて食します。
ヤギ汁の味見は、不肖私が命じられました。「うりぃ、ナイチャーの兄さん、食べてみなさいよぉ」とクチョーの厳命。
周りの村の仲間がニヤニヤと笑いながら私を観察しています。「ムリに食べんでいいからねぇ。吐き出したらもったいないよぉ」
ヒージャー(山羊肉)汁 | 松本嘉代子監修 琉球料理のきほん
確かにあの匂いはすごい。
ワキガがすごい外人さんを、1週間ほど山羊小屋に閉じ込めたようなフレグランス!大部分のナイチャー(本土人)はだめだそうです。
しかし、ウルムチ、カシュガル、ラサ、トルコといった羊文化圏で鍛えあげたこの鉄の胃袋の私にとってなんのことやあらん! 皆様の期待に反してわしわしとたいらげてしまいました。わ、はは。
しかし、周りの村の連中はまだニタニタしている。「今晩大変よぉ」・・・なんのこった?
え~、その宴が終えた(2時だぜ、2時)夜、分かりました。全身がぽっぽとほてるのです。血行がすさまじい勢いで廻る、廻る。地球は廻る。私も廻る。酒ではない血行流通。
そして訳もなく、ウヒャウヒャと笑いたくなる。ヒージャー汁がヌチグスイ(命の薬)というのがしみじみ分かりました。
ありゃ合法ドラッグですな。昔、イトマン(糸満の漁師)が、子供を潜水で使った後に、体温を戻すために喰わせたという理由が分かりましたね。
そして数日間、私の全身からあのヤギ・フレグランスが漂っていたらしく(当人はわからない)、アッチに行けと嫌われました。
さて、この養蜂家のザキミさんがなぜ大歓迎を受けるのでしょう。それは農業の大きな助け役になるからです。そう、受粉係なのです。
カボチャ畑の横に巣箱を置いてあげるので、リョウイチさんは大助かり。タンカンを作っているフテンマさんも大歓迎。
一種の花咲爺です。季節とともに来て、農家の役にたつから大歓迎されて、毎日酒宴を開いてもらい、しかも健気な従業員は餌いらず、だって勝手にそこら中から餌を採取するわけですからね。
そして、従業員のハチたちがが腹いっぱいになって、蜜をしこたま蓄えたら、そろそろこの土地にも飽きたんで別な土地へと旅だって行く。ああ理想的な人生ではないですか。
もちろん、現実の養蜂家の生活は厳しいそうです。トラックで寝る日も多いし、重い巣箱の移動で腰にも来るそうです。第一家族は学校の関係で連れてこれないので寂しいんだと、ザキミさん。
だとしても、フーテン農家の養蜂家、うらやましい。
ヒージャー汁、沖縄尚学の選手に食わせたい。チバリヨー、ニセター。
沖縄尚学、見事な逆転でした。こうなったら決勝で勝つしかない。がんばれ!
さて、宮古島の自衛隊司令を「恫喝」したろうと大騒ぎし、とうとう謝罪に持ち込みました。
それを得々として伝える沖縄タイムスです。
「【宮古島】陸上自衛隊宮古島駐屯地トップの駐屯地司令、比嘉隼人宮古警備隊長(1等陸佐)が徒歩防災訓練中に県管理の観光施設駐車場で「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子共同代表を恫喝(どうかつ)した問題で、比嘉司令は19日、駐屯地で清水共同代表らと面談した。「威圧的だと捉えられたのなら私の本意ではなく、そのことについては申し訳ございませんでした」と限定的に謝罪した。
抗議文と公開質問状を手渡した清水共同代表は「紋切り型の答弁で全く誠意が伝わらなかった。今後は法的な措置を含めて検討したい」と述べた。 比嘉司令は「許可を取れ」などの恫喝について、拡声器を使った活動に対して周辺への迷惑や隊員の安全に配慮した「緊急的な確認」だったと釈明した」
(沖縄タイムス8月19日)
「威圧的と捉えられたのなら本意ではない」 陸自宮古島司令、市民へ限定的に謝罪(沖縄タイムス) - Yahoo!ニュース
メディアは「市民団体」と平気で書いていますが、共産党系の諸団体、労組などが幕の内弁当よろしく詰まっているだけです。
「市民団体」という語感は一般市民も戦っているんだぞぉ、という気分を出すために使っているだけのことで、ほとんどのひとたちが「運動家」です。
今回の事件は、新人の自衛隊員が駐屯地外で長距離移動訓練をして、いらぶ大橋海の駅の駐車場で休憩していたところ、「市民団体」がスピーカーを使ってワーワー、ギャギャーと「抗議」をしたことから始まりました。
はて、こういう行為をフツーは迷惑行為、あるいは「恫喝」と言うんじゃなかったのかしら。
だって「抗議行動」というと聞こえがいいですが、なんのこたぁない相手が嫌がることをして政治的に「恫喝」することですから。
自衛隊側はトランブル回避のために三角パイロンを立てて一角を仕切って休憩を取っていただけですが、これが土木事務所の許可を得ていなかったそうで、後に揚げ足を取られることになります。
まぁ目クソハナクソ、重箱の隅をつつく類ですが。
許可なく駐車場使用の陸自、市民に「許可取れ」 県土木事務所が事前協議を要望 沖縄・宮古島 | 沖縄タイムス+プラス
この炎暑の中で休憩を取っている自衛隊員を休ませてなるものかとばかりにスピーカーを使って妨害する「市民団体」に対して、指揮官が「許可を取ってこい」と叫んだのだそうです。このどこがおかしいのでしょうか。
このどちらがトランブルを避けようとしているのか?
駐車場の一角でひっそりと休憩をとる自衛隊員と、その横で騒音を喚き散らして「抗議活動」をしている「市民団体」、はてさてどちらが「平和の島」を乱しているか。
滑稽なことには「市民団体」が、自衛隊司令に「恫喝」されたと訴えています。
おいおい、抗議行動とは恫喝をすることじゃありませんかね。
至近距離からスピーカーを使って他人の休息を妨害し、崇高なる主義主張を喚く、こういう行為を一般的には「恫喝」と呼ぶのです。
ひとさまがすれば「恫喝」、自分がやれば「平和運動」、なんという都合のいいダブスタだこと。
ただし、今回「市民団体」の側にも誤算がありました。
自衛隊はこのような抗議をすれば黙って引っ込むものと考えていたので、よもや自衛隊側から言い返されるとは思わなかったのです。
それには前例がありました。
2018年のこと、自衛隊は宮古島駐屯地から「市民団体」の言うがままに、いったん弾薬庫に収めた弾薬を運び出し、宮古警備隊を丸裸にしてしまったという悪しき前例があります。
それを命じたのは、いま政権の重鎮をしている岩屋氏です。
「岩屋毅防衛相は2日の記者会見で、陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県宮古島市)の迫撃砲や中距離多目的ミサイルの弾薬について、島外に搬出するよう指示したことを明かした。地元への十分な説明がないまま弾薬を保管していたことに伴う措置で、岩屋氏は『不十分だった。おわびしたい』と謝罪した。
防衛省は今後、島内で駐屯地とは別の場所に、今年度末にも配備される地対空・地対艦ミサイル部隊の弾薬庫を建設する予定。完成し次第、島外に撤去した迫撃砲などの弾薬も保管する方針だ。ただ、使用する警備部隊との間に距離が生じることから、初動対処の任務に影響が生じることは避けられない」
(産経 2018年4月2日)
正当な弾薬搬入を謝罪して撤去してしまいました。
「市民団体」は今回もこのようになると思っていて、「抗議活動」というマウントを取ったのでしょう。
しかし今回は違った。
彼らはゲっとなり、しばらくしてこれはネタになると小躍りしたのでしょう。
自分らの「威嚇」を棚に上げて、威嚇された、脅かされたと泣きだしたのです。
ああ、いつもどおりの所作です。
たとえば高江紛争の時には、自分らは道路を塞ぐわ、車両の下に潜り込むわ、とやりたい放題をしながら、いったん警察から排除されると都合よく「被害者」に変貌して「弾圧された」と泣きだします。
そしてメディアは無条件にこれを「平和を愛する市民vs悪辣な国家権力」という構図で報じてくれます。

高江事件の場合、実際にはこの「平和を愛する一般市民たち」は、国有地に無断で建てたテントに防衛局員を連れ込んで集団暴行を加えるという言い訳しようがない暴力行為を働いていたことが発覚してしまいます。

ちなみに、今の石破政権は、この比嘉司令を厳罰に処するかもしれません。
なにせ政権重鎮の外相に、弾薬撤去した防衛大臣の岩屋氏や、2008年の海自「あたご」と漁船による衝突事故で、まったく調査もしないうちから漁船側に謝罪をして、部下を切り捨てた石破氏が鎮座しているからです。
ゲル氏は今年もマスコミを連れて謝罪行脚をしたそうです。
後にこの「あたご」事件の否は漁船にあるとされて決着したのですが、いまもなお石破氏は謝罪行脚をしているそうな。
たまりません、この空気。
自衛隊は理の如何を問わず頭を下げよ、ひたすら土下座して謝罪せよ、これが石破政権の空気なのです。
いま膨張する中国の軍拡の最前線で身を張って島を守っている自衛隊の志気は、だだ下がったことでしょう。
ヨーロッパ勢も交えたトランプとの交渉はなんとか成果をもぎとったようです。
コメントには、トランプは米国が部隊派遣することはないと失望感もあったようですが、あの男がウクライナに兵を出すはずがないじゃありませんか。
トランプが見ている「世界」は、自分の支持層である共和党、いやそのなかでもっとも孤立主義的なMAGAの連中です。
彼らは米国がヨーロッパに関与することを嫌い、ウクライナ支援なんぞとんでもない無駄遣いだと考えている人たちです。
MAGAは、連邦政府が巨大になり、福祉やらエコなんぞに無駄金を投じて、挙げ句は海外にまでアメリカ民主主義を配って歩くから衰退するんだと信じています。
そんなことをしているから米国大衆は常に貧しいんだ、米国は外国から搾取されているという被害妄想が生まれます。
具体的には、MAGAはウクライナはおろか台湾防衛すら忌避します。
だから、トランプはFOXとのインタビューでこう言う必要があったのです。
「アメリカ人の命もアメリカ兵も失うことはない」
絶対にウクライナには米軍を出さない、ここがトランプの基準線だということを頭に置いて下さい。
だから無駄な期待は持たないように。この男が大統領でいるかぎりウクライナに米軍が関与することはありえません。
ただし、それは「直接関与」であって、軍事物資などで間接的には支援してもいいよ、というのが今回のトランプがやや柔軟になったところです。
一方、ヨーロッパはこのトランプの身勝手なスタンスをよく理解しています。
いんたん機嫌を悪くしたトランプはヘソを間出てNATOも脱退しちゃると言い出しかねないからで、そんなことになったらヨーロッパの安全保障は土台から崩れるからです。
まさに猛獣使いの心境。ああ、こんなときにシンゾーがいてくれたらと願ったことでしょうね。
今回のワシントン会合は大変によく練られています。
まず口火を切ったのは、かつてはヨーロッパ極右、あるいは「ヨーロッパでいちばん危険な女」とまで罵られながら、いまはしたたかな手腕を見せ始めたイタリア首相ジョルジャ ・メローニでした。
ウクライナフォーラム
「メローニ伊首相がホワイトハウスでのトランプ米大統領、ゼレンシキー宇大統領、欧州複数首脳による拡大会談の冒頭で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メローニ氏は、「今日は重要な日だ。3年半もの間、ロシア側から対話の準備についてのシグナルが全く見られなかった後で、新たな局面が生じたのだ。ウクライナの人々の勇気と、私たち皆がウクライナに提供した団結のおかげで、戦場での攻勢が止まったことによって、何かが変わりつつあり、既に変わったのだ」と述べた。
また同氏は、イタリアは平和に向けた米国大統領の取り組みを支持し、ウクライナ側に立ち続けることを強調した。
同氏はさらに、「私たちは多くの重要なテーマについて話し合う。その第一は安全の保証だ。それが二度と繰り返されないようにするにはどうすれば良いか、ということだ。なぜなら、それがあらゆる平和の前提条件だからだ」と指摘した」
(ウクライナフォーラム8月20日)
イタリアはウクライナへのNATO第5条モデルの安全保障提供を支持=メローニ伊首相
ヨーロッパ極右の最大の難点はプーチンと親和性があることですが、メローニは凡百のヨーロッパ極右と違ってプーチンと戦う姿勢を明確にしています。
だから、似たようなファーライト、自国ファーストのトランプとの波長を読み取るのが巧みです。
彼女に冒頭発言させたのはうまい。これがマクロンかなんぞだったら、トラ先生怒ってしまったかもしれませんからね。
彼女は言葉巧みに米国の支援に感謝しつつ、この日のテーマであるウクライナに対する「安全の保障」に水を向けます。
ヨーロッパには腹案がありました。
それが有志連合国家による、その名も「安心供与部隊」です。
英語でなんて訳すのかな 、一昔前なら Expeditionary Strike Group(遠征打撃群)なんてものものしい表現をしていましたが、こういう表現をするとホワイトハウスの猛獣がソッポを向くのでassurance forcesでしょうか。
名称にひとつにも気を使わねばならないのが、トランプ時代の特徴です。
「安心供与」なんて言われると、保険会社かよ、というかんじですが、本気です。
こういう「NATO第5条的」枠組みを作る場合、NATOとは相対的に別に作らないと、米国がソッポを向くので神経を使いますね。
これはNATO第5条とは違うのだ、あくまでも有志連合なのだ、戦闘するのが目的ではなく、そこに「いる」こと自体がロシアに手を出させないのだ、というのが胆です。
【ロンドン=黒瀬悦成】英首相府は19日、ロシアに侵略されたウクライナを支援する英仏主導の「有志国連合」が同日開いたオンライン会合に関し声明を発表した。声明によるとスターマー英首相は会合で、戦闘終結後のウクライナの「確固たる安全の保証」に向けて有志国が編成する「安心供与部隊」の派遣準備を進めると表明した。
有志国の計画チームが近日中にトランプ米政権高官らと詳細について協議するとしている。
スターマー氏はまた、オンライン会合ではプーチン露大統領が侵略行為の停止に応じる用意を示すまで、制裁などを通じて一層の圧力をかけていく方策について話し合ったことを明らかにした。
一方、北大西洋条約機構(NATO)の軍事分野での最上位機関、軍事委員会のカボドラゴーネ議長(イタリア海軍大将)は19日、加盟国の参謀総長とのオンライン会合を20日に開くと明らかにした。
有志国の安心供与部隊の派遣をにらみ、NATO加盟各国の役割の調整などを行うとみられる。
カボドラゴーネ氏によると会合では、グリンコウィッチ欧州連合軍最高司令官(米空軍大将)がウクライナの最新情勢を報告するとしている。
(産経2025/8/20 )
英首相ウクライナ「安全の保証」へ有志国連合の部隊派遣準備を表明 NATO制服組も協議 - 産経ニュース
安心供与とは、おおさっぱに言えば抑止力の提供です。
「安心供与とは、自分が将来において選択する行動を約束する戦略であり、例えばA国に攻撃さえしなければ、自国は決してB国に被害をもたらすようなことはしないと伝えることが、これに該当します。抑止の基本は、相手に手を出すと危険であり、割に合わないと思わせることですが、それは相手に武力の行使に踏み切った場合の損失の大きさを認識させることに依存しています。
抑止に対して安心供与の狙いは相手に協調すれば前向きな関係を構築できるという期待を持たせることであり、これが機能していれば、もし抑止を実施するとしても、相手に武力の行使をより強く思いとどまらせることが期待されます」
(武内和人 2023年11月25日)
論文紹介 戦略の一つとして安心供与(assurance)を考える|武内和人
具体的には明らかになっていませんが、おそらくは東部に英仏独を主力とする有志連合国からなる安心供与部隊を投入するということになるでしょう。
彼らはなんらかの和平協定が発効した場合、それを守る役割をします。
※名無しさん、HNを入れて下さいね。
ほー、さすがウクライナはしたたかですなぁ、と感心しました。
前回ゼレンスキーは直角的にトランプとぶつかって玉砕したのがウソのようです。
身ごしらえもネクタイこそしていなかったものの暗めのジャケットを羽織り、イヤー前回は失礼しましたと謝罪まで口にしていました。
「衝撃的なほど険悪な雰囲気だった2月の会談とは打って変わって、トランプ、ゼレンスキー両大統領は、依然として意見の相違があるものの、対立的な印象を与えないよう努めているようだった。
ゼレンスキー氏は襟付きのスーツを(いわゆる典型的な背広のスーツではないが)着ていた。そして、トランプ氏はその装いをほめた。ゼレンスキー氏はまた、会談中に「ありがとう」と何度も繰り返していた。このことも、招待主のトランプ氏を喜ばせたに違いない」
(BBC8月20日)
【解説】 ゼレンスキー氏、トランプ氏との会談を無傷で終える 時間的な猶予を獲得 - BBCニュース
最大の収穫は、トランプからこの文言を引き出したことです。
「アメリカ トランプ大統領
「我々は永続的な平和を実現するだろう。すぐに実現することを祈っている。戦闘が長く続くことは望まない。和平が発表されれば、世界中が歓喜するだろう。今から話し合うが、米国はウクライナに優れた保護と安全保障を提供するつもりだ」
トランプ氏は18日、ゼレンスキー氏との会談の冒頭でウクライナが求めている「安全の保証」について、「ヨーロッパが最前線にいるが、我々も関与する」と明言しました。(略)
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「米国が明確な信号を発信することが重要です。すなわち、米国がウクライナの『安全の保証』の調整に協力し、また『安全の保証』に参加する国の一つとなるということです。これは大きな前進だと考えます」
(TBS8月19日)
「ウクライナに優れた保護と安全保障を」トランプ大統領“安全の保証”にアメリカが関与と明言 一時的停戦「必要とは思わない」 米ウクライナ首脳会談(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
そのとおりここがキモです。
なんらかの形で米国がウクライナに安全保障の担保を与えねば、「平和」は空疎なものとなります。
「会談後にホワイトハウスの外で開かれた記者会見で、ゼレンスキー氏は、安全保障の保証にはウクライナとアメリカとの900億ドル(約13兆円)相当の取引が含まれる可能性があると述べた。この取引には、航空システムやミサイル防衛システムなどアメリカ製兵器の取得が含まれるとしたが、それ以上の詳細は明かさなかった」
(BBC前掲)
会談でもミンスク合意の二の舞はまっぴらだという発言がでたようですが、親露政権を倒した直後の不安定期を狙ってロシアのクリミア侵攻が起こり、さらにほぼ同時期に東部2州での独立分離紛争が勃発しました。
もちろん分離主義者の後ろにいたのは悪ダヌキのロシアです。
ミンスク合意の明白な違反ですが、軍隊で占領して既成事実化してしまえばこちらのものというロシア流儀で結ばされたのがそもそもこのミンスク合意でした。
ミンスク合意には西側陣営も関わったにもかかわらず、事実上ウクライナ領の分割を容認してしまう不平等なものでした。
ドネツク、ルガンスクというロシアの息がかかった東部2州に「特別な地位」を恒久法で保証しろだなんて、ウクライナ分割そのものです。
西側諸国は、よく恥ずかしげもなく、こんなものをウクライナに呑ましたものです。
口にはしませんが、ウクライナの西側諸国への不信感は根強いはずです。
クリミアを侵略された後に西側が仲介策として言い出したのが、2014年のミンスク議定書(合意)です。
ここでも「ウクライナの中立化」を求めるプーチンの要求で、それを尊重して結ばれたのです。
今回もプー公はトランプにまったく同じことを和平の条件として言っていますね。進歩しないヤツです。
しかし泣く子とプー様には勝てぬとウクライナをなだめすかして、ロシアとウクライナ、そして西側諸国(欧州安全保障協力機構・OSCE)の三者で成立したのでした。
内容は、2015年1月までの停戦とウクライナ東部とロシアに緩衝地帯を作ることが骨子でした。
ところが、このミンスク合意は直ちに失敗し、親露勢力はドネツクで戦闘を再開しているのですから身も蓋もありゃしません。
ですから、この「ウクライナの中立化」とは、親露勢力に占拠されていた東ウクライナ2州を事実上分離独立させることで、ロシアの思い通りにすることになったのです。
なにが破綻した原因かハッキリしています。
いくら緩衝地帯を作るだの、和平条約を守るだのと文書で決めても、それを実際に守らせるための裏付けがなかったのです。
NATOが入るというならまだしも、OSCEなんて形だけの空疎な組織にはロシアにミンスク合意を守らせるような力も権限もありゃしません。
要は口先だけの空約束ですから、たちまち親露勢力が我が物顔でのさばり、人民政府なるものをデッチ上げて「独立」し、それをプー公が承認して併合してしまいました。
しかしドネツク州には、まだ支配しきれていない西側のウクライナ実効支配地域が多く残っているので、ここはは武力で落とせないので寄こせと言っているわけです。虫の良さの極みじゃないですか。
ミンスク合意の二の舞をさせないためには、米国が具体的にウクライナを軍事支援せねばならないということです。
トランプの戦後80年談話というのがあります。
「彼ら(米軍の兵士たち)の不朽の勝利は、平和は決して約束されたものではなく、犠牲によって獲得され、力をもって守られ、そして私たちの自由と、愛すべき生活様式を存続させるために命を危険にさらすことをいとわない人々によって生かされ続けることを、私たちに思い起こさせる」
いや、まったくご説ごもっとも。
和平を何百回唱えようと、それを守らせる「力」がなければ無意味です。
和平だ、休戦だと言っても、どうせプー公は守る気がないのですから、結局それからのことなのです。
今週18日にワシントンで開かれるゼレンスキーとトランプ会談に、米英独を先頭とするヨーロッパ全域の首脳が参集するようです。
いかにヨーロッパが、プーチンの代理人に堕したトランプの姿勢に危機感をもっているのかわかります。
「ワシントンで18日行われるゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談に、欧州の首脳らが参加する。ロシアへの領土割譲を含む早期和平合意に応じるよう米国からの圧力が強まる中、ゼレンスキー氏への支持を示す狙いがある。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長とNATOのルッテ事務総長、フィンランドのストゥブ大統領、ドイツのメルツ首相、スターマー英首相、フランスのマクロン大統領がそれぞれ参加を確認した。イタリアのメローニ首相も会談に加わると、スカイは報じた」
(ブルームバーク2025年8月18日)
米ロ、ウクライナへの安全保障で一致-18日会談には欧州首脳も参加 - Bloomberg
ブルームバーク
このトランプのアラスカ会談は、チェンバレンのナチス融和と並んで歴史に刻まれるであろう愚劣な妥協でした。
現在の世界は急速に大戦前の状況に酷似し始めています。
それは侵略的な意図を隠さないてならず者国家が台頭して、国際秩序を破壊し始めたためです。
台頭した破壊者の名はかつてはナチスドイツ、そして今は中露。
共に世界有数の軍事力を誇って、共に領土拡張に血道を上げる国家です。
そしてこれらの国々にはまともな民主主義は存在しない全体主義国家です。
ここで相似性を探るために、歴史を大戦前に遡ってみましょう。
第1次大戦後の1935年、政権を握ったヒトラーは、ヴェルサイユ条約の取り決めを一方的に破棄して再軍備と徴兵制を復活させ、、さらに翌年36年にはチェコ領のラインラントに軍を進駐させました。
あからさまな侵略行為であり、第1次大戦後の世界秩序に対する挑戦でした。
これに対して英国や欧州各国は融和主義を掲げて、ヒトラーの領土拡大政策を容認します。
そしてこの融和で勢いづいたはヒトラーは、38年にはオーストリア併合し、さらにはチェコ領ズデーテン地方の割譲を要求しました。
これを巡って38年、英仏独位伊4カ国で開かれたのが、あの悪名高きミュンヘン会談でした。
この会談で、なんと英首相チェンバレンはドイツの要求を丸呑みしてしまったのです。
この時、当該国のチェコには出席する認められず゛すべて頭越しでした。
ミュンヘン会談 - Wikipedia
気分が悪くなるほど、今のトランプのやり口に似ています。
チェンバレンとトランプは、全体主義の独裁者に対してにきわめて甘い個人的期待感を持っていました。
チェンバレンはヒトラーを評してこう言います。
「ヒトラーは話のわかる政治家だ。平和は保たれた」
後の歴史を知っている私たちには悪いジョークのような台詞ですが、チェンバレンはヒトラーを「平和主義者」だと思い込んでいたようです。
ちなみに野党だった労働党に至っては、党首ランズベリーは9条主義者でした。
彼は常備軍の存在が戦争を誘発すると考えし、英軍の解体すら主張しました。
ナチスドイツには無抵抗非戦の誓いをする始末です。
どこぞの国の野党やメディアにそっくりですね。
ヒトラーはこれを侵略的意図の容認と捉えました。
39年、ドイツは一気にポーランド侵略を開始し、英仏も宣戦布告に追い込まれました。
ここに第2次大戦が勃発します。
なにが原因であったのかあまりに明白です。
つまりひとつの小さいと思えた融和が次の侵略を生み、さらに大きな侵略を誘引し、やがてそれは全体の平和を崩壊することとなったのです。
大戦を戦ったチャーチルはこう述べています。
「チャーチルは著書『第二次世界大戦回顧録』の中で、「第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう」と宥和政策の失敗を述べている」
宥和政策 - Wikipedia
トランプが今まさにしようとしているのは、まさにチェンバレンが犯した全体主義に対する屈伏、譲歩、そして融和です。
かつてのチェコはウクライナです。
今すべきはプーチンに対する融和ではなく、会談冒頭で侵略は許さないと宣告し、さらなるロシア制裁の強化、具体的にはロシア産エネルギーの主要顧客であるインドと中国に二次制裁を科すと言い渡すことでした。
トランプはノーベル平和賞を熱望しているようですが、彼の「平和」とは「チェンバレンの平和」にほかなりません。
トランプ-プーチン会談はプーチンの完全勝利でした。
笑える茶番といいたいですが、ウクライナとヨーロッパは笑いさえ凍ったことでしょう。
予想よりはるかに悪い。トランプがプーチンの盟友だということが満天下にさらされました。
それは共同記者会見という形式をとったことでわかります。
外交の世界はプロトコル(外交手順)に則って進みます。
したがって首脳会談の成否は、その後の記者会見で決まります。
合意に至れば、世界の記者を前にして合意文書に署名してみせ、共同声明の一発も発します。
失敗すれば、記者にペーパーだけ配ってさっさとおしまい。
発表できる段階ではないがなんらかの進展があれば、共同記者会見を行い、次回会談を決めます。
6年ぶりに対面で米露首脳会談…トランプ大統領「一定の進展があった」と明かすも和平合意に至らず プーチン大統領は従来の主張を繰り返す(FNNプライムオンライン)|dメニューニュース(NTTドコモ)
「アメリカのドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が15日午前(日本時間16日未明)から、米アラスカ州アンカレッジで会談した。約3時間後の午後3時(同16日午前8時)前、両首脳は共同記者会見に臨んだ。会談はウクライナでの停戦の進展が焦点となったが、トランプ氏は合意には至らなかったと述べた」
(BBC8月16日)
米ロ首脳が会談し共同会見 ウクライナでの停戦への進展では合意に至らずとトランプ氏 - BBCニュース
それは共同記者会見の時のプーチンの発言をみればわかります。
「記者会見で先に発言したプーチン氏は、対立から対話に移行する時が来たと語り、この会談は「もっと早くあるべきものだった」と述べた。そして、ウクライナとヨーロッパが和平プロセスを「台無しにしない」ことを望むとした。
プーチン氏はまた、ウクライナでの戦争を「悲劇」と呼び、これを終わらせることに「誠実な関心」を持っていると述べた。
一方で、ロシアは今回の紛争の「主要な原因」を取り除く必要があると主張。今回の会談を紛争解決の「出発点」と位置づけた。
プーチン氏はまた、「トランプ大統領の好意的なトーンに感謝したい」とし、「双方は結果志向であるべきだ」と発言。「トランプは明らかに自国の繁栄を気にかけている。 しかし、ロシアにも国益があることを理解している」と述べた」
(BBC2025年8月16日)
米ロ首脳が会談し共同会見 ウクライナでの停戦への進展では合意に至らずとトランプ氏 - BBCニュース
なにが「和平プロセス」、なにが「対話に以降すべきとき」、「紛争の主要な原因を取り除け」、言いたい放題ではありませんか。
こんなロシアの言い分そのままのプロパガンダを言わせるために、仰々しくアラスカで会談を行ったのでしょうか。
プーチンという戦争犯罪人が、世界注視の下でこういうことを言わせる機会を与えること自体が罪です。
黙って聞いていたトランプには、「なんらかの人様には言えない密約があった」ということになります。
たぶんこんなところでしょう。
「プーチン氏の要求:欧州の当局者によれば、プーチン氏は15日に行われたトランプ氏との会談で、ウクライナとの間での「領土交換」を求める意向を示した。プーチン氏はウクライナ東部のドンバス地方を譲渡するよう要求し、見返りとして、ウクライナ国内の他の前線を現状で凍結し、今後ウクライナおよび欧州諸国への軍事行動を行わない意向を明らかにしたという。トランプ氏が欧州首脳に伝えた。
ロシアは今回の会談を米国との平和共存」への移行する会議と位置づけているようです」
(CNN8月17日)
トランプ大統領、プーチン氏・ゼレンスキー氏との3者会談を模索 これまでに分かっていること - CNN.co.jp
ここで注目願いたいのは、事前に流されていた「占領地の交換」の真意が、ドンバス州の割譲と他の戦線の現状凍結にすぎないことです。
つまり、ロシアは和平でなにも手放さず、ドンバスの要塞防衛戦だけはしっかり奪うということにすぎないわけです。
完全な降伏勧告と、そのトランプによる裏書きです。
そうでもなければ、プーチンが敵国の州都にまで来る道理がありません。
ロシアではこれを大戦後の東西分割を決定した「第2ヤルタ会談」と報じているようです。
「欧州の一部やロシアのメディアでは、米ロ首脳会談を「第2のヤルタ会談」と報じている。ヤルタ会談とは、第2次世界大戦末期の1945年2月4日から11日まで、ウクライナのクリミア半島にあるヤルタで、米国のルーズベルト大統領、英国のチャーチル首相、ソ連のスターリン書記長兼首相の3首脳が会談したもので、同会議ではドイツの戦後処理問題、国際連合の設立、中欧、バルカン諸国の戦後処理などが議論された。
同会議を通じて、米国とソ連という冷戦時代の2大国体制が確立されていった。これを「ヤルタ体制」と呼ぶ。もちろん、15日のアラスカの米ロ首脳会談は「第2のヤルタ会議」ではないし、そうあってはならない」
(ウィーン発コンフィデンシャル8月14日)
米ロ首脳会談は「第2のヤルタ会議」でない : ウィーン発 『コンフィデンシャル』
長谷川良氏は「そうあってはならない」としていますが、少なくともトランプとプーチンは「第2ヤルタ会談」をする気だったのです。
米国民はとんでもない男を大統領に選んでくれたものです。
映画『ウッジョブ』に、軽やかにマムシを捕まえる森の民の姿が描かれていました。
染谷クンなど耳の脇に喰いつかれていましたもんね。(笑)大丈夫かな。
お嫌いな方にはたまらないでしょうが、沖縄の場合これがマムシからハブ様に変わってさらにパワーアップします。
なかでも一番強いハブ様の頭は完全な三角形で、眼はチャーミングなゴールデンアイ。
身体の色は緑がかった褐色。体形はスリム。長いもので2m。だいたい1mていどの優美な姿をもちます。
口をカッと開くと顎の関節がはずれて゛、ネズミ程度は軽く丸呑みにします。
まずネズ公の頭が消え、胴がズッズッという感じで徐々に消え、最後に尻尾がピラピラと揺れて、哀れお終いとなります。かなりシュールな風景ですよ。
それを目撃した時には納屋の梁に潜んでいたのが、失礼にも、私を無視して、突如空から降ってきて私から数mのところにいたネズミをくわえ込んだのです。
さすがに蛇には常人以上の耐性がある私も背筋がゾゾッとしましたね。失礼でよかったぁ。礼儀どおりに来たら、わしゃ死んでたがな、もし。ハワハワ。
蛇でも毒があるものはさほどありません。本土では、マムシとヤマカカシていどです。沖縄でもハブとヒメハブの2種類です。奄美には強烈なハブの一族がいます。あちらのほうが毒性は強いようです。
毒蛇は、世界各国でも、頭が三角形をしているので、簡単に識別できます。ほら、コブラのあの頭です。蛇は毒がなければまったく恐れる必要がない生きものなです。
むしろ、ネズミなどを退治する益虫といったほうがいいのではないでしょうか。沖縄北部では、開発はハブ様のために遅れたといわれるほどです。「遅れた」というと聞こえか悪いですが、乱開発から守られたわけで自然環境の守護神でした。
ハブなかりせば、今頃ヤンバルは、醜いゴルフ場やリゾート施設で満ちあふれていたはずでしたが、とうとう本部に巨大なリクレーション施設を作られて恐竜ギミックが蠢くようになってしまいました。
ジェラシックパークまがいのくだらねぇもん、作りやがって、バーロー。
沖縄旅行では「ハブ」に要注意!咬まれたときの対処法もご紹介|南の島の北の方通信|大宜味村観光協会
さてここで、毒蛇に対する防御法をお教えしましょう。
仮にあなたの眼の前に鎌首をもたげSの字に身体を優雅にくねらせたハブがいたとします。
最良の選択は逃げることです。
その時のハブ様の姿を注意してください。ヤブからシッポがでているようなら逃げる態勢ですので脅かさないように。
静々と前を見たままでバックしますが、その時間違ってもウヒャーなんて叫んで後ろ向きに逃げないように。
驚いたハブ様にふくろはぎをパックリやられる可能性があります。
もっともアブナイのは恐怖のSの字態勢に入ったハブ様です。
このお姿はベリー・デンジャラスです。
このハブ様のSの字態勢は、攻撃モードに入ったことを示しています。
警戒モードのハブ様は、首を優雅にクッと直立させ、やや頭が後ろに傾いで勢いをつけて攻撃モードに入ります。
ハブ様は、体を直立させて、後ろに頭をやや倒し、それを振り子のように繰り返しながら、攻撃対象を見定めています。この振り子運動は次の飛翔のための予備運動です。
そしてこの攻撃モードから、目標が定まった瞬間にハブ様は攻撃対象に向けて一気に飛翔します。無音で跳んで来るミサイルみたいです。
飛距離はだいたい体長の3倍、ときには4倍とも言われています。最低3~4mは飛び掛かってきます。
これがハブ様のスゴサです。無言で、スパーンという感じで跳んできます。
よく漫画で書かれるような、シャーなどという擬音は聞こえません。
ですからあっと思ったら、すでに嚙みつかれていたということになります。なんまんだぶ。
人間に対しては首や腕、指の先という無防御の部分を狙います。鼻に食いつかれたという話も聞きました。ほとんど、ハズしません。ですから、素人には、避けることはそうとうに困難でしょう。野性の一殺必中のハブと、文明にホゲた人間とは勝負にならないのです。気がついた時には、腕にハブ様がぶら下がっていることを発見するあなたがいることになります。ゾッ。
嚙まれると筋肉組織を破壊する毒素が、牙の先端から注入され、牙が引っかかるようになるために、容易には抜けません。血清がない場合は悪くすると死にます。血清が遅くなると、その部分が壊死します。
私が住んでいた村の古老の右手人指し指はおかしな形で曲がっていていますが、これはハブに喰われたためです。
彼はハブ様を捕まえて保健所に持ち込み、そのカネでシマザケを買っていたのですが、唯一のハブに対する敗北です。
噛まれたら、噛まれた場所の下を縛ります。
首を噛まれたら首を絞めるのかと疑問をもたれるでしょうが、さてどーするんだろう、私もわかりません。
あなたがスネークバイトキットなんていうシャレたものを持っていたら直ちにメスで切開し、小さなゴムポンプで毒液を吸い上げましょう。
ただスネークバイトキットなんか持って沖縄旅行に来るヒトはいないよね。
嚙まれた手を手拭いでつり上げ、血清のある場所まで行かねばなりません。
下記の機関が、沖縄北部にあるハブ抗毒素常備医療機関となります。
| 1 県立北部病院 | 名護市大中2-12-3 | 電話:0980-52-2719 |
| 2 国立療養所沖縄愛楽園 | 名護市字済井出1192 | 電話:0980-52-8331 |
| 3 北部地区医師会病院 | 名護市字宇茂佐1712-3 | 電話:0980-54-1111 |
| 4 県立北部病院附属伊平屋診療所 | 伊平屋村字我喜屋217 | 電話:0980-46-2116 |
| 5 伊江村立診療所 | 伊江村字東江前459 | 電話:0980-49-2054 |
| 6 国頭村立診療所 | 国頭村字辺土名1437 | 電話:0980-41-5380 |
| 7 北山病院 | 今帰仁村字今泊280 | 電話:0980-56-2339 |
【参照】沖縄県オフィシャルサイト:はぶ抗毒素常備医療機関PDFより
結局は、噛まれるより噛まれないことが大事です。
一番は噛まれるような場所に行くな、に尽きます。
ハブ様の好きな場所はひんやりとした薄暗い場所で、湿りけがあれば絶好調です。
場所としては、穴蔵や川辺、木の枝、藪の中、溝などです。
時間帯は夜のほうを好みます。
ハブ様も涼しい時間がお好きなのです。
沖縄の集落では、夜道を歩くときは枝をまたぐなといわれたほどです。ハブ様だったらアウトだからです。
ですから、ザワワザワワと生い繁るサトウキビ畑にやたら入ったりすると「ウージの森で永久にさよなら♪」となりますのでご注意を。
私もサトウキビ畑に仕事で入る場合は、棒をもってあたりを叩きながら静々と作業していたもんです。
崖の穴や石垣の隙間は、ハブ様が巣を作る場所ポイントですら、決して手を入れたりしないようにしてください。
特に営巣期である初夏は、産卵が終わって子蛇がいる時期で、親がもっともナーバスです。
ベビーハブも既に毒をもっています。
どうしたら防護できるのでしょうか?まずは、身繕いから。「ハブ防護服」が必要です。
いや、なんの雨具のカッパとゴム長ていどでいいのです。
なければダブダブの作業服でもいいでしょう。仮に嚙まれても、牙が簡単に皮膚に達しません。つまり、牙がむなしく衣類にガプっに終わればオーケーなのです。
首筋にはタオルを巻き、できたらフードも被ります。樹上から降ってこられても、首筋が大丈夫です。蛇は視覚情報よりも、赤外線探知に頼っていますから、身体全体をゴムで包むのは有効な対策です。
私など全身をタイベックスで覆ってオキナワ旅行をしたもんです。(嘘)
沖縄や先島諸島、奄美諸島の草むらにショートパンツにTシャッツ姿で分け入るのは、それはリッパな自殺願望です。
ハブ様がいらっしゃる島、いない島はひとつおきですから、島に行ったら、そこの人にこの島にハブ様がいるかどうかを聞きましょう。
やってはいけない見本は、映画「ランボー」シリーズのように上半身裸でヒャッハーとジャングルを走りまわることで、こんなことをしたら全身くまなく擦り傷と毒虫、毒蛇に食われ放題となること必至です。
ランボーはたぶん100mも行かないうちに、上からはヒル、草むらからは毒蛇、ついでに皮膚の傷口から入った感染症という多重攻撃を受けて草むす屍となることでしょう。ナンマンダブ。絶対にいい子はマネをしてはいけません。
ハブ様の生活圏を知り、驚かせない、危ない場所には行かない、これが一番なのです。
ウクライナ戦争の2次制裁でインドに追加関税だそうです。
「米国のドナルド・トランプ大統領は8月6日、ロシアからの石油輸入を理由にインドへの25%の追加関税賦課を定めた大統領令
を発表した。ファクトシートも同日発表した。インドへの追加関税率は相互関税率とあわせて50%になる見込みだ。
米国は2021年4月、ロシアによる米国大統領選挙への介入や米国企業へのサイバー攻撃などを理由に国家緊急事態を宣言し、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいてロシアの企業などに金融制裁を科した。
2022年3月には緊急事態の適用範囲にロシアがウクライナに対して行った措置を含むよう拡大し、石油などロシアからのエネルギー輸入を全面的に禁止した」
(ジェトロ海外短信2025年8月07日)
トランプ米大統領、ロシア産石油購入を理由に、インドに25%の追加関税課す大統領令発表(インド、米国、ロシア、ウクライナ) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ
米トランプ大統領 相互関税の詳細発表 日本には24% - YouTube
インドとは決着したと思っていたのですが、これで再燃です。
トランプは米国が世界各国の「扶養者となる」という被害妄想で始めたこの世界関税戦争で、西側諸国の結束に大きな亀裂を引き起こしました。
ヨーロッパは米国不信を強め、アジア諸国は中国になびこうとしています。
そしてFOIPを通して徐々に西側に接近していたインドを、今回の追加関税で再び中露に押しやることとなりました。
そのくせ、トランプは中国へは2次制裁を発動しないという片手落ちをしています。
いまや「関税」はトランプの魔法の杖と化しています。
トランピストは米国の関税主権だから問題ないと弁護していますが、それは一定のルールの下での話です。
大統領が突如思いつきで世界すべての国に大幅な関税をかけていいもんじゃありません。(あたりまえだ)
すでに米国の貿易会計の裁判所である国際貿易裁判所(CIT)は、トランプ関税を無効であるという裁定を出しています。
「米国の国際貿易裁判所(CIT)は5月28日、トランプ政権が課した国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく追加関税は違法との判断を下した。その後、政権は直ちに連邦巡回区控訴裁判所に上訴した。これを受け、控訴裁は翌29日、同控訴裁が検討する間、CITが下した判断を一時的に停止することを命じた。従って当面は、現在の追加関税措置が継続される」
(ジェトロビジネス短信2025年5月30日)
政権は連邦裁判所に上告していますが、司法判断としても疑義がもたれています。
司法は果たしてこんな関税を自由自在に大統領が決めることが可能と問うています。
結論はノーです。関税を決定する権限を持つのは大統領ではなく、連邦議会だからです。
「国際貿易裁判所 (CIT)は今回、米国では憲法上、連邦議会が「税金、関税、輸入税、および消費税を課し、徴収する」権限および「外国との通商を規制する」権限を有していることから、IEEPAが全ての国・地域からの輸入品に対して無制限に関税を課す権限を大統領に委任しているかどうかを判断した」
(ジェトロビジネス短信2025年05月30日)
米国際貿易裁判所がIEEPA関税を無効と判断も、連邦控訴裁は判断の一時停止命じる、追加関税は当面継続へ(中国、カナダ、米国、メキシコ) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ
トランプが法的根拠にしているのは国際緊急経済権限法(IEEPA)ですが、CITはこの法をもってしても議会は大統領に無制限の関税を乱発する権限を与えていないと断じています。
「CITは、1974年通商法122条は巨額かつ重大な国際収支赤字に、同301条は不合理または差別的な外国の通商措置や政策、慣行に対処する場合に限ってのみ大統領に関税を課す権限を与えていると他の通商法を例示し、IEEPAについても、議会は大統領に輸入を規制する無制限の権限を与えることを意図していないと判断した。
また、IEEPAに基づく権限は、「米国の国家安全保障、外交政策、経済に対する、その原因の全部または大部分が米国国外にある異常かつ特別な脅威に対処」する場合にのみ行使できるとし、トランプ政権が主張していた関税によって生じる「圧力」または「影響力」は、緊急事態に対処するための直接的な手段にはならないとの見方を示した。これらの見解により、IEEPAに基づき課された関税を無効とし、永久に差し止めるために必要な行政命令を10日以内に発令するよう命じた」
(ジェトロビジネス短信前掲)
つまりトランプが主張する「巨額な貿易赤字」「貿易の不公正」などのことは、従来からある通商法122条というルールで解消できるのだから、国際緊急経済権限法などを持ち出すなというわけです。
通商法122条は、1974年に制定された通商法の一部です。
通商法には大統領が巨額かつ重大な国際収支赤字に対処するため、最大15%の追加関税や輸入割当などの規制措置を150日間賦課できる権限を付与しています。
●1974年通商法122条の概要
目的: 巨額かつ重大な国際収支赤字への対処。
権限: 大統領に輸入課徴金や輸入割当の賦課を許可。
関税上限: 従価で15%を超えない範囲。
期間制限: 150日を限度。
関税は、物品の輸出入に際して課せられる税金。輸入関税を指すのが一般的。
• WTO加盟国・地域は、他加盟国・地域に対して一定率以上の関税を課さないことについて、WTO協定の一部である自国の譲許表で約束。約束された税率をWTO協定税率(WTO譲許税率)と言い、GATT第2条はWTO加盟国・地域に対して、WTO協定税率を超えない関税率の適用を義務づけている。
•我が国の関税率には、全ての国に適用される「基本税率」の他に、WTO加盟国・地域に適用される「WTO協定税率」、特定の国・地域に適用される「特恵税率」、暫定的に定められる「暫定税率」など幾つかの種類が存在。原則として、特恵税率、WTO協定税率、暫定税率、基本税率の順に優先して適用される。
①「計算式」がデタラメ
② 貿易赤字への「謎解釈」
③「原産地規則」を無視
④「米製造業復興」は無理筋
⑤ 安全保障面でも「逆効果」
⑥「大統領の直感」が正義
「ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏も、自身が配信するニュースレターで「彼(トランプ氏)は完全に狂っている。想定よりはるかに高い関税を課しただけではなく、貿易相手国について虚偽の主張をしている」とつづった。
(読売2025年4月4日)
「相互関税」にサマーズ元米財務長官「私なら抗議の辞任」、ノーベル賞・クルーグマン氏「完全に狂っている」 : 読売新聞
史上かつてなかった大統領の思いつきと直感で始まった関税戦争は、世界経済に巨大なマイナスのインパクトを与えたようです。
私が当時住んでいたヤンバルの山の中から、用事があって那覇まで行こうとすると、コースはふたつありました。
ひとつは名付けて、ウェストコースト・ゴージャスルート。
もうひとつは、イーストコースト裏街道ルートです。
西海岸は道もきれいに整備されていて、なんと途中から高速道路なんてもんまでできていました。
基地も多いのですが、アミューズメント施設も多く観光道路といった雰囲気です。
一方、東海岸裏街道は、上り下りの激しい道がウネウネと続く道でした。ひと昔前は、越すに越されぬ久志の峠として難所でした。
基地移設で有名になってしまった辺野古崎(ひぬくざき)はここにあります。
よもやこんなことで、後に有名になるとは思いもしませんでした。
店はただ一軒、辺野古集落の手前の河口付近に一軒「カメスバ」という店がポツンとありました。
どうやらカメさんというおバァがやっている店らしく、看板にあるとおりスバ、つまり沖縄そばしか置いていないという店です。
看板と書きましたが、沖縄では建物に直にペンキで書いちゃいます。
看板なんか出していたら台風で飛ばされますから。字も店主が書いたもののようです。
下の写真はヤンバルの食品店です。冷凍品と標準語で書いてありますが、「冷しもの」などという表記もあります。
魚もコチコチ。本土ではめったに食べられない冷凍鯖の刺身などが置いてあったりします。
店の横のポスターは沖縄大衆演劇で、下町の玉三郎のようなもの。ただし、全編沖縄語なので、本土の人間やウチナーのニセター(若い衆)には理解不能ですが。
この「スバ」という表記がスバらしい。沖縄の表記は徹底した原音忠実主義の島。曲がったことは大嫌い、聞いたままに書くのです。
ですから、コーヒーショップは「コーヒーシャープ」、アイスクリームは「アイスクリン」、海兵隊のマリンコーは、兵隊さんの発音どおり「ムリンコ」と潔くよく書いてしまいます。
「スバ」は、沖縄語の母音oがuに変化しますので、sobaはsuba となります。それをまんま書いちゃうんですね。島内で「そば」といえば問答無用にこれです。これしかありません。
島の人が本土に行って「そば下さい」と言ったら、真っ黒で驚いたというホントかウソか分からない話もあります。
沖縄そばは、蕎麦粉などは耳掻き一杯も入っていません。 蕎麦粉はその気になればヤンバルでできそうなものですが、私がいた当時には、日本そばの店などただ一軒那覇の松尾に「信濃」という店があったきりです。
島の人向けではなく、ヤマトゥの人向けです。そこそこに美味い店でしたが、今でもあるのかな。
島の男は、だらだらと「沖縄そば下さい」なんて言いません。きっぱりと決意を眉間に込めてひとこと「スバ!」。これが島の男ってもんさぁ(←てなもんかいな)。
冷しそばなどありませんから、酷暑の夏でも大汗をかきながらズルズル食べて、テーブルの上の無料のアイスコーヒーをグビっと飲んで、そのまま昼寝をしてしまいます。
食堂のテーブルの上には、必ず無料アイスコーヒーが乗っています。
当然のこととしてインスタントですが、沖縄の市場に行くとインスタントの粉にクリームから砂糖まで全部入っている便利な大瓶を売っていました。本土では見かけませんなぁ。
沖縄の大衆食堂には中上がりというような畳があって、昼下がりには男どもが満腹の水牛よろしくいぎたなく爆睡している姿を見ることができます。今思うと、勘定も済ませない客を寝かせてしまっていいでしょうかね。
それはともかく、勤め人はあきらめてもらうとして、正しい沖縄人はまっ昼間に働いてはいけません。ノーテンパーになります。
まっ昼間は、涼しい室内か、デパートに行って過ごします。沖縄で東日本が去年やったような大節電をやったら暴動が起きます。
デパートは、台風の時とまっ昼間には異様に客が多く、家に居ても暑いしやることもないからという程度のことで、家族連れでわざわざ遊びに来るのです。
当然なにも買わずに、涼んで試食だけしてうれしそうに帰ってしまいます。
かつては沖縄に台風が来ると、デパートは買わない客でにぎやかだったそうです。
こんな亜熱帯の島のチルダイな昼下がりが、私が知っている素顔の沖縄です。チルダイとは、なんて訳すかなぁ、けだるいでしょうか、かったるいかしら。
あんまり暑いので、脳味噌が煮え煮えで、昼寝でもしてやり過ごしましょうかね、外はまぶしいし、ヤマトの観光客は元気ですねぇ、などと言いながらタダのアイスコーヒーをズルズル飲むのです。
元気が復活したら、ビーチでパーリーでもするとしましょうか。
ああ、チルダイ、チルダイ・・・。
最近映画『ウッジョブ』というベラボーに面白い映画を見て抱腹絶倒していました。
街の坊やがなんの弾みか、三重の山の中の林業に就職してしまうというお話です。
思い当たることばかりでニマニマしてしまいましたが、圧巻は最後の10年に一度という奇祭でした。
さすがアレはなかったなぁ。
さて植物園の熱帯館に行って、なごみたいくせに思い出すのは、因果なことに、ヤンバルの森の深さと怖さです。
私は沖縄に住んでいたことがあるのですが、あいにく街暮らしはほとんど知りません。
知っている体験の大部分は、ほとんどがヤンバルの森暮らしだけという偏った体験の持ち主です。
牛を粗飼料だけで肥育するという馬鹿げた考えでやっていたために、そりゃあ草取りが大変なんてもんじゃなかったわけです。
今になってみれば、濃厚飼料やらんで牛が太るわきゃない。
毎日肥育牛2頭のために、2tトラック一杯のグシチ(カヤ)をかるのが日課でした。
それも刈り払い機なしの手刈りで、ひとりでヤンバルの山に入ってですからもうむちゃくちゃな話です。
ある時、森で仕事をしている時、うっかり鎌で指をザックリと切ってしまいました。
いまでも左人指し指が曲がっています。
あんがいああいう時というのは、おおやっちまったヤバァくらいなもんで、泣いたり喚いたりはしないもんです。
騒ぐのは回りに助けてくれるような人がいるときだけ。
騒いでも、あたりにいるのはハブとリュウキュウイノシシくらいなんですから、切った瞬間観念しました。
あたりの草のツルで指の根本を巻いて、タオルをあてがってとまれ森から出なければなりません。
しかし片手で密林かき分けてトラックを置いた森の出口へ向かおうにも、じぶんの位置が分からなくなりました。
こりゃパニくるよね。
世界自然遺産 やんばるの森へ | 沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語
たったひとり、場所あろうに数キロ四方には人がいないヤンバルの山の中。
切った指からは白い骨。出血は止まらない。
いや、けがよりも場所がわからなくなったことにパニくりましたね。
そのうち樹の枝からポツリと冷たいものが落下してきます。
タオルは指にあてがっていたために、首筋がノーガードだったのです。
落ちててきたのはヒルでした。
この野郎かひとさまの身体に吸いつき、文字どおり血ぶくれするんですよ、憎たらしい。
これがいくつも落下して首筋に吸いつき、さらに背中の下のほうに落ちていきます。
『ウッジョブ』では染谷クンが尻に4、5匹たかられて、ガキ共につけられたあだ名が「ヒル」でしたな。(笑)
無理に取ろうとすると皮膚が破れます。
しかしあれがハブでなくてよかったと思います。
ハブもきっと私を樹の枝から私をじっと観察していたでしょうが、ハブがポットンだったら死んでいました。
そのうち巨大なアブが、こんどは大群で襲ってきました。
あの大きな眼がこわい。刺されると、やんばるの虻は顔が歪むほど腫れ上がります。
蔓に足を取られて転倒し、腐葉土を鼻に詰まらせながら、マチェットを振り回しながら、こけつまろびつ逃げまどいました。
新型 鍛造 山刀(マチェット)・ナイフショップ リバートップ
動転して腰に差してあったマチェットという大きな山刀は、里の売店で手に入れた米軍様払い下げのものでしたが、こいつは重宝して、沖縄にいた間中私のベストフレンドでした。
この山刀でバサバサと切り倒しながら進むのですが、何百mか行って出た空き地が見えた時はうるうるしたもんです。
実はトラックからそう遠くに行ったわけではなく、リングワンデリングと言って、グルグル付近を周回してしまったらしいのです。
馬鹿だねぇ。
で、どうにか出られたのですが、これが私が知るヤンバルの森という魔界です。
そこは人が立ち入ってはならない植物の城。
人の生存を拒否する禁断の地。植物の海。
その怖さを知った上で、「やんばるの森を守る」と言って欲しいものです。
トランプが、「ノーベル平和賞狙い」で米露会談をするようです。
「来週の会談で、ドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナが新たな領土をロシアに明け渡す和平計画について話し合う予定だ。
プーチン大統領は今週初めにモスクワで行われた会談でこの計画をスティーブ・ウィトコフ特使に可決した。
プーチン大統領とウィトコフ氏との話し合いについて説明を受けたチームの一員だったウクライナ大統領府関係者によると、この計画ではキエフは部分的に占領されたウクライナの2つの地域、ドネツクとルハンシクから軍隊を撤退させる予定だという。彼は、デリケートな問題について自由に話すために匿名を条件に話した。
その後、「善意のしるし」として、ロシアはクレムリンが一部の領土を保有するハリコフ州北東部とスムイ州から軍隊を撤退させる予定だ」
(キエフ インデペンデント 2025年8月9日 )
Exclusive: Putin to demand Ukraine cede new territory in 'Alaska peace plan' — US likely to agree, Kyiv to reject
「善意のしるし」ですって、相当に悪いジョークです。
米露でウクライナの頭越しに「領土交換」をしようというのですから、常識を逸脱しています。
しかもそれもプーチンは、ロシアの「善意のしるし」だとまで言う のですから、ハリセンでプーチンのデコを叩きたくなります。
侵略者が侵した他国の領地の交換を条件にする「和平会議」なと、ハナから下心が透けています。
トランプ氏とプーチン氏の関係 理解に必要な情報一覧 - BBCニュース
トランプがプーチンに示した「ウクライナとの停戦に関する包括的な提案」の内容は、どうやらこのようなもののようです。
実はこれはプーチンとウィトコフ特使との間で出たロシア案を、ほぼそのまま踏襲しています。
「プーチン大統領は『ウクライナがドネツク州から軍を撤退させ、ロシアがドネツク州、ルハンシク州、クリミアを完全に掌握するのであれば完全な停戦に同意するだろう』と述べた」「トランプ大統領はプーチン大統領の提案について『画期的ではないものの首脳会談の準備を始めるには十分魅力的だ』と認めた」と報告した」
(ウォールストリートジャーナル8月8日)
同様にこのような報道もあります。
「ウクライナと欧米当局者は8日に行われた電話会議で『ロシアがザポリージャ州とヘルソン州の占領地に対する領有権放棄に同意した』と結論づけたが、ウィトコフ特使は翌日の電話会議で『プーチン大統領はザポリージャ州とヘルソン州に対するロシアの立場を凍結することにのみ同意した』と明言した」。
トランプ大統領も8日「ウクライナとロシアの潜在的な和平合意には領土の一部交換が含まれる」と、9日「アラスカ州でプーチン大統領との会談を15日に行う」と発表、ロシア大統領補佐官も米露首脳会談に向けて準備が進んでいることを認めた」
(Axios8月8日)
つまりウクライナがドネツク、ルハンシクの東部2州から完全撤退し、代わりにサポリージャとヘルソンの占領地を返してやってもいいよ、という「領土交換」のようです。
これは少しウクライナ戦争を知る者にはピンと来るように、甘い罠です。
他国を侵略しておいて「領土交換」もないもんだ、という声もあるでしょうが、とりあえず置きます。
戦争終結には不条理な「大人の判断」もありえます。
「戦場の現実」は和平交渉において容認せざるを得ない場合も多々あるからです。
しかしそれにしても、このトランプの「和平提案」はひど過ぎます。
下図が今年2月現在のウクライナ戦争の現況です。
1097日目、死傷者100万人超 数字で見るウクライナの現状:時事ドットコム
問題の焦点はドネツクです。
下図はやや古い2022年7月のものですが、茶色のドネツク州は西側がまったく占領されていないのがわかるでしょうか。
ウクライナ侵攻 露、ドネツクに攻勢 民間人被害拡大の恐れ | 毎日新聞
そして2025年8月現在に至っても、ドネツクとルハンシクにおいてウクライナ軍は頑強な抵抗を継続しているのがわかります。
航空万能論様が詳細を戦況図をアップされていますので、引用させていただきます。
ロシア、ドンバスの未占領範囲とスームィとハルキウの占領地交換を提案
青い斜線がウクライナ軍と露軍の競合区域です。
ここには何重に渡って頑強な防御ラインが作られ、ロシア軍は大量の兵員の人海戦術で何百回も突撃をしかけましたが、ことごとくはね返されています。
ここは何年かかっても落とせそうにないから寄こせ、というのがプーチンの言い分です。
虫のいいことよ。
代わりにヘルソンは返すが、と言っていますが、誰が信じるもんですか。
唯一信じているのは、プーチンがあまりに言うことを聞かないので焦り狂っているトランプだけです。
その段になれば、なんくせをつけてダラダラ引きのばすに決まっています。
実効支配というのはそれほど強いカードなのです。
トランプは大乗り気で、いや、なんならゼレンスキーも来たらいいとは、涙が出るほどご親切なお言葉ですが、行くわきゃないだろう。
こんな「領土交換」会議なんぞにウクライナが顔を出そうものなら、それはこのトンデモ和平案を呑むのが大前提だからです。
ゼレンスキーは、直ちにヨーロッパと共にこのようなカウンターを繰り出しました。
「アメリカとロシアの両政府がウクライナでの戦争をめぐり15日に米アラスカ州で首脳会談を開くと発表し、交渉にはロシアとウクライナの「領土交換」が関係するとトランプ米大統領が言及したことについて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9日夜、「ウクライナのための和平への道は、ウクライナと一緒に決められなくてはならない」と強調。
トランプ氏が自分に本物の持続的な和平の必要性を伝えたとも明らかにし、自分たちはアメリカの停戦案を支持し続けてきたと述べた。イギリスなど欧州諸国首脳は同日夜、どのような和平交渉にもウクライナの参加が不可欠だと強調する共同声明を出した」
(BBC8月10日)
ウクライナと欧州諸国、和平交渉にウクライナの参加必須と 米ロ会談へ向け - BBCニュース
つまり米露で、ウクライナの頭越しになにを決めようが従わないということです。
残念ですが、ロシアは戦争を止めません。
プーチンは力の信者です。
力の信者は、強制的にその手から武器をもぎ取るしかないのです。
コメントで、ゲルのことはもういいから、辺野古のダンプ事故について書いてほしいというリクエストがありました。
う~ん、私もゲル氏については、ほんとならこの男のことは触れるのもイヤ、顔を見るのもイヤなんですが、なんせ居座り首相閣下なので仕方がないので続けています。
たぶんこういう穴にこもったタヌキは、世論の煙で燻しださないと、穴から出てこないでしょうからね。
お退屈でしょうが、今後も折に触れて続けることになるでしょう。
さて、ご要望の辺野古ダンプ事故です。
ずっとやらねばとは思っていましたが、気が重いままに放置してしまいました。
2024年6月に起きた事故で、ダンプの誘導に当たっていた警備員のかたが巻き込まれて死亡、抗議していた方も足を骨折ささたという痛ましい事故です。
「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に抗議していた70代の女性を制止した男性警備員が昨年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、沖縄県警が重過失致死などの容疑を視野に女性の立件を検討しているという記事が産経ニュースで読まれている。危険性を具体的に予見できたか、必要な措置を講じていれば結果は避けられたかーが捜査の焦点になるとみられている」
(産経2024年8月4日)
「警備員死亡の辺野古ダンプ事故、抗議女性の立件検討」という記事が読まれています - 産経ニュース
この事件について、抗議者であるオール沖縄はこのような声明を出しています。
「オール沖縄会議 稲嶺進共同代表
(ダンプカーの)無理な2台出しが今回の事故につながった。それが非常に大きな誘因である。(事故を)誘因するような(抗議)行動はやっていない。オール沖縄会議は「事故の責任は移設工事を強行する政府にある」とし、女性を容疑者とする捜査は不当だと主張しました」
安和死傷事故 オール沖縄会議が警察捜査を批判 |FNNプライムオンライン
また、重過失致死に問われている「フェニックス」女史は、自身を助けようとして死んだ警備員に対して謝罪のひとこともなく、「骨は折れても心は折れない。基地断念まで小さな力を結集させたい」と言っているそうです。
やれやれ、あんたを助けようとして人ひとりが死んでいるんですが。
心が折れないもなにも、その心があるのでしょうか。
地元紙は彼女を讃えて英雄視しました。
「骨は折れても心は折れない」女性の言葉から勇気 辺野古抗議の市民ら、安和事故で被害の女性へ寄せ書き<国策と闘う> - 琉球新報デジタル
この事件でとうとう犠牲者を出してしまったわけですが、こんなことは起こるべくして起きた事件です。
抗議者は左折して入り口に入ろうとしたダンプの右側車道という最も視認しにくい位置に飛び出しており、それを止めようとして宇佐美氏という警備員が殉職されました。ご冥福をお祈りします。
当時の映像も残されてていて、抗議者が危険行為をしていたことに対して異論の余地はありません。
「警備員死亡の辺野古ダンプ事故、抗議女性の立件検討」という記事が読まれています - 産経ニュース
基地反対派は産経の取材に対して、「(牛歩による抗議活動は)危険な行為ではないという認識」「現場では、牛歩で抗議者が道路を横断し終わると、警備員がダンプカーに合図を送り、1台だけ出すという『暗黙のルール』があった」「その『暗黙のルール』に従わず、安全確認もされないうちに2台続けてダンプカーが発進することもあった」と語っています。
つまり2台続けて出したから事故が起きたと言いたいようです。
唖然とするロジックですが、この「暗黙のルール」を一方的に破り、工期を早めようとして2台続けて出した「警備員の合図に問題があったのは明らか」なんだそうです。
では、工期を早めようとしたのは誰かといえば国でしょうから、この事故は「国の無謀な策謀が招いた死亡事故」ということになるようです。
だから「フェニックス」女史は英雄視されるわけですが、なんともすさまじいまでの倒錯。責任転嫁。
反論する気にもなりませんが゛1台出そうと2台出そうと道路に飛び出してダンプを止めようとするような過激な抗議活動をしなければよいだけです。
運動うんぬんではなく、社会常識の範疇の話でダンプの前に飛び出せば死ぬ危険性があるのです。そんなこともわからないのか。
これには県警の手ぬるい警備が手を貸しているという側面があります。
「事故の背景に、女性も参加していた「牛歩」による抗議活動がある。ダンプカーの前をゆっくりと横断することで土砂の搬入を遅らせようとするもので、座り込んだり、寝転んだりといった道路における禁止行為には該当しないため、「法令に基づく取り締まりは難しい」(捜査関係者)とされる」
(産経前掲)
県警が手をこまねいているために、同じような事件が翌年にも起きています。
つまりこの事件はなにも教訓化されずに、「フェニックス」氏が悲劇のヒロイン扱いされただけだったというわけです。
なんなのでしょうか、この県警と「市民団体」のなぁなぁぶりは。
県警は県議会でも島袋大県議から、「必ず同じようなことが起こると、県議会で警告していた」と県の安全対策を厳しく糾されていたにも関わらず、です。
癒着までは言いませんが、そんなに目の上のデニー氏が怖いのですか。
ところで、このような「平和運動」の過激な危険行為は沖縄では日常茶飯事で、特に珍しいことではありませんでした。
車の下に多数がもぐりこむのは常識。車で県道を封鎖することも朝飯前でした。
下写真は、当時の高江における反対運動をを撮った写真です。
当時過激化した反対運動が高江地区を実力で「実効支配」していました。
「実効支配」はただの比喩ではなく、高江集落の生命線を反対派が握ってしまったからです。
出典不明
高江集落に続く県道はことごとく封鎖されました。
これは反対派が車両をこのような形で乗り捨てたからです。
出典不明
外部にアクセスルートをすべて封鎖された高江集落は抗議を出すしか道はありませんでした。
生活物資は来ない、畑に行くこともなきない、学校にも行けないのですから。
さすがに反対派の応援団である沖タイも、見かねてこのような記事を載せています。
「高江の農家、ヘリパッド抗議に苦情 県道混乱で生活にも支障
2016年9月8日 ステッカーを使った対策は5日から始まった。区は村を通じ県警に通知。市民側にも伝えているが、仲嶺久美子区長は「農家から効果があったとの報告はない。周知が必要」と言う。
県道70号では8月から、市民が「牛歩作戦」として、工事車両の前を時速10キロ未満の速度で走る抗議行動を展開。
機動隊の交通規制もあって県道は渋滞し、出荷や作付けする農家を中心に地元住民の往来に支障が出ていた。
高江区の農家の男性(75)はカボチャの植え付けに向かう途中で渋滞に巻き込まれ、本来10分で到着するはずの畑に1時間以上を要した。
「作付け期間は限られている。このままでは1年間の収入に響く」と嘆く。「決してヘリパッドに賛成ではない。ただ、彼らのやっていることはわれわれの生活の破壊。もう爆発寸前だ」と憤慨する。当初の機動隊への怒りの矛先は市民側に変わりつつある。
ヘリパッド建設予定地に近い国頭村の安波小学校では5日、「牛歩作戦」の影響で教員1人が授業に間に合わず、学校側は授業を急きょ変更した。
宮城尚志校長は「反対運動を否定しないが、もっと別にやり方はないのかと思う」と首をかしげる」
(沖縄タイムス2016年9月8日)
高江の農家、ヘリパッド抗議に苦情 県道混乱で生活にも支障 | 沖縄タイムス+プラス
当時私はシリーズで何本もの記事をアップしていますので、よろしかったらご覧ください。
高江で進む反対派の「ムラ殺し」: 農と島のありんくりん
このような基地反対派の行動は止まる所を知らず、とうとう反対運動のリーダーだった山城氏の暴行事件にまで発展しました。
山城事件は、反対派が無断で設置したテントに、防衛局職員が張り紙を貼ろうとしたことに対して起きた2017年7月の暴行事件です。
山城事件と依田事件を同列にしてはならない: 農と島のありんくりん
山城事件の逐一は動画に記録されていて、山城氏が多数を頼んで政府職員を集団ではがい締めにし、眼鏡や帽子を奪い、突き飛ばし拉致し、謝罪を強要したのかが明らかになっています。
動画では、黒いシャツの男は眼鏡の職員の帽子をはぎ取り、複数で肩を押さえ込んで連れ去ろうとしています。

ファクト
暴行罪の「暴行」とは、人の身体に向けた有形力の行使を言いますから、上の時点で既に暴行罪は成立しています。
そして謝罪を強要しています。

ファクト
あげくは山城氏はこう吠えています。

この事件の時も県警はすぐそばにいましたが、制止することはおろか見て見ぬふりをしています。
山城氏はこの事件も含めて、2016年に複数の事件で裁判にかけられました。
「2018年3月14日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)から懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡された。辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前にコンクリートブロックを積み上げて工事資材の搬入を阻んだ威力業務妨害や、沖縄防衛局職員の腕をつかんで約2週間のけがを負わせた公務執行妨害と傷害、有刺鉄線を許可なく切断した器物損壊など全ての罪で有罪とされた。柴田裁判長は「工事に反対、抗議するという表現活動の面もあるが、実力行使をしており表現の自由の範囲を逸脱している」と述べた」
山城博治 - Wikipedia
このように沖縄の反基地運動では違法行為が常態化していたのです。
慢性化しているこのような状態を、「骨は折れても心は折れない、と言う女性の言葉に勇気づけられた」などという言葉で覆い隠してはならないはずです。
まだ懲りないのか、いいかげんにしろ、反対するのは自由だが法と社会秩序の範囲内で行え、と思います。
まぁ、この人たちになにをいっても聞かないでしょうが。
とまれ、常軌を逸した過激な基地反対運動とそれを英雄視する地元メディア、県知事に忖度して本来の職務を忘れた県警、このような三位一体の図がとうとう犠牲者まで出すに至ったのが、このダンプ事故でした。
夏休みを終えて再開するとします。
せっかく休みを短めに切り上げたのに、それはそれはシラける両院議員総会でした。
「自民党は8日、参院選大敗の総括と今後の党運営を議題とした両院議員総会を党本部で開き、出席議員から石破茂首相(党総裁)の早期退陣や総裁選の前倒し実施を求める意見が相次いだ。これを受け、総裁選挙管理委員会(委員長・逢沢一郎氏)に対応を一任し、党則に従い総裁選を前倒しで実施するかどうかを検討することを決めた」
(産経8月8日)
【動画】自民、総裁選前倒し検討へ 両院総会で石破首相の早期退陣要求相次ぐ 8月末以降に決定 - 産経ニュース
わ、ははナニこれ。やると決めたんじゃなくて「やるかどうかを選管が決定する」のを決めたんですとさ。
たぶんやんないね。
ゲル氏は党則を盾にとっています。
「首相は総会後、総裁選の前倒しについて「党則にのっとって、きちんと運営するということに尽きる」と官邸で記者団に述べた。森山裕幹事長は総裁選管の対応は「議決ではない」と記者団に説明した」
(産経前掲)
まぁ、深夜12時近くまでやっている高校野球のようなもんですね。
自民学園のピッチャーはもう3回もノックアウトされているのにマウンドを降りる気配すらない、代わるのだけは絶対イヤという鋼鉄の心臓。
たぶん曜日がかわっても続投するようです。
スタンドはどっちらけてガラガラ。
自民学園応援団席はもうほとんど空っぽ。
ナインもやる気ナッシング。ひとり対戦チームの立憲学園と復活したアベノセイダース、そしてメディアだけがエールを送っているという奇妙な風景です。
ゲル投手はガラガラの観客席を自慢げにアップしております。
いやゲル投手は国民の支持を集めている投手なんだよ、というのがメディアの声で、こんな矛盾した世論調査も平気で流しています。
「石破内閣の支持率が前月の調査から4.0ポイント上昇し、36.8%だったことが最新のJNNの世論調査でわかりました。不支持率は前月の調査から3.1ポイント下落し、60.5%でした。
また政党支持率では▼自民党の支持が前月の調査から0.4ポイント下落し、20.4%、▼立憲民主党は0.6ポイント上昇し、6.9%、▼日本維新の会は1.4ポイント下落し、2.7%、▼国民民主党は2.8ポイント上昇し、8.7%、▼参政党は4.0ポイント上昇し、10.2%でした」
(TBS8月3日)
【速報】石破内閣の支持率36.8% 前月調査より4.0ポイント上昇 JNN世論調査 | TBS NEWS DIG (1ページ)
おいおいこの記事に「石破内閣の支持率36.8% 前月調査より4.0ポイント上昇」なんて見出しつけるなよ、こういうのを印象操作っていうんだよ。
いいですか、内閣支持率が上がって、その母体である自民党が下がり、国民民主と参政が上がったったってことは、自民支持じゃないのが石破内閣を応援しているってことです。
彼らはむしろ自民の自滅を心待ちにしているんでしょうが、そういう人らがゲル内閣の支持率を押し上げているのです。
いくらでも自主的にマウンドを降りる「花道」はあったんですよ。
昨年秋の衆院選で敗北した時が最初の辞める決断の時、続いて国政選挙並に大きな先だって6月の都議選で敗北。
極めつけは、先月の参院選で敗北して、衆参共に過半数割れを招いたのに辞任しない。
いやーすごい。(脱力)
ゲル氏は「使命だ」なんて言っていますから、「辞めないことが使命」なんでしょうね。
ゲル氏は経験なクリスチャンという外来宗教の信徒であらせられますから、神道イストの愚民どものように負けるとすぐに禊ぎだなんて言い出しません。
キリスト教でいう「使命」とは、一般的に理解されるそれではなくmissionのことです。
キリスト教では、神が与えた「特別な目的達成のためになすべき事柄」のことです。
ですから、使命と試練は一体のものです。
神が与えた試練を放り出してなるものか、といっそう使命感を燃え立たせるからコワイ。
だから辞めない、だってこの大敗街道は「神の与えた使命」なんだから絶対に辞めてなるものか、神よ照覧あれというわけです。
ああ、迷惑。
したがってダラダラゲルゲルと石破政権は続きます。政権末期といわれながらも平気のへいざか
たぶん諸外国からは、レームダックというのも褒めすぎの政権と見下されいますから、どーなることやら。
どこまでも、どこまでも、次の衆院選まで行っちゃおうかな、と意気軒昂のご様子です。
おもえば、この人の歴史的「使命」とは、自民党を棺桶に入れることなのかもしれませんからね。
毎日の酷暑で炙られるわれらが愚民にとって、石破先生のお示しになる日々の行動と言葉は、まさに干天の慈雨です。
くだらない注釈不要。先生の深い志を理解せずに騒ぐヤカバラよ、黙して読め。
まずは2007年、参院選で与党過半数を守れなかった当時の安倍総理を厳しく糾弾し退陣を迫って、こう追及しました。
「やはり責任は総理にある。私の使命だと何度も言っていたけれども、民主主義国家における指導者というのは、主権者たる国民が『あなたやりなさい』ということがあって、初めて使命を果たすことになる。国民は『あなたにやってもらいたいとは思いません』と言ったのではないか」
なるほどこれで決まり。
続いて2011年、民主党政権、参院選で大敗した菅直人総理 に対して
「石破おろし」がハネムーン期間ゼロで始まる?自民党保守派が狙う「新政権のアキレス腱」とは | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン
「参議院選挙の意義は何だったか。参議院は政権選択の選挙ではない。そのことはよく承知しています。しかしながら菅民主党政権の是非を主権者たる国民に問うた。それが参議院選挙の意義だった。間違いない」
(2011年7月衆院予算委)
そして畳みかけるように見苦しく逃げを打つ菅総理に
「この選挙の県民の選択は菅民主党政権、これを正せということが選挙の結果だった。選挙を舐ないでください。国民の選択なんです。主権者たる国民の選択なんです」「総理あなたは石にかじりついても辞めないとおっしゃったそうですね。支持率にはマイナスがないとおっしゃったそうですね。お辞めになる気なんかないでしょう」
(予算委前掲)
民主党内からも菅氏辞任の声が出ていることに対しても我が意を得たりとばかりに
「こういう政権が実にけしからんということが民主党の中から出ている。これ自体異常なこと。いかなることがあっても政権を支える。これが与党の仕事。どんなことがあっても支えなければいけないにも関わらず、政権内部から、与党もそう、閣僚もそう。そういうのが出ること自体極めて異様なこと。異常なこと」
(予算委前掲)
決めがすごい。
東京新聞
「言っても無駄なことはよくわかりました。内閣はあなたの私物ではありません。当たり前のことです。あなたの自己満足のために内閣があるわけではありません。あなたが責任を果たしたいという思いはよくわかりました。総理の責任感もよくわかりました。私は政治は結果責任だと思っている。自分はこう思っているとか、そういうつもりだとか、それは国民がどう見るか。国民がそれをどう思っているか。政治は結果責任というのはそういうこと」
(予算委前掲)
そして自らにはこの厳しくも清々しいお言葉。
「独りよがりになってはいけないけれど、本当のことを言う勇気と、それをわかってもらえる真心を持つべきだ。なかなか難しいけれど、私自身は政治家として、常にそうありたい」
(石破茂『私はこう考える』)
先生の政治家としての信条は
「政治家の仕事は、勇気と真心をもって真実を語ることだ」
もはやなにもつけ加える言葉はありません。
石破茂とは、美しすぎるが故、理解されない悲劇の政治家なのでしょうか。
石破氏はいまでも教会に通う信仰篤きクリスチャンですから、最後にこう石破師は述べられるのでしょうか。
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」
(ルカ23:33〜34)
嗚呼。
気持ち悪い記事を書いたら調子が狂いました。(泣)
明日から今週金曜まで夏休みを頂戴します。再開は9日(土)です。
英仏加が一斉にパレスチナ国家を承認しました。
「カナダのマーク・カーニー首相は水曜日、ガザ戦争をめぐる国際的批判がますます激化するイスラエルにとって新たな外交的打撃となるカナダは9月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると述べた。
同氏は、この動きは2026年の選挙、汚職防止措置、非武装化パレスチナ国家など、切望されている改革に対するパレスチナ自治政府のコミットメントに基づいていると述べた。カーニー氏は、「その任務の規模を軽視するような形や形は決してない」と強調した。
首相は「短期的には明らかにそれは不可能だ」と述べ、カナダは「二国家解決の可能性を維持する」ための他の国の取り組みに加わったと付け加えた。
「民主的で存続可能な国家が設立される前に、多くのことが起こらなければなりません」と彼は付け加えた」
(タイムス・オブ・イスラエル2025年 7月 31日 )
フランス、英国に続き、カナダは9月にパレスチナ国家を承認すると発表 |タイムズ・オブ・イスラエル
それに先だって7月25日、その先陣を切ったフランスのマクロンはXに投稿し、このようにパレスチナ国家承認の目的を述べています。
仏・マクロン大統領 パレスチナを国家として承認へ G7で初めて(2025年7月25日掲載)|日テレNEWS NNN
「今の緊急性は、ガザでの戦争を終わらせ、民間人を救出することです。平和は可能です。 即時停戦、すべての人質の解放、ガザの人々への大規模な人道支援が行われなければならない。
また、ガザの安全と再建のために、ハマスの非武装化を保証することも必要である。
最後に、私たちはパレスチナ国家を建設し、その存続可能性を確保し、その非武装化を受け入れ、イスラエルを完全に承認することによって、パレスチナ国家が中東のすべての人の安全に参加できるようにしなければならない。代替案はない」
XユーザーのEmmanuel Macronさん
つまりこの3カ国のパレスチナ国家承認の目的は、このように要約できるでしょう。
①ガザ戦争の終結と平和の実現。
②停戦の実現と人質の解放。
③ガザの再建。
④ハマスの非武装化。
いままでG7はパレスチナ国家を承認してきませんでした。
それは10.7のハマスのテロに対して、これらの国が一斉にハマスを批判し、イスラエルの自衛権を認めたことでも明らかです。
しかしガザ戦争が深みにはまり、住民の大規模な被害が明らかになるに応じて、彼らのイスラエル支持は大きく揺らいでいきました。
そしてこのパレスチナ国家承認となるわけですが、果たしてこれで上記の目的は達せられるでしょうか。
おそらくは不可能です。
カナダのカーニー首相が触れているように、「2026年の選挙、汚職防止措置、非武装化パレスチナ国家など、切望されている改革に対するパレスチナ自治政府のコミットメント」がとうてい実現するとは思えないからです。
カーニーが言うように、パレスチナ自治政府の汚職の度合いは深刻で、世界から送られてくる支援資金はアッバスが私物化していることは有名な事実です。
自治政府とは名ばかりで、選挙さえ実施されてきませんでした。
したがって、パレスナ住民のアッパスへの不信感は根深く、ほとんど支持を失っている始末です。
「これと同時にパレスチナでもリーダーへの不満が先鋭化している。パレスチナのシンクタンクPCPSRの最新の世論調査では、ヨルダン川西岸とガザ地区で合わせて84%の回答者が、自治政府を率いるアッバス議長について「辞任すべきだ」と回答した。
歴史的な大失態を許し、国民の8割が辞任すべきだと考えているネタニヤフと同じか、それよりも高い水準だ」
(曽我太一 ニューズウィーク2024年5月14日)
ネタニヤフと並ぶ「もう1人のリーダー」...混迷パレスチナのアッバス議長に市民が求めるものとは|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
自治政府の汚職もさることながら、ここで3カ国が期待している選挙ができるかどうかが鍵となるはずです。
実はいままでも21年1月に16年ぶりとなる議長選挙が実施できるチャンスがありましたか。
しかし予想どおりお流れとなって、以降は選挙は行われていません。
その理由はいくつかあります。
最大の理由は、アッバスが富の源泉である自治政府という金のなる木を手放したくないということがあります。
アッバスは、世界から送られてくる支援金をほとんど自分の懐にねじ込んできました。
ですから、自治政府がほとんど住民サービスをなにもしていない看板だけのものになろうと、自治政府の支配権がヨルダン川西岸の一部に限定される狭いものだろうと、代表の椅子を失いたくなかったというのがほんとうのところです。
ガザ戦争まで実際の支配者であったハマスにとっても、自治政府は都合のいい隠れ蓑でした。
彼らはその組織力を使って、本来自治政府がすべきことを代行してきました。
ハマスがむき出しで存在するより、よほどスマートだったからです。
たとえば、ガザ保健省とはハマスのことであることは誰しも知っていても、言わない約束だろうというわけです。
つまりハマスとアッバスは持ちつもたれずの仲でうまくやってこられたのです。
選挙さえしなければ。
そしてその選挙も現実にできるかといえば限りなくノーです。
もうひとりのガザの主役であるイスラエルの思惑が絡んでくるからです。
「もちろんパレスチナの選挙は一筋縄ではいかない。イスラエルでは容易に行われる選挙も、パレスチナ自身の一存では決められない。占領下にあり、パレスチナが将来の国家の首都とする東エルサレムの扱いは極めてセンシティブだ。
公に選挙を認めれば、東エルサレムに対するパレスチナの政治的な権利を認めかねず、イスラエルは納得しない。かといって、東エルサレムで実施しなければ、イスラエルの支配をパレスチナが認めることになる」
(NW前掲)
東エルサレムという係争地で選挙を実施せねば自治政府の選挙とならず、ここを自国領土とするイスラエルが頑として認めない以上、選挙は不可能です。
ですから、選挙ができない以上、これら3カ国の自治政府承認構想は絵に書いた餅となる運命にあります。
そもそもカーニーが言う、「ハマスを排除した自治政府」などどうやったら作れるのか、ハマスが人質を解放するにはどうしたらいいのか,皆目見当がつきません。
それには一定の強制力が必要でしょうが、それをどこからもってくるのか示さなければ、机上の空論です。
かつて1993年、クリントン政権はノルウェイの仲介の下にパレスチナ自治政府を目指すPLOとイスラエルとの和平を実現したことがありました。
いわゆる「オスロ合意」です。
夢が一瞬叶ったかに思えた時期でしたが、あえなく崩壊して久しく、しかも10.7という残虐なテロとガザ戦争を経てしまった現在、その再現は限りなくゼロです。
80年談話をやりたいと意気込んでいる石破氏の歴史認識は、まるでピンクの中坊レベルです。
「わが国が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にあり、それが今日さまざまな形で表面化しているように思われます」
首相は平成31年8月23日付のブログで、日韓関係についてこう指摘した。「徴用工」訴訟などを巡って関係が冷え込む中、韓国は同22日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を一方的に破棄した」
(産経7月31日)
「戦争責任向き合ってない」「被害者は忘れない」戦後80年見解意欲、石破首相の過去発言 - 産経ニュース
凡庸なリベラル左翼の薄っぺらい言説とまったく同質で、おいおい、たまには自分のアタマで考えろよと言いたくなります。
いわく、「被害者は歴史を忘れない」、「戦争責任と向き合う」・・・、何万回、戦後この手の手垢がつききった言葉を聞かされてきたことか。
そしてこういうロジックを得々と語る人の多くがそうであるように、戦後ドイツを「正しき模範」として取り上げます。
「首相はブログで「(ナチス・ドイツの戦争犯罪を裁いた)ニュルンベルク裁判とは別に戦争責任を自らの手で明らかにしたドイツとの違いは認識しなくてはならない」とも指摘。同30日付のブログでは、極東国際軍事裁判(東京裁判)を挙げて「戦争の総括を米国を中心とする連合国の手に委ね、自国で行わなかったことの代償は大きい」と重ねて強調した」
(産経前掲)
この人は本当に戦後ドイツがどのようにして「戦争」の恩讐を乗り越えたのか、知っているのでしょうか。
たぶんなにも知らない。
ドイツは戦後ヨーロッパ社会で生存するために、ナチスドイツをすべて悪と決めつけて、戦後ドイツ人から切り離しました。
戦後補償について書かれた本のすべてに登場するのが、この余りに有名な1985年5月のドイツ連邦議会におけるヴァイツゼッカー大統領の一説です。
やや長文ですが、引用します。
「我々は、戦いと暴力支配とのなかで斃れた人々を悲しみのうちに思い浮かべる。ことに強制収容所で命を奪われた六百万のユダヤ人・・・ソ連・ポーランドの無数の死者・・・命を失った同胞・・・虐殺された・・・シンティ・ロマ(ジプシー)、精神病者・・・銃殺された人質・・・ドイツに占領されたすべての国の抵抗運動の犠牲者を。
罪の有無、老幼いずれを問わず、我々全員が過去を引き受けねばならない。全員が過去からの帰結に関わりあっており、過去に対する責任を負わされているのである。
過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも盲目となる。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険にも陥りやすいのだ。
若い人たちにかつて起こったことの責任はないが、その後の歴史の中でそうした出来事から生じてきたことに対しては責任がある。若い人たちにお願いしたい。他の人々に対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないように。敵対するのではなく、たがいに手を取り合って生きていくことを学んでほしい」
(永井清彦訳)
もはや神話的な演説で、その文学的修辞の格調の高さに世界が感動の涙を流しました。
この有名な部分は、実は長い演説のごく一部なのですが、ここだけかピックアップされて取り上げられています。
この部分は繰り返し各国のメディアによって流されて、「ドイツ人は過去のホロコーストと侵略の歴史を直視し、若き世代もまたそれを背負って生きていく。それがドイツ人が犯した大罪の償いなのだ」と、国際社会は受け取りました。
そしてドイツ人みずからも自己欺瞞に陥り、「ドイツは反省したが、日本は反省していない」といい始めました。
それを検証することなく鵜呑みにし、受け売りしたのが日本のメディアと戦後知識人でした。
上の写真は1970年12月7日、ヴィリー・ブラント西ドイツ首相(社会民主党=SPD)が、ワルシャワを訪れた際に、ゲットー英雄記念碑に献花し、ひざまずいて黙祷を捧げた時のものです。
このひざまずく黙祷のポーズは、後のヴァイツゼッカー演説と並んで強烈な<反省>プロパガンダを発しました。
日本の左翼メディアやリベラル知識人が総なめにされただけではなく、中韓はこれこそが正しい歴史認識だ、ドイツに学べと絶叫したことを覚えています。
しかし違うのです。
ブラントは、ユダヤ人のホロコーストにのみ戦後謝罪したのであって、彼らが世界を巻き込んだ侵略については別なのです。
いいでしょうか、ユダヤ人は当初は「ユダヤ系ドイツ人」虐殺という国内犯罪でした。
やがてそれが占領地域全体に拡がっていくことになりますが、これはある意味で国家が自国民に犯した国家犯罪であって、戦争とは無関係です。
ドイツは「ユダヤ系ドイツ人」虐殺については反省し、歴史を直視するが、自分たちドイツ人も同じようにナチスの被害者なのだと言いたいのです。
ヴァイツゼッカーは、いやドイツ人はというべきでしょうが、謝罪などしていないのです。
たとえばヴァイツゼッカーは、単純な第2次世界大戦への謝罪を述べたのではなく、巧妙にドイツ民族、あるいは国民一般もまた、ナチスの被害者だったのだと言っています。この部分です。
「しかし日一日とすぎていくにつれ、5月8日(※ドイツ降伏の日)が解放の日であることがはっきりしてきました。(略)ナチズムの暴力支配という人間蔑視の体制からわれわれ全員が解放されたのであります」
※阿部賢一氏よるhttp://www.tulip.sannet.ne.jp/ken-abe/rondan-2014-07.html
ドイツ国民は負けたのではなく、「解放」されたのだと、言っています。
ヨーロッパ全域に対する侵略行為、そしてユダヤ民族絶滅もまた実行犯はナチスであって、それは極少数派だったのだと言っています。
ホロコーストも、大部分の国民はそれを知らなかったし、ましてやそのとき生れてもいない若者には責任をとりようがないのだ、と言っています。原文はここです。
このどこが「ドイツ人は皆、歴史を直視し反省している」のか、お聞きしたいものです。
「ユダヤ人という人種をことごとく抹殺する、というのは歴史に前例を見ません。この犯罪に手を下したのは少数です」
「一民族に罪がある、もしくは、無実である、というようなことはありません。罪といい無実といい、集団的ではなく個人的なものであります。今日の人口の大部分はあの当時子どもだったか、まったく生れていもしませんでした。この人たちは自らが手を下してはいない行為について自らの罪を告白することはできません」
このようなレトリックを駆使し、ドイツは戦争責任から逃れ続けました。
しかし彼らは連合軍からも虐殺を受けていたのです。
そのひとつがドレスデン爆撃でした。
まず、1945年2月13日から14日の夜、ドイツ・ドレスデンでなにがあったのか、知る必要があります。
ドレスデンはドイツ東部のエルベ川沿いの美しい芸術都市でした。
街にはなんの軍事目標もなく、軍事的に攻撃する価値はなにひとつない無防備都市でした。

当時この街には怒濤のように押し寄せるソ連軍から、追いかけられるようにして大量の難民が逃げ込んでいました。
この難民ひしめく街に英米の連合軍は実に1067機もの爆撃機を投入し、3波に渡って7049tもの爆弾・焼夷弾を投下します。
旧東ドイツ・ドレスデン市の公表した数字で、3万5000人の市民が一夜で殺戮されました。
http://www.kmine.sakura.ne.jp/kusyu/kuusyu.html
一方日本が受けた最大規模の夜間無差別爆撃による被害数は、1945年3月10日夜の東京大空襲による死者8万3793人(警視庁発表)でした。
行方不明者をいれれば、東京大空襲の死者は10万人以上に登るとされています。
元国防長官・ロバート・マクナマラは、『戦争の霧—ロバート・マクナマラの人生からの11の教訓—』のなかでこう述べています。
マクナマラは戦争末期に軍で働き、グアム島のルメイ司令部で、日本の67都市の夜間爆撃計画を練っていた経験があります。
「もし戦争に負けていたら、ルメイ将軍も私も戦争犯罪者だった。これだけの都市の人口の50%から90%を焼夷弾爆撃で殺傷したうえで、原爆を投下したのは余計なことでもあった。」
ルメイ自身、戦後こう述べています。
「もしわれわれが負けていたら、私は戦争犯罪人として裁かれていただろう。幸いなことに私は勝者のほうに属していた。」
ルメイとマクナマラが告白するように、なんの誇張でも政治的プロパガンダでもなく、これは正確に「ドレスデン大虐殺」、あるいは「東京大虐殺」と称されるべき出来事でした。
しかし、そうは呼ばれることなく、ただ「空襲」という無機的な言葉で歴史年表には記されています。
原爆による大量虐殺でさえ原爆「投下」という表現を使ってしまう、それが敗戦国の性なのです。
なぜでしょうか。理由は単純です。ドイツと日本は敗戦国で戦勝国の機嫌を伺って戦後を生きたからです。
石破氏は、「ドイツは自らを裁いたが、日本はしなかった」などと言っていますが、なにを言っているのか、この人は。
このニュールンベルク裁判と東京裁判は勝者による敗者への報復裁判です。
それは勝者が犯した戦争犯罪は不問に付されいるのを見ればわかりそうなものです。
ドイツと日本は戦争を起こし、残虐行為を働いたが故に、「神の懲罰」を受けたからだ、連合国は解釈しました。
この二国には抗弁を一切許さない、自国が受けた戦争犯罪の異議申し立てすらも許さない、永遠に人道に背いた十字架を背負い続けて生きよ、ということです。
この敗戦2国に一切の弁明を許さないという考えが、弁明に対して貼ったレッテルである「歴史修正主義」です。
安倍氏は長きに渡って欧米からそう呼ばれてきました。
しかしドイツ人は諦めませんでした。
1995年2月13日、ドイツ統一後2代目大統領・ローマン・ヘルツォークのドレスデン追悼式典での演説を抜粋します。
「50年前、わずか数時間でドレスデン市は完全に破壊されました。数万の命が戦火の中で失われ、ヨーロッパ文化のかけがえのない貴重なものが、二度と甦ることなく失われました。それには人間の魂も含まれます。
(私たちドイツ人は)ここにお集まりの方々には、告発や後悔、自責を求めないでしょう。ナチス国家におけるドイツ人の悪行を、その他の出来事によって相殺しようとはしないでしょう。
もしそれが目的だったら、ドレスデン住民はイギリス、アメリカの客人たちを、いま経験しているようには温かく迎えることはしなかったでしょう。
まず死者に対する哀悼を捧げたいと思います。
それは文明の起源にまでさかのぼる人間感情の表現です。歴史全体を理解しないかぎり、人は歴史を克服できないし、安寧も和解も得ることはできません。
そして我々は我々の弔意を、我々ドイツ人が他の国民に対して行った犯罪行為を自国の戦争犠牲者、追放の犠牲者によって相殺しようとしている、と主張する人に対してはそれが誰であるにせよ抗議します。
生命は生命で相殺はできません。苦痛を苦痛で、死の恐怖を死の恐怖で、追放を追放で、戦慄を戦慄で、相殺することはできません。人間的な悲しみを相殺することはできないのです。」
(太字引用者)
もし私がこの式典に参列することを許されたのなら、静かに立って拍手します。
このドレスデン追悼式典に呼ばれたのはドイツ人だけではありませんでした。
イギリス女王名代・ケント公、米国統合参謀本部議長・ジョン・ジャリカシュビリ、英国・ナウマン・インジ国防幕僚長という制服組トップ、駐独・英米大使が招待されています。
なぜ彼らが招待されのか、それはいうまでもなく、ドレスデン空襲の実行者が英米軍だったからです。
この式典においてヘルツォークは、当時の日本人が聞いたら驚くほど踏みこんだことを言っています。私が抜粋で太字で強調したフレーズをもう一度読んで下さい。
ヘルツォークはこう論理構築しています。
最初の段落です。
「まず死者に対する哀悼を捧げたいと思います。それは文明の起源にまでさかのぼる人間感情の表現です。」
ヘルツォークは人間の根源的感情である死者への「哀悼」を論理の礎に置きます。
その上に立って、死者に戦勝国も敗戦国もなく、敗戦国が死者を追悼することは戦争犯罪を相殺することではないとしています。
「我々ドイツ人が他の国民に対して行った犯罪行為を自国の戦争犠牲者、追放の犠牲者によって相殺しようとしている、と主張する人に対してはそれが誰であるにせよ抗議する」
この部分は前任者の初代統一ドイツ大統領・リヒャルト・ワイツゼッカーがした1985年の有名な「荒野の40年」演説を踏まえています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-d286.html
ヘルツォークはドイツ民族が巨大なナチス犯罪が故に、自国の犠牲者を弔ってはならないのか、これは連合国がよくいう「相殺主義」なのかと問うています。
そして後段でこう畳みかけます。
「生命は生命で相殺はできない」「死者の相殺はできない」
ストレート直球です。なんの飾りもない肺腑をえぐる言葉です。これが後に「ドレスデン和解」と言われる神髄の部分です。
戦争責任を追求し合えば永遠に恨みは残ります。
確かに敗戦処理により法的・実務的には決着がついていても、残された者たちの心の中にはやるせない怒り、持っていきようがない悲しさが残り続けます。
この怒り、恨みの感情をいったん脇に置いて、勝者と敗者、加害者と被害者の立場を超えて死者のために共に祈ることにより、この哀しみを共有しよう。
そしてそれを和解の礎にしようと呼びかけています。
これを期にドレスデン和解は、戦争に対する共通の姿勢として認識されるに至ったのです。
石破氏よ、少しは歴史を勉強しなさい。
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